1 / 13
一話 魔法がかかったドレス
しおりを挟む
ここは、童話シンデレラの世界っぽい。
だって母の再婚で出来た義妹の名前がシンデレラなんだもの。
間違えようがないわよね?
前世を終えたら、もうここの世界に居たわ。
私は日本で生きていた頃は、中小企業の社長秘書をしていたんだけどね。
秘書ってカッコいいと憧れていた時期が私にもあったけど、あれは(ただし大企業に限る)って注釈が入るやつだった。
中小企業の秘書はもっぱら社長の雑用係で、目立たず騒がずトンデモなトラブルを臨機応変で処理していくだけの人よ。
それが出来て当たり前で、感謝もされない虚しい仕事だった。
もっと楽に、要領よく生きることを考えれば良かったと、今なら思うわ。
私もまだまだ若かったのね。
はあ。
二度目の人生であるこの世界で、私は意地悪な二人の義姉のうち、次姉ソフィアの役を担っているわ。
長姉グレイスがシンデレラ虐めをやり過ぎないように、調整するのがソフィアの主な仕事。
なんだか、秘書に続いてまたしても尻拭い役の予感がするけどね。
もとよりソフィアは血を見るのが苦手。
シンデレラが怪我でもしようものなら引っくり返って失神するのはソフィア。
だからヒステリックなグレイスをソフィアが止めるのは理に適っているのよ。
でもシンデレラが魔法をかけてもらって舞踏会に参加するには、ある程度は物語の通りに進めないといけない。
それこそドアマットな経験が必要不可欠。
だから家事を押し付けられるのも、義姉から虐められるのも、シンデレラには乗り越えていってほしいんだけど……。
皿を洗わせれば割る、窓を拭かせれば割る、シーツを洗わせれば破る、箒で掃かせれば折る。
はあ。
このシンデレラ、パワータイプ過ぎない?
グレイスの吹っ掛けるケンカに嬉々として応戦するし、得意技が噛み付きって、あなたは闘犬じゃないのよ?
私の中の清楚なシンデレラのイメージを崩さないで欲しいわ。
ここまではなんとか物語に沿うように努めてきたけど、もしグレイスがガラスの靴を履くために踵を切り落とそうとしたら、絶対に阻止する構えよ。
流血、ダメ絶対!
そしてシンデレラの結婚式に、のこのこ親族顔して参列して、鳩に目を抉られるのもゴメンだわ。
ああ、そろそろ王子さまの妃候補を見つける舞踏会開催の噂が流れてきたわ。
ここからは終幕に向けて、山場の連続ね。
ソフィアも気を抜かないようにしなくちゃ。
無事にシンデレラが王子さまとハッピーエンドを迎えたら、ソフィアも自分の人生を生きよう。
誰かの尻拭いではなく、自分の尻を拭うのよ。
「早く舞踏会の日にならないかしら」
「あら! いつもはそういうことに無関心なソフィアが、珍しいじゃない?」
グレイスがソフィアの独り言に絡んできた。
グレイスと血が繋がっているのは、「私ではなくシンデレラなのでは?」と思うくらい実は二人はよく似ている。
キラキラした金髪、透き通る空色の瞳、ぽってりした赤い唇、彫りの深い顔立ちと凹凸のある身体がそっくりだ。
それに比べてソフィアの全身の貧相なこと。
ベージュ色と言えなくもない髪、よくある焦げ茶色の瞳、薄い唇は血色が悪く、のっぺりした顔にストンとした体型は日本人そのものだ。
なによ、私そんなに前世で悪いことした?
シンデレラの世界でも日本人だなんて。
三姉妹を見て、ソフィアとグレイスに血の繋がりがあると見抜く人はいない。
そういう視線が面倒で、ソフィアはほとんど舞踏会に参加していない。
ソフィアに来た招待状は、シンデレラに横流ししている。
だって本番でシンデレラは、王子さまと大勢の前で素晴らしいダンスを踊るのよ?
失敗できない大舞台の前に、練習を積むべきだわ。
そうこうしているうちに、我が家にも王子さまからの招待状が届く。
やっと来たわね。
この舞踏会には、さすがにソフィア自身が行かなくちゃ。
シンデレラ、あなたの元にはちゃんと魔法使いが現れるから!
ソフィアが招待状を横流ししないことに膨れ面しないでちょうだい。
王子さまの妃になりたい令嬢は山程いる。
なにしろ王子さまの容姿ときたら、豊かな焦げ茶色の髪に思慮深い黒目が美しい正統派の美形、体格も逆三角形で完璧なんですって。
今夜の舞踏会は、この国のすべての令嬢が集まったのではないかと思われる大盛況ぶり。
皆んな、髪も顔も胸元もドレスも、太陽みたいに燦燦としてるわ。
そんな中、舞踏会に慣れていないソフィアは、無事に壁の花となっている。
花なんて言っては、花に失礼なほどだ。
自前の地味な色彩に合わせてドレスを選ぶと、どうしても全身が自然界での保護色になってしまう。
今日だって落ち着いた黄緑色を選んだら、シンデレラから酷評された。
「テーマは『枯れかけのススキ』なの?」
ソフィアの髪色をススキに例えるのはシンデレラだけではない。
女性が集まれば自然とマウントの取り合いが始まるものだ。
グレイスやシンデレラのように、派手で見栄えのする色彩を持つと、自ずとそこには上位者としての傲りがうまれる。
それに負けたくない令嬢は、ドレスや装飾品に鮮やかな彩色を配置して対抗する。
まるで南国の鳥のようだと、ソフィアは感心しながら舞踏会の様子を眺めていた。
王子さまは次々に令嬢とダンスを踊っている。
先程は、グレイスもお相手を務めていた。
そろそろシンデレラがやってくる頃ではないかと踏んで、ソフィアは王子さまのお相手を観察しているのだが。
なんか視線がちょくちょく合う。
王子さまと。
なんで?
ソフィアは壁を背に佇んでいるから、ソフィアの背後の誰かを見ている訳ではないだろう。
じゃあ何を見てるの?
くるくる踊りながらソフィアをチラ見するのは、高度なテクニックがいるだろう。
ダンスのお相手に気づかれては失礼だしね。
会場の入り口がザワつく。
このどよめき!
ついに来たのね、シンデレラ!
ソフィアがパッとそちらを見ると、王子さまも釣られて入り口を見たようだ。
うわあ……。
舞踏会に来たシンデレラのドレスは、年末のラスボス感があった。
え、あれ魔法で全身ピカピカさせてるの?
この世界にイルミネーションって、まだ無いよね?
花魁だって、あんなにかんざしを頭に刺したりしないだろう。
まるでマチ針だらけの針山だ。
振り袖付のドレスが、この世界に存在しないわけではない。
でも、ジャラジャラしたナイアガラ状ではない。
どうしてしまったのよ、シンデレラ!
清楚な水色のドレスのはずでしょ!
あんまりにも崩壊したシンデレラにソフィアがわなないていると、会場の真ん中でも事件が起きていた。
「うっ……!」
シンデレラを見ていただろう王子さまが、うめき声を上げて頭を抱えた。
「どうされたのですか?」
ダンスのお相手を務めていた令嬢が心配している。
「すみません、今夜は……ここまでで……」
王子さまは足早に会場から立ち去った。
え?
今のは、もしかしなくても閉会の挨拶だった?
どうするのよ?
登場したばかりのシンデレラは?
ソフィアが入り口を見ると、シンデレラもポカーンとしていた。
でしょうね!
