4 / 76
3話 前代未聞で異例
しおりを挟む
「今日から商科へ移動になりました、ファビオラ・グラナドです。どうぞ皆さん、よろしくお願いします」
淑女科から商科へのコース替えなど、前代未聞で異例なことだ。
それにも関わらず、満面の笑顔で挨拶をやってのけたファビオラに、クラスメイトたちは興味津々だった。
しかし、グラナド侯爵家の格の高さゆえに、声をかけるのを誰もが尻込みしている。
基本的に商科に在籍しているのは、男爵家や子爵家など、下位貴族の令息や令嬢たちばかりなのだ。
(上位貴族の令息や令嬢は、貴族間の交流を深めるため、紳士科や淑女科に進むのが当たり前だものね。それに比べて商科は男女共学、さらには完全なる実力主義だと聞くわ)
下位貴族の令息や令嬢たちは、税収だけで悠々自適な生活ができる身分ではないため、真面目に授業に取り組み、家業を盛り立てる術を学んでいる。
教鞭をとる先生たちも、それが分かっているから、容赦なく厳しい課題を出すらしい。
(ここで芽を出さなければ、お父さまには納得してもらえないでしょう。あの悲惨な将来を変えるために、私はいくらでも努力をするわ)
ファビオラは指定された席に着くと、授業が始まる前に、隣に座る令嬢へ会釈をした。
これから6年間、切磋琢磨する仲間だ。
さらに商科に関しては、相手が先輩にあたる。
頭を下げるのに、全く抵抗感はなかった。
「初めまして、よければファビオラと呼んでください。あなたのお名前をお伺いしても?」
「わ、私……シトリン・フーゴです」
シトリンは、黄色の髪と水色の瞳が明るい印象を与える、可愛らしい顔立ちの少女だった。
ファビオラに声をかけられて、歓びのためか、うっすらと頬を紅潮させている。
教えてもらった名前に思い当たる節があったファビオラは、さらに会話を続けた。
「もしかして、ご実家はフーゴ宝石商を営んでいらっしゃる? 私、パールを使った髪飾りのシリーズが、大好きなんです」
「うちのヒット商品です! ご愛顧いただき、ありがとうございます!」
緊張していたシトリンだったが、ファビオラが顧客だと分かると、途端にぱあっと顔を輝かせた。
誰しも、家業を褒められれば嬉しいものだ。
心の垣根がなくなったシトリンとファビオラは、あっという間に仲良くなった。
そしてファビオラが思っていたよりも、商科の先生たちは熱血揃いで、なかなかに身の引き締まる初日となったのだった。
◇◆◇◆
授業が終わり、ファビオラはシトリンと一緒に、商科の校舎前で迎えの馬車を待つ。
学生のための寮もあるが、二人とも王都内の屋敷から通学していた。
そうした者たちのために、学校の馬車回しには、風よけのある待合室が設けられている。
数人の学生に混じり、ファビオラたちもそこに腰を落ち着け、しばしの歓談を楽しんだ。
「ファビオラさんは、もっと高価な宝飾品を身につけていると思っていました」
グラナド侯爵家の財力を知っていれば、そう思うのも仕方がない。
フーゴ宝石商が扱っているのは、どちらかというと小粒な石が多い。
だが、それをデザインの妙で魅せて、一点ものの逸品として販売している。
ファビオラが愛用しているパールの髪飾りも、いきいきとした白ウサギが見事に表現されていた。
「単純に、石が大きければいいとは思いません。個性ある石の美しさを、最大限に引き出すフーゴ宝石商の技術に、私は惚れこんでいるんです」
まだ12歳ではあるが、ファビオラは侯爵令嬢らしく、いくつもの宝飾品を持っている。
中には、代々受け継がれてきたという、由緒正しいネックレスやイヤリングもある。
だが、少女がつけるには大仰すぎるし、格式ばっているせいで出番が少なく、結果として長らく宝石箱で眠っているのが現状だ。
「いざというときには、そうした大きな石のネックレスをつけるのでしょうけど、私にはまだ似合いません。むしろ今は、可愛らしくて心が弾む、フーゴ宝石商の品を好ましいと思っています」
「父も母も、それを聞いたら喜びます! 実は、この路線を継続するかどうか、迷っているみたいなんです。もっと鉱山に投資をして、大きな石を扱うべきかと悩んでいて……」
さすが商科で学んでいるだけはある。
すでに実家の事業計画について、シトリンは把握しているようだ。
「ぜひ今のままで、継続してもらいたいですね」
これから数年後、小粒の石をメインに扱うフーゴ宝石商ならではの、とあるアクセサリーが爆発的に売れるようになる。
それは恋人同士が、お互いの瞳の色の石を繋げて作る、この世にひとつのオーダーペアブレスレットだ。
出会ってすぐのレオナルドに、それを贈られた夢の中のファビオラは、取り扱いに大変苦悩していた。
だが、フーゴ宝石商の名前を、一躍有名にする商品なのだ。
「きっと、髪飾り以上のヒットが生まれますよ」
未来を知っているとは言えないので、謎の占い師のような台詞になってしまうファビオラだった。
◇◆◇◆
「あれから1年が経った。ファビオラは商科で、頑張っているようだな」
13歳になったファビオラと同じ食卓についているのは、学業成績を褒めてくれた父トマスだけではない。
12歳になって王都へやってきた弟アダンと、母パトリシアも共に晩餐を囲んでいた。
「なんの相談もなしに、淑女科を辞めるだなんて……どうしてトマスは、ファビオラを止めなかったのです?」
何も知らされていなかったパトリシアが、トマスを詰める。
淑女科から商科へのコース変更は、反対されるだろうと思っていたが、まったくもってその通りだった。
さっさと動いて正解だったと、ファビオラは胸を撫で下ろす。
納得のいっていないパトリシアと、ファビオラを認めてくれたトマスの問答は続く。
「ファビオラたっての希望だ。商人になれる能力があるのなら、それを活かすべきだろう」
「それは家を継げない次男や三男の話でしょう? ファビオラはグラナド侯爵家の長女として、しっかりと淑女の嗜みを学び、爵位のつりあう貴族に嫁ぐ準備をするべきですよ」
「君なら分かるだろうが、嫁いだ先によって、必要とされる知識は異なる」
エルゲラ辺境伯令嬢だったパトリシアは、広大な領地を馬で駆けるお転婆な少女だった。
それが今では、財務大臣として多忙を極めるトマスに代わり、グラナド侯爵領で収支報告書と睨めっこをする毎日だ。
「商科で学んだことが今後、ファビオラの役に立つかもしれないと言うのですか? それはまあ、否定はしませんが……」
ややパトリシアの勢いがなくなったところで、ファビオラが合いの手を入れる。
「お母さま、ご心配には及びません。ちゃんと淑女科で学ぶことも、同時に身につけていますから」
「同時に? それはそれで、大変なのではないの?」
予知夢のおかげで、18歳までに習う知識なら頭に入っている。
パートナーが必要なダンスなどの練習は残っているが、それはこれからアダンに付き合ってもらえばいい。
「お母さまの娘を信じてください。これでも私、やるときはやるんですよ」
「あなたが私に似て、活発なのは知っています。だけど、あんな事件があったから……」
パトリシアが頑なに、ファビオラを淑女らしく、大人しくさせようとするのは、その身を心配しているからだ。
3年前に、何者かの襲撃を受けて、ファビオラの左胸には生涯残る傷ができてしまった。
その事実に最も泣いたのは、何を隠そうパトリシアだ。
のんびりとしたエルゲラ辺境伯領ならば大丈夫だろうと、二人に護衛もつけず、自由気ままに遊ばせていた己の浅慮を悔いていた。
それ以来、ファビオラもアダンも、大好きだった自然豊かなあの町へは、行かせてもらえなくなったのだ。
(愛情深さゆえだと分かってはいるけれど、お母さまは少し過保護なのよね。きっとアダンも領地では、お母さまの目の届く範囲でしか行動させてもらえず、息苦しい思いをしたでしょう)
アダンは後継者教育という名のもと、去年までパトリシアと一緒に、グラナド侯爵領へ引きこもっていた。
学校へ通う年齢になり、やっと王都に出てこられて、ホッとしているかもしれないとファビオラは内心を慮る。
こうして素直にアダンを思いやれるのも、『朱金の少年少女探偵団』のおかげだ。
それまで、ファビオラは周囲の関心を奪った1歳年下の弟に嫉妬し、あまりよくない姉だった自覚がある。
(そうね、あれは私がまだ3歳のときだった――)
淑女科から商科へのコース替えなど、前代未聞で異例なことだ。
それにも関わらず、満面の笑顔で挨拶をやってのけたファビオラに、クラスメイトたちは興味津々だった。
しかし、グラナド侯爵家の格の高さゆえに、声をかけるのを誰もが尻込みしている。
基本的に商科に在籍しているのは、男爵家や子爵家など、下位貴族の令息や令嬢たちばかりなのだ。
(上位貴族の令息や令嬢は、貴族間の交流を深めるため、紳士科や淑女科に進むのが当たり前だものね。それに比べて商科は男女共学、さらには完全なる実力主義だと聞くわ)
下位貴族の令息や令嬢たちは、税収だけで悠々自適な生活ができる身分ではないため、真面目に授業に取り組み、家業を盛り立てる術を学んでいる。
教鞭をとる先生たちも、それが分かっているから、容赦なく厳しい課題を出すらしい。
(ここで芽を出さなければ、お父さまには納得してもらえないでしょう。あの悲惨な将来を変えるために、私はいくらでも努力をするわ)
ファビオラは指定された席に着くと、授業が始まる前に、隣に座る令嬢へ会釈をした。
これから6年間、切磋琢磨する仲間だ。
さらに商科に関しては、相手が先輩にあたる。
頭を下げるのに、全く抵抗感はなかった。
「初めまして、よければファビオラと呼んでください。あなたのお名前をお伺いしても?」
「わ、私……シトリン・フーゴです」
シトリンは、黄色の髪と水色の瞳が明るい印象を与える、可愛らしい顔立ちの少女だった。
ファビオラに声をかけられて、歓びのためか、うっすらと頬を紅潮させている。
教えてもらった名前に思い当たる節があったファビオラは、さらに会話を続けた。
「もしかして、ご実家はフーゴ宝石商を営んでいらっしゃる? 私、パールを使った髪飾りのシリーズが、大好きなんです」
「うちのヒット商品です! ご愛顧いただき、ありがとうございます!」
緊張していたシトリンだったが、ファビオラが顧客だと分かると、途端にぱあっと顔を輝かせた。
誰しも、家業を褒められれば嬉しいものだ。
心の垣根がなくなったシトリンとファビオラは、あっという間に仲良くなった。
そしてファビオラが思っていたよりも、商科の先生たちは熱血揃いで、なかなかに身の引き締まる初日となったのだった。
◇◆◇◆
授業が終わり、ファビオラはシトリンと一緒に、商科の校舎前で迎えの馬車を待つ。
学生のための寮もあるが、二人とも王都内の屋敷から通学していた。
そうした者たちのために、学校の馬車回しには、風よけのある待合室が設けられている。
数人の学生に混じり、ファビオラたちもそこに腰を落ち着け、しばしの歓談を楽しんだ。
「ファビオラさんは、もっと高価な宝飾品を身につけていると思っていました」
グラナド侯爵家の財力を知っていれば、そう思うのも仕方がない。
フーゴ宝石商が扱っているのは、どちらかというと小粒な石が多い。
だが、それをデザインの妙で魅せて、一点ものの逸品として販売している。
ファビオラが愛用しているパールの髪飾りも、いきいきとした白ウサギが見事に表現されていた。
「単純に、石が大きければいいとは思いません。個性ある石の美しさを、最大限に引き出すフーゴ宝石商の技術に、私は惚れこんでいるんです」
まだ12歳ではあるが、ファビオラは侯爵令嬢らしく、いくつもの宝飾品を持っている。
中には、代々受け継がれてきたという、由緒正しいネックレスやイヤリングもある。
だが、少女がつけるには大仰すぎるし、格式ばっているせいで出番が少なく、結果として長らく宝石箱で眠っているのが現状だ。
「いざというときには、そうした大きな石のネックレスをつけるのでしょうけど、私にはまだ似合いません。むしろ今は、可愛らしくて心が弾む、フーゴ宝石商の品を好ましいと思っています」
「父も母も、それを聞いたら喜びます! 実は、この路線を継続するかどうか、迷っているみたいなんです。もっと鉱山に投資をして、大きな石を扱うべきかと悩んでいて……」
さすが商科で学んでいるだけはある。
すでに実家の事業計画について、シトリンは把握しているようだ。
「ぜひ今のままで、継続してもらいたいですね」
これから数年後、小粒の石をメインに扱うフーゴ宝石商ならではの、とあるアクセサリーが爆発的に売れるようになる。
それは恋人同士が、お互いの瞳の色の石を繋げて作る、この世にひとつのオーダーペアブレスレットだ。
出会ってすぐのレオナルドに、それを贈られた夢の中のファビオラは、取り扱いに大変苦悩していた。
だが、フーゴ宝石商の名前を、一躍有名にする商品なのだ。
「きっと、髪飾り以上のヒットが生まれますよ」
未来を知っているとは言えないので、謎の占い師のような台詞になってしまうファビオラだった。
◇◆◇◆
「あれから1年が経った。ファビオラは商科で、頑張っているようだな」
13歳になったファビオラと同じ食卓についているのは、学業成績を褒めてくれた父トマスだけではない。
12歳になって王都へやってきた弟アダンと、母パトリシアも共に晩餐を囲んでいた。
「なんの相談もなしに、淑女科を辞めるだなんて……どうしてトマスは、ファビオラを止めなかったのです?」
何も知らされていなかったパトリシアが、トマスを詰める。
淑女科から商科へのコース変更は、反対されるだろうと思っていたが、まったくもってその通りだった。
さっさと動いて正解だったと、ファビオラは胸を撫で下ろす。
納得のいっていないパトリシアと、ファビオラを認めてくれたトマスの問答は続く。
「ファビオラたっての希望だ。商人になれる能力があるのなら、それを活かすべきだろう」
「それは家を継げない次男や三男の話でしょう? ファビオラはグラナド侯爵家の長女として、しっかりと淑女の嗜みを学び、爵位のつりあう貴族に嫁ぐ準備をするべきですよ」
「君なら分かるだろうが、嫁いだ先によって、必要とされる知識は異なる」
エルゲラ辺境伯令嬢だったパトリシアは、広大な領地を馬で駆けるお転婆な少女だった。
それが今では、財務大臣として多忙を極めるトマスに代わり、グラナド侯爵領で収支報告書と睨めっこをする毎日だ。
「商科で学んだことが今後、ファビオラの役に立つかもしれないと言うのですか? それはまあ、否定はしませんが……」
ややパトリシアの勢いがなくなったところで、ファビオラが合いの手を入れる。
「お母さま、ご心配には及びません。ちゃんと淑女科で学ぶことも、同時に身につけていますから」
「同時に? それはそれで、大変なのではないの?」
予知夢のおかげで、18歳までに習う知識なら頭に入っている。
パートナーが必要なダンスなどの練習は残っているが、それはこれからアダンに付き合ってもらえばいい。
「お母さまの娘を信じてください。これでも私、やるときはやるんですよ」
「あなたが私に似て、活発なのは知っています。だけど、あんな事件があったから……」
パトリシアが頑なに、ファビオラを淑女らしく、大人しくさせようとするのは、その身を心配しているからだ。
3年前に、何者かの襲撃を受けて、ファビオラの左胸には生涯残る傷ができてしまった。
その事実に最も泣いたのは、何を隠そうパトリシアだ。
のんびりとしたエルゲラ辺境伯領ならば大丈夫だろうと、二人に護衛もつけず、自由気ままに遊ばせていた己の浅慮を悔いていた。
それ以来、ファビオラもアダンも、大好きだった自然豊かなあの町へは、行かせてもらえなくなったのだ。
(愛情深さゆえだと分かってはいるけれど、お母さまは少し過保護なのよね。きっとアダンも領地では、お母さまの目の届く範囲でしか行動させてもらえず、息苦しい思いをしたでしょう)
アダンは後継者教育という名のもと、去年までパトリシアと一緒に、グラナド侯爵領へ引きこもっていた。
学校へ通う年齢になり、やっと王都に出てこられて、ホッとしているかもしれないとファビオラは内心を慮る。
こうして素直にアダンを思いやれるのも、『朱金の少年少女探偵団』のおかげだ。
それまで、ファビオラは周囲の関心を奪った1歳年下の弟に嫉妬し、あまりよくない姉だった自覚がある。
(そうね、あれは私がまだ3歳のときだった――)
36
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

【完】夫から冷遇される伯爵夫人でしたが、身分を隠して踊り子として夜働いていたら、その夫に見初められました。
112
恋愛
伯爵家同士の結婚、申し分ない筈だった。
エッジワーズ家の娘、エリシアは踊り子の娘だったが為に嫁ぎ先の夫に冷遇され、虐げられ、屋敷を追い出される。
庭の片隅、掘っ立て小屋で生活していたエリシアは、街で祝祭が開かれることを耳にする。どうせ誰からも顧みられないからと、こっそり抜け出して街へ向かう。すると街の中心部で民衆が音楽に合わせて踊っていた。その輪の中にエリシアも入り一緒になって踊っていると──

婚約者を友人に奪われて~婚約破棄後の公爵令嬢~
tartan321
恋愛
成績優秀な公爵令嬢ソフィアは、婚約相手である王子のカリエスの面倒を見ていた。
ある日、級友であるリリーがソフィアの元を訪れて……。
【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~
塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます!
2.23完結しました!
ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。
相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。
ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。
幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。
好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。
そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。
それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……?
妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話
切なめ恋愛ファンタジー

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる