君ハ龍ノ運命のヒト～ミズチ編・ウカノ編～【完結】

君ハ巳ノ運命のヒト～ウカノ編～《第２部・完》

真の巳のウカノとコウ⑨─②

ポッとウカノは頬を赤らめて下を向いた。ウカノはするすると小さくなり、白い小さな白へびさんになってしまった。




「感情がね、昂ると、この姿になっちゃうの。恥ずかしいよう、コウ、情けないよぅ……」

「目の前の白へびさんのウカノも、赤い襦袢を着たウカノも、凛々しいウカノも皆、僕は好きだよ。僕は君が何でも、どんな姿でも好きだよ。愛しているよ」



僕は、可愛い小さい白へびが神さまになる瞬間を見た。空が輝いて、ウカノは眩まばゆい光に包まれ、美しいこの世のものとは思えない美しい女のヒトになった。



「私はウカノ。宇賀弁財天ともヒトは呼ぶ。なんてね、コウ！私、神様になったみたいなの。コウが今欲しいものはある？何でも叶えてあげる。出来る範囲だけどね」

「ウカノと毎日こうして過ごしたい。こうやって話をしたり。て外食したり。ファミレスやファストフードも面白いよ。大友のコロッケ屋さんで、またクリームコロッケを食べよう？」

ずっと、ここにいてよ。
お願い。

「ありがとう。コウ。ほんとに、ほんとにいいの？それでいいの？私を家族にしてくれるの？」

「今のままで。ただ、婚約して欲しいな。僕が大人になるまで待っていて。貴方のことが好きなんだ」



この美しい、世界。
君がいるから、陽が昇る。
君の瞳は、綺麗だ。