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二話 第一王子との遭遇
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それはゾフィが10歳、エメリヒが9歳のときだった。
これまで親友として何度も一緒に遊んできた二人に、初めての危機が訪れた。
「お前は楽でいいよな、女と遊んでいればいいんだから」
王城のバラ園で、ちょっと年上に見える金髪の少年に絡まれたのだ。
王族である緑の瞳を持つということは、友好国から嫁いだ正妃レオノーレさまが産んだ、第一王子ルトガーさまだ。
確かゾフィの2歳年上で12歳。
(いい歳だと言うのに、異母弟に悪態をつくなんて)
ゾフィはあえて最初の言葉を無視して挨拶をした。
「初めまして、カレンベルク公爵家のゾフィです」
「ふん、いい気になるなよ。所詮は公爵家、王族の俺には敵わないんだからな」
ゾフィの態度をあげつらうルトガー。
さすがにカチンと来たゾフィだったが、ここは王城だ。
相手がいくらマナー違反な態度を取ろうと、こちらまで品格を失ってはいけない。
そう思って黙ることにしたのだが、まさかのエメリヒが反抗した。
「に、兄さん、ゾフィに当たるのは……間違っています」
「なんだと!?」
気色ばんだルトガーに肩をすくませるエメリヒ。
もしかしたらゾフィの知らないところで、こうした諍いは頻繁に起きていたのかもしれない。
エメリヒの怯えようは、明らかに初めてではなさそうだ。
ゾフィはエメリヒを護るように前に出る。
「ちょっと! あなたは兄でしょう? どうして弟を恫喝するの? 兄とは弟を護る存在よ!」
「ハッ、バカバカしい! 誰が決めたんだ、そんなこと。法律にでも書いてあったか?」
「誰もが当たり前として分かっているから、わざわざ法律に書かれていないんだわ!」
「貴様――ッ!」
ルトガーとゾフィの舌鋒戦は、すわ一触即発かと思われた。
ところが――。
「ルトガー王子殿下! もう授業の始まる時間ですよ!」
息せき切って、侍従がルトガーを呼びに来たのだ。
「チッ! 分かったよ、行けばいいんだろ!」
舌打ちをして、忌々しげにルトガーはバラ園から去った。
残されたゾフィとエメリヒは、ホッと息をつく。
「なにあれ! 頭に来る!」
「兄さんは最近、ずっと荒れているんだ。……ごめんね、ゾフィにも酷いことを言って」
「荒れているからって、他の誰かでウサを晴らしていいはずがないじゃない。エメリヒも、黙って我慢することないのよ?」
「ぼ、僕は……兄さんが怖くて、あんまり言い返したりできないんだ。今日もゾフィに、護られてしまうし……」
そんなに怖がっているのに、ゾフィを護ろうと、必死にルトガーに反抗してくれたんだ。
親友であるエメリヒを護りたいという気持ちは、ゾフィだって一緒だ。
「私たち、親友でしょ! お互いを護りたい気持ちは、あって当然なのよ!」
「ゾ、ゾフィ……ありがとう」
ちょっと涙目になっていたエメリヒを、ゾフィはぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫よ! 私に任せて! あいつが鼻にもかけなかった、公爵家の力を思い知らせてやる!」
「何をするつもり? どうか、あまり無理はしないで……」
「分かってる! ちょっとお父さまのお知恵を拝借するだけだから、安心して!」
◇◆◇
ゾフィはその日の夕餐、さっそく父親に相談する。
「お父さま、手を貸してください! 私、第一王子のルトガーさまを懲らしめたいんです! 今日、私にもエメリヒにも、すごく傲慢な態度をとったのよ!」
プリプリと怒るゾフィに、父親はおやおやと楽しそうな顔をする。
「ルトガーさまか、ちょうど議会でも問題になっているよ。授業を受ける態度がよろしくないだとか、王太子にするには人格に難ありだとか」
顎をさすりながら、父親は思い出すようにつぶやく。
「年齢は12歳だったよね? 反抗期に入ったのかな?」
珍しくゾフィの長兄クリストフが会話に交じる。
20歳になるクリストフは、次期公爵家当主となることが決まっている。
今は父親の秘書をして、仕事を覚えているところだ。
顔が父親のカレンベルク公爵にそっくりなため、すでに父親の部下からは恐れられている。
「最近始まったという入学前教育に、ついていけないそうだね? 王立学園の教授が愚痴をこぼしていたよ」
今度は、次兄ダニエルが会話に交じった。
これまた父親にそっくりな顔のダニエルは18歳、将来は財務大臣を務める侯爵家への婿入りが決まっている。
今は王立学園の3年生で、冬休みが終わって春に卒業してから、婚約をするそうだ。
ちなみに婚約相手の侯爵令嬢は、王立学園の2つ上の先輩で、1年生のときに一目惚れしたダニエルが、在学中に口説き落としたのだとか。
「ふむ。ルトガーさまを支えられる、しっかりした婚約者をつけてはどうか、という案が出ていた。ゾフィ、これに立候補してみるかね? あくまでも婚約者だ、嫌になればいつでもお父さまが解消してあげよう」
「婚約者、ですか?」
「そうだ、立場が対等になるぞ。公爵家風情と舐められたのだろう? 今度からは婚約者として、真正面から物を申していいんだ。思い切り躾けてやりなさい」
冷酷な顔をさらに悪そうにして笑う父親と長兄と次兄、それを仕方がないわねと眺めるにこやかな母親。
ゾフィも、そこに加わることにした。
(そうだわ! 私もこれからは立派な悪役になるわ! あの俺様な王子に対抗するには、それくらいじゃないといけないのよ!)
そう考えたゾフィが浮かべた笑みも、間違いなくカレンベルク公爵の血を継いでいた。
◇◆◇
内務大臣を担うカレンベルク公爵は、溺愛するゾフィのために、かつてない速さで決裁を済ませた。
そしてゾフィが絡まれてから3日後、ゾフィはルトガーの婚約者枠に収まったのだった。
「はあ? お前が俺の婚約者だと? 馬鹿も休み休み言え!」
顔合わせとして、ルトガーの私室に招かれたゾフィは、さっそく嫌な顔をされる。
だがそんなことは想定済みだ。
「馬鹿はあなたです。あなたがそんなだから、私というしっかりした婚約者が必要なのです。私のことが嫌なら、もっとお勉強に励むことね!」
ゾフィは笑顔で言い返す。
なにしろルトガーの机に広がっている教科書を見てしまったからだ。
それはちょうどエメリヒが習っている範囲だ。
先週、分からないところがあると言っていたので、ゾフィが教えてあげたから覚えている。
エメリヒよりも3つ年上のルトガーが、今この教科書を開いているということは、ゾフィのほうが勉強に関しては上だ。
ふふん!
胸を張り、ゾフィは言ってやった。
「分からないところがあるなら教えてあげるわ! 私は1年前に履修済みよ!」
ルトガーは、ハッとして教科書を慌てて隠す。
自分でも学習が遅れていることは理解しているのだろう。
貴族たちが通う王立学園に入試はないが、決められた単位を取らなければ進級できない。
入ったはいいものの、ズルズルといつまでも卒業できないのは恥だ。
だから貴族たちは前もって、あらかたの教育を済ませておくのだ。
ルトガーは12歳、4年後には入学する。
そのためには、ここまで学んでいたほうがいいという線引きがある。
「お前、本当に分かるのか?」
「どうかしらね?」
腕を組み、笑顔を崩さないゾフィ。
それを疑わしそうに見て、ルトガーは隠した教科書を引っ張り出した。
そして角を折ったページを開く。
「ここを説明してみろ。何度聞いても、教授の話が分からん」
そこにあったのは、食塩水と水と塩が出てくる塩分濃度の問題だった。
ゾフィは机の上のペンを取ると、教科書を自分の方に向ける。
余白に大きく丸い円を描き、円心を通る横線を引いて上下の半円にする。
そして上半分に食塩と書いた。
次に下半分に円心から下に縦線を引き、直角のある2つの扇形にする。
左の扇形に食塩水、右の扇形に濃度と書いた。
「説明よりもやってみるのが一番よ。どの問題でもいいから、出してみて!」
ルトガーは教科書から難しいと思われる応用問題を出題したが、ゾフィが円を使ってどんどん解いてしまったので、最後には呆然とした。
「その円はなんだ? なんでこんな、ややこしい問題がスラスラと解けるんだ?」
「公式よ。円の横線は割り算、縦線は掛け算をするの。これを知らずに塩分濃度の問題に挑もうだなんて、無茶だわ」
「……教授は教えてくれなかった」
「だって教授は頭がいいのよ? 無意識のうちに公式を使っているんだわ。私たちは凡人なのだから、こうしていちいち公式に当てはめていかないと、頭がこんがらがるでしょ!」
「そうか……こんがらがる、か」
ルトガーはなんだかホッとした顔をして、ゾフィの描いた円をじっと見た。
初日の顔合わせは、こうして終わる。
これまで親友として何度も一緒に遊んできた二人に、初めての危機が訪れた。
「お前は楽でいいよな、女と遊んでいればいいんだから」
王城のバラ園で、ちょっと年上に見える金髪の少年に絡まれたのだ。
王族である緑の瞳を持つということは、友好国から嫁いだ正妃レオノーレさまが産んだ、第一王子ルトガーさまだ。
確かゾフィの2歳年上で12歳。
(いい歳だと言うのに、異母弟に悪態をつくなんて)
ゾフィはあえて最初の言葉を無視して挨拶をした。
「初めまして、カレンベルク公爵家のゾフィです」
「ふん、いい気になるなよ。所詮は公爵家、王族の俺には敵わないんだからな」
ゾフィの態度をあげつらうルトガー。
さすがにカチンと来たゾフィだったが、ここは王城だ。
相手がいくらマナー違反な態度を取ろうと、こちらまで品格を失ってはいけない。
そう思って黙ることにしたのだが、まさかのエメリヒが反抗した。
「に、兄さん、ゾフィに当たるのは……間違っています」
「なんだと!?」
