63 / 64
〖第63話〗
しおりを挟む 俺は玲と上永先生のところに戻ると、そこには白のビキニ姿のセルニアがいた。
布面積が少ない水着は、セルニアの白い肌を惜しげも無くさらしている。
おおおぉぉ……
素晴らしい。
セルニアは少し恥ずかしそうに、俺に聞いてくる。
「あ、あの。どうでしょうか? わたくしの水着は、似合いますか?」
「ものすごく似合う。似合いまくっている」
俺が即答すると、セルニアは頬を染めた。
「そ、そうですか。喜んでいただけて なによりですわ」
そこに上永先生が、俺に日焼け止めを渡してきた。
「さあぁ、これで吉祥院さんを 塗り塗りするのよぉん」
「いやいや、何言ってんですか?」
「若い男女が海に来たら定番でしょぉん。さあ さあぁん、私たちに遠慮しないで塗り塗り塗りたくっちゃいなさぁい」
「……」
俺は少しセルニアに塗るところを想像してしまった。
お、落ち着け俺。
セルニアが承諾するはず無いんだから。
しかしセルニアは、モジモジとしながら、
「そ、その、背中だけですわよ」
ズガガーン!
俺の脳みそに落雷が直撃した。
おさわりしても良いと、セルニアの許可が下りた。
これでやらずしてなにをするというのか!?
で、浜辺のシートにセルニアはうつ伏せになり、俺は日焼け止めを塗り始める。
「い、行くぞ」
「は、はい」
ヌリン。
「ん……」
ヌリヌリ。
「……あ……」
ヌリヌリヌリヌリ。
「……ふぁ……あぁ……」
俺は感涙する。
生きてて良かった!
で、背中は一通り塗り終わったんだが、
「こ、これ以上はダメですわ」
「そ、そうだね」
今日の所は、これで満足しよう。
セルニアは頬を染めたまま、自分で前のほうに日焼け止めを塗る。
「それにしても、奇遇ですわね。玲さんも商店街の福引きに当たっていたなんて」
そうか、俺たちがここに来ている理由に、福引きに当たったって話を流用したのか。
俺は話を合わせる。
「そうなんだ。これで夏に海に来ることができたね。夏休み中には行けなかったから」
「そうですわね。本当に海に来ることができて良かったですわ。貴方に水着姿を見せることができたのですから」
セルニアの瞳は、少し情欲が混じっていた。
さっきのスキンシップで、雰囲気が盛り上がると同時に、セルニアの気分も盛り上がっている。
もしかして、今日は最後までいけるんじゃないのか?
今は玲と上永先生が、なにやら海でイルカと一緒に泳いでいるからできないが、二人きりになることさえできれば、最後まで行けるんじゃないか?
最後の最後まで行き着くことが出来てしまうのではないかー!?
セルニアは砂浜に置いている俺の手に、手を重ねてきた。
「二人きりでないのが残念ですわね。でも、二人きりになれば……」
……その気になっている。
セルニアもヤル気になっておられる!
よし、落ち着け、俺。
焦るんじゃない。
なんとか二人きりになる方法を考えるんだ。
「二人きりになりさえすれば……」
「それでしたら、あちらのビーチハウスがいいと思いやす」
猪鹿蝶 晶さんが、ハンディカメラを片手に、アドバイスしてきた。
「……あの、猪鹿蝶さん、いつからそこに?」
「日焼け止めを塗っているときから、カメラに納めておりやした。お二人とも夢中になって全く気付いておられませんでしたが」
「……そうですか」
「さあ、これをどうぞ」
猪鹿蝶さんは避妊具を差し出した。
「これを装着すれば安心。この猪鹿蝶 晶、お二人が大人になる瞬間を、しかとカメラに収めやす」
「……やりません」
「なにを言っておりやす? 二人とも良い雰囲気でヤル気満々でした。アタシのことは気にしないでくださいやせ。遠慮せず大人の階段を上がってください」
「……いや、やりませんから。っていうか、ずっとチャンスが来るのをスタンバイして待っていたんですか?」
「いえ、ホテルで行われるパーティーの時間を知らせに来やした」
「わかりました。準備をします」
「急ぐことはありやせん。時間はありやすので、お二人でやる事を済ませてくださいやせ」
「だから やりませんって!」
俺と猪鹿蝶さんのやりとりの横で、セルニアがビックリして固まっていた。
布面積が少ない水着は、セルニアの白い肌を惜しげも無くさらしている。
おおおぉぉ……
素晴らしい。
セルニアは少し恥ずかしそうに、俺に聞いてくる。
「あ、あの。どうでしょうか? わたくしの水着は、似合いますか?」
「ものすごく似合う。似合いまくっている」
俺が即答すると、セルニアは頬を染めた。
「そ、そうですか。喜んでいただけて なによりですわ」
そこに上永先生が、俺に日焼け止めを渡してきた。
「さあぁ、これで吉祥院さんを 塗り塗りするのよぉん」
「いやいや、何言ってんですか?」
「若い男女が海に来たら定番でしょぉん。さあ さあぁん、私たちに遠慮しないで塗り塗り塗りたくっちゃいなさぁい」
「……」
俺は少しセルニアに塗るところを想像してしまった。
お、落ち着け俺。
セルニアが承諾するはず無いんだから。
しかしセルニアは、モジモジとしながら、
「そ、その、背中だけですわよ」
ズガガーン!
俺の脳みそに落雷が直撃した。
おさわりしても良いと、セルニアの許可が下りた。
これでやらずしてなにをするというのか!?
で、浜辺のシートにセルニアはうつ伏せになり、俺は日焼け止めを塗り始める。
「い、行くぞ」
「は、はい」
ヌリン。
「ん……」
ヌリヌリ。
「……あ……」
ヌリヌリヌリヌリ。
「……ふぁ……あぁ……」
俺は感涙する。
生きてて良かった!
で、背中は一通り塗り終わったんだが、
「こ、これ以上はダメですわ」
「そ、そうだね」
今日の所は、これで満足しよう。
セルニアは頬を染めたまま、自分で前のほうに日焼け止めを塗る。
「それにしても、奇遇ですわね。玲さんも商店街の福引きに当たっていたなんて」
そうか、俺たちがここに来ている理由に、福引きに当たったって話を流用したのか。
俺は話を合わせる。
「そうなんだ。これで夏に海に来ることができたね。夏休み中には行けなかったから」
「そうですわね。本当に海に来ることができて良かったですわ。貴方に水着姿を見せることができたのですから」
セルニアの瞳は、少し情欲が混じっていた。
さっきのスキンシップで、雰囲気が盛り上がると同時に、セルニアの気分も盛り上がっている。
もしかして、今日は最後までいけるんじゃないのか?
今は玲と上永先生が、なにやら海でイルカと一緒に泳いでいるからできないが、二人きりになることさえできれば、最後まで行けるんじゃないか?
最後の最後まで行き着くことが出来てしまうのではないかー!?
セルニアは砂浜に置いている俺の手に、手を重ねてきた。
「二人きりでないのが残念ですわね。でも、二人きりになれば……」
……その気になっている。
セルニアもヤル気になっておられる!
よし、落ち着け、俺。
焦るんじゃない。
なんとか二人きりになる方法を考えるんだ。
「二人きりになりさえすれば……」
「それでしたら、あちらのビーチハウスがいいと思いやす」
猪鹿蝶 晶さんが、ハンディカメラを片手に、アドバイスしてきた。
「……あの、猪鹿蝶さん、いつからそこに?」
「日焼け止めを塗っているときから、カメラに納めておりやした。お二人とも夢中になって全く気付いておられませんでしたが」
「……そうですか」
「さあ、これをどうぞ」
猪鹿蝶さんは避妊具を差し出した。
「これを装着すれば安心。この猪鹿蝶 晶、お二人が大人になる瞬間を、しかとカメラに収めやす」
「……やりません」
「なにを言っておりやす? 二人とも良い雰囲気でヤル気満々でした。アタシのことは気にしないでくださいやせ。遠慮せず大人の階段を上がってください」
「……いや、やりませんから。っていうか、ずっとチャンスが来るのをスタンバイして待っていたんですか?」
「いえ、ホテルで行われるパーティーの時間を知らせに来やした」
「わかりました。準備をします」
「急ぐことはありやせん。時間はありやすので、お二人でやる事を済ませてくださいやせ」
「だから やりませんって!」
俺と猪鹿蝶さんのやりとりの横で、セルニアがビックリして固まっていた。
2
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・
希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!?
『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』
小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。
ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。
しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。
彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!?
過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。
*導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。
<表紙イラスト>
男女:わかめサロンパス様
背景:アート宇都宮様

愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

拝啓、大切なあなたへ
茂栖 もす
恋愛
それはある日のこと、絶望の底にいたトゥラウム宛てに一通の手紙が届いた。
差出人はエリア。突然、別れを告げた恋人だった。
そこには、衝撃的な事実が書かれていて───
手紙を受け取った瞬間から、トゥラウムとエリアの終わってしまったはずの恋が再び動き始めた。
これは、一通の手紙から始まる物語。【再会】をテーマにした短編で、5話で完結です。
※以前、別PNで、小説家になろう様に投稿したものですが、今回、アルファポリス様用に加筆修正して投稿しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。

愛しき夫は、男装の姫君と恋仲らしい。
星空 金平糖
恋愛
シエラは、政略結婚で夫婦となった公爵──グレイのことを深く愛していた。
グレイは優しく、とても親しみやすい人柄でその甘いルックスから、結婚してからも数多の女性達と浮名を流していた。
それでもシエラは、グレイが囁いてくれる「私が愛しているのは、あなただけだよ」その言葉を信じ、彼と夫婦であれることに幸福を感じていた。
しかし。ある日。
シエラは、グレイが美貌の少年と親密な様子で、王宮の庭を散策している場面を目撃してしまう。当初はどこかの令息に王宮案内をしているだけだと考えていたシエラだったが、実はその少年が王女─ディアナであると判明する。
聞くところによるとディアナとグレイは昔から想い会っていた。
ディアナはグレイが結婚してからも、健気に男装までしてグレイに会いに来ては逢瀬を重ねているという。
──……私は、ただの邪魔者だったの?
衝撃を受けるシエラは「これ以上、グレイとはいられない」と絶望する……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる