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十三話 アドリアナ親衛隊
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「パレードですか?」
「事後承諾みたいになって申し訳ありません。どうやら私たちの結婚を楽しみにしている人たちが、想像以上にいるみたいなんです。それで兄上が、暴動が起きる前に、私たちが幸せにしているところを見せつけたほうがいいと――」
暴動――不穏な言葉にアドリアナは反応してしまう。
結婚と結び付くには、おかしな言葉だ。
しかも幸せにしているところをパレードで見せつけることで収まる暴動とは、どんなものなのかアドリアナには見当がつかない。
これまで戦いの第一線にいたと自負するアドリアナだが、エイヴリング王国ではまだ未知なことが多いと思った。
「分かりました。では結婚式の会場から披露宴の会場までの移動が、そのパレードに置き換わるという認識でいいですか?」
「はい、それで大丈夫です。私は、たくさんの国民たちに美しいアナを見てもらいたい気持ちと、誰にも見せずに隠しておきたい気持ちと、半々なんですけどね」
バーナビーは恥ずかしそうに笑う。
それを見て、アドリアナも笑う。
お互いの気持ちが変わっていないことを確かめて、新婚夫婦は結婚式に臨んだ。
エイヴリング王国と獣人国の関係者が列席し、神聖なる式が始まる。
すでに婚姻届は提出されているので、ここでは改めて誓いの内容を確認するだけだ。
形は大事だと婆やに言われて用意した花嫁衣装だったが、バーナビーはアドリアナの姿に先ほどからメロメロだった。
婆やの意見を参考に3点用意した白いドレスのうち、アドリアナが選んだのは一番装飾の少ないシンプルなドレスだった。
だが、そのドレスが一番、アドリアナの体のラインを強調するドレスだった。
何度も目をそらさなくては、と思っているが、どうしてもバーナビーの視線はアドリアナの尻尾に行ってしまう。
令嬢のようなたおやかで折れそうな腰ではなく、しっかりと腹筋がついたアドリアナの厚い腰。
その腰から臀部にかけて、滑らかな稜線を描いて尻尾が生えている。
しっかり見たことは無いが、獅子獣人のロドリゴの場合は尻の上の方に、くっつくように尻尾があった。
だがアドリアナの場合、第三の脚のように付け根は太く存在感があり、先に行くに従って細くなる。
床には付いたり付かなかったり、くるりと巻いて持ち上げていることもあれば、足に沿わせていることもある。
自由自在に動くその尻尾が、先ほどからドレスの裾をひらひらとさせているのだ。
提灯アンコウの疑似餌に釣られる魚のように、バーナビーはふらふらと誘われそうになる。
しかし並ぶ関係者の手前、アドリアナのドレスの裾をまくり上げて、そこに頭を突っ込むわけにはいかない。
バーナビーは、付け根から先端まで、その尻尾を舐めたい衝動と必死に戦い、式を乗り切るのだった。
ロドリゴと一緒に参列しているアドリアナの部下たちは、アドリアナの登場からすでに号泣している。
そしてアドリアナの凛々しい花嫁姿に、黄色い声を飛ばしたいのをハンカチを咥えて堪えていた。
そんじょそこらの男には出せない侠気が、アドリアナの全身からオーラとして発散されているのだ。
あまりの男前ぶりに、さすがの抱かれたい男No.1のバーナビーも少し霞んだ。
ロドリゴは感心していた。
あの美貌のバーナビーの隣に立って、見劣りしない精悍なアドリアナに。
そして思ったのだ。
アドリアナに嫉妬する女王や王女など、小者すぎてアドリアナの足元にも及ばないなと。
(我が国の最強の戦士は、最強の花嫁でもあったのだな。――アドリアナ、幸せに)
関係者の前での宣誓は終わった。
バーナビーがアドリアナのヴェールを持ち上げる。
これから口づけが行われるのだ。
悠然としたアドリアナに対して、顔を真っ赤にしているバーナビー。
どちらが花嫁か分からない。
おずおずと、バーナビーが顔を近づけていく。
そしてアドリアナの唇に唇を触れさせると、こらえきれなくなったのか、がっしとアドリアナの体に両腕を巻きつけ、吸いつくように唇を押しつけアドリアナを貪り始めた。
慌てたのは兄王子のクレイグだ。
ぐちゅぐちゅと音を立て、己の舌でアドリアナの舌と唾液をうっとりと味わっているバーナビーに、「止めろ! 式の途中だ!」と身振り手振りで合図していたが、結局は護衛騎士に指示を飛ばしてバーナビーを引きはがすことに成功する。
ハッと我に返ったバーナビーが、しきりにアドリアナに謝っている。
アドリアナはバーナビーの唇に移った紅を、指でぬぐってやっている。
前代未聞な式になったが、かろうじてここにいるのは関係者だ。
身内の恥を外に漏らすようなことはしない。
しかしこれから、幌なし馬車でのパレードが控えている。
パレードをしてはどうかと提案したのはクレイグだが、待てが出来そうにない駄犬バーナビーが何かしでかすのではないかと、すでに気が気ではなかった。
◇◆◇
パレードがよく見える大通りの建物は、ほぼどこかの王族によって貸し切られていた。
そして二階や三階に観覧席を設け、バーナビーとアドリアナがやってくるのを今や遅しと待ち構えている。
我こそはとバーナビーに縁談を持ち掛け、ことごとく断られてきた女王や王女たちは、ここでもアドリアナの悪口を吐き出し続けていた。
「花嫁は獣人国の元孤児だそうよ」
「いくら隊長職についていたとしても、平民でしょ?」
「しかもグリーンイグアナ獣人なんですって?」
「バーナビー殿下の物好きにも、困ったことね」
「ご自分の美顔を見過ぎて、美しさには飽きておられるのよ」
「だから私たちの求婚を断ったのだわ」
「珍妙なおもちゃを欲しがるのも、仕方がないけれど」
浮気者の彼氏を見逃す恋人のように振る舞ってはいるが、どの女王も王女も、バーナビーとは付き合ったことすらない。
まったく歯牙にはかけられていないのだが、それでも今まではバーナビーが誰のものでも無かったからよかった。
それがダークホースのアドリアナに、さっさと抜け駆けされて、バーナビーを奪われたのだ。
お互いに牽制し合っていた彼女たちにとっては、青天の霹靂だったろう。
アドリアナに対して、許しがたい気持ちが募るのも無理はなかった。
前情報として入ってきたことについては、もう散々けなした。
次は実際にアドリアナ本人を見て、その容姿を誹謗中傷してやろうと目を爛々とさせている。
大通りの奥が騒がしくなってきた。
ワーワーと国民が喝采の声をあげている。
「来たみたいよ」
「バーナビー殿下の花婿衣装ブロマイドは、販売されるかしら?」
「きっと麗しいのでしょうね」
いそいそと双眼鏡や望遠鏡を取り出す女王や王女たち。
アドリアナに対する鬱憤はあれど、まずは抱かれたい男No.1のバーナビーの姿を探す。
花婿衣装は、正装の中でも見る機会の少ないものだ。
絶対に脳内に記憶してやるという気概が感じられた。
そしていよいよ、彼女たちが待ち構える大通りに幌なし馬車がやってきた。
「あ、あら? どうしたのかしら?」
「貴女も? 私もなぜかバーナビー王子殿下よりも、お隣のかたが気になってしまって」
「でもグリーンイグアナ獣人ですわ。間違いなくあの方が花嫁のアドリアナよ」
「グリーンイグアナ獣人を初めて見ましたが、あんなに美しいのですね」
「これが『金と翡翠に愛されし黒蝶真珠の君』……なんて神々しい」
バーナビーの花婿衣装姿を見るために準備された双眼鏡や望遠鏡は、今やそのレンズの全てがアドリアナに向けられていた。