気色ばんだルトガーに肩をすくませるエメリヒ。
もしかしたらゾフィの知らないところで、こうした諍いは頻繁に起きていたのかもしれない。
エメリヒの怯えようは、明らかに初めてではなさそうだ。
ゾフィはエメリヒを護るように前に出る。
「ちょっと! あなたは兄でしょう? どうして弟を恫喝するの? 兄とは弟を護る存在よ!」
「ハッ、バカバカしい! 誰が決めたんだ、そんなこと。法律にでも書いてあったか?」
「誰もが当たり前として分かっているから、わざわざ法律に書かれていないんだわ!」
「貴様――ッ!」
ルトガーとゾフィの舌鋒戦は、すわ一触即発かと思われた。
ところが――。
「ルトガー王子殿下! もう授業の始まる時間ですよ!」
息せき切って、侍従がルトガーを呼びに来たのだ。
「チッ! 分かったよ、行けばいいんだろ!」
舌打ちをして、忌々しげにルトガーはバラ園から去った。
残されたゾフィとエメリヒは、ホッと息をつく。
「なにあれ! 頭に来る!」
「兄さんは最近、ずっと荒れているんだ。……ごめんね、ゾフィにも酷いことを言って」
「荒れているからって、他の誰かでウサを晴らしていいはずがないじゃない。エメリヒも、黙って我慢することないのよ?」
「ぼ、僕は……兄さんが怖くて、あんまり言い返したりできないんだ。今日もゾフィに、護られてしまうし……」
そんなに怖がっているのに、ゾフィを護ろうと、必死にルトガーに反抗してくれたんだ。
親友であるエメリヒを護りたいという気持ちは、ゾフィだって一緒だ。
「私たち、親友でしょ! お互いを護りたい気持ちは、あって当然なのよ!」
「ゾ、ゾフィ……ありがとう」
ちょっと涙目になっていたエメリヒを、ゾフィはぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫よ! 私に任せて! あいつが鼻にもかけなかった、公爵家の力を思い知らせてやる!」
「何をするつもり? どうか、あまり無理はしないで……」
「分かってる! ちょっとお父さまのお知恵を拝借するだけだから、安心して!」
◇◆◇
ゾフィはその日の夕餐、さっそく父親に相談する。
「お父さま、手を貸してください! 私、第一王子のルトガーさまを懲らしめたいんです! 今日、私にもエメリヒにも、すごく傲慢な態度をとったのよ!」
プリプリと怒るゾフィに、父親はおやおやと楽しそうな顔をする。
「ルトガーさまか、ちょうど議会でも問題になっているよ。授業を受ける態度がよろしくないだとか、王太子にするには人格に難ありだとか」
顎をさすりながら、父親は思い出すようにつぶやく。
「年齢は12歳だったよね? 反抗期に入ったのかな?」
珍しくゾフィの長兄クリストフが会話に交じる。
20歳になるクリストフは、次期公爵家当主となることが決まっている。
今は父親の秘書をして、仕事を覚えているところだ。
顔が父親のカレンベルク公爵にそっくりなため、すでに父親の部下からは恐れられている。
「最近始まったという入学前教育に、ついていけないそうだね? 王立学園の教授が愚痴をこぼしていたよ」
今度は、次兄ダニエルが会話に交じった。
これまた父親にそっくりな顔のダニエルは18歳、将来は財務大臣を務める侯爵家への婿入りが決まっている。
今は王立学園の3年生で、冬休みが終わって春に卒業してから、婚約をするそうだ。
ちなみに婚約相手の侯爵令嬢は、王立学園の2つ上の先輩で、1年生のときに一目惚れしたダニエルが、在学中に口説き落としたのだとか。
「ふむ。ルトガーさまを支えられる、しっかりした婚約者をつけてはどうか、という案が出ていた。ゾフィ、これに立候補してみるかね? あくまでも婚約者だ、嫌になればいつでもお父さまが解消してあげよう」
「婚約者、ですか?」
「そうだ、立場が対等になるぞ。公爵家風情と舐められたのだろう? 今度からは婚約者として、真正面から物を申していいんだ。思い切り躾けてやりなさい」
冷酷な顔をさらに悪そうにして笑う父親と長兄と次兄、それを仕方がないわねと眺めるにこやかな母親。
ゾフィも、そこに加わることにした。
(そうだわ! 私もこれからは立派な悪役になるわ! あの俺様な王子に対抗するには、それくらいじゃないといけないのよ!)
そう考えたゾフィが浮かべた笑みも、間違いなくカレンベルク公爵の血を継いでいた。
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内務大臣を担うカレンベルク公爵は、溺愛するゾフィのために、かつてない速さで決裁を済ませた。
そしてゾフィが絡まれてから3日後、ゾフィはルトガーの婚約者枠に収まったのだった。
「はあ? お前が俺の婚約者だと? 馬鹿も休み休み言え!」
顔合わせとして、ルトガーの私室に招かれたゾフィは、さっそく嫌な顔をされる。
だがそんなことは想定済みだ。
「馬鹿はあなたです。あなたがそんなだから、私というしっかりした婚約者が必要なのです。私のことが嫌なら、もっとお勉強に励むことね!」
ゾフィは笑顔で言い返す。
なにしろルトガーの机に広がっている教科書を見てしまったからだ。
それはちょうどエメリヒが習っている範囲だ。
先週、分からないところがあると言っていたので、ゾフィが教えてあげたから覚えている。
エメリヒよりも3つ年上のルトガーが、今この教科書を開いているということは、ゾフィのほうが勉強に関しては上だ。
ふふん!
胸を張り、ゾフィは言ってやった。
「分からないところがあるなら教えてあげるわ! 私は1年前に履修済みよ!」
ルトガーは、ハッとして教科書を慌てて隠す。
自分でも学習が遅れていることは理解しているのだろう。
貴族たちが通う王立学園に入試はないが、決められた単位を取らなければ進級できない。
入ったはいいものの、ズルズルといつまでも卒業できないのは恥だ。
だから貴族たちは前もって、あらかたの教育を済ませておくのだ。
ルトガーは12歳、4年後には入学する。
そのためには、ここまで学んでいたほうがいいという線引きがある。
「お前、本当に分かるのか?」
「どうかしらね?」
腕を組み、笑顔を崩さないゾフィ。
それを疑わしそうに見て、ルトガーは隠した教科書を引っ張り出した。
そして角を折ったページを開く。
「ここを説明してみろ。何度聞いても、教授の話が分からん」
そこにあったのは、食塩水と水と塩が出てくる塩分濃度の問題だった。
ゾフィは机の上のペンを取ると、教科書を自分の方に向ける。
余白に大きく丸い円を描き、円心を通る横線を引いて上下の半円にする。
そして上半分に食塩と書いた。
次に下半分に円心から下に縦線を引き、直角のある2つの扇形にする。
左の扇形に食塩水、右の扇形に濃度と書いた。
「説明よりもやってみるのが一番よ。どの問題でもいいから、出してみて!」
ルトガーは教科書から難しいと思われる応用問題を出題したが、ゾフィが円を使ってどんどん解いてしまったので、最後には呆然とした。
「その円はなんだ? なんでこんな、ややこしい問題がスラスラと解けるんだ?」
「公式よ。円の横線は割り算、縦線は掛け算をするの。これを知らずに塩分濃度の問題に挑もうだなんて、無茶だわ」
「……教授は教えてくれなかった」
「だって教授は頭がいいのよ? 無意識のうちに公式を使っているんだわ。私たちは凡人なのだから、こうしていちいち公式に当てはめていかないと、頭がこんがらがるでしょ!」
「そうか……こんがらがる、か」
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