シンデレラがガラスの靴を残して走り去るはずが、実際には王子さまが閉会の挨拶を残して立ち去ってしまった。
これからどうなるのよ……。
お城の使用人たちが次々と令嬢たちを出口に案内する。
ソフィアもグレイスやシンデレラと一緒に馬車を待つことになった。
「ねえ、このドレス、どこで手に入れたのよ? あなたには似合っていないわ」
うらやましさをにじませたグレイスが、シンデレラのドレスを摘みながら虐め始めたので、ソフィアもそれとなく近づいて光るドレスをよく見せてもらう。
それは七色に輝くゲーミングドレスだった。
遠目で見たときも驚いたが、目の当たりにすると装飾が過ぎたクリスマスツリー感がある。
「ふふん、心のきれいな私には、味方になってくれる魔法使いがいるのよ!」
胸を反らして自慢するシンデレラに、ソフィアも便乗質問させてもらう。
「ねえ、シンデレラ、魔法使いは最初からこのドレスを持ってきたの?」
「違うわよ、最初は私の瞳の色に合わせて水色だったわ。だけど、そんな地味なドレスじゃ会場で埋もれちゃうでしょ? ただでさえ私は遅れて行くのだから、もっと目立つドレスにしてって変えてもらったのよ」
ああ、やっぱり。
デフォのドレスは水色だったんだ。
ストーリー通りにしようという魔法使いに逆らって、シンデレラがゲーミングドレスなんて着て来たから、王子さまの行動が変わってしまったんだわ。
しっかりガラスの靴も両足に履いたままだし。
王子さまは手ががりもなく、どうやってこのあとシンデレラを探すのかしら。
はあ。
ドレスを巡ってケンカを始めた二人を余所に、ソフィアは頭を悩ませるのだった。
だって母の再婚で出来た義妹の名前がシンデレラなんだもの。
間違えようがないわよね?
前世を終えたら、もうここの世界に居たわ。
私は日本で生きていた頃は、中小企業の社長秘書をしていたんだけどね。
秘書ってカッコいいと憧れていた時期が私にもあったけど、あれは(ただし大企業に限る)って注釈が入るやつだった。
中小企業の秘書はもっぱら社長の雑用係で、目立たず騒がずトンデモなトラブルを臨機応変で処理していくだけの人よ。
それが出来て当たり前で、感謝もされない虚しい仕事だった。
もっと楽に、要領よく生きることを考えれば良かったと、今なら思うわ。
私もまだまだ若かったのね。
はあ。
二度目の人生であるこの世界で、私は意地悪な二人の義姉のうち、次姉ソフィアの役を担っているわ。
長姉グレイスがシンデレラ虐めをやり過ぎないように、調整するのがソフィアの主な仕事。
なんだか、秘書に続いてまたしても尻拭い役の予感がするけどね。
もとよりソフィアは血を見るのが苦手。
シンデレラが怪我でもしようものなら引っくり返って失神するのはソフィア。
だからヒステリックなグレイスをソフィアが止めるのは理に適っているのよ。
でもシンデレラが魔法をかけてもらって舞踏会に参加するには、ある程度は物語の通りに進めないといけない。
それこそドアマットな経験が必要不可欠。
だから家事を押し付けられるのも、義姉から虐められるのも、シンデレラには乗り越えていってほしいんだけど……。
皿を洗わせれば割る、窓を拭かせれば割る、シーツを洗わせれば破る、箒で掃かせれば折る。
はあ。
このシンデレラ、パワータイプ過ぎない?
グレイスの吹っ掛けるケンカに嬉々として応戦するし、得意技が噛み付きって、あなたは闘犬じゃないのよ?
私の中の清楚なシンデレラのイメージを崩さないで欲しいわ。
ここまではなんとか物語に沿うように努めてきたけど、もしグレイスがガラスの靴を履くために踵を切り落とそうとしたら、絶対に阻止する構えよ。
流血、ダメ絶対!
そしてシンデレラの結婚式に、のこのこ親族顔して参列して、鳩に目を抉られるのもゴメンだわ。
ああ、そろそろ王子さまの妃候補を見つける舞踏会開催の噂が流れてきたわ。
ここからは終幕に向けて、山場の連続ね。
ソフィアも気を抜かないようにしなくちゃ。
無事にシンデレラが王子さまとハッピーエンドを迎えたら、ソフィアも自分の人生を生きよう。
誰かの尻拭いではなく、自分の尻を拭うのよ。
「早く舞踏会の日にならないかしら」
「あら! いつもはそういうことに無関心なソフィアが、珍しいじゃない?」
グレイスがソフィアの独り言に絡んできた。
グレイスと血が繋がっているのは、「私ではなくシンデレラなのでは?」と思うくらい実は二人はよく似ている。
キラキラした金髪、透き通る空色の瞳、ぽってりした赤い唇、彫りの深い顔立ちと凹凸のある身体がそっくりだ。
それに比べてソフィアの全身の貧相なこと。
ベージュ色と言えなくもない髪、よくある焦げ茶色の瞳、薄い唇は血色が悪く、のっぺりした顔にストンとした体型は日本人そのものだ。
なによ、私そんなに前世で悪いことした?
シンデレラの世界でも日本人だなんて。
三姉妹を見て、ソフィアとグレイスに血の繋がりがあると見抜く人はいない。
そういう視線が面倒で、ソフィアはほとんど舞踏会に参加していない。
ソフィアに来た招待状は、シンデレラに横流ししている。
だって本番でシンデレラは、王子さまと大勢の前で素晴らしいダンスを踊るのよ?
失敗できない大舞台の前に、練習を積むべきだわ。
そうこうしているうちに、我が家にも王子さまからの招待状が届く。
やっと来たわね。
この舞踏会には、さすがにソフィア自身が行かなくちゃ。
シンデレラ、あなたの元にはちゃんと魔法使いが現れるから!
ソフィアが招待状を横流ししないことに膨れ面しないでちょうだい。
王子さまの妃になりたい令嬢は山程いる。
なにしろ王子さまの容姿ときたら、豊かな焦げ茶色の髪に思慮深い黒目が美しい正統派の美形、体格も逆三角形で完璧なんですって。
今夜の舞踏会は、この国のすべての令嬢が集まったのではないかと思われる大盛況ぶり。
皆んな、髪も顔も胸元もドレスも、太陽みたいに燦燦としてるわ。
そんな中、舞踏会に慣れていないソフィアは、無事に壁の花となっている。
花なんて言っては、花に失礼なほどだ。
自前の地味な色彩に合わせてドレスを選ぶと、どうしても全身が自然界での保護色になってしまう。
今日だって落ち着いた黄緑色を選んだら、シンデレラから酷評された。
「テーマは『枯れかけのススキ』なの?」
ソフィアの髪色をススキに例えるのはシンデレラだけではない。
女性が集まれば自然とマウントの取り合いが始まるものだ。
グレイスやシンデレラのように、派手で見栄えのする色彩を持つと、自ずとそこには上位者としての傲りがうまれる。
それに負けたくない令嬢は、ドレスや装飾品に鮮やかな彩色を配置して対抗する。
まるで南国の鳥のようだと、ソフィアは感心しながら舞踏会の様子を眺めていた。
王子さまは次々に令嬢とダンスを踊っている。
先程は、グレイスもお相手を務めていた。
そろそろシンデレラがやってくる頃ではないかと踏んで、ソフィアは王子さまのお相手を観察しているのだが。
なんか視線がちょくちょく合う。
王子さまと。
なんで?
ソフィアは壁を背に佇んでいるから、ソフィアの背後の誰かを見ている訳ではないだろう。
じゃあ何を見てるの?
くるくる踊りながらソフィアをチラ見するのは、高度なテクニックがいるだろう。
ダンスのお相手に気づかれては失礼だしね。
会場の入り口がザワつく。
このどよめき!
ついに来たのね、シンデレラ!
ソフィアがパッとそちらを見ると、王子さまも釣られて入り口を見たようだ。
うわあ……。
舞踏会に来たシンデレラのドレスは、年末のラスボス感があった。
え、あれ魔法で全身ピカピカさせてるの?
この世界にイルミネーションって、まだ無いよね?
花魁だって、あんなにかんざしを頭に刺したりしないだろう。
まるでマチ針だらけの針山だ。
振り袖付のドレスが、この世界に存在しないわけではない。
でも、ジャラジャラしたナイアガラ状ではない。
どうしてしまったのよ、シンデレラ!
清楚な水色のドレスのはずでしょ!
あんまりにも崩壊したシンデレラにソフィアがわなないていると、会場の真ん中でも事件が起きていた。
「うっ……!」
シンデレラを見ていただろう王子さまが、うめき声を上げて頭を抱えた。
「どうされたのですか?」
ダンスのお相手を務めていた令嬢が心配している。
「すみません、今夜は……ここまでで……」
王子さまは足早に会場から立ち去った。
え?
今のは、もしかしなくても閉会の挨拶だった?
どうするのよ?
登場したばかりのシンデレラは?
ソフィアが入り口を見ると、シンデレラもポカーンとしていた。
でしょうね!
シンデレラがガラスの靴を残して走り去るはずが、実際には王子さまが閉会の挨拶を残して立ち去ってしまった。
これからどうなるのよ……。
お城の使用人たちが次々と令嬢たちを出口に案内する。
ソフィアもグレイスやシンデレラと一緒に馬車を待つことになった。
「ねえ、このドレス、どこで手に入れたのよ? あなたには似合っていないわ」
うらやましさをにじませたグレイスが、シンデレラのドレスを摘みながら虐め始めたので、ソフィアもそれとなく近づいて光るドレスをよく見せてもらう。
それは七色に輝くゲーミングドレスだった。
遠目で見たときも驚いたが、目の当たりにすると装飾が過ぎたクリスマスツリー感がある。
「ふふん、心のきれいな私には、味方になってくれる魔法使いがいるのよ!」
胸を反らして自慢するシンデレラに、ソフィアも便乗質問させてもらう。
「ねえ、シンデレラ、魔法使いは最初からこのドレスを持ってきたの?」
「違うわよ、最初は私の瞳の色に合わせて水色だったわ。だけど、そんな地味なドレスじゃ会場で埋もれちゃうでしょ? ただでさえ私は遅れて行くのだから、もっと目立つドレスにしてって変えてもらったのよ」
ああ、やっぱり。
デフォのドレスは水色だったんだ。
ストーリー通りにしようという魔法使いに逆らって、シンデレラがゲーミングドレスなんて着て来たから、王子さまの行動が変わってしまったんだわ。
しっかりガラスの靴も両足に履いたままだし。
王子さまは手ががりもなく、どうやってこのあとシンデレラを探すのかしら。
はあ。
ドレスを巡ってケンカを始めた二人を余所に、ソフィアは頭を悩ませるのだった。
86
お気に入りに追加
1,113
あなたにおすすめの小説
転生したらシンデレラの実母(死ぬ予定)だったので、運命に抗おうと思います
矢口愛留
恋愛
【全4話】
アリサは、高熱を出したことをきっかけに、前世の記憶を思い出す。
その記憶によると、この世界は童話『シンデレラ』の、物語が始まる前の世界そのものだった。
アリサはシンデレラの実母。
シンデレラは母の死、父の再婚、そして父の死をきっかけに、不幸な境遇に身を置かれることになるが、その経験がなければ王子様に見初められることもないはずだ。
アリサは、娘のために物語から退場するべきなのかどうか迷った挙句、魔女の住む『妖精の山』を訪れることにしたのだった。
※ゆる設定です。
※エブリスタ、小説家になろうにもほぼ同一内容で投稿しています。
家に代々伝わる髪色を受け継いでいないからとずっと虐げられてきていたのですが……。
四季
恋愛
メリア・オフトレスは三姉妹の真ん中。
しかしオフトレス家に代々伝わる緑髪を受け継がず生まれたために母や姉妹らから虐げられていた。
だがある時、トレットという青年が現れて……?
魔がさしたから浮気したと言うのなら、私に魔がさしても文句を言わないでくださいね?
新野乃花(大舟)
恋愛
しきりに魔がさしたという言葉を使い、自分の浮気を正当化していた騎士のリルド。そんな彼の婚約者だったクレアはある日、その言葉をそのままリルドに対してお返ししてみようと考えたのだった。
姉の身代わりで冷酷な若公爵様に嫁ぐことになりましたが、初夜にも来ない彼なのに「このままでは妻に嫌われる……」と私に語りかけてきます。
夏
恋愛
姉の身代わりとして冷酷な獣と蔑称される公爵に嫁いだラシェル。
初夜には顔を出さず、干渉は必要ないと公爵に言われてしまうが、ある晩の日「姿を変えた」ラシェルはばったり酔った彼に遭遇する。
「このままでは、妻に嫌われる……」
本人、目の前にいますけど!?
村八分にしておいて、私が公爵令嬢だったからと手の平を返すなんて許せません。
木山楽斗
恋愛
父親がいないことによって、エルーシャは村の人達から迫害を受けていた。
彼らは、エルーシャが取ってきた食べ物を奪ったり、村で起こった事件の犯人を彼女だと決めつけてくる。そんな彼らに、エルーシャは辟易としていた。
ある日いつものように責められていた彼女は、村にやって来た一人の人間に助けられた。
その人物とは、公爵令息であるアルディス・アルカルドである。彼はエルーシャの状態から彼女が迫害されていることに気付き、手を差し伸べてくれたのだ。
そんなアルディスは、とある目的のために村にやって来ていた。
彼は亡き父の隠し子を探しに来ていたのである。
紆余曲折あって、その隠し子はエルーシャであることが判明した。
すると村の人達は、その態度を一変させた。エルーシャに、媚を売るような態度になったのである。
しかし、今更手の平を返されても遅かった。様々な迫害を受けてきたエルーシャにとって、既に村の人達は許せない存在になっていたのだ。
好きな人と結婚出来ない俺に、姉が言った
しがついつか
恋愛
グレイキャット伯爵家の嫡男ジョージには、平民の恋人がいた。
彼女を妻にしたいと訴えるも、身分の差を理由に両親から反対される。
両親は彼の婚約者を選定中であった。
伯爵家を継ぐのだ。
伴侶が貴族の作法を知らない者では話にならない。
平民は諦めろ。
貴族らしく政略結婚を受け入れろ。
好きな人と結ばれない現実に憤る彼に、姉は言った。
「――で、彼女と結婚するために貴方はこれから何をするつもりなの?」
待ってるだけでは何も手に入らないのだから。
優しいだけの悪女ですが~役立たずだと虐められた元男爵令嬢は筆頭騎士様に愛されて幸せです~
山夜みい
恋愛
「お前の白髪は気持ち悪い。婚約破棄されるのも納得だわ」
『役立たず』『忌み子』『無能』と罵られたフランク男爵家の一人娘であるアンネローゼは両親を亡くしてロンディウム公爵家に身を寄せていた。
日に日に酷くなる虐めのせいで生きる活力を失うアンネローゼだったが、迷っている人に道を教えたら、人生が一変。
「私と共に来い」
「ほえ?」
アンネローゼが救った迷子の男は悪名高き英雄シグルド・ロンディウムだった。冷酷非道という噂が流れていたシグルドは生来持つ魔力の強さから他人に恐れられていた。しかし、魔力を持たないアンネローゼには彼の体質は効かなくて……。
「君と一緒にいると動悸がする」
「君は私だけのものだ。誰にも渡さない」
「ずっと傍にいてくれないか?」
これは、騎士に憧れる優しいだけの女の子と強すぎる魔力のせいで孤独だった男が、お互いの心を癒し、愛し合う物語。
【完結】私、四女なんですけど…?〜四女ってもう少しお気楽だと思ったのに〜
まりぃべる
恋愛
ルジェナ=カフリークは、上に三人の姉と、弟がいる十六歳の女の子。
ルジェナが小さな頃は、三人の姉に囲まれて好きな事を好きな時に好きなだけ学んでいた。
父ヘルベルト伯爵も母アレンカ伯爵夫人も、そんな好奇心旺盛なルジェナに甘く好きな事を好きなようにさせ、良く言えば自主性を尊重させていた。
それが、成長し、上の姉達が思わぬ結婚などで家から出て行くと、ルジェナはだんだんとこの家の行く末が心配となってくる。
両親は、貴族ではあるが貴族らしくなく領地で育てているブドウの事しか考えていないように見える為、ルジェナはこのカフリーク家の未来をどうにかしなければ、と思い立ち年頃の男女の交流会に出席する事を決める。
そして、そこで皆のルジェナを想う気持ちも相まって、無事に幸せを見つける。
そんなお話。
☆まりぃべるの世界観です。現実とは似ていても違う世界です。
☆現実世界と似たような名前、土地などありますが現実世界とは関係ありません。
☆現実世界でも使うような単語や言葉を使っていますが、現実世界とは違う場合もあります。
楽しんでいただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる