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緑虫

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13 世話好き独占欲強め金髪アロハx陰キャが取れたらど天然だった眼鏡くん(2023.07.12)

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優等生で真面目な高校生の受け。

本当は絵を描くことが好きだったけど、勉強しないと親に怒られる。

前に勝手に引き出しの中を覗かれて、描いた絵が見つかったことがあった。

その絵はテストの結果がよくなくて悩んだ時、息抜きで描いたらスッキリして次の結果がよかったものだ。

だけど母親は「漫画なんて描いてるから成績が落ちるのよ!」とビリビリに破いてしまった。

違うのに、それはそういうものじゃないのに。

でもその言葉が言えなくて、以来堂々と描くことができなくなってしまっていた中学時代だった。

親が希望した高校に無事に進学できた受け。

それでも描くことはやめたくなくて、アナログだとバレるからとスマホのデジタルで描いていた。

でも母親は抜き打ちで部屋を覗いて勉強しているかを確認するから、スマホを触っているところを見られた瞬間取り上げられてしまう。

これ以上奪われたくない、と就寝時間になって光が漏れないように布団を被って描いていたら、無事高校に上がる時には視力がガッツリ落ちて眼鏡くんになってしまった。

幸い母親は「勉強を沢山したからね」と責めなかった。

高校は制服と私服どちらでもオッケー。だけど口うるさい母親が制服にしろとうるさいので、逆らえない眼鏡くんは制服登校していた。

だけど殆どのクラスメイトは私服で、中には金髪にアロハなんて格好の奴までいる。いいなあなんて思いながら教室の隅から眺めるだけの眼鏡くんだった。

だけどこれからは楽しみがある。そう、中学では塾があるからと入ることを禁止されていた部活動だ。

母親には「勉強優先にできるところじゃないと」と言われて「高校もこれが続くのか」とげんなりしていた。

だけど、忙しくて滅多に家にいない父親が「部活動くらい好きに選ばせてやればいいだろ?」と母親に釘を刺してくれたお陰で、望んでない部に入ることを免れた。

両親の仲はよくなかった。

何でも仕切ろうとする母親と口論している父親の姿を何度も見た。

段々と父親は仕事を理由に帰るのが遅くなり、逃げ場のない眼鏡くんが犠牲になっていた。

苦しくて辛かった眼鏡くん。だけど漫研に入ったら、多分あの母親はまた眼鏡くんを罵るのが分かっていたので、ならばと美術部に入ることにした。

大体の生徒は運動部に所属していて、文化部に入るのは眼鏡くんと同じようなひょろ系や真面目そうな奴ばかり。

その中に、クラスメイトの金髪アロハがいて、相当目立っていた。

「眼鏡くんも美術部? これからよろしくなー!」

名乗ったこともないし、そもそも話したことすらない。だけど金髪アロハは眼鏡くんの名前を知っていて、しかも明るい笑顔で話しかけてくれた。

ガッツリコミュ障の眼鏡くんは「あー、うん……」みたいな素っ気ない返事しかできなくて、金髪アロハは「……あー、なんか話しかけてごめんな!」と笑顔で離れていってしまった。

違う、そういうつもりはなかったのに。

何事も抑えつけられて消極的になっていた眼鏡くんは謝ることも言い訳もできなくて「謝らなくちゃ」と思いながら、機会を失って悶々としていた。

それでも絵を描くことは楽しい。デジタルも楽しかったけど、エプロンを絵の具まみれにして指で触れるキャンバスの感触はずっと望んでいたものだったから、眼鏡くんは夢中になって描いた。

金髪アロハは最初は冷やかしかと思われていたけどしょっちゅう来ているし、描く姿は真剣そのもの。

普段のヘラヘラした印象がガラリと変わって、謝るタイミングを見計らう為にしょっちゅう気にしていた眼鏡くんは、結果として金髪アロハを見つめていることが多くなった。

それに彼の描いている絵は自分の面白味のない絵とは正反対で、所謂抽象画。

「ちゃんとした絵が描けないんじゃねーの」と周りに揶揄われて「描けるよー?」とさっと描いた絵はとんでもなく上手くて、だから眼鏡くんはいつも金髪アロハの後ろに座って彼の絵が色鮮やかに変わっていくのをワクワクしながら見ていた。

そんなある日、片付けをしていると母親から電話が。

でないと怒られる。一度怒らせると、母親はしばらく機嫌が悪くなって家にいるのが辛くなる。

なので眼鏡くんは嫌々電話に出ると、母親はいきなりマシンガンのように喋り始めた。

なんでも父親の海外赴任の話が舞い込んできたらしく、母親は自分も行くつもりだったのに父親は「眼鏡くんの学校があるのにひとりで置いていけないだろう」と母親に言ったらしい。

でも母親は駐在妻に昔から憧れていたから、絶対譲りたくない。そこで「眼鏡くんを転校させればいいじゃない」と言い出したのだ。

「は……?」

あまりにも勝手な言い分に、眼鏡くんの開いた口がますます大きくなる。今通う高校は偏差値も高くて、都立だから学費も安い。

いい大学への進学率も高いから、母親はいい大学へ進学し、大手企業への就職する自慢の息子になれと普段から言われ続けていた。

「何言ってるの……? ここに通えって決めたのは母さんじゃないか……!」

普段は一切言い返さない眼鏡くんも、さすがにこれには言い返した。

眼鏡くんだって、中学をもっと楽しみたかった。周りが部活だなんだと青春している中、自分は塾通い。

付き合いの悪い眼鏡くんは最後は誘われなくなって、高校だって自分では選ばせてもらえなかった。

進路だって眼鏡くんの意見はひとつも通らなくて、母親の希望だけ。

母親の希望した高校に入って、やっと少し束縛が緩むかと思っていたところに、中学時代を全て捨てて受かった高校を自分の見栄だけの為に捨てろと言われ、眼鏡くんは我慢できなかった。

「僕は行かない。母さんが行きたければ行けばいい」

震える声で、それでもちゃんと言えた。すると電話の向こうから甲高い声でまくしたて始める母親。

「ちょ、ちょっと落ち着いて、僕の話も少しは……」

母親はヒステリーを起こして眼鏡くんの話なんて聞こえない。

眼鏡くん、追い詰められ過ぎて息苦しくなってしまう。

「眼鏡くん!?」

膝を突いた眼鏡くんが倒れないようにと支えてくれたのは金髪アロハだった。

「お前これ過呼吸!? ええと、」

電話からは、母親の金切り声が延々と聞こえている。

金髪アロハは「おばさん!眼鏡くんやばいから切るよ!」と電話に向かって言うと、眼鏡くんの手からスマホを奪って勝手に通話を切った。

「どーやって治すんだ! ええと、ゆっくり吐くんだって!」

金髪アロハは眼鏡くんの背中をさすりながら、「ほら、ふーっ」と声掛けをしてくれる。

眼鏡くんは苦しいし怖いし、でもずっと話しかけたかった金髪アロハが心配そうな顔をして傍にいてくれるのが嬉しくて、訳も分からず泣けてきたものだから余計に苦しくなる。

「あーっ! な、泣いてる!? よ、よしよし…」

金髪アロハは眼鏡くんを自分にもたれかからせると安心させる様に背中をさすり続ける。

すると再び母親から電話が掛かってきて、治まりかけていた過呼吸がまたぶり返す。

金髪アロハは無言のままスマホの電源を落とすと、「だいじょーぶ、だいじょーぶだから」と慰め続けてくれた。

しばらくしてようやく過呼吸が治まり、眼鏡くんは金髪アロハの腕の中にいることに思い至る。

「えっ! あ、ご、ごめん!」
「いやいーよ。気にするなって」

涙のせいで曇ってしまった眼鏡を取ると、金髪アロハが指で涙をぬぐってくれた。

「あ、あの……?」

過呼吸は止まったのに一向に離れようとしない金髪アロハ。

こんなところを他の生徒に見られたら! と思って金髪アロハの肩越しに部室内を確認したけど、誰もいない。

「み、みんなは……?」
「鍵最後に職員室に返しておいてーってさっき部長も出ていったよ」

帰宅時間が迫っていたけど眼鏡くんの電話が長引いていて、他の部員たちは先に帰ったらしい。

「あの、ごめん。もしかして僕を待っててくれたの?」
「んー? うん、まあ」

ニカッと笑う金髪アロハ。

「だってさ、眼鏡くんいつも俺のこと見てたでしょ」
「えっ」

気付かれていたことに驚く眼鏡くん。部員全員が分かってるくらいあからさまだったけど、人との距離感を学んでなかった眼鏡くんはずっとバレてないと思っていた。

「俺のこと苦手なのかなって思ってたけど、どうも違うみたいだし。でも目が合うと目を逸らすしさ、ずーっと気になってて」

気付けば金髪アロハは長い足で眼鏡くんを囲んでいて、あれ、これどういうこと? と混乱する眼鏡くん。

「……だから眼鏡くんと話したかった」
「あ、あの、その、何から話していいか」
「うん、ちゃんと聞くからゆっくりでいいよ」

金髪アロハの足と腕の中にすっぽりと収められてしまっている眼鏡くんは、過呼吸になっちゃったから倒れない様に支えてくれてるんだ! なんていい人だろう! と感心しながらも、これ以上迷惑はかけられない、と起き上がろうとする。

だけど反対に金髪アロハに引き寄せられてしまい、耳元で「大丈夫だよ」なんて囁かれてしまう。

普通に考えたら明らかにおかしな距離感も、友達同士のじゃれ合いの経験もなかった眼鏡くんには分からない。

大丈夫と言われるなら大丈夫なのかな? だったらちょっとくらい寄りかかっても叱られないのかもと、満員電車以外感じた記憶がない人肌に安堵を覚える。

同い年なのに大人だなー、絵と同じで凄い人なんだな、なんて考えた。

アロハくんの肩にもたれかかりながら、

「じ、実は僕、滅茶苦茶コミュ障で……」

ぽつりぽつりと話し始めた眼鏡くん。金髪アロハのことはちっとも嫌ってなんかなくて、むしろ自分を出せてて絵も凄く上手ですごいなあと思っていた、と伝える。

「あの時のことを謝ろうと思って見ている内に、ずっと見つめちゃって……気持ち悪かったよね? ごめんね」

自分に塩対応してきた相手がいつも後ろから覗き見していたら、普通は嫌だろう。だけど金髪アロハは「そんなことない」と言うと、今度はさっきの電話のことを聞いた。

「過呼吸になるなんて余程だろ。話してみてよ。誰にも話さないからさ」
「で、でも迷惑じゃ」
「このまま放置される方が辛いんだけど?」
「えっ、ご、ごめん」
「謝らなくていいって」

苦笑する金髪アロハ。ということで、眼鏡くんは聞かれるがままに中学時代のこと、絵に興味を持っていたけど母親に否定されたこと、それから突然降って湧いた海外赴任に自分もついていきたい母親が「転校すればいい」とあっさり要求してきたことを話してしまった。

「それどっからどうみても毒親じゃん」
「そ、そうなの?」
「勉強しろは分かるし、いい学校に入ってほしいも分かるけどさ。だからって本人がやりたがってた部活はやらせない、進学先は選ばせない、しかも頑張って入った高校を自分が海外行きたいからって転校? いや、ない。あり得ない」
「あり得ない……?」
「そーだよ。おかしいのは眼鏡くんの母親だぞ」

これまでずっと、時折「おかしいな」と思いながらも母親が正しいんだと信じてきた眼鏡くん。厳しいことを言うのは、母親の言葉通り「将来の眼鏡くんの為」だと思い込まされてきた。

だから金髪アロハの「おかしいのは母親」という指摘は、目から鱗だったのだ。

眼鏡くんがびっくりしている中、金髪アロハが眉間にシワを寄せながら唸る。

「……俺、眼鏡くんをそんな家に帰したくないんだけど」

突然何かを言い始める金髪アロハに、眼鏡くんは口をパクパクするだけ。

「なあ、眼鏡くんの父親って話分かる人?」
「わ、分かる方だと思う。だけど家に全然帰ってこなくて……」
「俺、眼鏡くんの父親と話してもいい?」
「えっ? どうして?」
「どうしても」

金髪アロハがあまりにも真剣な顔をするので混乱してしまった眼鏡くんは、言われるがままにスマホの父親の番号を表示させてしまう。

「ん、ありがと」

金髪アロハは当然のようにスマホを受け取ると、電話をかけてしまった。

父親が電話に出ると、金髪アロハは意外にも礼儀正しく状況を説明していく。

「このまま家に帰しても、眼鏡くんの心が心配です。状況が改善するまでうちで預からせていただきたいんですが」

えっ!? と思っていると、金髪アロハは「ありがとうございます!」なんて笑顔で頭を下げちゃっている。

「お父さんが代わってだって」

にこにこしながら言われて、

「え!?」

と思いながらも電話に出る。

『眼鏡くんすまない。父さんはお前がそんなに追い詰められているなんて……!』

父親から見た眼鏡くんは母親に従順だったから、仲良し親子で母親とセットな認識だったらしい。

逃げてた、ごめんと言われ涙ぼろぼろの眼鏡くん。金髪アロハが代わって連絡先やらなにやら情報を交換。

電話を切ると、震えながら泣いてる眼鏡くんをぎゅーっとして「うちに帰ろう」と手を引かれながら金髪アロハの家へと向かう。

金髪アロハの家は昔ながらの定食屋さんだった。大盛況で眼鏡くんがきょどっていると、両親にざっと説明されただけで「自分ちだと思ってゆっくりしてってね!」なんて受け入れられて更に驚く眼鏡くん。

自分の母親だったら絶対迷惑がるなと思ってしまい、ああ、この両親だから金髪アロハはこんな自分にも優しいのか、と思った。

店があるビルの上階が住居になっていて、金髪アロハの部屋は最上階ベッドと本棚、沢山の漫画にテレビ。

プラモデルやら絵画ポスターやらも飾られていて、賑やかで金髪アロハが好きな物で溢れてる部屋だった。

友達の部屋なんて知らなかった眼鏡くん、自分の何も置かせてもらえない漫画も禁止されている寝て勉強するだけの部屋とは大違いでびっくりする。

金髪アロハに言われても固まったままの眼鏡くん。

自由にしてもと言われても、友達の家なんか中学になってからは行ったことがなかったから、勝手が分からなかった。

「あのっ! 本当に迷惑じゃないの?」
「迷惑? ぜーんぜん!」

むしろずっと視線が気になってたから話すキッカケが欲しかったそうだ。

「眼鏡くんって眼鏡で隠れてるけど、実は目が大きいじゃん。大きな目でいつも俺のことじっと見ててかわ……」
「かわ?」

眼鏡くんが聞き返すと、金髪アロハは「あー!腹減ったな!」とわざとらしく立ち上がって伸びをする。

パッと明るい笑顔で振り返ると、

「そうそう、なんでいつも制服な訳?」

と言いながら、サイズはいくつだとか聞きながら金髪アロハの派手派手服を何着が見繕ってくれた。

「そういえばなんでいつもアロハなの?」

ずっと不思議に思っていたので尋ねると、

「姉ちゃんがハワイに嫁いでいって、いつも送ってくるんだよ」

と答えた。大量にあるから着ないと勿体ないと着ている内に、クローゼットがアロハだらけになってしまったんだそうだ。

「ふは、なにそれ」

チンピラファッション怖いなーなんて思ってた理由がまさかの姉だったので、意外性に小さく吹き出す眼鏡くん。

「うお……っきゃわ……っ」

金髪アロハが突然顔を真っ赤にして悶える。

「えっどうしたの!?」

慌てる眼鏡くんに、

「笑ってる顔初めて見たけどいいよ」

と何故か照れながら答えてくれた。

次の日から眼鏡くんはなるべく地味めなアロハを着て学校に。

当然周りは「どうしたの!?」と騒いでいたけど、横で金髪アロハががっちりガードしていたので何も言われず。

父親はすぐに動いてくれて、翌日には眼鏡くんに会いに飲食店に来てくれた。

お金やら今後のことやらを飲食店で語る内に金髪アロハの両親ともすっかり打ち解け、

「眼鏡くんを守る為に協力をお願いします……!」

と頭を下げて眼鏡くんを当面預かってもらうことに。

母親からは連日着信があって、学校にも「うちの子が誘拐された」と大騒ぎしているらしい。

これまでは目を合わせて喋られなかった眼鏡くんだったけど、金髪アロハと毎日密に過ごすことで段々と目を合わせ、楽しかったことも喋られるように変わってきた。

このままじゃいけないと自分でも気付き始めた眼鏡くんは、忙しい時間帯はお店を手伝う様に。

初めは失敗ばかりだったけど、段々と常連さんともおしゃべりできる様になってきて、眼鏡くん本来の穏やかな明るさが出てくる様になった。

母親は着信拒否をしたりブロックしたりして逃げているけど、それでも公衆電話とかから電話が掛かってくる。

出た瞬間に過呼吸が出始める眼鏡くんを抱き寄せて落ち着かせるのは金髪アロハの仕事だ。たまたま部室で過呼吸が起きて他の部員が背中を撫でようとしたら金髪アロハが飛んできて、

「これは俺の!」

と余裕ゼロの顔で怒鳴ったものだから、翌日には「金髪アロハ♡⇒眼鏡くん」と共通認識される。

自分の服ももうあるけど「今日はこのアロハな♡」と金髪アロハがにこにこするので、もうすっかり金髪アロハに絆されて離れると不安に感じちゃう眼鏡くんは、

「金髪アロハのアロハ着てると安心する」

なんて行っちゃって金髪アロハが鼻血出そうになったり。

自己愛強すぎて子供は自分の持ち物感覚がなくならない母親は、周りを巻き込んで「悪いのは父親!」と攻撃を始める。なんだけど薄っぺらい自己保身の嘘が重なりどんどんバレて追い詰められる。

でも謝るなんて自分大好きで考えられない母親は、

「ふ、ふん! こっちから離婚して縁切ってやる!」

ととうとう離婚へ。

家中のものを壊したり共有財産を売り払ったりと散々やられた父親は慰謝料請求したりと反撃。

眼鏡くんの親権を勝ち取った父親は、「海外赴任はやめて家は売って二人で小さめなマンションにでも住もうかと」と飲食店で話す。

するとそれを店を手伝いながら聞いていた金髪アロハ、

「海外赴任全然行っちゃって大丈夫ですよ! 眼鏡くんは俺が一生面倒を見……あっ」

と興奮してぶちまけてしまう。

「わ、悪い……離れるのが嫌で眼鏡くんの意見聞いてなかった……」

と凹む金髪アロハ。

だけど、緊張からくるポーカーフェイスが取れたら実はかなりの天然だったことが判明した眼鏡くん、

「え、僕とずっと一緒にいてくれるの? 嬉しいなあ」

と逆に喜ぶ。

親たちは、「え?まさかこれってそうなの?」なんて思いながらも、特定の仲のいい人間を作っていなかった金髪アロハがこんなにも大事にしているし、眼鏡くんは眼鏡くんでもう全面の信頼を寄せていてようやく明るさを取り戻したのに引き離したくないしってことで、

「離れたくないのなら」

と二人の仲を認める形に。

金髪アロハは恋心を自覚してるけど、眼鏡くんは好きなんだけど恋愛もよく分からないから「?」な状態。

結局父親は海外赴任しに行き、金髪アロハと眼鏡くんは二人とも同じ美大に進学。

「一人暮らしなんて眼鏡くんが心配!」

と金髪アロハが主張しまくり、二人で同じアパートに住むことになる。

親元も離れたしこれでようやく思いを伝えるんだ! と決意する金髪アロハだったけど、眼鏡くんが警戒心ゼロで寝る時も抱きついてきたり(ダブルベッドでいいじゃんとアロハが押し通した)してくるからとうとうある晩耐えきれなくて、告白前にキスしてしまう。

眼鏡くんはびっくりだったけど、ちっとも嫌じゃない。

「ず、ずっと好きです」
「僕も君がずっと好きだよ」

過去も未来も好きだとお互いに言い合い、時間はかかったけどようやく両思いになった二人でした。

大学生編で今度は金髪アロハがどうやって眼鏡くんにもーちょっと色々先も意識してほしいなーと画策して結局空振って、天然な眼鏡くんが無邪気に「よく分からないから教えてよ」なんて言ってきて鼻血ぼたぼた出しながら念願達叶うとかもあったら楽しそう

以上、イラストから書いたツイノベ
世話好き独占欲強め金髪アロハx陰キャが取れたらど天然だった眼鏡くん

でした!(長くてすんません!)
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