いつか帰ってくるよと君は泣いた

カシューナッツ

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いつもの君に恋してる《白亜編》

好きだったよ、琥太郎《24》

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「琥太郎、琥太郎」

近くにいないと、盗られちゃう。
手を繋いでいないと、遠くへいっちゃう。
抱きあってないと、消えちゃう。



怖いよ。
怖いんだよ。
琥太郎!


「最近、白亜激しいな。どうした?」
「だって、この前、琥太郎が浮気したんだと思ったんだもん。僕は、いらないんだって」




整わない息の中、農作業をする父と母に隠れてする、アレの反省会。



「あのさ、訊いていい?」
「僕以外の人と、キスか、ア、ア、アレしたことある?」



『ないよ、白亜。白亜以外、見えない』

何て頭の声に会わせて、 

「ああ、あるな。キスは。唯彦に、生徒会室で。『好きっ!』て首に腕回されて爪先立ちされて。ちょっと白亜に、似てるんだよな。健気で可愛くて」





普段だったら怒ってる。『琥太郎のバーカバーカ!』って言ってる。でも、言えない。あの二人で屋上に来た瞬間を思い出す。

僕には自信がない。成績が特進クラスでトップクラス、ちょっと中性的な見た目。





僕は、声のトーンを落として、


「ふーん、そうなんだ」


キス、したんだ。
生徒会室で。
二人きりで。ムードあっていいね。

僕達は殺風景な僕の部屋、あるのはアップライトのピアノくらい。それと君がくれたショパンのアルバムくらい。


琥太郎が誰かに口唇を許すのは僕だけだと思ってた。

違うんだ………違ったんだね。

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