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いつもの君に恋してる《白亜編》
九条家の夫婦のラブラブ事情《7》
しおりを挟む『お前も可愛いから相手は男女問わず充分ちたらしこめる。父さんと春亜さんの息子だ。存分に優れた容姿で彼女を連れてこい!』
そんな両親はラブラブ農家してます。
金髪碧眼の英国出身イケオジ父さんはトラクター運転してる。
可愛い母さんは草むしり。
見ていて二人には恥ずかしいって言葉はないのかってくらい。ラブラブ。
夜は……せめて僕が寝てからシテよと思う。
「おはよう」
ニコニコ笑う、アラスカンマラミュートみたいな幼馴染み。
二条真一。
真ちゃん。同じバス停から乗る。そして、僕の安全確保をしてくれる。
「トリートメントか、バーム変えた?凄く優しい甘い匂い。琥太郎が喜びそうだな。あいつ鼻いいから」
「母さんの、借りてるよ。いい匂い、する?」
真ちゃんを見上げると、顔を赤くして『まいったな』とだけ言った。
──────────
いい匂いでふと、思い出した。琥太郎と一緒に庭いじり。畑の苺がたくさん取れて、ジャムをつくって、木ベラについたジャムを舐めてたら、
『それ、頂戴』
ん、と言い僕はヘラをさしだすと、琥太郎は、
『白亜の指、美味しそう』
指を咥えられ、転がされた。舌の感触だけで感じる。図らずも『したい』と思ってしまった。それを思い出して、反応はしてないけどぶつけどころの無いムラムラとイライラが沸々。
でも、寒い中、琥太郎は学校近くのバス停まで待っていた。思い出したことのイライラをぶつけては可哀想だ。
「二条、交代。白亜の王子様は俺なの」
ハイハイと苦笑し、かがんで真ちゃんはバスから降りた。
一度ぶつけたことがあるらしい。
じゃあ、と真ちゃんは振り向いて『先行くよ』っていうように、手を振った。
僕も手を振ったあと、目の前の満面の笑みで僕を待ち構えるヒトを見た。
「お帰り、白亜」
「ただいま、琥太郎」
学校、行こうか。手を、そっと繋いだ。
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