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17話 サキュバスの愛液

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 つつっと、勇者の胸へ指を這わす。

 尖った爪が皮膚を引っかき、肌に赤い線が走った。

 サキュバスは舌なめずりをして、傷にチュッと口づける。



「あのスライム、意外と賢いわ。こうやって勇者を生かしておけば、ずっと聖力を供給してもらえるんだもの。どうして今までの魔王は、そうしなかったのかしら」



 それはきっと召喚の儀式によって、次々に勇者が呼び出されたからだろう。

 敢えて今の勇者を生かしておかなくても、すぐに活きのいいのがやって来る。



「私も真似させてもらうわ。あなたはこれまでの勇者より、格別に美味しそうなんだもの。殺して血肉を貪るより、補給用にするのが正解よ」



 サキュバスは勇者の雄に手を伸ばす。

 そこはすでに芯を持ち、立ち上がりかけていた。



「ねえ、私が魔王になったら、あなたを夫にしてもいいわ。こんな鎖に繋がれ続けるより、自由の身になりたいでしょう?」

「勇者を夫にできるのか?」

「魔王のすることに、異を唱える魔物なんていないわ。見せしめに殺されるだけだもの」



 手淫を施すサキュバスに煽られ、勇者の雄槍はすっかり臨戦態勢になっている。

 亀頭の割れ目からはじわりと、透明な先走りがにじみ出ていた。



「これから魔王に隠れて、私と交わりましょう。あなたの聖力をもらえば、私はもっと強くなるわ」

「そうやってエネルギーを貯めていけば、いつか魔王を倒せるんだな?」

「うふふ、あなたの協力が必要不可欠よ。魔王は寝ているあなたから、精液を搾り取っているの。だから昼間に私へ射精してしまえば、夜には残りカスしかないわ」



 ボンデージのクロッチ部分を、サキュバスは開放する。

 こんもりと繁る赤毛の奥に、きらきらと光る女の泉があった。

 

「どうせなら、もっと楽しみたい。隅々まで見せてくれ」

「やる気になってくれたのね」



 サキュバスは嬉しそうに服を脱いでいく。

 それを勇者はじっくりと鑑賞した。

 全裸になったふたりは抱き合い、舌を絡めてキスをする。



「ああ、やっぱり美味しいわ。あなたの唾液も、聖力に満ちてる」



 サキュバスがじゅるじゅると音を立て、勇者の口腔を啜る。

 その間に勇者は、ふっくらと盛り上がった胸を揉みしだいた。

 久しぶりに感じる弾力が、脳を直にしびれさせる。



「入れるのは最後だ。それまで、久しぶりの女体を堪能したい」

「いいわよ。人型になれないスライムじゃ、こんなことは無理でしょう?」



 サキュバスをシーツの上に転がし、勇者は丁寧に愛撫をほどこした。

 汗ばむうなじに吸いつき、尖った乳頭をしごき、くねる脇腹に歯を立て、たっぷりと尻たぶを揉む。

 足指の間まで舐めしゃぶっていると、堪えきれぬ様にサキュバスが喘いだ。



「あ、ぁん……あなた、手慣れているわね。っ……あちらの世界では、ん、女泣かせ、だったんじゃないの?」

「俺は女を、金で買ったことしかないからなあ。よがっていたとしても、それは演技だと思っていた」

「そんなこと、ないわ。ふ……ぅ、とても上手よ。女が喜ぶ場所を、あぁ、……心得ているもの。ん、ひぅ!」



 びくり、と体を痙攣させ、サキュバスが達した。

 それを合図に、とろとろになった女壺から勇者の指が引き抜かれる。

 おもむろに指先をぺろりと舐めて、勇者は感心した。



「愛液の味も人間と変わらないなんて、本当によくできた体だ」

「私たちサキュバスは、相手の好む容姿になれるのよ。あなたが人間だから、今は人間そっくりに化けてるの」

「へ~、便利だなあ!」



 もっと触りたそうにしている勇者を、サキュバスが押し倒した。



「そろそろ、いいでしょう? 私も高揚してきたわ」



 勇者の漲っている肉棒を握ると、それを蜜孔に導く。



「もう少し遊びたかったなあ」

「また今度ね。取りあえず、今日の分をちょうだい」



 サキュバスは腰を振ると、赤い髪を揺らして乱れた。

 きつく締めあげられ、勇者がうっと呻く。



「何発くらい出せそう? 過去の勇者たちは、みんな絶倫だったから、あなたも相当――」

「残念だけど、これが最初で最後になる」



 細い腰を掴むと、勇者が下から突き上げる。

 あまりの激しさに、サキュバスの上体がガクガクと揺れた。



「どういう、こと? もしかして……夜に魔王が、搾り取ったせいで?」

「そうじゃない。――君が今から、俺に昇華されるからだ」
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