豊かな黒髪は風にたゆたい、翡翠色の鱗には陽光が反射し、威風堂々とした態度と金色の瞳の煌めきに、彼女たちからは熱のこもったため息が漏れる。
獣人国にしかなかったアドリアナ親衛隊が、世界規模になった瞬間だった。
「事後承諾みたいになって申し訳ありません。どうやら私たちの結婚を楽しみにしている人たちが、想像以上にいるみたいなんです。それで兄上が、暴動が起きる前に、私たちが幸せにしているところを見せつけたほうがいいと――」
暴動――不穏な言葉にアドリアナは反応してしまう。
結婚と結び付くには、おかしな言葉だ。
しかも幸せにしているところをパレードで見せつけることで収まる暴動とは、どんなものなのかアドリアナには見当がつかない。
これまで戦いの第一線にいたと自負するアドリアナだが、エイヴリング王国ではまだ未知なことが多いと思った。
「分かりました。では結婚式の会場から披露宴の会場までの移動が、そのパレードに置き換わるという認識でいいですか?」
「はい、それで大丈夫です。私は、たくさんの国民たちに美しいアナを見てもらいたい気持ちと、誰にも見せずに隠しておきたい気持ちと、半々なんですけどね」
バーナビーは恥ずかしそうに笑う。
それを見て、アドリアナも笑う。
お互いの気持ちが変わっていないことを確かめて、新婚夫婦は結婚式に臨んだ。
エイヴリング王国と獣人国の関係者が列席し、神聖なる式が始まる。
すでに婚姻届は提出されているので、ここでは改めて誓いの内容を確認するだけだ。
形は大事だと婆やに言われて用意した花嫁衣装だったが、バーナビーはアドリアナの姿に先ほどからメロメロだった。
婆やの意見を参考に3点用意した白いドレスのうち、アドリアナが選んだのは一番装飾の少ないシンプルなドレスだった。
だが、そのドレスが一番、アドリアナの体のラインを強調するドレスだった。
何度も目をそらさなくては、と思っているが、どうしてもバーナビーの視線はアドリアナの尻尾に行ってしまう。
令嬢のようなたおやかで折れそうな腰ではなく、しっかりと腹筋がついたアドリアナの厚い腰。
その腰から臀部にかけて、滑らかな稜線を描いて尻尾が生えている。
しっかり見たことは無いが、獅子獣人のロドリゴの場合は尻の上の方に、くっつくように尻尾があった。
だがアドリアナの場合、第三の脚のように付け根は太く存在感があり、先に行くに従って細くなる。
床には付いたり付かなかったり、くるりと巻いて持ち上げていることもあれば、足に沿わせていることもある。
自由自在に動くその尻尾が、先ほどからドレスの裾をひらひらとさせているのだ。
提灯アンコウの疑似餌に釣られる魚のように、バーナビーはふらふらと誘われそうになる。
しかし並ぶ関係者の手前、アドリアナのドレスの裾をまくり上げて、そこに頭を突っ込むわけにはいかない。
バーナビーは、付け根から先端まで、その尻尾を舐めたい衝動と必死に戦い、式を乗り切るのだった。
ロドリゴと一緒に参列しているアドリアナの部下たちは、アドリアナの登場からすでに号泣している。
そしてアドリアナの凛々しい花嫁姿に、黄色い声を飛ばしたいのをハンカチを咥えて堪えていた。
そんじょそこらの男には出せない侠気が、アドリアナの全身からオーラとして発散されているのだ。
あまりの男前ぶりに、さすがの抱かれたい男No.1のバーナビーも少し霞んだ。
ロドリゴは感心していた。
あの美貌のバーナビーの隣に立って、見劣りしない精悍なアドリアナに。
そして思ったのだ。
アドリアナに嫉妬する女王や王女など、小者すぎてアドリアナの足元にも及ばないなと。
(我が国の最強の戦士は、最強の花嫁でもあったのだな。――アドリアナ、幸せに)
関係者の前での宣誓は終わった。
バーナビーがアドリアナのヴェールを持ち上げる。
これから口づけが行われるのだ。
悠然としたアドリアナに対して、顔を真っ赤にしているバーナビー。
