2 / 3
2話
しおりを挟む
「あら、どなたかと思ったら、イグナシオさまの元……」
パーティ会場で声をかけてきたのは、見知らぬ令嬢だった。
振り返ったファティマが首を傾げていると、自己紹介をされる。
「初めまして、新たにイグナシオさまの婚約者となりました、アブリルと申します」
「っ……!」
若さ溢れる肢体を惜しげもなく露わにした美しいアブリルに、会場のあちこちから羨望の眼差しが注がれている。
婚約を解消されたファティマと一緒にいる場面は、格好の噂話の的になっていることだろう。
「どんな経緯があったのかは知りませんが、もうあなたとイグナシオさまとの縁は切れたのですから、どうぞ未練など残されませんように」
うふふ、と薄笑いを浮かべ、ファティマへ意味ありげな視線を投げるアブリル。
ファティマよりも自分が上位に立ったことを、分からせに来たのだ。
二人を取り囲む貴族たちの囁きが、否応なく声高になる。
「ご覧になって、元婚約者と現婚約者の対立ですわ」
「アブリルさまは高圧的でいらっしゃるから」
「大人しいファティマさまでは、太刀打ちできないでしょうね」
「どなたか婚約解消の本当の理由をご存じないの?」
「急な取り替え劇でしたものね。でも原因はおそらく、ファティマさまの方に……」
「私の妻に、何か?」
そこへカツカツと靴音も高らかに現れたのは、レアンドロだった。
すぐにファティマの隣に寄り添うと、周囲を睥睨した。
多くの者はそれだけで、ひっと息を飲みそそくさと離れていく。
公爵家に面と向かって物言える貴族など、王族以外では限られている。
「イグナシオさまかと思ったら、レアンドロさまでしたのね。いまだに兄弟の見分けがつきませんわ」
アブリルだけが、居丈高に言い放った。
将来の義弟など、恐ろしくはないのだろう。
「まだ婚約者のあなたとは違い、ファティマはすでに公爵家の一員だ。無礼な振る舞いは控えてもらおう」
しかし、レアンドロも負けてはいない。
アブリルを一喝すると、ファティマを伴って会場を後にした。
残されたアブリルは、悔し気に顔をしかめるしかなかった。
「すまない、僕が目を離した隙に――」
「いいえ、助けていただいて感謝しています」
「君には何の落ち度もないんだ。すべては僕のせいで――」
こうした場面が何度かあって、ファティマはレアンドロ本来の律儀な性格を知るようになる。
初対面で見せた暴力的な部分は、日頃のレアンドロからは微塵も感じられない。
あの一瞬でレアンドロを判断するのは、早計だとファティマは思った。
(誰しもカッとなったり、魔が差すことがあるわ。私だって、それは否定できない)
犯した罪を反省し、償おうとするレアンドロの姿勢を、ファティマは評価しようと決めた。
そしてレアンドロをもっと知るために、ファティマは二人で会話する機会を設けるようになった。
◇◆◇◆
数か月も過ぎると、ファティマに慣れてきたのか、レアンドロは閉ざしていた心の内を見せるようになってきた。
そして時折、亡くなったエルネスタの思い出を、ぽつりぽつりと漏らすようになる。
「エルネスタとの出会いは、僕がまだ少年だった頃で――」
レアンドロが語るエルネスタの姿に、ファティマは癒された。
愛しあっていた二人の話を聞くと、改めてイグナシオとの間にあったものが愛ではなかったと感じる。
本当に愛しあう者同士は尊い。
もうファティマには望めないからこそ、よりレアンドロとエルネスタの関係は美しく思われた。
「僕はエルネスタの無念を晴らしたかった。でも……兄には通じなかった。ファティマだけを不幸にして、僕は――」
レアンドロは何度もファティマへ頭を下げる。
今になって、無意味だった仇討ちの虚しさが分かったのだろう。
むしろレアンドロはファティマを襲ったことで、より多くの苦しみを背負ったかもしれない。
「エルネスタのところへ行きたい。何もかも捨てて……。でもそれでは無責任だ」
レアンドロが傷つけてしまったファティマの名誉を、罵る者たちから護り抜く役目がある。
希死念慮に支配されそうな精神を、レアンドロは奮い立たせた。
「僕ができる償いは、それ位しかない」
