3 / 37
いつもの君に恋してる《白亜編》
キスは恋人と《3》
しおりを挟むキッチンで振り向きざま深いキスをした。甘いな、溶けそうだといつも思う。そして、恋人同士なんだなと思ってしまう。
けれど『まあ、ご立派』とサツマイモみたいに反応までしたこいつは馬鹿なのかなとも思う。
でも『馬鹿だなあ』と絆される僕も馬鹿だ。実際『ヤバい』とストッパーをかけた。キッチンじゃなかったら抱かれてる。
敢えて気づかないふりをして、
『ご飯食べよっか』
と言うと、予想通り
『白亜が食べたい………』
やっぱりな、と思ったので、琥太郎にはトイレを勧め、僕は軽めの昼食。『僕も、楽しみ!』という言い方は嫌だけど、やっぱり琥太郎としたかった。そんな時、一人トイレでスッキリした琥太郎が、リビングへ来た。
『白亜~ラーメン美味しそ~戴きます!』
『……琥太郎の馬鹿!』
え、え?とビックリして整った琥太郎の顔に《?》マークが浮かぶ。
『僕だって、したかったんだからっ!ひとりだけすっきりしちゃって。バーカバーカ』
バカはお前だよと、頭の中のもう一人の僕が言う。情けない。僕もバカだ。
『白亜、……《しよ?》』
『琥太郎?』
啄むような琥太郎のキス。
『数学のテスト勉強、終わったら、しよ。ちゃんとしないひと、白亜嫌いなんだろ?……自分だけ……スッキリしてごめん………でも、どうしようもなかったら言って?』
真剣な瞳で、琥太郎は白亜を見上げる。
『どうしようもないって?』
『五分で終わらせる。口で』
『バーカバーカ!』
口唇を塞がれる。
『好きだよ、白亜』
溶けるのは琥太郎との口づけだけじゃない。琥太郎は声だけで僕をダメにする。
そのあと、思いっきり『した』
20
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。

ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる