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4 催淫の呪い※
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ズクズクと、身体の内側から熱いものがせり上がってくる。俺は痺れた身体を懸命に捩った。
「ふ、ふ……っ、苦しい……っ、熱いよ」
涙目で、俺を抱きかかえているロイクに助けを求める。
「ファビアン、ああ、どうしよう……っ」
ロイクはワタワタとしていた。そりゃそうだという冷静な自分が一瞬だけ現れたけど、すぐに思考は「この疼きを早く何とかしないと」という考え一色に染まる。
俺はまだ若くて、童貞だった。溜まったら出すのは割と事務的な作業で、水浴びをする時に抜く程度。そもそも魔物と戦ってばかりいる毎日で、色気もなにもあったもんじゃない。
だから俺の自慰は恋愛や性的には直結してなくて、あくまで生理的な現象を収める為にしていただけだ。
だから、こんな身体の疼きは――経験がない。
「ふ、あ、熱い……っ! 痺れて身体が動かないよ……っ!」
だから俺は今の自分の状態が分かっていなかった。身体中がゾワゾワして、ロイクと触れ合っている肌が擦れるだけでビクンと跳ねてしまうのだ。なんだこれ、俺、なんかやばい状態になってるぞ。
「ど、どうしよう……! ええと……っ」
日頃は冷静沈着なロイクが、とんでもなく困った顔をして慌てている。悪いなとは思ったけど、俺もどうしようもない。
「熱い、痛い、脱ぐ、服脱ぐ……っ」
「え、あっ」
身体が殆ど言うことを聞いてくれないので、俺は熱いだの苦しいだの言うだけだ。勝手に涙が目尻からこぼれ落ちていった。
「ロイク、脱がせてえ……っ」
は、は、と荒くなっていく熱い息を繰り返していると、ロイクの挙動不審げに彷徨っていた目線が段々と俺に定まっていく。
「……ん、分かった」
ロイクは眉をきりりとさせると、俺の脇を抱えてロイクの胡座の上に乗せた。俺がもたれる形になると、「ふう」と息を吐いてから、俺の下穿きの腰紐を解き始める。
ガチガチに勃ってしまって服が擦れて痛いから、服から出せば少し落ち着くんじゃ。そんな気持ちから言った言葉だったけど。
ロイクは両手で俺のガチガチに勃ち上がった雄を取り出すと、そっと包み込んでゆるゆると扱き始めた。――え、何やってんの?
「あ、あの、ロイク?」
「うん、大丈夫だから」
「……んあっ!」
ロイクの親指がカリの溝をぐりっと押すと、これまで一度も出したことのない甘ったるい声が俺の口から飛び出す。待って、これ滅茶苦茶気持ちいいけど、自分でやるのと全然違うんだけど!
だけど、この状況は果たしていいものか。シュコシュコと休みなく動くロイクの手のひらは、ちょっと硬くてそれがとんでもなく刺激的で気持ちいい。でもさすがに拙いぞ!
「え、あっ、ちょっと、ま、待って……っ!」
俺の雄の鈴口から滲んできた透明の液体がロイクの手を濡らし、上下に擦られる度にぐちょぐちょと音を立て始めた。痺れている筈なのに、腰だけが前後に小さく揺れる。
ふ、ふ、と耳にロイクの熱い息が吹きかかり、ゾクゾクゾクッと快感がつま先から頭頂まで駆け抜けていった。
「あ、いやっ! 脳みそ溶けちゃう……っ!」
ロイクは俺が動けないから、それで協力してくれているんだ。分かってはいるけど、勇者にこんなことさせられない!
「だめっ、あっ、んっ、ロイク、ちょ……っ!」
どんどん激しくなる手の動きに揺さぶられながら、俺は賢明に首を仰け反らせロイクの目を探す。こんなこと、やめさせなくちゃ。状態異常をオリヴィアに治してもらえば、それで終わる筈なんだから。
「ロイク、あの、オリヴィアに状態異常をっあっあぅっ」
何とか言いたいことを口にした瞬間、ロイクと目が合った。真っ青な瞳には、常にはない熱っぽさが窺える。……え、なんで?
と、俺のケツに何か固いモノがゴリッと当たったじゃないか。え? と目を見開くと、ロイクは目を細め。
「……俺も死霊に触れた」
「え」
「このまま戻るのはアレだろう?」
ロイクの形のいい唇が、俺の耳たぶを食んだ。え? えええ!?
