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74 驚き発言※
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部屋の窓が三度曇っていく間も、結界の障壁を斬りつける甲高い音は響き続けた。
クロイスはお構いなしに俺を抱きながら俺の耳を手で塞いだり耳の穴に舌を突っ込んだりしていたから、俺は途中からロイクが結界を破ろうとしていることも忘れてひたすら嬌声を上げ続けた。
喉が枯れて呼吸することすら苦しくなる頃に、ずっと俺の中に入りっ放しだったクロイスがようやく俺の中からズルリと出ていく。
大きく上下する俺の上半身を見下ろしながら、クロイスは満足そうな微笑みをたたえていた。頭を起こすのも辛くて目だけで確認すると、てらてらに光ったクロイスの赤黒い雄は、大人しく垂れ下がっている。
ようやく終わった。安堵しすぎて、一瞬フッと気を失いかけた。頑張れ俺、まだ話は終わっちゃいない。
でも、とりあえずは文句から言う。
「お前な……俺のケツが死ぬから……」
クロイスはしれっと返した。
「だってビイがすぐに締め付けるから」
「だからって一度も抜かずに三発だぞ! いくらなんでもやり過ぎだ!」
今もでろでろと俺のケツを伝って布団を濡らしているのは、クロイスが俺の中に放った欲だ。出しすぎだって本当。この量は、まあ絶対回復してたな。
「ごめん、次から気をつけるね」
甘えたように唇を尖らせる俺の若い恋人、クロイス。こいつの中に俺の兄的存在だったクロードの記憶があって同じ魂を持っているのは、にわかには信じられない。
俺を抱いている最中に教えてくれたところによると、クロイスはやっぱりクロイスで、クロードとは別人格らしかった。だから自分のことは引き続きクロイスと呼んでと言われた。ずっこんばっこんやってる最中によく冷静に話せるな。俺には無理だよ。
他にも何か言われた気がするけど、快感を拾うのに忙しくて殆ど聞いちゃいなかった。大事な話がなかったことを祈るしかない。
「もう動けねえ……」
「ビイは休んでて」
俺が脱力していると、湯が張られた桶と手ぬぐいを持ってきたクロイスが、丁寧に俺の全身を拭き始める。甲斐甲斐しいけど、年齢差的に介護? と一瞬思ってしまった。
次いで、こいつ洗浄魔法使えたよな? と思った。だけど、真顔なのにちょっぴり嬉しそうなのが垣間見えてしまい、何も言えなくなる。だって可愛いじゃないか。俺の身体を拭いて喜んでるんだぞ。
脇の下もへその中に溜まった精液も玉の裏もどこもかしこも念入りに拭き取ったクロイスは、自分にはさっと洗浄魔法を掛けると俺の横に寝転がった。いつの間にか布団にも全て洗浄魔法が掛けられていて、サラサラになっている。
なんで俺だけ拭いたの? と聞こうかと思ったけど、ギイインッ、ギイインッと相変わらず上の方から障壁をぶっ叩く音が聞こえ続けているので、これ以上の無駄話は控えることにした。というか本来だったら三発もヤッてる場合じゃなかったんだけどな。
クロイスは裸の俺の足に片足を絡ませると、横から俺に抱きつく形になった。双子が子供の時、俺だけ仰向けで双子は俺の方を向いて同じように寝てたなあ、なんて懐かしくなる。
「……クロイス、お前はどうするつもりなんだよ」
俺の頭の横で肘枕を自分でしながら、俺の髪をくるくると指に絡ませ始めたクロイスに尋ねた。事後の甘い雰囲気を出しまくっているけど、すぐ外では超問題児ロイクが今もガチギレしている最中だ。
クロードも焦ることは殆どなかったけど、クロイスもかなり胆が据わってるよな。
「俺はビイがしたいようにするよ。ただし別れるのは絶対ないけどね」
クロイスと離れることは選択肢から除外しろってことだ。
と、クロイスが思い出したように言った。
「さっきも言ったけど、だからオレはロイクよりも強いから、逃げることもできるし、オリヴィア母様には迷惑掛けちゃうけどロイクをコテンパンにすることも可能だよ」
さらりと言われた内容に、俺は顔を歪める。
「は? いつそんなこと言った」
いやいや俺はクロイスをロイクに殺されたくなかったからこうして悩んでいたっていうのに、何冗談を――。
クロイスが「あれ?」という顔になった。
クロイスはお構いなしに俺を抱きながら俺の耳を手で塞いだり耳の穴に舌を突っ込んだりしていたから、俺は途中からロイクが結界を破ろうとしていることも忘れてひたすら嬌声を上げ続けた。
喉が枯れて呼吸することすら苦しくなる頃に、ずっと俺の中に入りっ放しだったクロイスがようやく俺の中からズルリと出ていく。
大きく上下する俺の上半身を見下ろしながら、クロイスは満足そうな微笑みをたたえていた。頭を起こすのも辛くて目だけで確認すると、てらてらに光ったクロイスの赤黒い雄は、大人しく垂れ下がっている。
ようやく終わった。安堵しすぎて、一瞬フッと気を失いかけた。頑張れ俺、まだ話は終わっちゃいない。
でも、とりあえずは文句から言う。
「お前な……俺のケツが死ぬから……」
クロイスはしれっと返した。
「だってビイがすぐに締め付けるから」
「だからって一度も抜かずに三発だぞ! いくらなんでもやり過ぎだ!」
今もでろでろと俺のケツを伝って布団を濡らしているのは、クロイスが俺の中に放った欲だ。出しすぎだって本当。この量は、まあ絶対回復してたな。
「ごめん、次から気をつけるね」
甘えたように唇を尖らせる俺の若い恋人、クロイス。こいつの中に俺の兄的存在だったクロードの記憶があって同じ魂を持っているのは、にわかには信じられない。
俺を抱いている最中に教えてくれたところによると、クロイスはやっぱりクロイスで、クロードとは別人格らしかった。だから自分のことは引き続きクロイスと呼んでと言われた。ずっこんばっこんやってる最中によく冷静に話せるな。俺には無理だよ。
他にも何か言われた気がするけど、快感を拾うのに忙しくて殆ど聞いちゃいなかった。大事な話がなかったことを祈るしかない。
「もう動けねえ……」
「ビイは休んでて」
俺が脱力していると、湯が張られた桶と手ぬぐいを持ってきたクロイスが、丁寧に俺の全身を拭き始める。甲斐甲斐しいけど、年齢差的に介護? と一瞬思ってしまった。
次いで、こいつ洗浄魔法使えたよな? と思った。だけど、真顔なのにちょっぴり嬉しそうなのが垣間見えてしまい、何も言えなくなる。だって可愛いじゃないか。俺の身体を拭いて喜んでるんだぞ。
脇の下もへその中に溜まった精液も玉の裏もどこもかしこも念入りに拭き取ったクロイスは、自分にはさっと洗浄魔法を掛けると俺の横に寝転がった。いつの間にか布団にも全て洗浄魔法が掛けられていて、サラサラになっている。
なんで俺だけ拭いたの? と聞こうかと思ったけど、ギイインッ、ギイインッと相変わらず上の方から障壁をぶっ叩く音が聞こえ続けているので、これ以上の無駄話は控えることにした。というか本来だったら三発もヤッてる場合じゃなかったんだけどな。
クロイスは裸の俺の足に片足を絡ませると、横から俺に抱きつく形になった。双子が子供の時、俺だけ仰向けで双子は俺の方を向いて同じように寝てたなあ、なんて懐かしくなる。
「……クロイス、お前はどうするつもりなんだよ」
俺の頭の横で肘枕を自分でしながら、俺の髪をくるくると指に絡ませ始めたクロイスに尋ねた。事後の甘い雰囲気を出しまくっているけど、すぐ外では超問題児ロイクが今もガチギレしている最中だ。
クロードも焦ることは殆どなかったけど、クロイスもかなり胆が据わってるよな。
「俺はビイがしたいようにするよ。ただし別れるのは絶対ないけどね」
クロイスと離れることは選択肢から除外しろってことだ。
と、クロイスが思い出したように言った。
「さっきも言ったけど、だからオレはロイクよりも強いから、逃げることもできるし、オリヴィア母様には迷惑掛けちゃうけどロイクをコテンパンにすることも可能だよ」
さらりと言われた内容に、俺は顔を歪める。
「は? いつそんなこと言った」
いやいや俺はクロイスをロイクに殺されたくなかったからこうして悩んでいたっていうのに、何冗談を――。
クロイスが「あれ?」という顔になった。
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