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いつもの君に恋してる《白亜編》
パーフェクト・クラッシャー『一条唯彦』《19》
しおりを挟む………何もなかったように、普通の言葉を言って本音を引っ込める癖、知ってるよ。たまに出る。
「琥太郎、言いたいことが、あるんでしょ?何?」
何でもないよ、そう言って笑う癖も、卑怯だよ。
「ちゃんと言ってよ!」
クラス中に響いた僕の声。
「何でもないよ。とにかく、俺は料理は作れないってこと!なんか、もう、いいや。今日は昼飯、生徒会室で適当に食うよ。相談に乗ってやる約束の子がいて。そのデカい♡弁当は秀英か真一にでも手伝ってもらって。白亜、じゃあな、あ、唯彦!お前クラスには来んなって言ったじゃねぇか!」
「こーのえ先輩!5分の遅刻ですよ!待ち切れなかたから、来ちゃった」
「琥太郎!どうして?」
振り返ってよ!どうして?
一年の学年ピン。一条唯彦。生徒会、庶務。眉目秀麗、才色兼備。学問優秀。パーフェクト人間。
アッチの趣味で、
落とせなかった男も、
引き裂けなかったカップルもいない。
ついたあだ名が『パーフェクト・クラッシャー』
ああ、琥太郎も、人の子か。
可愛いもんね、あの子、西洋の天使の壁画みたい。ただ可愛い。性根はどうか解らないけど。
遊びでカップル潰して回って楽しいかな。
本気じゃないのに悲しむ人を作ってまで、好きな人を奪うって楽しいかな。
『僕にふらつく奴の《好き》なんて執着とか、虚勢とか、ちゃちなプライドじゃない?所詮二人の思いはその程度』
『僕に傾くんだからそれくらいの仲』
ともしクラッシャーに言われたらしょうがない。
恋や愛は、先着順に似てるけど、そうじゃないこともあるらしいから。ほら、僕が良い例。
僕の最初で琥太郎だけ。ずっと一緒にいた。
でも、お弁当からあんな顔して。
僕が重かったのかな。
間違いでもLOVEや♡なんて、見たくなかったよね。
琥太郎………。
一人になれるところ。思い付いたのは屋上だった。
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