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木曜日~決闘~
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とくに兆候がなかったかというと、そんなこともない。
夏休みの前にもあとにも、たまに前田と話す機会はあった。
研究室は違うが、学部が同じなので学部棟の入口出口で挨拶をしたり、なら飯でも食うかと食事をたまに一緒に取る程度の仲にはなっていた。純一は面倒くさがりというのは姫たちに限らぬ共通見解で、概ねそれは的を得ていた。それは人間関係一般に言えたことで、別に男女の問題に限ったことではなかった。純一本人はあまり気にしていないが、あまり友人を多くつくるという質でもなかった。が、別に人嫌いとかそういうモノとも違った。だから、人怖じしない前田のような人物とは機会があれば話もするし、さりとてとくに付き合いが疎遠になっても気にしない。そういう風だった。
同じ研究を割り当てられた山中と新谷も、純一を人に説明を省いて自分でいいようにする性格と見切り、ならば当面は任せておいて成果の状態をみようということもあり、自分たちの就職よりも先に決めてきた純一をさすがと睨み、ならば任せて自分たちの就職をと思っていると、教授から梅雨の頃に畑中くんがこんなモノをと持ってきたと、和訳論文を見せられ大層なプレッシャーを受けたものの、面接先でかなり具体的な話ができて楽だった、と純一の能力と性格と行動に毀誉褒貶あるものの悪意もなく、まぁ悪いヤツじゃないとそんな感じで信楽焼の狸よりはありがたく招き猫より頼もしいモノという程度には研究室の中で位置づけられていた。
そんな調子で面倒くさくない距離がなんとなく夏休み直前には出来ていた。
だから、というわけでもなく研究がだんだんと忙しくなり始め、会話する機会が増えればそれなりに親しい連携は必要で三人とも少しは真面目にお互いの距離をという事になる。
なんとなくそんな風に研究室内で卒業研究への機運が高まりだした頃、前田が伊藤研究室の扉を叩いた。
「わるい。畑中いるか」
少し前田が物憂い声で言った。
「どした?」
「ちょっと話がある。出られるか」
純一は山中と新谷を振り向くと二人は、行ってこい、と身振りで促した。
純一はロビーの自販機でと思ったが、前田は顎でしゃくると校舎の外に出た。
夏も終わって、そろそろ次は秋かというこの時期の夜はしっとりと生暖かいが蒸すという程でもなく、冷たいという程でもない。
「オレさぁ。言ったよな。頼むから、面倒を研究室に持ち込むような付き合い方してくれるなって」
不機嫌そうな唸るような声で前田は純一に背を向けたまま言った。
「なんかあったのか」
「ナンカじゃねぇだろ!」
前田が振り向きざまにどなった。
「ネットにヨツマタなんか晒して、よくもそんなことが言えるな!オマエは!」
そのままの勢いで前田は純一の襟首をねじ上げる。
「どういうコトだ」
純一は気持ち悪いモノが沸騰していくのを感じた。
「ウチの連中が卒論の合間にネットで遊んでたら見つけたんだよ。おまえらのこと書いた記事を」
「それで」
腹の中がグルグルした気分のままに、純一は前田に問うた。
「それで、って、オマエな。助けて、そのまま成り行きで納得してヨツマタかけてるなら、そこまでガタガタは言わない。それも俺には理解出来ないけど、お前らが納得しているならそれは仕方ない。けどな、それならソレでちゃんと手元においとけ」
「……バカか。オマエは」
純一の腹を這い出て喉を通り、口からそんな言葉がするりと蛇のように出た。
応じるように前田の拳が純一の顎を捉える。純一は首を固めて上半身で受け流したが、拳を躱しはしなかった。
さすがに体格のいい前田の拳は頭に響く、が、動きがわかって覚悟を持って受ければ耐えられないほどではない。
「――気は済んだか」
顎を浮かせて、殴られた箇所の歯と骨の状態を確認しながら、純一は訊いた。
「余裕のつもりか。――」
「そんなつもりはない」
「ふざけるなよ」
言葉を何か返そうとした純一に構わず前田はタックルをする。純一は運足で回り込み、背を突く。前田は大柄で早いが、この場所の広さなら純一に捌くことはできる。
「オレから聞きたいことがあったんじゃないのか」
「お前をノシてから、ゆっくり訊く」
前田は再びタックルをする。純一は躱して背中を突く。あっさりと前田は地面に手をつき、しかし即座に立て直す。
純一は軽く呆れた。前田の動きは身体的には優れているが、技術的な洗練も留意も為されていない動きだった。ラグビーは格闘的球技ではあるが、しかし格闘技でも武術でもないそんな動きだった。
アスファルトの上にあの速さで手をつけば捻挫せずとも、手のひらが痛いだろうに、と純一はそう思う。
純一が呆れたのは前田の動きではない。段々と純一の動きをあわせて正確さと洗練をさせてくる動きは、さすがに鍛えられていて純一が背中を突くのも段々と手加減が困難になっていたし、運足自体も余裕がないところまできていた。多少、前田の息は乱れていたが、それを言えば純一も似たようなもので、純一が自らの技術をその裏打ちとしていたのに前田はその鍛えられた体力のみを支えとしていた。
そういう肉体的な動きではなく、本質的に余力を持った、今この場で敵う筈のない純一に向かって、愚直にしかし言葉ではなく体を使って何かを伝えている前田の心根の中にあるもどかしさと、それに愚かにも戦いの形で付き合う自分自身の無意味なしかし有意義な価値の交流に呆れ返ってた。
このバカバカしい相撲の稽古のような、決闘というには手ぬるく、しかし手を抜けば純一はケガをし前田は目的を果たせない、そんな千日手にも似たやりとりは、前田が純一に投げつけた本質的な問いであることはここしばらくの前田との緩やかな交流で純一は理解していた。
その瞬間は、ごく自然に訪れた。
純一の運足をある形で読みきった前田の動きに合わせて、ごく自然に覚悟も理解もなく純一が前田を宙に舞わせた。全く余裕がなかった純一が送り手で咄嗟に前田の耳をつまんだが、汗のぬるみで辛うじて頭から落ちるのを阻止して前田の受身を助けた程度だった。
「すげぇ。柔道の試合でぶっ飛んでるのを見たことはあるが、オレの体重で飛ばされるとは思ってなかった」
「柔道の試合みたいにお互い五分で止まったところから投げられるのとは違うからな。耳大丈夫か」
飛ばされた余韻で目が子供みたいになっている前田に純一は訊いた。
「まぁ、この程度は試合でよくある」
「それよりはシャツと掌か。すまん。そこまではとても余裕なかった」
済まなさそうに純一が言ったのがよほど可笑しかったのか前田が苦笑し、しかし自らの行動の切っ掛けを思い出し表情を改める。
「で、どうする気だ。何もしないってのは許さないぞ」
夏の残りのぬるいアスファルトにまだ痺れる背中を預けながら、前田は言い募った。
「決まっている。――」
前田の襟首をアンダーシャツごとまとめて掴み上げる。
「いくぞ」
前田が身を起こす前に純一は力を込めて引きずる。その純粋な力に前田は驚く。
「おい、畑中、ちょっと待て。ズボンが破れる」
「うるさい。オマエがチャンとしろっていうから、ちゃんとしてやる。シャツやズボンはその経費だ」
そのまま純一が引きずるのにやっと追いついた前田を引っ立てて、前田の研究室に純一は押入った。ぎょっとした研究生たちやゼミ生――光もまだいた――の前に前田を突き出すと無言のままで研究室のPCのブラウザを確認して片端から履歴を消し、ブックマークの秘密捜査官ジュンまとめサイトと関連掲示板を消してゆく。
「お前らのPCも出せ」
純一は自分の声をよくできた悪人声だと思った。
持ち主自身たちで管理者権限で立ち上げさせて、同じ作業をおこなった。
抵抗した者もいたが純一が無言で前田を顎でしゃくると大人しく作業に従った。
「光、ちょっと来い」
荒々しい気分のまま純一は光を差し招く。好奇の目もあったが、そこは無視した。
近寄った光を引き寄せ、勢いのまま純一はその締まった腰を抱く。
「――コレは俺のだ。俺に他に女がいようと、コレは俺のだ。手を出したら潰す。他のに手を出していても潰す。下らないうわさ話を流してたらココの連中から順に締め上げて潰す。ネットで発見したらやっぱりココから潰す。真面目に研究をやってろ」
そう言って純一は光に口づけをする。理由があったというよりは荒々しい気分をどうすれば吐き出せるのか、というような殆ど発作的な行動だった。最初、軽い口づけのつもりだったのだが、それだけではすまなくなり、飢えたように慾り腕の中で光が脱力するのに気がつき、純一は唇を離した。
「帰ろう」
純一がそう言うと光は頷いた。
「――前田、騒がしてすまなかった」
前田は渋い顔で宙を払ってみせる。
この事件はそれで終わりだったが、純一は自ら放し飼いを破ったことに少し気が咎めていた。