エルネスタを失ってから、ずっとしおれていたレアンドロだったが、ファティマの隣で気力を取り戻した。
社交界にも次第に、レアンドロとファティマの仲の良さが広まっていく。
それが気に喰わないのはイグナシオだった。
「僕が捨てた者を拾って、どうしてレアンドロは笑っていられる?」
◇◆◇◆
「僕ばかり、つまらない目に合うのはおかしいじゃないか」
「イグナシオさま……?」
「やはりファティマは、正確に僕たちを見分けるね」
パーティ会場から離れた薄暗がりに、ファティマは引きずり込まれた。
そしてその相手に驚愕する。
「手を放してください!」
「何を乙女ぶっているんだ。もう君は傷物だろう?」
「それとこれとは、話が別です」
「違わないさ。弟とやるのも、僕とやるのも」
「嫌! 止めて!」
ファティマの叫びは、レアンドロに届かない。
「前の女は抱いたら死んだが、君は死んでくれるなよ? 男爵令嬢と違って、もみ消すのが大変そうだからな」
心無いイグナシオの言葉に、ファティマの胸はえぐられる。
どれだけレアンドロがエルネスタを愛していたのか、知っているからなおさらだ。
「どうしてそんな酷いことができるの……?」
ドレスの胸元を破られたファティマは、抵抗しつつもイグナシオを問い詰める。
それがイグナシオに響かないと分かっていても、言わずにはいられなかった。
「酷いことでもないだろう? 君は僕に惚れていたじゃないか。こうされて嬉しいはずだ」
感情のこもらない声にゾッとする。
イグナシオの本当の姿を知らず、恋焦がれていたファティマは愚かだった。
今さらかもしれないが、イグナシオに触れられて鳥肌が立つ。
「誰か! 助けて!」
ファティマが懸命に上げた声を聞きつけたのは、まさかのアブリルだった。
イグナシオと絡むファティマを見て、つかつかと駆け寄ってくると、ビシャリと頬を引っ叩く。
「よくもイグナシオさまを誘惑したわね!」
責められたファティマは唖然とした。
イグナシオに迫られて嫌がっているのは明らかにファティマだ。
この状況で、どうしたらアブリルのような判断ができるのか。
「離れなさいよ、この売女! イグナシオさまと、よりを戻そうとしたのね!」
「ち、違うわ! そんなこと……」
「おい、アブリル。邪魔をするな」
もみ合いになったアブリルとファティマを、イグナシオが止める。
「せっかくいいところだったのに」
「イグナシオさま、この女が悪いんでしょ? そそのかされて、うっかり手を伸ばしたのよね?」
「僕を馬鹿にしているのか? 僕の行動は、僕が決める」
「ど……どういうこと?」
「傷物になった女がどんなものか、興味があっただけだ。大袈裟に騒ぐな」
興がそがれた、と零してイグナシオは立ち去る。
助かったファティマは慌てて身なりを整え、女性用の休憩室へ逃げだした。
そこに隠れていれば、戻ってこないファティマを心配して、レアンドロが迎えに来てくれる。
――ぽつんと残されたアブリルは、イグナシオの言葉を反芻していた。
「傷物になった女がいいの? じゃあ私に手を出してくれないのは、私が傷物じゃないから?」
それから数日後、イグナシオとアブリルの婚約が解消された。
アブリルは自分を傷物にするため、パーティ会場で複数人の貴族令息に清らかな体を明け渡したのだ。
そしてその饗宴をイグナシオに見せつけ、「さあ、傷物になった私をどうぞ召し上がれ」と脚を開いたのだが、侮蔑の視線を向けられただけであっけなく捨てられた。
「どうしてええ! どうしてよおおお! イグナシオさまああああ!!!!」
未来の公爵夫人になるための捨て身の努力は、アブリルの首を絞めただけだった。
パーティ会場で声をかけてきたのは、見知らぬ令嬢だった。
振り返ったファティマが首を傾げていると、自己紹介をされる。
「初めまして、新たにイグナシオさまの婚約者となりました、アブリルと申します」
「っ……!」
若さ溢れる肢体を惜しげもなく露わにした美しいアブリルに、会場のあちこちから羨望の眼差しが注がれている。
婚約を解消されたファティマと一緒にいる場面は、格好の噂話の的になっていることだろう。
「どんな経緯があったのかは知りませんが、もうあなたとイグナシオさまとの縁は切れたのですから、どうぞ未練など残されませんように」
うふふ、と薄笑いを浮かべ、ファティマへ意味ありげな視線を投げるアブリル。
ファティマよりも自分が上位に立ったことを、分からせに来たのだ。
二人を取り囲む貴族たちの囁きが、否応なく声高になる。
「ご覧になって、元婚約者と現婚約者の対立ですわ」
「アブリルさまは高圧的でいらっしゃるから」
「大人しいファティマさまでは、太刀打ちできないでしょうね」
「どなたか婚約解消の本当の理由をご存じないの?」
「急な取り替え劇でしたものね。でも原因はおそらく、ファティマさまの方に……」
「私の妻に、何か?」
そこへカツカツと靴音も高らかに現れたのは、レアンドロだった。
すぐにファティマの隣に寄り添うと、周囲を睥睨した。
多くの者はそれだけで、ひっと息を飲みそそくさと離れていく。
公爵家に面と向かって物言える貴族など、王族以外では限られている。
「イグナシオさまかと思ったら、レアンドロさまでしたのね。いまだに兄弟の見分けがつきませんわ」
アブリルだけが、居丈高に言い放った。
将来の義弟など、恐ろしくはないのだろう。
「まだ婚約者のあなたとは違い、ファティマはすでに公爵家の一員だ。無礼な振る舞いは控えてもらおう」
しかし、レアンドロも負けてはいない。
アブリルを一喝すると、ファティマを伴って会場を後にした。
残されたアブリルは、悔し気に顔をしかめるしかなかった。
「すまない、僕が目を離した隙に――」
「いいえ、助けていただいて感謝しています」
「君には何の落ち度もないんだ。すべては僕のせいで――」
こうした場面が何度かあって、ファティマはレアンドロ本来の律儀な性格を知るようになる。
初対面で見せた暴力的な部分は、日頃のレアンドロからは微塵も感じられない。
あの一瞬でレアンドロを判断するのは、早計だとファティマは思った。
(誰しもカッとなったり、魔が差すことがあるわ。私だって、それは否定できない)
犯した罪を反省し、償おうとするレアンドロの姿勢を、ファティマは評価しようと決めた。
そしてレアンドロをもっと知るために、ファティマは二人で会話する機会を設けるようになった。
◇◆◇◆
数か月も過ぎると、ファティマに慣れてきたのか、レアンドロは閉ざしていた心の内を見せるようになってきた。
そして時折、亡くなったエルネスタの思い出を、ぽつりぽつりと漏らすようになる。
「エルネスタとの出会いは、僕がまだ少年だった頃で――」
レアンドロが語るエルネスタの姿に、ファティマは癒された。
愛しあっていた二人の話を聞くと、改めてイグナシオとの間にあったものが愛ではなかったと感じる。
本当に愛しあう者同士は尊い。
もうファティマには望めないからこそ、よりレアンドロとエルネスタの関係は美しく思われた。
「僕はエルネスタの無念を晴らしたかった。でも……兄には通じなかった。ファティマだけを不幸にして、僕は――」
レアンドロは何度もファティマへ頭を下げる。
今になって、無意味だった仇討ちの虚しさが分かったのだろう。
むしろレアンドロはファティマを襲ったことで、より多くの苦しみを背負ったかもしれない。
「エルネスタのところへ行きたい。何もかも捨てて……。でもそれでは無責任だ」
レアンドロが傷つけてしまったファティマの名誉を、罵る者たちから護り抜く役目がある。
希死念慮に支配されそうな精神を、レアンドロは奮い立たせた。
「僕ができる償いは、それ位しかない」
エルネスタを失ってから、ずっとしおれていたレアンドロだったが、ファティマの隣で気力を取り戻した。
社交界にも次第に、レアンドロとファティマの仲の良さが広まっていく。
それが気に喰わないのはイグナシオだった。
「僕が捨てた者を拾って、どうしてレアンドロは笑っていられる?」
◇◆◇◆
「僕ばかり、つまらない目に合うのはおかしいじゃないか」
「イグナシオさま……?」
「やはりファティマは、正確に僕たちを見分けるね」
パーティ会場から離れた薄暗がりに、ファティマは引きずり込まれた。
そしてその相手に驚愕する。
「手を放してください!」
「何を乙女ぶっているんだ。もう君は傷物だろう?」
「それとこれとは、話が別です」
「違わないさ。弟とやるのも、僕とやるのも」
「嫌! 止めて!」
ファティマの叫びは、レアンドロに届かない。
「前の女は抱いたら死んだが、君は死んでくれるなよ? 男爵令嬢と違って、もみ消すのが大変そうだからな」
心無いイグナシオの言葉に、ファティマの胸はえぐられる。
どれだけレアンドロがエルネスタを愛していたのか、知っているからなおさらだ。
「どうしてそんな酷いことができるの……?」
ドレスの胸元を破られたファティマは、抵抗しつつもイグナシオを問い詰める。
それがイグナシオに響かないと分かっていても、言わずにはいられなかった。
「酷いことでもないだろう? 君は僕に惚れていたじゃないか。こうされて嬉しいはずだ」
感情のこもらない声にゾッとする。
イグナシオの本当の姿を知らず、恋焦がれていたファティマは愚かだった。
今さらかもしれないが、イグナシオに触れられて鳥肌が立つ。
「誰か! 助けて!」
ファティマが懸命に上げた声を聞きつけたのは、まさかのアブリルだった。
イグナシオと絡むファティマを見て、つかつかと駆け寄ってくると、ビシャリと頬を引っ叩く。
「よくもイグナシオさまを誘惑したわね!」
責められたファティマは唖然とした。
イグナシオに迫られて嫌がっているのは明らかにファティマだ。
この状況で、どうしたらアブリルのような判断ができるのか。
「離れなさいよ、この売女! イグナシオさまと、よりを戻そうとしたのね!」
「ち、違うわ! そんなこと……」
「おい、アブリル。邪魔をするな」
もみ合いになったアブリルとファティマを、イグナシオが止める。
「せっかくいいところだったのに」
「イグナシオさま、この女が悪いんでしょ? そそのかされて、うっかり手を伸ばしたのよね?」
「僕を馬鹿にしているのか? 僕の行動は、僕が決める」
「ど……どういうこと?」
「傷物になった女がどんなものか、興味があっただけだ。大袈裟に騒ぐな」
興がそがれた、と零してイグナシオは立ち去る。
助かったファティマは慌てて身なりを整え、女性用の休憩室へ逃げだした。
そこに隠れていれば、戻ってこないファティマを心配して、レアンドロが迎えに来てくれる。
――ぽつんと残されたアブリルは、イグナシオの言葉を反芻していた。
「傷物になった女がいいの? じゃあ私に手を出してくれないのは、私が傷物じゃないから?」
それから数日後、イグナシオとアブリルの婚約が解消された。
アブリルは自分を傷物にするため、パーティ会場で複数人の貴族令息に清らかな体を明け渡したのだ。
そしてその饗宴をイグナシオに見せつけ、「さあ、傷物になった私をどうぞ召し上がれ」と脚を開いたのだが、侮蔑の視線を向けられただけであっけなく捨てられた。
「どうしてええ! どうしてよおおお! イグナシオさまああああ!!!!」
未来の公爵夫人になるための捨て身の努力は、アブリルの首を絞めただけだった。
5
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説
どうして私にこだわるんですか!?
風見ゆうみ
恋愛
「手柄をたてて君に似合う男になって帰ってくる」そう言って旅立って行った婚約者は三年後、伯爵の爵位をいただくのですが、それと同時に旅先で出会った令嬢との結婚が決まったそうです。
それを知った伯爵令嬢である私、リノア・ブルーミングは悲しい気持ちなんて全くわいてきませんでした。だって、そんな事になるだろうなってわかってましたから!
婚約破棄されて捨てられたという噂が広まり、もう結婚は無理かな、と諦めていたら、なんと辺境伯から結婚の申し出が! その方は冷酷、無口で有名な方。おっとりした私なんて、すぐに捨てられてしまう、そう思ったので、うまーくお断りして田舎でゆっくり過ごそうと思ったら、なぜか結婚のお断りを断られてしまう。
え!? そんな事ってあるんですか? しかもなぜか、元婚約者とその彼女が田舎に引っ越した私を追いかけてきて!?
おっとりマイペースなヒロインとヒロインに恋をしている辺境伯とのラブコメです。ざまぁは後半です。
※独自の世界観ですので、設定はゆるめ、ご都合主義です。
後悔だけでしたらどうぞご自由に
風見ゆうみ
恋愛
女好きで有名な国王、アバホカ陛下を婚約者に持つ私、リーシャは陛下から隣国の若き公爵の婚約者の女性と関係をもってしまったと聞かされます。
それだけでなく陛下は私に向かって、その公爵の元に嫁にいけと言いはなったのです。
本来ならば、私がやらなくても良い仕事を寝る間も惜しんで頑張ってきたというのにこの仕打ち。
悔しくてしょうがありませんでしたが、陛下から婚約破棄してもらえるというメリットもあり、隣国の公爵に嫁ぐ事になった私でしたが、公爵家の使用人からは温かく迎えられ、公爵閣下も冷酷というのは噂だけ?
帰ってこいという陛下だけでも面倒ですのに、私や兄を捨てた家族までもが絡んできて…。
※R15は保険です。
※小説家になろうさんでも公開しています。
※名前にちょっと遊び心をくわえています。気になる方はお控え下さい。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※中世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物などは現代風、もしくはオリジナルです。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。
※誤字脱字、見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
【書籍化のため引き下げ予定】どうせ結末は変わらないのだと開き直ってみましたら
風見ゆうみ
恋愛
「もう、無理です!」
伯爵令嬢である私、アンナ・ディストリーは屋根裏部屋で叫びました。
男の子がほしかったのに生まれたのが私だったという理由で家族から嫌われていた私は、密かに好きな人だった伯爵令息であるエイン様の元に嫁いだその日に、エイン様と実の姉のミルーナに殺されてしまいます。
それからはなぜか、殺されては子どもの頃に巻き戻るを繰り返し、今回で11回目の人生です。
何をやっても同じ結末なら抗うことはやめて、開き直って生きていきましょう。
そう考えた私は、姉の機嫌を損ねないように目立たずに生きていくことをやめ、学園生活を楽しむことに。
学期末のテストで1位になったことで、姉の怒りを買ってしまい、なんと婚約を解消させられることに!
これで死なずにすむのでは!?
ウキウキしていた私の前に元婚約者のエイン様が現れ――
あなたへの愛情なんてとっくに消え去っているんですが?
※書籍化決定のため引き下げ予定です。他サイト様にも投稿しています。
【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。
こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。
彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。
皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。
だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。
何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。
どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。
絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。
聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──……
※在り来りなご都合主義設定です
※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です
※つまりは行き当たりばったり
※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください
4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!
どうして別れるのかと聞かれても。お気の毒な旦那さま、まさかとは思いますが、あなたのようなクズが女性に愛されると信じていらっしゃるのですか?
石河 翠
恋愛
主人公のモニカは、既婚者にばかり声をかけるはしたない女性として有名だ。愛人稼業をしているだとか、天然の毒婦だとか、聞こえてくるのは下品な噂ばかり。社交界での評判も地に落ちている。
ある日モニカは、溺愛のあまり茶会や夜会に妻を一切参加させないことで有名な愛妻家の男性に声をかける。おしどり夫婦の愛の巣に押しかけたモニカは、そこで虐げられている女性を発見する。
彼女が愛妻家として評判の男性の奥方だと気がついたモニカは、彼女を毎日お茶に誘うようになり……。
八方塞がりな状況で抵抗する力を失っていた孤独なヒロインと、彼女に手を差し伸べ広い世界に連れ出したしたたかな年下ヒーローのお話。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID24694748)をお借りしています。
あなたの妻にはなりません
風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。
彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。
幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。
彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。
悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。
彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。
あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。
悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。
「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
大嫌いな令嬢
緑谷めい
恋愛
ボージェ侯爵家令嬢アンヌはアシャール侯爵家令嬢オレリアが大嫌いである。ほとんど「憎んでいる」と言っていい程に。
同家格の侯爵家に、たまたま同じ年、同じ性別で産まれたアンヌとオレリア。アンヌには5歳年上の兄がいてオレリアには1つ下の弟がいる、という点は少し違うが、ともに実家を継ぐ男兄弟がいて、自らは将来他家に嫁ぐ立場である、という事は同じだ。その為、幼い頃から何かにつけて、二人の令嬢は周囲から比較をされ続けて来た。
アンヌはうんざりしていた。
アンヌは可愛らしい容姿している。だが、オレリアは幼い頃から「可愛い」では表現しきれぬ、特別な美しさに恵まれた令嬢だった。そして、成長するにつれ、ますますその美貌に磨きがかかっている。
そんな二人は今年13歳になり、ともに王立貴族学園に入学した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる