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いつもの君に恋してる《白亜編》
鷹司秀英・降臨《4》
しおりを挟む『鷹司秀英』学年トップを、白亜と琥太郎の三人三つ巴で争う二学年の秀才。
昨日の日直からの引継ぎに、日誌を渡す。
「秀英、最近寒いね。足元冷えるから、気をつけなよ」
「俺の足を心配してくれるのか?白亜。ということは、琥太郎には見きりをつけて俺にその操をあずける気になったんだな?」
どいつもこいつも!朝から痴漢には遭うし!真ちゃんに教えてもらった撃退法で追い払ったけど!
「白亜、琥太郎なんてやめとけよ。あんな野暮ったい奴。君には上品で洗練された薔薇のようなヒトが似合うよ」
「それって何処にいんの?」
「ここに。美しい大輪の情熱の紅い薔薇のような殿方がいるじゃないか」
僕は黙って秀英を見つめる。
確かに整った容姿をしているよ。
琥太郎が秋田犬だったら、
秀英はボルゾイだ。
ロシアの貴族が飼っていた高貴な犬。
少しロン毛ぎみで色素薄い系。でもやはり、頭は良いがずれている。
「何で『気をつけて』って言ったのかは、秀英が去年転んだところが凍ってたから言ったの!校門のコンクリートが凍ってた所に滑って転んで頭打って大出血して五針縫ったから言ったんだよ!」
あの時校門は血の海になり、救急車は呼ばれ阿鼻叫喚。
まるで懐かしの火曜サスペンス劇場の犯現場だった。居合わせた僕が言うんだから間違いない。
僕はLINEを打った。
早く帰ってきて、琥太郎。
四天王とか言う皆が言うキラキラ男子はうんざりだよ。
面倒臭いんだよ、じゃなくて、寂しいよ。僕の琥太郎!大好……
「寂しいのか?」
スマホを後ろから覗かれた!てか、もう皆周知の事実だろうけど『琥太郎!大好……』って。恥ずかしい。
「ごめん、覗いちゃった」
「真ちゃん!驚かせないでよ!」
声をかけられて振り向くと、大柄で白い歯が似合う、今日の日直の二条真一が爽やかに見せて笑っている。
今日の日直、濃いわ~。と心の中で思う。心は自由空間だ。誰にも聞こえない。
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