だが、そこはあまり変わりがなかった。
ただ、それぞれに卒業研究も始まったから帰りがバラバラで、できれば迎えに来て欲しい。と姫たちから乞われただけだった。
夏休みの前にもあとにも、たまに前田と話す機会はあった。
研究室は違うが、学部が同じなので学部棟の入口出口で挨拶をしたり、なら飯でも食うかと食事をたまに一緒に取る程度の仲にはなっていた。純一は面倒くさがりというのは姫たちに限らぬ共通見解で、概ねそれは的を得ていた。それは人間関係一般に言えたことで、別に男女の問題に限ったことではなかった。純一本人はあまり気にしていないが、あまり友人を多くつくるという質でもなかった。が、別に人嫌いとかそういうモノとも違った。だから、人怖じしない前田のような人物とは機会があれば話もするし、さりとてとくに付き合いが疎遠になっても気にしない。そういう風だった。
同じ研究を割り当てられた山中と新谷も、純一を人に説明を省いて自分でいいようにする性格と見切り、ならば当面は任せておいて成果の状態をみようということもあり、自分たちの就職よりも先に決めてきた純一をさすがと睨み、ならば任せて自分たちの就職をと思っていると、教授から梅雨の頃に畑中くんがこんなモノをと持ってきたと、和訳論文を見せられ大層なプレッシャーを受けたものの、面接先でかなり具体的な話ができて楽だった、と純一の能力と性格と行動に毀誉褒貶あるものの悪意もなく、まぁ悪いヤツじゃないとそんな感じで信楽焼の狸よりはありがたく招き猫より頼もしいモノという程度には研究室の中で位置づけられていた。
そんな調子で面倒くさくない距離がなんとなく夏休み直前には出来ていた。
だから、というわけでもなく研究がだんだんと忙しくなり始め、会話する機会が増えればそれなりに親しい連携は必要で三人とも少しは真面目にお互いの距離をという事になる。
なんとなくそんな風に研究室内で卒業研究への機運が高まりだした頃、前田が伊藤研究室の扉を叩いた。
「わるい。畑中いるか」
少し前田が物憂い声で言った。
「どした?」
「ちょっと話がある。出られるか」
純一は山中と新谷を振り向くと二人は、行ってこい、と身振りで促した。
純一はロビーの自販機でと思ったが、前田は顎でしゃくると校舎の外に出た。
夏も終わって、そろそろ次は秋かというこの時期の夜はしっとりと生暖かいが蒸すという程でもなく、冷たいという程でもない。
「オレさぁ。言ったよな。頼むから、面倒を研究室に持ち込むような付き合い方してくれるなって」
不機嫌そうな唸るような声で前田は純一に背を向けたまま言った。
「なんかあったのか」
「ナンカじゃねぇだろ!」
前田が振り向きざまにどなった。
「ネットにヨツマタなんか晒して、よくもそんなことが言えるな!オマエは!」
そのままの勢いで前田は純一の襟首をねじ上げる。
「どういうコトだ」
純一は気持ち悪いモノが沸騰していくのを感じた。
「ウチの連中が卒論の合間にネットで遊んでたら見つけたんだよ。おまえらのこと書いた記事を」
「それで」
腹の中がグルグルした気分のままに、純一は前田に問うた。
「それで、って、オマエな。助けて、そのまま成り行きで納得してヨツマタかけてるなら、そこまでガタガタは言わない。それも俺には理解出来ないけど、お前らが納得しているならそれは仕方ない。けどな、それならソレでちゃんと手元においとけ」
「……バカか。オマエは」
純一の腹を這い出て喉を通り、口からそんな言葉がするりと蛇のように出た。
応じるように前田の拳が純一の顎を捉える。純一は首を固めて上半身で受け流したが、拳を躱しはしなかった。
さすがに体格のいい前田の拳は頭に響く、が、動きがわかって覚悟を持って受ければ耐えられないほどではない。
「――気は済んだか」
顎を浮かせて、殴られた箇所の歯と骨の状態を確認しながら、純一は訊いた。
「余裕のつもりか。――」
「そんなつもりはない」
「ふざけるなよ」
言葉を何か返そうとした純一に構わず前田はタックルをする。純一は運足で回り込み、背を突く。前田は大柄で早いが、この場所の広さなら純一に捌くことはできる。
「オレから聞きたいことがあったんじゃないのか」
「お前をノシてから、ゆっくり訊く」
前田は再びタックルをする。純一は躱して背中を突く。あっさりと前田は地面に手をつき、しかし即座に立て直す。
純一は軽く呆れた。前田の動きは身体的には優れているが、技術的な洗練も留意も為されていない動きだった。ラグビーは格闘的球技ではあるが、しかし格闘技でも武術でもないそんな動きだった。
アスファルトの上にあの速さで手をつけば捻挫せずとも、手のひらが痛いだろうに、と純一はそう思う。
純一が呆れたのは前田の動きではない。段々と純一の動きをあわせて正確さと洗練をさせてくる動きは、さすがに鍛えられていて純一が背中を突くのも段々と手加減が困難になっていたし、運足自体も余裕がないところまできていた。多少、前田の息は乱れていたが、それを言えば純一も似たようなもので、純一が自らの技術をその裏打ちとしていたのに前田はその鍛えられた体力のみを支えとしていた。
そういう肉体的な動きではなく、本質的に余力を持った、今この場で敵う筈のない純一に向かって、愚直にしかし言葉ではなく体を使って何かを伝えている前田の心根の中にあるもどかしさと、それに愚かにも戦いの形で付き合う自分自身の無意味なしかし有意義な価値の交流に呆れ返ってた。
このバカバカしい相撲の稽古のような、決闘というには手ぬるく、しかし手を抜けば純一はケガをし前田は目的を果たせない、そんな千日手にも似たやりとりは、前田が純一に投げつけた本質的な問いであることはここしばらくの前田との緩やかな交流で純一は理解していた。
その瞬間は、ごく自然に訪れた。
純一の運足をある形で読みきった前田の動きに合わせて、ごく自然に覚悟も理解もなく純一が前田を宙に舞わせた。全く余裕がなかった純一が送り手で咄嗟に前田の耳をつまんだが、汗のぬるみで辛うじて頭から落ちるのを阻止して前田の受身を助けた程度だった。
「すげぇ。柔道の試合でぶっ飛んでるのを見たことはあるが、オレの体重で飛ばされるとは思ってなかった」
「柔道の試合みたいにお互い五分で止まったところから投げられるのとは違うからな。耳大丈夫か」
飛ばされた余韻で目が子供みたいになっている前田に純一は訊いた。
「まぁ、この程度は試合でよくある」
「それよりはシャツと掌か。すまん。そこまではとても余裕なかった」
済まなさそうに純一が言ったのがよほど可笑しかったのか前田が苦笑し、しかし自らの行動の切っ掛けを思い出し表情を改める。
「で、どうする気だ。何もしないってのは許さないぞ」
夏の残りのぬるいアスファルトにまだ痺れる背中を預けながら、前田は言い募った。
「決まっている。――」
前田の襟首をアンダーシャツごとまとめて掴み上げる。
「いくぞ」
前田が身を起こす前に純一は力を込めて引きずる。その純粋な力に前田は驚く。
「おい、畑中、ちょっと待て。ズボンが破れる」
「うるさい。オマエがチャンとしろっていうから、ちゃんとしてやる。シャツやズボンはその経費だ」
そのまま純一が引きずるのにやっと追いついた前田を引っ立てて、前田の研究室に純一は押入った。ぎょっとした研究生たちやゼミ生――光もまだいた――の前に前田を突き出すと無言のままで研究室のPCのブラウザを確認して片端から履歴を消し、ブックマークの秘密捜査官ジュンまとめサイトと関連掲示板を消してゆく。
「お前らのPCも出せ」
純一は自分の声をよくできた悪人声だと思った。
持ち主自身たちで管理者権限で立ち上げさせて、同じ作業をおこなった。
抵抗した者もいたが純一が無言で前田を顎でしゃくると大人しく作業に従った。
「光、ちょっと来い」
荒々しい気分のまま純一は光を差し招く。好奇の目もあったが、そこは無視した。
近寄った光を引き寄せ、勢いのまま純一はその締まった腰を抱く。
「――コレは俺のだ。俺に他に女がいようと、コレは俺のだ。手を出したら潰す。他のに手を出していても潰す。下らないうわさ話を流してたらココの連中から順に締め上げて潰す。ネットで発見したらやっぱりココから潰す。真面目に研究をやってろ」
そう言って純一は光に口づけをする。理由があったというよりは荒々しい気分をどうすれば吐き出せるのか、というような殆ど発作的な行動だった。最初、軽い口づけのつもりだったのだが、それだけではすまなくなり、飢えたように慾り腕の中で光が脱力するのに気がつき、純一は唇を離した。
「帰ろう」
純一がそう言うと光は頷いた。
「――前田、騒がしてすまなかった」
前田は渋い顔で宙を払ってみせる。
この事件はそれで終わりだったが、純一は自ら放し飼いを破ったことに少し気が咎めていた。
だが、そこはあまり変わりがなかった。
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