勇者に執着されて絶望した双剣の剣聖は、勇者の息子の黒髪王子に拘束されて絆される

緑虫

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 窓に駆け寄り、べたりと鼻先を硝子にくっつける。

 今は肩からクロイスのシャツを羽織っただけのほぼ全裸状態だけど、窓の外に露台があるので、門の外に人がいても下半身までは見られないのは分かっていた。

 青い魔法障壁があるから、敷地内に人が立ち入ることはない。だとすれば門から侵入しようとしているのかと見てみたけど、衛兵や野次馬らしき人影は遠目に確認できるものの、こんな衝撃を与えるような攻撃をしている素振りはなかった。

「いないぞ! どこから攻撃してるんだ!?」

 と、もう一度、今度はギン! ギイインッ! と衝撃音が連続して響く。……上の方が音が大きい気がして、そーっと目線を上げると。

「……ひっ」

 いた! 屋敷の上にある障壁の上に乗ってやがった。膝までしか見えないけど、服装や障壁に突き立てている剣からして、あれはロイクに間違いない。

 ウロウロと歩いていた革靴が、ピタリと止まる。

 つま先がくるりと俺の方に向けられたかと思うと、突然ロイクがべたりと床に顔を付けた。ひいいっ! 怖え!

 ロイクが物凄い形相で口をパクパクしている。何かを叫んているようだけど、魔法障壁のお陰で何も聞こえない。

「き、来ちゃったよ! どーすんだこれ!」

 思わず後退ろうとしたら、すぐに背中が壁に当たってしまった。ん?

「屈まないとオレからは見えないなあ」

 クロイスが俺のすぐ後ろに立っているじゃないか。

「馬鹿! 顔を出すなよ! お前の顔を見られたらとんでもないことになるぞ!」

 慌てて背中で押し返そうとしたのに、するりと両脇から滑り込んできた大きな手で胸を揉まれてしまい、つい「んっ」と反応してしまう。いや待て俺! 今はその時じゃない! 絶対違うぞ!

「何やってんだよ!」
「ビイのを触ってる」
「わ、馬鹿っ」

 クロイスは左手で俺の左の乳首を摘むと、胸筋を揉みながら甘くつねった。

「んんっ」

 散々愛撫されて触れるだけでじんじんしているのに刺激を与えられて、またもや甘い声が漏れる。

 ハッとして上空を見ると、ロイクが言い表しようのないとんでもない顔で何かを叫んでいた。

「ば、馬鹿! ロイクに見られてるぞ! 今すぐやめ――ぁんっ」

 クロイスの右手が、俺のぷらんとぶら下がっている雄を掴み、ゆるゆると扱き始める。途端、下腹部がキュンとして反射的にケツを後ろに突き出すと、ゴリ、と固いモノが当たった。

「……クーローイースぅ?」

 ちょっと屈んだ状態で振り返ると、クロイスが無邪気にも見える顔で「なに?」と答えた。なに、じゃねえ。

「お前な! こんなのあいつに見られたらどうなると思ってんだよ!」
「もう見られてるよ」
「ば……っ! まだ顔は見られてないだろ! 今なら遅くない、すぐに部屋の奥へ……!」
「はいはい」

 返事はいい。なのにクロイスは正反対のことをし始めた。

 両手を移動して俺の腿を持ち上げると、小さな子供に小便させてやるみたいな体勢に持ち上げられる。踵が窓についた。

 ロイクが俺の股間をガン見している。何か叫んで拳で障壁をガンガン叩いているのが、ビイン、ビイン、と振動となって伝わってきていた。あれマジギレだよ、本気でやばいって!

「この体勢でも入るかな」
「はあっ!? お前何言って……あっ」

 少し前もクロイスを受け入れていた俺の孔は、見事にあっさりとクロイスの完勃ちした雄をつぷんと受け入れる。

「……はぅんっ」

 この体勢、門の外の奴らに見えないか!? あ、ギリ見えない! あっぶねー!

「……どう? ロイクはどんな顔してる?」

 クロイスは、クロイスの剣を納める鞘と化した俺の中へズブズブと押し進めてきた。どうしたって襲ってくる快楽に、口がだらしなく開く。

「ひぁ……っ! や、やめ……っ」
「すごい締め付けだよビイ。まさか見られながらする方が興奮するの?」
「ちが……っんぅっ!」

 どうしよう見られたら絶対に拙いという焦りがあって、必死で窓を蹴って後ろに消えようとしているのに、クロイスの奴がいい感じに動くから俺のつま先がピン立ちして……こんちくしょー!

「ビイ、気持ちいい……?」
「ひゃんっ! あ、馬鹿、あっ、んっ」

 クロイスのデカブツが俺の内壁を擦り上げる度に、俺の気持ちいい所に当たってどんどん力が抜けていく。クロイスの腕にしがみつくのが精一杯で、ぐんっぐんっと突き上げられる度にロイクのおっそろしい顔が視界の中で上下するのを、快感でぼんやりしてくる頭で見るしかできなかった。

「ロ、ロイク、切れ……切れてる、からぁっ!」

 揺さぶられ続けながら必死に訴えると、クロイスは実に楽しそうな笑い声を立てる。

「く……くく、あはははっ」
「クロイス……?」

 クロイスは暫く笑った後、突然くるりと方向転換すると寝台の前で俺から抜いた。

「んんっ」
「可愛い声」

 寝台の中央に寝かされる。窓の外には、目の部分だけこちらを睨んでいるロイクの顔が見えた。怖い。怖すぎる。

「おま……おっさんに」
「おっさんなんてどこにいるの?」

 でたよ。

 クロイスは窓側の天蓋の布だけを閉じると、ギシリと膝をついて俺の股の間に入ってきた。まさか、嘘だろ?

 俺が余程驚いた顔をしていたのか、クロイスは俺の頬を撫でて笑う。

「大丈夫。結界はあんな攻撃じゃ破れないから、とりあえず今はこれをどうにかしよう?」
「これって」

 クロイスは己のギンギンに勃った雄を手に取ると、軽く振った。振るなよ。元気に上に跳ね返ってるし。

「猛りを鎮めないと。ね?」
「ま、待て!」

 俺が止めようとしている間にも、ギイインッ! ギイインッ! と障壁を斬りつける音が連続的に響いているんだけど。

「今後の方針は、これの後に決めようか」
「おま……っ」

 クロイスは俺の孔に照準を定めると、猛りまくっているクロイスの熱棒を再び俺の中に納めていく。

「ばっ……んあああっ!」
「ビイ、ビイ……っ」

 こいつまた回復魔法かけたんじゃないのか。そんな疑いを覚えた。それくらいガッチガチで、自分のケツがさすがに不安になってくる。

 ……でもクロイスのことは、目に入れても痛くないくらい可愛くて大好きだから結局は許せちゃうんだよな。

 クロイスの頬を持ち上げて、俺の顔に近付ける。軽く睨みながら。

「クロイス、口づけして……」
「甘えん坊のビイ、可愛い」
「うるせ……ん……っ」

 結局俺は絆されてしまい、自ら進んでクロイスの求めに全力で応えてしまったのだった。
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