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46 三年前の事実
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ぽつりぽつりと、三年前よりも年を取ったように聞こえる声で、父さんは俺がいなくなった後のことを語り出した。
「陸が突然家を出て行った時な。俺はあの女が陸が自分を襲ってきたという言葉を、すぐに信じてしまった」
「……やっぱりそういうこと言ってたんだ、はは……」
やるだろうなとは思ってた。だけど、それでやっぱりそっちを信じたんだな。この人は。
身体が重く沈んでいく感覚に、もう聞いていたくないと史也の影に顔を隠した。すると、父さんが焦ったようにすぐに訴える。
「だけど! その日帰ってきたエリカちゃんが、俺に対して怒鳴ったんだ。『自分の子供を親が信じられないでどうすんだよ!』ってさ」
「え? エリカちゃんが?」
エリカちゃん。義妹の名前だけど、……え? いつも俺を汚物を見るみたいな目で見てたのに? どういう風の吹き回し?
意味が分からなくて史也の影からそっと顔を覗かせると、父さんは必死な形相で俺を見つめていた。
「それまで大人しいと思っていたエリカちゃんが豹変したから、俺は驚いてぽかんとしてしまった。その内、向こうの親子喧嘩が始まって、その内容が……」
その、と口籠るので、俺はなるべく冷静に聞こえるように静かな声で伝える。
「俺に遠慮しなくていいよ。俺、父さんがひっくり返るような経験も沢山してきたから、ちょっとやそっとのことじゃもう驚かないし」
「陸……っ」
父さんが顔を歪ませた。そうだよな? という意味を込めて史也を見上げると、史也は眉を垂らしてちょっぴり悲しそうに小さく頷いた。
「……知ってんだろ。史也からも聞いたんだろ? 俺があの後どうなったか。だったらいいから気にせずさっさと言えよ」
迷った風な目で、父さんが史也と俺を交互に見た。
暫くはそうして黙ったままだったけど、意を決したように唾を呑み込むと、父さんは先を続ける。
「……エリカちゃんはあの女に、『あれだけ言ったのにまた若い男に手を出したんだろ』って怒鳴った。あの女は、最初は何のことだ、自分は被害者だって泣きわめいて俺に泣きついてきたけど、更に激怒したエリカちゃんが、これまでのあの女の結婚歴を喋り始めたんだ」
「え……」
どういうことだろう。あの継母の話は正直聞きたくないけど、そういえばさっきから父さんは「あの女」って呼んでいる。自分の妻に対する呼称とは思えない。
……これは聞いておくべきなんじゃないか。そんな気がしてきて、今度はしっかりと顔を上げて父さんを見た。父さんも、俺を真っ直ぐに見据える。
「あの女は、驚くほど再婚と離婚を繰り返していた」
「え? でも、戸籍にバツが付くって言うじゃん……。気付かなかったの?」
父さんが首を横に振る。
「離婚後、転籍っていって本籍を移すと、消えるんだそうだ。あの女は、それを繰り返していた」
あの女ならやりそうだな、と俺は心の中で頷いた。
父さんは苦い顔をして続ける。
「全部、あの女の浮気が原因で離婚したそうだ。俺の直前とその前は年配の男性と結婚して、そこの息子と深い仲になって、それがバレての離婚だった」
ということは、あの女は常習犯だったって訳か。道理で触り方や近づき方に遠慮がないと思った。
それにしても。
「……はは。エリカちゃん、知っていてあんな目で俺を見てたのかよ」
俺を心底馬鹿にした様な目つきでいつも俺を見ていた癖に。やるせない苛立ちが沸いてきて、それと同時に悲しくなった。どうして俺がいる間にそれを教えてくれなかったんだよ。
父さんが、ちゃぶ台の上に身を乗り出す。
「エリカちゃんは、これが最後の機会だ、次やったら親子の縁を切ってやるってあの女に宣言していたそうだ。お前のことはいい兄貴だって思っていたけど、思春期なのもあったし、それにやっぱりあの女がお前に色目を使い始めたのに気付いて、自分の親が恥ずかしくてああいう態度を取ったと言っていた」
「恥ずかしい……まあ、そうだよね」
その部分については、俺も納得する。それにしても、あの態度で俺のことをいい兄貴だって思ってたのか? それはまあ……随分と捻くれてるけど、これまで散々結婚相手の息子と仲良しになっていたのを見ていた立場からしたら、こいつもかもしれないって近付けなかった可能性はある。
だって、俺もそれは知っている。近付いた後、裏切られる辛さを。俺と仲良くなって信頼し合ったら自分の母親と寝てたなんて分かった日には、きっと彼女のメンタルは耐えられなかったんだろう。
俺ですでに三回目だったなら。
エリカちゃんは、信じたかった。これが最後の機会だって母親に告げたら、子供の自分を大事だと思うなら頑張ってくれると信じたかったんじゃないか。今度できた新しい兄貴は、母親の接触がちょっと多めでも騙されないんじゃないかと信じたかったんじゃないか。
でも、怖かった。信じるのが怖かった。
俺が史也を信じるのを怖がっていたように。
案の定、あの女は俺にちょっかいを出し始めた。もしかしたら、本人もそれなりには頑張っていたのかもしれない。だけど、俺がオナニーをしているところを目撃してしまって、きっと抑えていたものが爆発したんだろう。
――病気だ。
もうそうとしか言いようがなかった。
俺が何も言えないでいると、父さんが拳を震わせながら続けた。
「エリカちゃんが全部暴露すると、あの女は開き直った。『あの子、全然なびいてくれなくてつまらなかったわ』って。『あんたと一緒で精力足りないんじゃない』ってさ」
「……そりゃ随分と言うね」
「はは……さすがに俺もキレた」
そりゃそうだろう。自分の息子に手を出して、その上夫には物足りないと宣言したんだから。
「その後、エリカちゃんはもうひとつ教えてくれた。お前のその……元カノが、実は妊娠詐欺を働いていたって」
「えっ」
どうしてエリカちゃんが。
「エリカちゃんの学校に、その子に騙された別の男の子の弟がいたんだそうだ。お前の騒動が落ち着いた後でまたやったらしくて、今度は相手が弁護士の息子だったから、大事になりかけていた時だったんだ」
「そう……だったの」
ということは、父さんは史也から聞く以前、俺の家出の直後から、俺が騙されてたってことも、継母に狙われて逃げ出したってことも知ってたっていうのか。
「お前がそもそも家に帰らなくなって元カノとああいうことになった原因も、きっとあの女がお前にちょっかいを出していたからだとエリカちゃんが言うと、あの女は笑った……っ」
父が、がくりと項垂れる。
「狂ったんじゃないかってくらい楽しそうに笑いながら『なのにお前は息子よりも私を信じて、可笑しかったわ』ってな」
「……っ!」
「陸。俺は……馬鹿だ。俺だけはお前を信じてやらないといけなかったのに、何もかもから目を逸らして、自分の見たいものだけを見ようとしていた」
何も言えなくて唇を噛み締めると、史也が慰めるように俺の手を強く握った。
「俺は……すぐにお前を探そうと思った。だけど、あの女が家に居座ってやる、自分がここにいる限り陸は帰ってこない、追い出そうとしたら近所中にお前の息子に犯されたと言いふらしてやる、ざまあみろって……!」
父さんはそう言うと、耐えられないといった様子で両手で顔を覆った。
俺は、信じられない気持ちで呆然としていた。なんで、どうしてそこまでしないといけなかったのか、さっぱり分からなかった。
でも、その答えは父さんがすぐに教えてくれた。
「俺も聞いた。陸に何の恨みがあるんだと。そうしたら、こう言ったんだ。『私に振り向いてくれなかったから』と。つまりは、自分は美人で男はみんななびくと思ってたのにお前が避けたから、プライドが傷付けられたんだろう」
「そんな……そんな理由で……?」
あの女が、俺の人生を狂わせた。その理由が、たったそんなこと?
愕然とした俺の肩を、史也が優しく引き寄せた。
「陸が突然家を出て行った時な。俺はあの女が陸が自分を襲ってきたという言葉を、すぐに信じてしまった」
「……やっぱりそういうこと言ってたんだ、はは……」
やるだろうなとは思ってた。だけど、それでやっぱりそっちを信じたんだな。この人は。
身体が重く沈んでいく感覚に、もう聞いていたくないと史也の影に顔を隠した。すると、父さんが焦ったようにすぐに訴える。
「だけど! その日帰ってきたエリカちゃんが、俺に対して怒鳴ったんだ。『自分の子供を親が信じられないでどうすんだよ!』ってさ」
「え? エリカちゃんが?」
エリカちゃん。義妹の名前だけど、……え? いつも俺を汚物を見るみたいな目で見てたのに? どういう風の吹き回し?
意味が分からなくて史也の影からそっと顔を覗かせると、父さんは必死な形相で俺を見つめていた。
「それまで大人しいと思っていたエリカちゃんが豹変したから、俺は驚いてぽかんとしてしまった。その内、向こうの親子喧嘩が始まって、その内容が……」
その、と口籠るので、俺はなるべく冷静に聞こえるように静かな声で伝える。
「俺に遠慮しなくていいよ。俺、父さんがひっくり返るような経験も沢山してきたから、ちょっとやそっとのことじゃもう驚かないし」
「陸……っ」
父さんが顔を歪ませた。そうだよな? という意味を込めて史也を見上げると、史也は眉を垂らしてちょっぴり悲しそうに小さく頷いた。
「……知ってんだろ。史也からも聞いたんだろ? 俺があの後どうなったか。だったらいいから気にせずさっさと言えよ」
迷った風な目で、父さんが史也と俺を交互に見た。
暫くはそうして黙ったままだったけど、意を決したように唾を呑み込むと、父さんは先を続ける。
「……エリカちゃんはあの女に、『あれだけ言ったのにまた若い男に手を出したんだろ』って怒鳴った。あの女は、最初は何のことだ、自分は被害者だって泣きわめいて俺に泣きついてきたけど、更に激怒したエリカちゃんが、これまでのあの女の結婚歴を喋り始めたんだ」
「え……」
どういうことだろう。あの継母の話は正直聞きたくないけど、そういえばさっきから父さんは「あの女」って呼んでいる。自分の妻に対する呼称とは思えない。
……これは聞いておくべきなんじゃないか。そんな気がしてきて、今度はしっかりと顔を上げて父さんを見た。父さんも、俺を真っ直ぐに見据える。
「あの女は、驚くほど再婚と離婚を繰り返していた」
「え? でも、戸籍にバツが付くって言うじゃん……。気付かなかったの?」
父さんが首を横に振る。
「離婚後、転籍っていって本籍を移すと、消えるんだそうだ。あの女は、それを繰り返していた」
あの女ならやりそうだな、と俺は心の中で頷いた。
父さんは苦い顔をして続ける。
「全部、あの女の浮気が原因で離婚したそうだ。俺の直前とその前は年配の男性と結婚して、そこの息子と深い仲になって、それがバレての離婚だった」
ということは、あの女は常習犯だったって訳か。道理で触り方や近づき方に遠慮がないと思った。
それにしても。
「……はは。エリカちゃん、知っていてあんな目で俺を見てたのかよ」
俺を心底馬鹿にした様な目つきでいつも俺を見ていた癖に。やるせない苛立ちが沸いてきて、それと同時に悲しくなった。どうして俺がいる間にそれを教えてくれなかったんだよ。
父さんが、ちゃぶ台の上に身を乗り出す。
「エリカちゃんは、これが最後の機会だ、次やったら親子の縁を切ってやるってあの女に宣言していたそうだ。お前のことはいい兄貴だって思っていたけど、思春期なのもあったし、それにやっぱりあの女がお前に色目を使い始めたのに気付いて、自分の親が恥ずかしくてああいう態度を取ったと言っていた」
「恥ずかしい……まあ、そうだよね」
その部分については、俺も納得する。それにしても、あの態度で俺のことをいい兄貴だって思ってたのか? それはまあ……随分と捻くれてるけど、これまで散々結婚相手の息子と仲良しになっていたのを見ていた立場からしたら、こいつもかもしれないって近付けなかった可能性はある。
だって、俺もそれは知っている。近付いた後、裏切られる辛さを。俺と仲良くなって信頼し合ったら自分の母親と寝てたなんて分かった日には、きっと彼女のメンタルは耐えられなかったんだろう。
俺ですでに三回目だったなら。
エリカちゃんは、信じたかった。これが最後の機会だって母親に告げたら、子供の自分を大事だと思うなら頑張ってくれると信じたかったんじゃないか。今度できた新しい兄貴は、母親の接触がちょっと多めでも騙されないんじゃないかと信じたかったんじゃないか。
でも、怖かった。信じるのが怖かった。
俺が史也を信じるのを怖がっていたように。
案の定、あの女は俺にちょっかいを出し始めた。もしかしたら、本人もそれなりには頑張っていたのかもしれない。だけど、俺がオナニーをしているところを目撃してしまって、きっと抑えていたものが爆発したんだろう。
――病気だ。
もうそうとしか言いようがなかった。
俺が何も言えないでいると、父さんが拳を震わせながら続けた。
「エリカちゃんが全部暴露すると、あの女は開き直った。『あの子、全然なびいてくれなくてつまらなかったわ』って。『あんたと一緒で精力足りないんじゃない』ってさ」
「……そりゃ随分と言うね」
「はは……さすがに俺もキレた」
そりゃそうだろう。自分の息子に手を出して、その上夫には物足りないと宣言したんだから。
「その後、エリカちゃんはもうひとつ教えてくれた。お前のその……元カノが、実は妊娠詐欺を働いていたって」
「えっ」
どうしてエリカちゃんが。
「エリカちゃんの学校に、その子に騙された別の男の子の弟がいたんだそうだ。お前の騒動が落ち着いた後でまたやったらしくて、今度は相手が弁護士の息子だったから、大事になりかけていた時だったんだ」
「そう……だったの」
ということは、父さんは史也から聞く以前、俺の家出の直後から、俺が騙されてたってことも、継母に狙われて逃げ出したってことも知ってたっていうのか。
「お前がそもそも家に帰らなくなって元カノとああいうことになった原因も、きっとあの女がお前にちょっかいを出していたからだとエリカちゃんが言うと、あの女は笑った……っ」
父が、がくりと項垂れる。
「狂ったんじゃないかってくらい楽しそうに笑いながら『なのにお前は息子よりも私を信じて、可笑しかったわ』ってな」
「……っ!」
「陸。俺は……馬鹿だ。俺だけはお前を信じてやらないといけなかったのに、何もかもから目を逸らして、自分の見たいものだけを見ようとしていた」
何も言えなくて唇を噛み締めると、史也が慰めるように俺の手を強く握った。
「俺は……すぐにお前を探そうと思った。だけど、あの女が家に居座ってやる、自分がここにいる限り陸は帰ってこない、追い出そうとしたら近所中にお前の息子に犯されたと言いふらしてやる、ざまあみろって……!」
父さんはそう言うと、耐えられないといった様子で両手で顔を覆った。
俺は、信じられない気持ちで呆然としていた。なんで、どうしてそこまでしないといけなかったのか、さっぱり分からなかった。
でも、その答えは父さんがすぐに教えてくれた。
「俺も聞いた。陸に何の恨みがあるんだと。そうしたら、こう言ったんだ。『私に振り向いてくれなかったから』と。つまりは、自分は美人で男はみんななびくと思ってたのにお前が避けたから、プライドが傷付けられたんだろう」
「そんな……そんな理由で……?」
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