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いつもの君に恋してる《白亜編》
若かりし日の母さん《10》
しおりを挟むトントンと、足音。
後ろから抱き締められる。
「こら!琥太郎!」
「さっきのは冗談だよ~。一緒に購買いこっ!あ、学校抜け出してラーメン食べに行く?」
「わぁ~!何か、すごい!でもいいの?」
「いけないから、いいんだろ?──な~んてね。この前、現社の原口に奢って貰った」
実際学校から、そう離れていない翠光楼の一番安い炒飯の大盛り。
「大食いのあんちゃん、いらっしゃい。ま~可愛い子連れて。周りの野獣みたいな男子校のムッサイのに紛れて可愛い子猫がいるみたいだね~」
「でも大将さん。子猫は爪がしまえないんですよ」
そう言い思いっきり悩殺の笑みをして大将と目が合うと大将はやわらかく微笑んだ。
「名前、何て言うの?」
「九条、白亜です」
「もしかして、九条春亜さんの息子!?道理で、何処かで会ったような気がしてたんだ。春亜さんはここらのマドンナ。知らない人はいない白鷺女子学園の、そのなかでも可愛らしく美しい高嶺の華だった──♡⑤∞△←♂♪↑▣☆⑨$」
大将は壊れたラジオのようにトークが止まらない。訊いてもいないのに文化祭の話までしだした。女装して学校内に入り込んだらしいことはわかった。
『白亜くんはいつ来てもおじさんの奢りっ!』
『は、はぁ………』
学校帰り、今日と明日家が空いてることを、琥太郎にいうと、真っ赤な顔をして、
「ということは?」
「そう言うこと!」
「さ、最後まで、全部入れて……いいの?」
「え、え?今まで合体してなかったの?」
「いや、してるけど、思いっきり、さぁ、しようとすると、いつも白亜が『こたろのおき、から、全部は、やらぁ』とか言うから、俺のは相当なビッグマグナムで、白亜が傷ついたら……と」
頭をかく、琥太郎。馬鹿で可愛い琥太郎。
やっぱり君をみていると、笑っちゃう。
バーカバーカ。大好き!
「だいじょうぶ!琥太郎は、いつもア、アレの時、やさしいから」
「大事だからさ。白亜、愛してるよー」
大人に言わせれば『愛が何かも解らないくせに』って、いうんだろうけど、
僕はきっと琥太郎も、今は本当!
今も、過去も、現在進行形のこれからも。
僕は琥太郎のことを、琥太郎が思っているよりが好きなんだろうなーっなんて、目の前のスケベなことで頭が一杯の琥太郎は、解っちゃいないんだろうな。
君が好きだよ、何回でも言うよ。
『琥太郎、好きだよ』
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