「えっ!? でもさ、恥を忍んでオリヴィアに……っあ、あ、ああっ、ま、んんっ!」
ロイクの手の動きは更に激しくなり、もう今すぐにでも出ちゃいそうだ。
「ロイクッ! ま、イッちゃいそう! ああっ!」
「声が大きいとバレるかもしれないよ」
「ふえっ?」
日頃は穏やかなロイクが獣みたいな目をしたと思ったら、もう片方の手で俺の顎を鷲掴みしてロイクに向かせる。
「……ファビアン、可愛い」
低い声で呟いた後、ロイクは噛みつく様な勢いで俺の口を奪った。
「ふ、ふ……っ、苦しい……っ、熱いよ」
涙目で、俺を抱きかかえているロイクに助けを求める。
「ファビアン、ああ、どうしよう……っ」
ロイクはワタワタとしていた。そりゃそうだという冷静な自分が一瞬だけ現れたけど、すぐに思考は「この疼きを早く何とかしないと」という考え一色に染まる。
俺はまだ若くて、童貞だった。溜まったら出すのは割と事務的な作業で、水浴びをする時に抜く程度。そもそも魔物と戦ってばかりいる毎日で、色気もなにもあったもんじゃない。
だから俺の自慰は恋愛や性的には直結してなくて、あくまで生理的な現象を収める為にしていただけだ。
だから、こんな身体の疼きは――経験がない。
「ふ、あ、熱い……っ! 痺れて身体が動かないよ……っ!」
だから俺は今の自分の状態が分かっていなかった。身体中がゾワゾワして、ロイクと触れ合っている肌が擦れるだけでビクンと跳ねてしまうのだ。なんだこれ、俺、なんかやばい状態になってるぞ。
「ど、どうしよう……! ええと……っ」
日頃は冷静沈着なロイクが、とんでもなく困った顔をして慌てている。悪いなとは思ったけど、俺もどうしようもない。
「熱い、痛い、脱ぐ、服脱ぐ……っ」
「え、あっ」
身体が殆ど言うことを聞いてくれないので、俺は熱いだの苦しいだの言うだけだ。勝手に涙が目尻からこぼれ落ちていった。
「ロイク、脱がせてえ……っ」
は、は、と荒くなっていく熱い息を繰り返していると、ロイクの挙動不審げに彷徨っていた目線が段々と俺に定まっていく。
「……ん、分かった」
ロイクは眉をきりりとさせると、俺の脇を抱えてロイクの胡座の上に乗せた。俺がもたれる形になると、「ふう」と息を吐いてから、俺の下穿きの腰紐を解き始める。
ガチガチに勃ってしまって服が擦れて痛いから、服から出せば少し落ち着くんじゃ。そんな気持ちから言った言葉だったけど。
ロイクは両手で俺のガチガチに勃ち上がった雄を取り出すと、そっと包み込んでゆるゆると扱き始めた。――え、何やってんの?
「あ、あの、ロイク?」
「うん、大丈夫だから」
「……んあっ!」
ロイクの親指がカリの溝をぐりっと押すと、これまで一度も出したことのない甘ったるい声が俺の口から飛び出す。待って、これ滅茶苦茶気持ちいいけど、自分でやるのと全然違うんだけど!
だけど、この状況は果たしていいものか。シュコシュコと休みなく動くロイクの手のひらは、ちょっと硬くてそれがとんでもなく刺激的で気持ちいい。でもさすがに拙いぞ!
「え、あっ、ちょっと、ま、待って……っ!」
俺の雄の鈴口から滲んできた透明の液体がロイクの手を濡らし、上下に擦られる度にぐちょぐちょと音を立て始めた。痺れている筈なのに、腰だけが前後に小さく揺れる。
ふ、ふ、と耳にロイクの熱い息が吹きかかり、ゾクゾクゾクッと快感がつま先から頭頂まで駆け抜けていった。
「あ、いやっ! 脳みそ溶けちゃう……っ!」
ロイクは俺が動けないから、それで協力してくれているんだ。分かってはいるけど、勇者にこんなことさせられない!
「だめっ、あっ、んっ、ロイク、ちょ……っ!」
どんどん激しくなる手の動きに揺さぶられながら、俺は賢明に首を仰け反らせロイクの目を探す。こんなこと、やめさせなくちゃ。状態異常をオリヴィアに治してもらえば、それで終わる筈なんだから。
「ロイク、あの、オリヴィアに状態異常をっあっあぅっ」
何とか言いたいことを口にした瞬間、ロイクと目が合った。真っ青な瞳には、常にはない熱っぽさが窺える。……え、なんで?
と、俺のケツに何か固いモノがゴリッと当たったじゃないか。え? と目を見開くと、ロイクは目を細め。
「……俺も死霊に触れた」
「え」
「このまま戻るのはアレだろう?」
ロイクの形のいい唇が、俺の耳たぶを食んだ。え? えええ!?
「えっ!? でもさ、恥を忍んでオリヴィアに……っあ、あ、ああっ、ま、んんっ!」
ロイクの手の動きは更に激しくなり、もう今すぐにでも出ちゃいそうだ。
「ロイクッ! ま、イッちゃいそう! ああっ!」
「声が大きいとバレるかもしれないよ」
「ふえっ?」
日頃は穏やかなロイクが獣みたいな目をしたと思ったら、もう片方の手で俺の顎を鷲掴みしてロイクに向かせる。
「……ファビアン、可愛い」
低い声で呟いた後、ロイクは噛みつく様な勢いで俺の口を奪った。
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