どちらが花嫁か分からない。
おずおずと、バーナビーが顔を近づけていく。
そしてアドリアナの唇に唇を触れさせると、こらえきれなくなったのか、がっしとアドリアナの体に両腕を巻きつけ、吸いつくように唇を押しつけアドリアナを貪り始めた。
慌てたのは兄王子のクレイグだ。
ぐちゅぐちゅと音を立て、己の舌でアドリアナの舌と唾液をうっとりと味わっているバーナビーに、「止めろ! 式の途中だ!」と身振り手振りで合図していたが、結局は護衛騎士に指示を飛ばしてバーナビーを引きはがすことに成功する。
ハッと我に返ったバーナビーが、しきりにアドリアナに謝っている。
アドリアナはバーナビーの唇に移った紅を、指でぬぐってやっている。
前代未聞な式になったが、かろうじてここにいるのは関係者だ。
身内の恥を外に漏らすようなことはしない。
しかしこれから、幌なし馬車でのパレードが控えている。
パレードをしてはどうかと提案したのはクレイグだが、待てが出来そうにない駄犬バーナビーが何かしでかすのではないかと、すでに気が気ではなかった。
◇◆◇
パレードがよく見える大通りの建物は、ほぼどこかの王族によって貸し切られていた。
そして二階や三階に観覧席を設け、バーナビーとアドリアナがやってくるのを今や遅しと待ち構えている。
我こそはとバーナビーに縁談を持ち掛け、ことごとく断られてきた女王や王女たちは、ここでもアドリアナの悪口を吐き出し続けていた。
「花嫁は獣人国の元孤児だそうよ」
「いくら隊長職についていたとしても、平民でしょ?」
「しかもグリーンイグアナ獣人なんですって?」
「バーナビー殿下の物好きにも、困ったことね」
「ご自分の美顔を見過ぎて、美しさには飽きておられるのよ」
「だから私たちの求婚を断ったのだわ」
「珍妙なおもちゃを欲しがるのも、仕方がないけれど」
浮気者の彼氏を見逃す恋人のように振る舞ってはいるが、どの女王も王女も、バーナビーとは付き合ったことすらない。
まったく歯牙にはかけられていないのだが、それでも今まではバーナビーが誰のものでも無かったからよかった。
それがダークホースのアドリアナに、さっさと抜け駆けされて、バーナビーを奪われたのだ。
お互いに牽制し合っていた彼女たちにとっては、青天の霹靂だったろう。
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大通りの奥が騒がしくなってきた。
ワーワーと国民が喝采の声をあげている。
「来たみたいよ」
「バーナビー殿下の花婿衣装ブロマイドは、販売されるかしら?」
「きっと麗しいのでしょうね」
いそいそと双眼鏡や望遠鏡を取り出す女王や王女たち。
アドリアナに対する鬱憤はあれど、まずは抱かれたい男No.1のバーナビーの姿を探す。
花婿衣装は、正装の中でも見る機会の少ないものだ。
絶対に脳内に記憶してやるという気概が感じられた。
そしていよいよ、彼女たちが待ち構える大通りに幌なし馬車がやってきた。
「あ、あら? どうしたのかしら?」
「貴女も? 私もなぜかバーナビー王子殿下よりも、お隣のかたが気になってしまって」
「でもグリーンイグアナ獣人ですわ。間違いなくあの方が花嫁のアドリアナよ」
「グリーンイグアナ獣人を初めて見ましたが、あんなに美しいのですね」
「これが『金と翡翠に愛されし黒蝶真珠の君』……なんて神々しい」
バーナビーの花婿衣装姿を見るために準備された双眼鏡や望遠鏡は、今やそのレンズの全てがアドリアナに向けられていた。
豊かな黒髪は風にたゆたい、翡翠色の鱗には陽光が反射し、威風堂々とした態度と金色の瞳の煌めきに、彼女たちからは熱のこもったため息が漏れる。
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