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第4章
兎の望むこと③
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「じゃあ、訊くが、男なのはまあ置いといて、外見だけなら谷崎と俺、どっちがタイプだ?」
「谷崎くん!身長高くて、がっしりしてて、手なんかすごく大きいんだよ。
髪が金色でライオンみたい。
僕は『白いふわふわの黒い大きな瞳の仔ウサギ』って言われた。
祥介も素敵だよ。
たまに目が鋭くなるときオオカミみたいに見えるよ。祥介も百八十センチ余裕で越えてるからアラスカンマラミュートかな。恰好いいんだよ」
「ふうん…」
即答で谷崎と言われたのが祥介は気に入らなかった。
「どうしたの?祥介も、もちろん恰好いいよ」
秋彦は困って、少し怯えた顔をする。なるほど谷崎もよく見ている。
そう思い祥介はじっと秋彦を見つめた。真っ白な手負いの仔ウサギ。
潤んだ黒い大きな瞳で見つめられたら、
それ以上は責められない。
オオカミも噛みつけない。
「教室は二階に行くときは付き合うから、行きたいときは言ってくれ。
多分、あの教室は秋彦にもう、危害を加えないと思う。夏期講習は一階だけど大丈夫か?」
「うん。多分」
「放課後、また来るから」
夏が、来るのか。長かった、つらい梅雨も明ける。
「谷崎くん!身長高くて、がっしりしてて、手なんかすごく大きいんだよ。
髪が金色でライオンみたい。
僕は『白いふわふわの黒い大きな瞳の仔ウサギ』って言われた。
祥介も素敵だよ。
たまに目が鋭くなるときオオカミみたいに見えるよ。祥介も百八十センチ余裕で越えてるからアラスカンマラミュートかな。恰好いいんだよ」
「ふうん…」
即答で谷崎と言われたのが祥介は気に入らなかった。
「どうしたの?祥介も、もちろん恰好いいよ」
秋彦は困って、少し怯えた顔をする。なるほど谷崎もよく見ている。
そう思い祥介はじっと秋彦を見つめた。真っ白な手負いの仔ウサギ。
潤んだ黒い大きな瞳で見つめられたら、
それ以上は責められない。
オオカミも噛みつけない。
「教室は二階に行くときは付き合うから、行きたいときは言ってくれ。
多分、あの教室は秋彦にもう、危害を加えないと思う。夏期講習は一階だけど大丈夫か?」
「うん。多分」
「放課後、また来るから」
夏が、来るのか。長かった、つらい梅雨も明ける。
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