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いつもの君に恋してる《白亜編》
顔も見たくない!《21》
しおりを挟む「お邪魔みたいですね~ねぇ、琥太郎先輩っ!」
魅力的な小悪魔みたいに可愛い、唯彦くん。睫毛なんか大きな目に邪魔なくらい長くて、パーフェクト・クラッシャーの異名はあながち間違いではなさそうだ。
「邪魔してんのはそっちだろ。人の幸せ壊して楽しいか!完璧アゲハチョウに化けたドクガだな」
僕は屋上の悲しいピクニックを片付ける。
「もう、琥太郎には何も期待しない。別れよう?まずまあ、よく二人揃ってここに来れたよね!じゃあね。顔も見たくないっ!」
走る。走る。屋上の冬の風を、ピクニックの名残が、からんころんと言う。
「白亜!何言ってんだ?別れるって、おい!俺は嫌だぞ!」
追いかけてきてくれるかもしれない。終わりじゃないかもしれない。
まだ望みを捨てるのは早いかもしれない。
真ちゃんと、屋上から三階校舎への階段の死角に隠れた。
唯彦の、甘えるような、けれど切なそうな声が聞こえてきた。
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