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いつもの君に恋してる《白亜編》
琥太郎が、雄の瞳になったとき《15》
しおりを挟む全部話した。コンサートの行く前、迷ったけど琥太郎に誤解をさせると解っていても、コンサートへいって、楽しんできたこと。
そのまま、CDショップに行って、コンサートで聴いたCDを買い、
雰囲気のある洋食屋さんに行ったこと。
そして、秀英と琥太郎の名前を間違ったこと。
秀英は怒らなかった。
それより、しょげる僕を気遣ってくれた。
「秀英が、好きか白亜?」
「え?琥太郎何言ってるの?バカなの?」
だって………。
琥太郎曰く、タクシーから出て秀英に肩をだかれる白亜は綺麗だったと。
「バーカバーカ琥太郎のバーカ」
「なんだよぉ」
「みられたくないものを見せるから恋人なんじゃないの?僕はキス待ちのタコみたいなアホみたいな顔、琥太郎にしか、見せられないよ」
「白亜………」
「あと、琥太郎とセ、セ、セ………クスしてるとこなんて、他人にみられたら恥ずかしくて顔が真っ赤になるのを通り越して、人体発火するよ。もちろん琥太郎としかしないし。したくないし」
「俺は白亜以外ないよ。全てに」
いつもなら照れ隠しに悪態をつくか、意地悪な言葉がうかぶのに、琥太郎は本当に俺の恋人なんだなと、思えて、照れる。
「琥太郎、CDかけよ?琥太郎がプレゼントしてくれた奴、かけさせて」
ショパンのノクターン。僕は切ない一番より、甘い二番の方が好きだ。
「甘い曲だな。高級レストラン?みたいなところでかかってそうだな。メニューは白亜のフォーマル風味」
ボタンに手をかけられる。どうしよう、とまらない。いつもの琥太郎じゃない。
僕が琥太郎に、酔う。怖いくらい今の琥太郎は『雄』だ。
「ごめん!琥太郎!トイレッ!」
一人でスッキリしたのはいいけど、琥太郎曰くの、ビッグマグナムが可哀想だ。
最近アッチのことばっかり考えてるなるなぁ。琥太郎のことばかり。
でも、琥太郎とのア………アレは今更照れるのもなんだけど、気持ちよくって。
「琥太郎ー?」
一人トイレでスッキリし終わって僕が部屋でみたものは、僕の今日着たフォーマルのブレザーに顔を埋めて、スッキリしている《現在進行形》の琥太郎だった。
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