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九話 名前の由来
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※最後にヒーローから読者へ語り掛ける部分があります。
※ヒーローのメタ視点が苦手な方は気をつけてください。
12人の大臣たちは、12人の妃たちが産気づいたとの知らせを受けて、急いでそれぞれの一族の家に取って返した。
そして産まれてくる子の額に、竜王の印があることを一心に祈念した。
12人の妃たちは出産も同時だった。
親族一同が今か今かと待ち構える中、妃たちは難産の末にようやく子を産み落としたが、いずれも鳴き声が上がらなかった。
そんなはずはないと、妃たちは疲労困憊した体を無理やり起こし、老け込んでしまった顔で自分の股座を覗き込むが、産婆が取り上げたのは握ればボロリと崩れてしまう、どこにでもあるような土塊だった。
もの言わぬ土塊を見て、12人の大臣たちはそれぞれ絶叫する。
妃たちの腹に宿った赤子だと思っていたものが、産まれてみれば生きものですらなかった。
これが指し示す事実に思い当たり、滝のように大汗が流れた大臣たち。
そして王宮に戻るや否や、揃って慌ただしく地下室へと駆け下りていく。
「どういうことだ!?」
「誰も竜王さまに世話役をつけていないのか!?」
「あれから何日が経っている!?」
「竜王さまは現在どうされているのだ!?」
「とにかく急げ!!」
12人の大臣たちは、産まれた子が土塊であったことから、既にひとつの仮説を導き出していた。
だがそれは、絶対に当たってはいけない仮説だった。
もしそんなことになってしまったら――。
バーンッと地下室の扉が大きく開かれる。
12人の大臣たちは我先にと部屋に雪崩れ込んだ。
そして竜王を探す。
自分たちが磔にして放置した竜王の姿を。
部屋の中は、大臣たちが妃たちとともに立ち去ったあの日のまま、何も変わっていなかった。
いや、床に描かれた陣の模様の上に、何やら血で新たな模様が描き足されていたが、それには誰も気がつかない。
「竜王さまああああ!!!」
「こ、これは……! やはりそうなのか……!」
「ああ、終わった! 我々の代で! 竜族は終わりだ!」
「そんな馬鹿な! そんなはずがあるか!」
「誰か秘法を知らぬか!? 死者を蘇らせる秘法を!」
「我々はまた間違ったのだ……!」
「どうしたらいいんだ、これから……」
大臣たちはそれどころではなかったからだ。
手足を鎖に囚われた竜王は、明らかにもう生きていない姿だった。
どす黒くやせ細り、干からび、うっすらと埃すら積もって、老いた人のように死んでいた。
今代の竜王が息絶えた。
次代の竜王を残さずに。
ここで竜王の血が途絶えたのだ。
つまりそれは、竜族から繁栄の加護が失われたということ。
繁栄とは、豊かに栄え発展すること。
もう竜族にその道はない。
だから妃たちが生んだ子は土塊だったのだ。
今後、竜族に子は一切生まれないだろう。
滅びの一途をたどるだけだ。
その日、王宮中に慟哭が走り、弱まりながらも竜王の血によって護られていた竜族たちの未来の終焉を告げた。
竜族に文字という貴重な概念を与えるはずだった異世界からの番を、殺してしまった愚行ゆえに。
◇◆◇
二人は同じ日に生まれた。
奇しくも家まで隣同士だった。
火村家に生まれた待望の長女は二美(ふみ)、赤井家に生まれた額に8の字の痣のある長男は竜二(りゅうじ)と名付けられた。
二人は幼馴染として、それこそ生まれたときから仲良く育った。
8歳になったある日、小学校から二人一緒に下校している途中、二美が竜二に問いかける。
二美にとってそれは、ずっと知りたかったことのひとつだったが、なかなか尋ねる機会がなかった。
会話の途切れた今、聞くにはちょうどいい。
「ねえ、どうして竜二は竜二って名前なの? 二って漢字は二番目って意味でしょう? うちは上に幸一朗ってお兄ちゃんがいるから、私は二番目の子で二美っていうのは分かるんだけど。竜二は一人っ子だから、竜一とかでもいいのにね」
「なんか俺が生まれたときに父ちゃんがピンと閃いたんだって。『こいつは竜二だ、きっとカッコイイ人生を送るにちがいない!』って決めちゃったらしい」
「おじさん、閃きを大事にするとこあるよね。竜二っておじさんのそういうとこ、しっかり遺伝してると思う」
「そう? たとえば?」
「だって、小さいときから私に結婚しようってずっと言ってくるじゃない? それも、おじさんみたいな閃きなんでしょ?」
「ああ、それ。それはね、閃きっていうより、なんか分かってるんだよね。俺と二美は、10年後に結婚するってことが」
「え? 10年後なの? それって早くない?」
「そんなことないさ、だって18歳にならないと日本では結婚できないんだろ? それまで待つんだから、遅いくらいだ」
「な、なによ。今にでも結婚したいみたいな言い方して」
「みたいじゃないし。結婚したいし」
ニカッと笑って白い歯を見せる竜二に、二美はかーっと赤くなる。
「なんだ、またうちの可愛い妹を口説いてるのか? 竜二は二美のこととなると、熱心だなあ」
そこへ二美の兄の幸一朗が、通りかかって会話に加わった。
5歳年上の幸一朗は、中学一年生だ。
中学校は小学校の隣りに建っているので、この三人の通学路はほぼ同じだが、いつもは小学生の二人と登下校時間が重ならない幸一朗が混ざるのは珍しい。
「お兄ちゃん! さっさと家に帰って勉強しなさいよ! シケンキカンチュウなんでしょ!」
二美はぷんぷん怒って幸一朗の背中を押し、家路を急がせる。
「ははは、照れ隠しが下手だなあ、二美。竜二はイケメンだからな、今からしっかり捕まえておくんだぞ」
そう言うと幸一朗は初々しい恋人たちを邪魔しないように、足早に立ち去った。
「もう、お兄ちゃんなんて知らないんだから!」
「俺たちは幸兄ぃ公認の仲だからな」
からかわれて、竜二は満足そうだ。
「二美の父ちゃんに結婚の申し込みに行くときは、幸兄ぃに協力してもらおっと」
その言葉にまたしても真っ赤になる二美だったが、10年後、それは本当のこととなるのだった。
◇◆◇
かつて竜王として竜族の頂点に立ち、今は人間の子として二度目の人生を送っている竜二。
竜二には、生まれたときから竜王としての記憶があった。
そして二美に初めて会ったとき、美子に初めて会ったときと同じ多幸感を覚えたのだ。
ああ、二美は美子だ。
一緒に生まれ変わった私の番の美子だ。
二美には竜二のように記憶が残ってはいなかったが、竜二はそれでもよかった。
今度こそ生涯護り通して、愛し合う人生を二人でまっとうしたい。
それを目標に、しゃべれるようになってからは毎日のように熱心に二美を口説いた。
その結果、二美は私の妻として隣にいる。
ちゃんと美子があちらの世界で私に教えてくれたように、お互いを知るために交際をして、ずっと一緒にいたいと思ってプロポーズをして、紹介せずとも親同士はお隣さんで知り合いだったが、無事に二人の結婚に賛成してもらえて、みんなに祝われて結婚式を挙げた。
長くは待てず、結婚したのは18歳と日本人の平均よりかなり早めとなってしまったが、私はとても満足している。
今は美子の理想の夫婦だった両親のように、寄り添って助け合って生きている最中だ。
美子と一緒に空間の狭間を通ったことで、私の魂もこちらの世界に来ることができたようだ。
日本人に生まれ変われて、本当によかった。
こうして思う存分、一人の伴侶を愛することができる。
すべては美子が捧げてくれた愛のおかげだ。
あのときは、か弱い魂の状態で必死に私を探してくれてありがとう。
今、思い出しても涙が出るシーンだ。
12人の妃としたことを裏切りだとなじられても、私には反論できなかっただろう。
私はほぼ全裸で、体中が汚い汁にまみれていたんだぞ?
その場で即刻、美子にふられていてもおかしくない状況だった。
だけど美子は分かってくれたんだ。
それが同意のある行為ではなかったことを。
そして私を許してくれた。
一緒に行こうと言ってくれた。
意識をなくすまで酒を飲んでしまった不甲斐ない私は、人間になってからは酒を飲まないと決めている。
ただし二美はときどき度数の低いチューハイを飲んでは、可愛く酔っぱらっているが。
私はそれを介抱するのをとても楽しみにしているので、冷蔵庫にはいつも二美の好きな蜜柑味の缶チューハイが常備してある。
最後に、ここまで読んでくれたあなたへ。
二美がした鋭い質問を覚えているだろうか?
どうして一人っ子の私の名前に、漢数字の二が使われているのか。
竜一でもよかったのにね、と言われたときには、ドキッとしたものだ。
赤井家に生まれた私の名前が、竜一ではなく竜二になったのは、父に「なんとなくこいつ、人生二周目だな?」と見破られたせいではないかと睨んでいる。
父に直接問い質したことはないのだが、私の前世の竜王の勘がそう告げているのだ。
二美とおそろいの漢字が使われている竜二という名前に、私が大変愛着を持っていることを最後にお伝えしてお別れしよう。
どうか末永く二美と一緒にいられる人生であるよう、あなたも祈っていて欲しい。
※ヒーローのメタ視点が苦手な方は気をつけてください。
12人の大臣たちは、12人の妃たちが産気づいたとの知らせを受けて、急いでそれぞれの一族の家に取って返した。
そして産まれてくる子の額に、竜王の印があることを一心に祈念した。
12人の妃たちは出産も同時だった。
親族一同が今か今かと待ち構える中、妃たちは難産の末にようやく子を産み落としたが、いずれも鳴き声が上がらなかった。
そんなはずはないと、妃たちは疲労困憊した体を無理やり起こし、老け込んでしまった顔で自分の股座を覗き込むが、産婆が取り上げたのは握ればボロリと崩れてしまう、どこにでもあるような土塊だった。
もの言わぬ土塊を見て、12人の大臣たちはそれぞれ絶叫する。
妃たちの腹に宿った赤子だと思っていたものが、産まれてみれば生きものですらなかった。
これが指し示す事実に思い当たり、滝のように大汗が流れた大臣たち。
そして王宮に戻るや否や、揃って慌ただしく地下室へと駆け下りていく。
「どういうことだ!?」
「誰も竜王さまに世話役をつけていないのか!?」
「あれから何日が経っている!?」
「竜王さまは現在どうされているのだ!?」
「とにかく急げ!!」
12人の大臣たちは、産まれた子が土塊であったことから、既にひとつの仮説を導き出していた。
だがそれは、絶対に当たってはいけない仮説だった。
もしそんなことになってしまったら――。
バーンッと地下室の扉が大きく開かれる。
12人の大臣たちは我先にと部屋に雪崩れ込んだ。
そして竜王を探す。
自分たちが磔にして放置した竜王の姿を。
部屋の中は、大臣たちが妃たちとともに立ち去ったあの日のまま、何も変わっていなかった。
いや、床に描かれた陣の模様の上に、何やら血で新たな模様が描き足されていたが、それには誰も気がつかない。
「竜王さまああああ!!!」
「こ、これは……! やはりそうなのか……!」
「ああ、終わった! 我々の代で! 竜族は終わりだ!」
「そんな馬鹿な! そんなはずがあるか!」
「誰か秘法を知らぬか!? 死者を蘇らせる秘法を!」
「我々はまた間違ったのだ……!」
「どうしたらいいんだ、これから……」
大臣たちはそれどころではなかったからだ。
手足を鎖に囚われた竜王は、明らかにもう生きていない姿だった。
どす黒くやせ細り、干からび、うっすらと埃すら積もって、老いた人のように死んでいた。
今代の竜王が息絶えた。
次代の竜王を残さずに。
ここで竜王の血が途絶えたのだ。
つまりそれは、竜族から繁栄の加護が失われたということ。
繁栄とは、豊かに栄え発展すること。
もう竜族にその道はない。
だから妃たちが生んだ子は土塊だったのだ。
今後、竜族に子は一切生まれないだろう。
滅びの一途をたどるだけだ。
その日、王宮中に慟哭が走り、弱まりながらも竜王の血によって護られていた竜族たちの未来の終焉を告げた。
竜族に文字という貴重な概念を与えるはずだった異世界からの番を、殺してしまった愚行ゆえに。
◇◆◇
二人は同じ日に生まれた。
奇しくも家まで隣同士だった。
火村家に生まれた待望の長女は二美(ふみ)、赤井家に生まれた額に8の字の痣のある長男は竜二(りゅうじ)と名付けられた。
二人は幼馴染として、それこそ生まれたときから仲良く育った。
8歳になったある日、小学校から二人一緒に下校している途中、二美が竜二に問いかける。
二美にとってそれは、ずっと知りたかったことのひとつだったが、なかなか尋ねる機会がなかった。
会話の途切れた今、聞くにはちょうどいい。
「ねえ、どうして竜二は竜二って名前なの? 二って漢字は二番目って意味でしょう? うちは上に幸一朗ってお兄ちゃんがいるから、私は二番目の子で二美っていうのは分かるんだけど。竜二は一人っ子だから、竜一とかでもいいのにね」
「なんか俺が生まれたときに父ちゃんがピンと閃いたんだって。『こいつは竜二だ、きっとカッコイイ人生を送るにちがいない!』って決めちゃったらしい」
「おじさん、閃きを大事にするとこあるよね。竜二っておじさんのそういうとこ、しっかり遺伝してると思う」
「そう? たとえば?」
「だって、小さいときから私に結婚しようってずっと言ってくるじゃない? それも、おじさんみたいな閃きなんでしょ?」
「ああ、それ。それはね、閃きっていうより、なんか分かってるんだよね。俺と二美は、10年後に結婚するってことが」
「え? 10年後なの? それって早くない?」
「そんなことないさ、だって18歳にならないと日本では結婚できないんだろ? それまで待つんだから、遅いくらいだ」
「な、なによ。今にでも結婚したいみたいな言い方して」
「みたいじゃないし。結婚したいし」
ニカッと笑って白い歯を見せる竜二に、二美はかーっと赤くなる。
「なんだ、またうちの可愛い妹を口説いてるのか? 竜二は二美のこととなると、熱心だなあ」
そこへ二美の兄の幸一朗が、通りかかって会話に加わった。
5歳年上の幸一朗は、中学一年生だ。
中学校は小学校の隣りに建っているので、この三人の通学路はほぼ同じだが、いつもは小学生の二人と登下校時間が重ならない幸一朗が混ざるのは珍しい。
「お兄ちゃん! さっさと家に帰って勉強しなさいよ! シケンキカンチュウなんでしょ!」
二美はぷんぷん怒って幸一朗の背中を押し、家路を急がせる。
「ははは、照れ隠しが下手だなあ、二美。竜二はイケメンだからな、今からしっかり捕まえておくんだぞ」
そう言うと幸一朗は初々しい恋人たちを邪魔しないように、足早に立ち去った。
「もう、お兄ちゃんなんて知らないんだから!」
「俺たちは幸兄ぃ公認の仲だからな」
からかわれて、竜二は満足そうだ。
「二美の父ちゃんに結婚の申し込みに行くときは、幸兄ぃに協力してもらおっと」
その言葉にまたしても真っ赤になる二美だったが、10年後、それは本当のこととなるのだった。
◇◆◇
かつて竜王として竜族の頂点に立ち、今は人間の子として二度目の人生を送っている竜二。
竜二には、生まれたときから竜王としての記憶があった。
そして二美に初めて会ったとき、美子に初めて会ったときと同じ多幸感を覚えたのだ。
ああ、二美は美子だ。
一緒に生まれ変わった私の番の美子だ。
二美には竜二のように記憶が残ってはいなかったが、竜二はそれでもよかった。
今度こそ生涯護り通して、愛し合う人生を二人でまっとうしたい。
それを目標に、しゃべれるようになってからは毎日のように熱心に二美を口説いた。
その結果、二美は私の妻として隣にいる。
ちゃんと美子があちらの世界で私に教えてくれたように、お互いを知るために交際をして、ずっと一緒にいたいと思ってプロポーズをして、紹介せずとも親同士はお隣さんで知り合いだったが、無事に二人の結婚に賛成してもらえて、みんなに祝われて結婚式を挙げた。
長くは待てず、結婚したのは18歳と日本人の平均よりかなり早めとなってしまったが、私はとても満足している。
今は美子の理想の夫婦だった両親のように、寄り添って助け合って生きている最中だ。
美子と一緒に空間の狭間を通ったことで、私の魂もこちらの世界に来ることができたようだ。
日本人に生まれ変われて、本当によかった。
こうして思う存分、一人の伴侶を愛することができる。
すべては美子が捧げてくれた愛のおかげだ。
あのときは、か弱い魂の状態で必死に私を探してくれてありがとう。
今、思い出しても涙が出るシーンだ。
12人の妃としたことを裏切りだとなじられても、私には反論できなかっただろう。
私はほぼ全裸で、体中が汚い汁にまみれていたんだぞ?
その場で即刻、美子にふられていてもおかしくない状況だった。
だけど美子は分かってくれたんだ。
それが同意のある行為ではなかったことを。
そして私を許してくれた。
一緒に行こうと言ってくれた。
意識をなくすまで酒を飲んでしまった不甲斐ない私は、人間になってからは酒を飲まないと決めている。
ただし二美はときどき度数の低いチューハイを飲んでは、可愛く酔っぱらっているが。
私はそれを介抱するのをとても楽しみにしているので、冷蔵庫にはいつも二美の好きな蜜柑味の缶チューハイが常備してある。
最後に、ここまで読んでくれたあなたへ。
二美がした鋭い質問を覚えているだろうか?
どうして一人っ子の私の名前に、漢数字の二が使われているのか。
竜一でもよかったのにね、と言われたときには、ドキッとしたものだ。
赤井家に生まれた私の名前が、竜一ではなく竜二になったのは、父に「なんとなくこいつ、人生二周目だな?」と見破られたせいではないかと睨んでいる。
父に直接問い質したことはないのだが、私の前世の竜王の勘がそう告げているのだ。
二美とおそろいの漢字が使われている竜二という名前に、私が大変愛着を持っていることを最後にお伝えしてお別れしよう。
どうか末永く二美と一緒にいられる人生であるよう、あなたも祈っていて欲しい。
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