生命の破片〖改稿・完結〗

華周夏

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〖第6話〗

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『科学の子供』若しくは科学の子供の逆の道を選んだ者。

 スラムで生きた『純血種』と呼ばれた、貧しくコロニーを捨てた者。
 上位ヒエラルキーの蔑みを堪え忍び、彼等同士での独自の繋がりを持ちながら、コロニーに残った『寄生』と呼ばれた者たち。その者たちは『寄生純血種』と呼ばれた。

『純血種』や『寄生純血種』と呼ばれたものは、辿れば下位ヒエラルキーからの出自の者達が多いが、身体は遺伝子をAIコンピューターで振り分けたわけではないのに優性遺伝子ばかりを持つ者ばかりだった。

 二つ──純血種・寄生純血種──は弱いものは淘汰され、強い者が生き残った。原始人類に近い。しかも、そのリーダー格の者達は、『科学の子供』と呼ばれた者達よりも、極めて優れた遺伝子を持っていた。


そして、時は流れた。
──────────

    書き残したことは、ほんの少ししか知らないあのひとのこと。私のこと。この『時は流れた』の間に、世界に、地球に何が起こったか。そして、私を絶望に突き落としたことを書き留めておかなければならない。あのひとが処刑されたことだ。
    
────────── 

 2X00年台も終わりに近づく頃、そして、今から数十年前、追い討ちを書けるように世界各地に流星群のように隕石が落ち、人類にとどめを差す形になった。地震と津波、粉塵による太陽光の遮断による強制的な氷河期が訪れた。隕石により公転軌道がずれ寒暖差が激しくなり、落下した隕石にはウラン鉱石をはじめ、放射性物質が多く含まれていた。

 ほとんどのコロニーが消滅し、上位のヒエラルキーの多くは死に絶え、ほとんどの下位ヒエラルキーも同じ道を辿った。人類は瀕死だった。

    野菜は、勿論汚染された土地である『外』では取れない。野菜は土を使わない水耕栽培で作られるのが普通となり、サプリメントに加工された。その中でも人間の食料とし、育つのは遺伝子操作されて生み出された動植物だった。私達、助かった人類は地下や半地下に居住区を構えていた。残り少ない人類はより結束を固め、国連は各地域を厳しく監督した。電力は、地熱発電を利用した。
    
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