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9話 もぐもぐごっくん
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「っう……はあ、これは、気持ちがいい。自慢するだけは……あるな」
パイ圧をかけられしごかれている肉竿と、伸ばされた舌で舐めしゃぶられている亀頭。
それを真上から見下ろし、勇者は久しぶりに興奮していた。
射精したものがかかってはいけないから、犬は離れたところに避難させている。
魔物ではなくなったから大丈夫だとは思うが、勇者はもう、失う悲しみを味わいたくなかったのだ。
「少し強く、上下に擦ってくれ」
「出そうなの?」
嬉しそうな人魚は、あ~んと口を開け、勇者の射精を待ち構える。
リンゼちゃんの胸にも負けない、ボリュームのある巨乳できゅうきゅうと追い上げられ、勇者はうっと声を詰まらせ放出した。
びゅるっと射精された白濁液は、人魚の胸や顔に飛び散ったが、多くは口の中へ入ったようだ。
人魚は味わうように、もぐもぐと両頬を動かしている。
ごっくん――。
そして、精液を飲み込む音がした。
「これで、私も上級に……!」
輝かんばかりの笑みを浮かべる人魚と、その変化を見逃さないよう凝視する勇者、さらには後方からおっかなびっくり覗いている犬の、三者三様の姿がそこにはあった。
だが突然、甲高い声が間に割り込む。
「いやだ、あの子ったら! 勇者に手を出してるじゃない!」
「いくら探してもいないと思ったら、抜け駆けしていたのね」
「ちょっと、あの勇者を見てよ……もしかして……」
勇者がそちらを見やると、人魚によく似た金髪の美女が三人、こちらを指さして顔をしかめていた。
ゆらゆらと揺れる水面下には、人魚と同じように、鱗やヒレのある下半身がついている。
「人魚は四人姉妹だったのか」
「いいえ、私には四人の姉がいるから、五人姉妹よ」
「だが、あそこには三人しかいないぞ」
「あれ? 一番上のお姉さまがいないわ、どうして?」
疑問符を飛ばした人魚だったが、姉たちへ向かって、ぶんぶんと手を振った。
「お姉さま~、勇者から精液をもらえたわ! これで私も、ようやくじょ――」
上級に……と続くはずの言葉は、人魚の口からは出てこなかった。
代わりに、パクパクと空気を求めるように喘ぎ、苦しいのか目を白黒させている。
「一番上のお姉さまに続いて、あの子まで……!?」
「どちらも単独で、勝手な行動をするからよ」
「ああ……あの勇者の聖力、歴代の勇者と違って、眩しいほどに輝いているわ」
人魚の姉たちがそれぞれ溜め息をつく間に、勇者の精液を飲んだ人魚の姿はみるみる縮んでいく。
そして人間に近かった上半身の部分が凹んでいき、下半身へと取り込まれていった。
離れていた犬が、変化する人魚を見て、勇者の側まで戻ってくる。
「わんわん!」
「犬、お前と一緒だ。人魚もまた、俺の聖力で、魔物じゃなくなっていく」
ちゃぽん、と音がして、大きな金色のフナに変わった人魚は、慌てて岩陰へと逃げた。
「う~!」
それ見たことか、と犬が唸る。
果たしてフナになってしまった人魚に、それが聞こえたかどうか。
勇者の精液によって昇華された魔物は、これで2体目になった。
つまりピンク色のスライムがどうして無事だったのか、謎のままだ。
勇者は少し離れた場所にいる姉たちへ、手招きをして声を張り上げた。
「話を聞きたい。お前たちを攻撃しないと約束する。知っていることを教えてくれないか」
もう少し、情報収集をする必要がある。
ちょうどここには、歴代の勇者を知る人魚の姉たちがいる。
手っ取り早い解決策だと思ったが、姉たちはお互いの顔を見合い、どうする? と相談を始めた。
「怖い」だの、「嫌だ」だの、肯定的ではない単語が聞こえ、イラついた勇者は少し脅しを混ぜる。
「断るなら、今から俺のキンタマが空になるまで、湖へ射精し続けるぞ。ちなみに、こう見えて俺は絶倫だ」
ひょろりとした体躯は、とても性豪に見えないが、姉たちには過去の勇者の相手をした経験がある。
その言葉が本当だと分かっているから、急いで話ができる位置まで泳いで来た。
自分たちの住処である湖に、果てしない勇者の聖力を注がれては、やがて一族みんなが昇華されて、ここはフナだらけになってしまう。
「その、私たちで分かることなら……」
若干の怯えをにじませ、最年長らしい人魚が申し出た。
それに勇者は鷹揚に頷き、やっと聞きたかった質問をする。
「お前たちは、俺以外の勇者を知っているのだろう? どうして妹の人魚はレベルアップせずに、フナになったんだ? 俺と俺以外の勇者と、何が違う?」
パイ圧をかけられしごかれている肉竿と、伸ばされた舌で舐めしゃぶられている亀頭。
それを真上から見下ろし、勇者は久しぶりに興奮していた。
射精したものがかかってはいけないから、犬は離れたところに避難させている。
魔物ではなくなったから大丈夫だとは思うが、勇者はもう、失う悲しみを味わいたくなかったのだ。
「少し強く、上下に擦ってくれ」
「出そうなの?」
嬉しそうな人魚は、あ~んと口を開け、勇者の射精を待ち構える。
リンゼちゃんの胸にも負けない、ボリュームのある巨乳できゅうきゅうと追い上げられ、勇者はうっと声を詰まらせ放出した。
びゅるっと射精された白濁液は、人魚の胸や顔に飛び散ったが、多くは口の中へ入ったようだ。
人魚は味わうように、もぐもぐと両頬を動かしている。
ごっくん――。
そして、精液を飲み込む音がした。
「これで、私も上級に……!」
輝かんばかりの笑みを浮かべる人魚と、その変化を見逃さないよう凝視する勇者、さらには後方からおっかなびっくり覗いている犬の、三者三様の姿がそこにはあった。
だが突然、甲高い声が間に割り込む。
「いやだ、あの子ったら! 勇者に手を出してるじゃない!」
「いくら探してもいないと思ったら、抜け駆けしていたのね」
「ちょっと、あの勇者を見てよ……もしかして……」
勇者がそちらを見やると、人魚によく似た金髪の美女が三人、こちらを指さして顔をしかめていた。
ゆらゆらと揺れる水面下には、人魚と同じように、鱗やヒレのある下半身がついている。
「人魚は四人姉妹だったのか」
「いいえ、私には四人の姉がいるから、五人姉妹よ」
「だが、あそこには三人しかいないぞ」
「あれ? 一番上のお姉さまがいないわ、どうして?」
疑問符を飛ばした人魚だったが、姉たちへ向かって、ぶんぶんと手を振った。
「お姉さま~、勇者から精液をもらえたわ! これで私も、ようやくじょ――」
上級に……と続くはずの言葉は、人魚の口からは出てこなかった。
代わりに、パクパクと空気を求めるように喘ぎ、苦しいのか目を白黒させている。
「一番上のお姉さまに続いて、あの子まで……!?」
「どちらも単独で、勝手な行動をするからよ」
「ああ……あの勇者の聖力、歴代の勇者と違って、眩しいほどに輝いているわ」
人魚の姉たちがそれぞれ溜め息をつく間に、勇者の精液を飲んだ人魚の姿はみるみる縮んでいく。
そして人間に近かった上半身の部分が凹んでいき、下半身へと取り込まれていった。
離れていた犬が、変化する人魚を見て、勇者の側まで戻ってくる。
「わんわん!」
「犬、お前と一緒だ。人魚もまた、俺の聖力で、魔物じゃなくなっていく」
ちゃぽん、と音がして、大きな金色のフナに変わった人魚は、慌てて岩陰へと逃げた。
「う~!」
それ見たことか、と犬が唸る。
果たしてフナになってしまった人魚に、それが聞こえたかどうか。
勇者の精液によって昇華された魔物は、これで2体目になった。
つまりピンク色のスライムがどうして無事だったのか、謎のままだ。
勇者は少し離れた場所にいる姉たちへ、手招きをして声を張り上げた。
「話を聞きたい。お前たちを攻撃しないと約束する。知っていることを教えてくれないか」
もう少し、情報収集をする必要がある。
ちょうどここには、歴代の勇者を知る人魚の姉たちがいる。
手っ取り早い解決策だと思ったが、姉たちはお互いの顔を見合い、どうする? と相談を始めた。
「怖い」だの、「嫌だ」だの、肯定的ではない単語が聞こえ、イラついた勇者は少し脅しを混ぜる。
「断るなら、今から俺のキンタマが空になるまで、湖へ射精し続けるぞ。ちなみに、こう見えて俺は絶倫だ」
ひょろりとした体躯は、とても性豪に見えないが、姉たちには過去の勇者の相手をした経験がある。
その言葉が本当だと分かっているから、急いで話ができる位置まで泳いで来た。
自分たちの住処である湖に、果てしない勇者の聖力を注がれては、やがて一族みんなが昇華されて、ここはフナだらけになってしまう。
「その、私たちで分かることなら……」
若干の怯えをにじませ、最年長らしい人魚が申し出た。
それに勇者は鷹揚に頷き、やっと聞きたかった質問をする。
「お前たちは、俺以外の勇者を知っているのだろう? どうして妹の人魚はレベルアップせずに、フナになったんだ? 俺と俺以外の勇者と、何が違う?」
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