10 / 20
10話 絡まらない二人
しおりを挟む
(バラの精みたいに可愛いわ。あの人が、ガブのお姫さまなのね)
バラの生け垣の隙間から、ピンク色の髪が見え隠れしている。
それはバラの花びらに負けず劣らず、華やかで美しかった。
昔から憧れていたお姫さまの真似事ができて、舞い上がっていたシルヴェーヌが地へ叩き落とされた日に、令嬢たちが教えてくれた通りだった。
ガブリエルと隣国の皇女の間に、婚約の話が持ち上がっていると。
(皇女さまは本物のお姫さま。一晩だけのまがいものだった私とは違う……)
そんな貴重な一晩ですら、シルヴェーヌはドレスを汚して台無しにしてしまった。
ふたたび目の奥が熱くなりかけるのを、必死にこらえる。
(いくら泣いたって、時間は巻き戻らない)
だが、ショックから立ち直れないシルヴェーヌの思考は、下降の一途を辿る。
臭いと罵られても、これまではやり過ごせた。
誰かの役に立っているという、自負心がシルヴェーヌにあったからだ。
しかしガブリエルが回復し、話し相手も必要としない今、シルヴェーヌの存在意義が大きく揺らいでいる。
(王子さまであるガブの隣は、私の場所じゃない)
最近になって、国王から公務を任され始めたガブリエルは、執務室へこもって仕事をする日がある。
そんなとき、シルヴェーヌは邪魔にならないよう、厨房で手伝いをしたり、静かに本を読んだりして過ごす。
そして休憩の時間になったら、ロニーに教わった手順でお茶を入れて、疲れたガブリエルを労うのだ。
(だけど、それって私じゃなくても、できることだよね。これからは婚約者になった皇女さまが、ガブを癒す存在になるだろうし……私がいては、かえって妨げになるわ)
今頃になって、令嬢たちから言い放たれた台詞が腑に落ちる。
(お役御免……夢見る時間は終わった……その通りね)
いつまでも、うやむやな関係を続けてはいけない。
シルヴェーヌは心を決める。
そして鏡の前に立ち、指で口角を持ち上げて張りぼての笑顔をつくると、バラ園へ向かった。
ガブリエルへお別れを告げるために。
王子さまとお姫さまの物語に、ドクダミ令嬢なんて登場しないのだから。
◇◆◇◆
(まずいな。思っていた以上に、ブリジットから気に入られているみたいだ)
バラ園を散策し始めてすぐ、ガブリエルは交渉の失敗を悟った。
ブリジットにガブリエル側の事情を説明して、婚約以外の方法で、カッター帝国と友好を結びたいと伝えるつもりだった。
だが、ガブリエルが話し始める前に、怒涛の勢いで結婚式についてのアイデアを披露されてしまう。
(婚約の発表もまだなのに、もう結婚式の話か。それだけブリジットは、乗り気ということだろう)
想定していなかった状況に、ガブリエルは必死に打開策を考える。
カッター帝国の皇帝は、末娘のブリジットをたいそう可愛がっていると聞く。
両国の今後のためにも、なんとかブリジットの機嫌を損ねずに、婚約を解消する方法を見つけなくてはならない。
深く思考していたせいで、ガブリエルはシルヴェーヌの接近に気づくのが遅れた。
「あら、あなたは誰?」
「ジュネ伯爵家のシルヴェーヌと申します」
ガブリエルにしなだれかかったブリジットが、先にシルヴェーヌに誰何する。
腰を落としたシルヴェーヌは、礼儀正しく挨拶をした。
しかし、シルヴェーヌの貼り付けたような笑顔が、偽物だとガブリエルは気づく。
「ふ~ん、見覚えがあると思ったら、ガブリエルさまとファーストダンスを踊った令嬢ね」
やや気分を害したブリジットが、じろじろと値踏みするようにシルヴェーヌを見る。
あまりにもシルヴェーヌが美しいので、反感を覚えているようだ。
「あなた、香水を変えた方がいいわよ。すごく変な匂いがするわ」
「申し訳ありません。これは私の体臭なので、変えられないのです」
「あら! それでは嫁ぎ先が見つからないのではなくって?」
パーティの夜にシルヴェーヌを取り囲んだ令嬢たちと違って、ブリジットに悪気はない。
とはいえ、その言葉の刃は鋭かった。
体を強張らせたシルヴェーヌを庇って、ガブリエルが間に入る。
「ブリジット、僕の命の恩人に、不適切な声掛けをしないでください。シルが長らく離宮にいてくれたから、僕は脆弱な体質からここまで回復できたのです」
とっさのガブリエルのその反応は、ブリジットの癇に障った。
「ガブリエルさま、わたくし妬いてしまうわ。その令嬢を、二度と近くに侍らせないで。さもないと、お父さまに言いつけて――」
「離宮からお暇したくて、ご挨拶に参りました。これ以上、婚約されたお二人の仲を、邪魔するつもりはありません」
脅し文句を吐こうとしていたブリジットは、シルヴェーヌの発言にパッと表情を明るくさせる。
「あなた、なかなか立場をわきまえているじゃない。それなら特別に見逃してあげる。早々に立ち去るのよ?」
「かしこまりました。大変お世話になりました」
この世の終わりみたいな絶望顔をしているガブリエルを残し、シルヴェーヌは踵を返した。
(ガブはこれから、皇女さまと幸せになるのよ。親友なら、喜んで祝福しなくちゃ)
顔を上げて、シルヴェーヌは歩を進める。
毅然とした態度を保っていられたのは、バラ園を抜けるまでだった。
離宮にある自分の部屋へは、駆け足で戻った。
そして手早く身の回りの品をまとめると、10年前に乳母が持たせてくれた、小さな鞄にそれらを詰め込む。
ぽたぽたと眦から滴り落ちる水滴を拭いもせず、シルヴェーヌは誰にも会わないうちに離宮を飛び出した。
(ロニーや料理長にもお別れの挨拶をしたいけど、絶対に引き留められる。せっかく出て行く決心を固めたのだから、揺るがない内に去らなくちゃ)
離宮から王城へ続く道を走り、そこにいた護衛兵に馬車を呼んでもらう。
明らかに泣き腫らした顔をしているシルヴェーヌに護衛兵はぎょっとしたが、体臭のせいでドクダミ令嬢だと分かったようだ。
王家が恩義を感じているジュネ伯爵家の令嬢を、いい加減には扱えない。
直ちに用意された馬車に乗り込み、シルヴェーヌは帰途に就く。
(さようなら、ガブ。私の王子さま役を引き受けてくれて、ありがとう。おかげで、今までで一番の素敵な夢を見られたわ)
遠ざかる離宮に向かって、シルヴェーヌはそっと手を振った。
◇◆◇◆
「僕のしくじりだ」
ブリジットの相手をなんとか務め終え、ひとり離宮へ戻ったガブリエルは項垂れる。
その姿を、ロニーが痛ましそうに見やった。
すでにシルヴェーヌの姿はここにない。
「パーティの夜から、もっと手を尽くしていれば……」
「殿下はドレスを汚した令嬢たちが、王妃殿下の命令に従って動いていたと突き止めました。決して、何もしなかった訳ではありません」
ロニーの慰めは、ガブリエルには益体もない。
「むしろ都合がよいと考えましょう。離宮へシルヴェーヌさまが滞在していては、いつまでもブリジット皇女殿下の糾弾の的になったでしょうから。一時的にご実家へ戻っていただいて、なにもかもが終わって呼び戻した方が安全です」
それは一理ある。
今日のブリジットを見ていただけでも、シルヴェーヌを排斥しようという意思の強さを感じた。
「シルのため、か」
「巻き込みたくはないのですよね?」
ガブリエルが知る限り、シルヴェーヌの世界は美しいもので満ちていた。
穢れを知らぬその世界を護りたくて、ガブリエルはロニーへ頷く。
「奸計が渦巻く汚い世界など、シルには縁遠い。だが僕がこれから戦いを挑むのは、その頂点にいる王妃だ」
自然とガブリエルも、その色に染まるだろう。
そしてそんな様を、シルヴェーヌには見られたくない。
「もう手段は選ばない。なるべく早く決着をつける。そして必ず――シルを離宮へ呼び戻す」
この日から、ガブリエルは国王とも頻繁に連絡を重ね、大国におもねるばかりの貴族たちを束ねる王妃と、全面的に競い合う関係となったのだった。
バラの生け垣の隙間から、ピンク色の髪が見え隠れしている。
それはバラの花びらに負けず劣らず、華やかで美しかった。
昔から憧れていたお姫さまの真似事ができて、舞い上がっていたシルヴェーヌが地へ叩き落とされた日に、令嬢たちが教えてくれた通りだった。
ガブリエルと隣国の皇女の間に、婚約の話が持ち上がっていると。
(皇女さまは本物のお姫さま。一晩だけのまがいものだった私とは違う……)
そんな貴重な一晩ですら、シルヴェーヌはドレスを汚して台無しにしてしまった。
ふたたび目の奥が熱くなりかけるのを、必死にこらえる。
(いくら泣いたって、時間は巻き戻らない)
だが、ショックから立ち直れないシルヴェーヌの思考は、下降の一途を辿る。
臭いと罵られても、これまではやり過ごせた。
誰かの役に立っているという、自負心がシルヴェーヌにあったからだ。
しかしガブリエルが回復し、話し相手も必要としない今、シルヴェーヌの存在意義が大きく揺らいでいる。
(王子さまであるガブの隣は、私の場所じゃない)
最近になって、国王から公務を任され始めたガブリエルは、執務室へこもって仕事をする日がある。
そんなとき、シルヴェーヌは邪魔にならないよう、厨房で手伝いをしたり、静かに本を読んだりして過ごす。
そして休憩の時間になったら、ロニーに教わった手順でお茶を入れて、疲れたガブリエルを労うのだ。
(だけど、それって私じゃなくても、できることだよね。これからは婚約者になった皇女さまが、ガブを癒す存在になるだろうし……私がいては、かえって妨げになるわ)
今頃になって、令嬢たちから言い放たれた台詞が腑に落ちる。
(お役御免……夢見る時間は終わった……その通りね)
いつまでも、うやむやな関係を続けてはいけない。
シルヴェーヌは心を決める。
そして鏡の前に立ち、指で口角を持ち上げて張りぼての笑顔をつくると、バラ園へ向かった。
ガブリエルへお別れを告げるために。
王子さまとお姫さまの物語に、ドクダミ令嬢なんて登場しないのだから。
◇◆◇◆
(まずいな。思っていた以上に、ブリジットから気に入られているみたいだ)
バラ園を散策し始めてすぐ、ガブリエルは交渉の失敗を悟った。
ブリジットにガブリエル側の事情を説明して、婚約以外の方法で、カッター帝国と友好を結びたいと伝えるつもりだった。
だが、ガブリエルが話し始める前に、怒涛の勢いで結婚式についてのアイデアを披露されてしまう。
(婚約の発表もまだなのに、もう結婚式の話か。それだけブリジットは、乗り気ということだろう)
想定していなかった状況に、ガブリエルは必死に打開策を考える。
カッター帝国の皇帝は、末娘のブリジットをたいそう可愛がっていると聞く。
両国の今後のためにも、なんとかブリジットの機嫌を損ねずに、婚約を解消する方法を見つけなくてはならない。
深く思考していたせいで、ガブリエルはシルヴェーヌの接近に気づくのが遅れた。
「あら、あなたは誰?」
「ジュネ伯爵家のシルヴェーヌと申します」
ガブリエルにしなだれかかったブリジットが、先にシルヴェーヌに誰何する。
腰を落としたシルヴェーヌは、礼儀正しく挨拶をした。
しかし、シルヴェーヌの貼り付けたような笑顔が、偽物だとガブリエルは気づく。
「ふ~ん、見覚えがあると思ったら、ガブリエルさまとファーストダンスを踊った令嬢ね」
やや気分を害したブリジットが、じろじろと値踏みするようにシルヴェーヌを見る。
あまりにもシルヴェーヌが美しいので、反感を覚えているようだ。
「あなた、香水を変えた方がいいわよ。すごく変な匂いがするわ」
「申し訳ありません。これは私の体臭なので、変えられないのです」
「あら! それでは嫁ぎ先が見つからないのではなくって?」
パーティの夜にシルヴェーヌを取り囲んだ令嬢たちと違って、ブリジットに悪気はない。
とはいえ、その言葉の刃は鋭かった。
体を強張らせたシルヴェーヌを庇って、ガブリエルが間に入る。
「ブリジット、僕の命の恩人に、不適切な声掛けをしないでください。シルが長らく離宮にいてくれたから、僕は脆弱な体質からここまで回復できたのです」
とっさのガブリエルのその反応は、ブリジットの癇に障った。
「ガブリエルさま、わたくし妬いてしまうわ。その令嬢を、二度と近くに侍らせないで。さもないと、お父さまに言いつけて――」
「離宮からお暇したくて、ご挨拶に参りました。これ以上、婚約されたお二人の仲を、邪魔するつもりはありません」
脅し文句を吐こうとしていたブリジットは、シルヴェーヌの発言にパッと表情を明るくさせる。
「あなた、なかなか立場をわきまえているじゃない。それなら特別に見逃してあげる。早々に立ち去るのよ?」
「かしこまりました。大変お世話になりました」
この世の終わりみたいな絶望顔をしているガブリエルを残し、シルヴェーヌは踵を返した。
(ガブはこれから、皇女さまと幸せになるのよ。親友なら、喜んで祝福しなくちゃ)
顔を上げて、シルヴェーヌは歩を進める。
毅然とした態度を保っていられたのは、バラ園を抜けるまでだった。
離宮にある自分の部屋へは、駆け足で戻った。
そして手早く身の回りの品をまとめると、10年前に乳母が持たせてくれた、小さな鞄にそれらを詰め込む。
ぽたぽたと眦から滴り落ちる水滴を拭いもせず、シルヴェーヌは誰にも会わないうちに離宮を飛び出した。
(ロニーや料理長にもお別れの挨拶をしたいけど、絶対に引き留められる。せっかく出て行く決心を固めたのだから、揺るがない内に去らなくちゃ)
離宮から王城へ続く道を走り、そこにいた護衛兵に馬車を呼んでもらう。
明らかに泣き腫らした顔をしているシルヴェーヌに護衛兵はぎょっとしたが、体臭のせいでドクダミ令嬢だと分かったようだ。
王家が恩義を感じているジュネ伯爵家の令嬢を、いい加減には扱えない。
直ちに用意された馬車に乗り込み、シルヴェーヌは帰途に就く。
(さようなら、ガブ。私の王子さま役を引き受けてくれて、ありがとう。おかげで、今までで一番の素敵な夢を見られたわ)
遠ざかる離宮に向かって、シルヴェーヌはそっと手を振った。
◇◆◇◆
「僕のしくじりだ」
ブリジットの相手をなんとか務め終え、ひとり離宮へ戻ったガブリエルは項垂れる。
その姿を、ロニーが痛ましそうに見やった。
すでにシルヴェーヌの姿はここにない。
「パーティの夜から、もっと手を尽くしていれば……」
「殿下はドレスを汚した令嬢たちが、王妃殿下の命令に従って動いていたと突き止めました。決して、何もしなかった訳ではありません」
ロニーの慰めは、ガブリエルには益体もない。
「むしろ都合がよいと考えましょう。離宮へシルヴェーヌさまが滞在していては、いつまでもブリジット皇女殿下の糾弾の的になったでしょうから。一時的にご実家へ戻っていただいて、なにもかもが終わって呼び戻した方が安全です」
それは一理ある。
今日のブリジットを見ていただけでも、シルヴェーヌを排斥しようという意思の強さを感じた。
「シルのため、か」
「巻き込みたくはないのですよね?」
ガブリエルが知る限り、シルヴェーヌの世界は美しいもので満ちていた。
穢れを知らぬその世界を護りたくて、ガブリエルはロニーへ頷く。
「奸計が渦巻く汚い世界など、シルには縁遠い。だが僕がこれから戦いを挑むのは、その頂点にいる王妃だ」
自然とガブリエルも、その色に染まるだろう。
そしてそんな様を、シルヴェーヌには見られたくない。
「もう手段は選ばない。なるべく早く決着をつける。そして必ず――シルを離宮へ呼び戻す」
この日から、ガブリエルは国王とも頻繁に連絡を重ね、大国におもねるばかりの貴族たちを束ねる王妃と、全面的に競い合う関係となったのだった。
16
お気に入りに追加
312
あなたにおすすめの小説
【完結】裏切ったあなたを許さない
紫崎 藍華
恋愛
ジョナスはスザンナの婚約者だ。
そのジョナスがスザンナの妹のセレナとの婚約を望んでいると親から告げられた。
それは決定事項であるため婚約は解消され、それだけなく二人の邪魔になるからと領地から追放すると告げられた。
そこにセレナの意向が働いていることは間違いなく、スザンナはセレナに人生を翻弄されるのだった。
来世はあなたと結ばれませんように【再掲載】
倉世モナカ
恋愛
病弱だった私のために毎日昼夜問わず看病してくれた夫が過労により先に他界。私のせいで死んでしまった夫。来世は私なんかよりもっと素敵な女性と結ばれてほしい。それから私も後を追うようにこの世を去った。
時は来世に代わり、私は城に仕えるメイド、夫はそこに住んでいる王子へと転生していた。前世の記憶を持っている私は、夫だった王子と距離をとっていたが、あれよあれという間に彼が私に近づいてくる。それでも私はあなたとは結ばれませんから!
再投稿です。ご迷惑おかけします。
この作品は、カクヨム、小説家になろうにも掲載中。
婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。
松ノ木るな
恋愛
純真無垢な心の侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気と見なして疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。
伴侶と寄り添う心穏やかな人生を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。
あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。
どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。
たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。
[完結]あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
真那月 凜
恋愛
10代前の先祖の血と知識を継いで生まれたため、気味が悪いと恐れられているアリシャナ
左腕と顔の左半分に入れ墨のような模様を持って生まれたため、呪われていると恐れられているエイドリアン
常に孤独とともにあった2人はある日突然、政略結婚させられることになる
100件を超えるお気に入り登録ありがとうございます!
第15回恋愛小説大賞:334位
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
時々さかのぼって部分修正することがあります
誤字脱字の報告大歓迎です
カクヨム・なろうでも掲載しております
【完結】初夜の晩からすれ違う夫婦は、ある雨の晩に心を交わす
春風由実
恋愛
公爵令嬢のリーナは、半年前に侯爵であるアーネストの元に嫁いできた。
所謂、政略結婚で、結婚式の後の義務的な初夜を終えてからは、二人は同じ邸内にありながらも顔も合わせない日々を過ごしていたのだが──
ある雨の晩に、それが一変する。
※六話で完結します。一万字に足りない短いお話。ざまぁとかありません。ただただ愛し合う夫婦の話となります。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中です。
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる