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十話 胸きゅんポイント
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「それは、アドリアナ嬢も了解しているのか?」
「アナは結婚式にこだわりはないと言っていました」
「そうか、潔いな……」
ふむ、と顎に手をやり納得しそうなクレイグに、婆やが物申す。
「これだから男性陣は! いくらアドリアナさまが凛々しい女性騎士隊長であっても、心は乙女ですよ! 結婚式で着るドレス、贈られる指輪、これから暮らす新居、旦那さまとの新婚旅行、どれも外せない胸きゅんポイントです! ここを疎かにすると、一生恨まれますからね!」
いつもは穏やかな婆やが、腰に手をあて憤っている。
先ほどからバーナビーとやいやい言い合っていたのはこれか、とクレイグは理解した。
女性視点については婆やに信を置いているバーナビーだが、今回ばかりは欲望が邪魔をしているようだ。
「なるほどな、婆やの考えも一理ある。バーナビー、どれも準備していないのか?」
「それは、そうですが……でも、一刻も早く結婚したいのです。アナの気が、変わってしまわない内に!」
しどろもどろなバーナビー。
最後のが本音か、とクレイグは察した。
「俺が言うのも何だが、急がば回れだ。婚姻届だけを先に出して、婆やの胸きゅんポイントとやらをアドリアナ嬢とよく話し合ってみたらどうかな? アドリアナ嬢にこだわりはなくても、もしかしたら獣人国独自の習わし等があるかもしれない。よく確認したほうがいい。一生に一度のことだろう?」
「……分かりました」
しょぼんとしたバーナビーは、それでもクレイグの言うことにうなずく。
焦っていることは自分でも分かっているのだろう。
これまで抱かれたい男No.1として、世界中の美姫からの求婚を断り続けたバーナビー。
それも今日までだ。
「まさか、バーナビーが求婚する側になるとは思わなかった。アドリアナ嬢に、本気で惚れたんだな」
「はい、私の心も体も、アナを求めて止まないのです。アナは私の唯一です」
キリッとしたバーナビーは、一般人が恐れ慄き膝まずくほど、神々しい美貌の持ち主だ。
クレイグは兄なので、そうじゃない人間らしいバーナビーの姿もたくさん知っているが。
アドリアナ嬢は情けないバーナビーの姿を見ても、求婚を受けたのだという。
そのことが、クレイグはとても嬉しかった。
これまでバーナビーの顔で有利な外交をしてきたことは否めない。
それが無くなったからといって、困るような政治手腕はしていないつもりだ。
クレイグは、心からバーナビーの門出を祝福しようと思った。
ただし、余計なサプライズなどは計画しない方向で。
◇◆◇
「隊長、いつ王子さまに嫁ぐんですか?」
「あの王子さまなら、突貫で結婚式をやりそうだよね」
「プロポーズ、かっこよかったなあ」
「うん、隊長がかっこよかった!」
「男前でしたよ!」
部下たちから手放しで褒められ、アドリアナも悪い気はしないが、いつものように褒めの方向性が間違っている。
「まさか通商条約を締結に来て、アドリアナの結婚が決まるとは誰も予想していなかったよな。俺もいまだに夢なのではないかと思っている」
ロドリゴはずっと信じられないという顔をしている。
そんなロドリゴをダフネが戒める。
「いけませんよ、ロドリゴさま。アドリアナ隊長のことは諦めなくては。横恋慕は恥ずかしいですからね」
「横恋慕か……女としてではなく、騎士としては手放したくないんだよな。アドリアナは、あのレオノールを抑えられる貴重な人材だぞ」
「それに関しては、私も同意見ですが、アドリアナ隊長の幸せが最優先です。最悪、レオノールさまは人海戦術でなんとかするしか……」
ダフネが沈みかけていると、そこへ門番が客人の到来を告げる。
「第二王子のバーナビーさまがお見えです。応接室へご案内しました」
昨夜はとんだ目に合ってしまった門番だ。
今回は慎重に玄関ホールを確認してから扉を開けたことだろう。
「ついに俺の許可を取りに来たのか? 手放したくないんだがなあ……」
アドリアナも応接室へ呼んでくれ、と門番に伝えてロドリゴは席を立つ。
応接室のソファには、瞼の腫れも引いて美男子に戻ったバーナビーが座っていた。
ロドリゴが到着すると立ち上がる。
「どうぞそのままで、堅苦しいのは止めましょう。アドリアナのことでしょう? 今、本人も来ますよ」
ロドリゴはバーナビーの真正面に座った。
バーナビーも腰を下ろす。
ふたりでアドリアナの到着を待った。
「お待たせしました」
アドリアナが靴を鳴らして現れたのは、すぐだった。
ロドリゴの後ろに立とうとするので、ロドリゴがそれを止める。
「アドリアナ、お前の話なんだから、お前も座ったらいい」
「しかし――」
「アナ、私の隣へどうぞ」
国王と王子に勧められては、アドリアナは拒めない。
「では、失礼します」
アドリアナがバーナビーの隣のソファに浅く座ると、途端にバーナビーがニコニコしだす。
この王子、ここに来た理由を忘れてないよな? と不安になるロドリゴだった。
「あ~、アドリアナとの結婚の件ですよね?」
「そうです。私が結婚式を今夜にでも執り行おうとしたので、兄に止められてしまいました」
てへぺろな顔が似合う男も珍しい。
しかし発言の内容は可愛くはなかった。
「今夜!?」
「なるべく早い方がいいと思ったんです。だけど、まだ何も用意できてなくて、このままではアナをがっかりさせてしまうかもしれません。先に婚姻届だけを提出して、挙式は後日でもいいでしょうか?」
ロドリゴはあまりのスピードについていけない。
王族の婚姻がこんなに早いなんて聞いたことがない。
本来ならば数年かけて用意をするものだ。
その間に、アドリアナの後任を探して引継ぎをして、と考えていたのだが。
「ちなみに後日とは、どれくらい後日なんでしょう?」
「三か月もあれば大丈夫です」
「三か月!?」
三か月で一体何ができるというのか。
ロドリゴは最近よく開けっ放しになる口を、またしても開けた。
(規格外だ……この王子は、顔以外も規格外だ)
ロドリゴが内心の葛藤を隠せなくなると、バーナビーは隣に座るアドリアナの手をそっと握る。
「アナ、日向ぼっこのできる大きなテラスと、水遊びのできる大きなプールは設計図に入れてきました。あとはどんな家だと嬉しいですか? 私はグリーンイグアナ獣人の特性をあまり知らないので、教えてください」
顔を赤くして知識の無さを恥ずかしがっているバーナビー。
どうやら、ふたりの新居について相談しているらしい。
アドリアナがとっさにそうだと判断できなかったのは、結婚生活についてのイメージが希薄なせいだろう。
アドリアナは孤児だ。
両親がそろった幸せな家庭など、経験したことがない。
なんとなく、兵士たちと暮らす騎士団のような生活を想像していたが、どうやら違うようだ。
「テラスにプールですか?」
「爬虫類の獣人にとって、日光と水浴びは大事だと聞きました。アナもそうですか?」
変温動物系なので、たしかに日光浴は好きだ。
そして体が熱すぎてもいけないので、水浴びができると助かる。
バーナビーの、アドリアナを大切にしたいという気持ちがとてもよく伝わった。
(そんなバーニーに、自分は何を返せるだろうか?)
気持ちが通じ合ってしまうと、そのほかのことが気になりだす。
身分の差であったり、種族の違いであったり。
恋愛と言うのは、思っていたより大変なんだなとアドリアナは思った。
「アナは結婚式にこだわりはないと言っていました」
「そうか、潔いな……」
ふむ、と顎に手をやり納得しそうなクレイグに、婆やが物申す。
「これだから男性陣は! いくらアドリアナさまが凛々しい女性騎士隊長であっても、心は乙女ですよ! 結婚式で着るドレス、贈られる指輪、これから暮らす新居、旦那さまとの新婚旅行、どれも外せない胸きゅんポイントです! ここを疎かにすると、一生恨まれますからね!」
いつもは穏やかな婆やが、腰に手をあて憤っている。
先ほどからバーナビーとやいやい言い合っていたのはこれか、とクレイグは理解した。
女性視点については婆やに信を置いているバーナビーだが、今回ばかりは欲望が邪魔をしているようだ。
「なるほどな、婆やの考えも一理ある。バーナビー、どれも準備していないのか?」
「それは、そうですが……でも、一刻も早く結婚したいのです。アナの気が、変わってしまわない内に!」
しどろもどろなバーナビー。
最後のが本音か、とクレイグは察した。
「俺が言うのも何だが、急がば回れだ。婚姻届だけを先に出して、婆やの胸きゅんポイントとやらをアドリアナ嬢とよく話し合ってみたらどうかな? アドリアナ嬢にこだわりはなくても、もしかしたら獣人国独自の習わし等があるかもしれない。よく確認したほうがいい。一生に一度のことだろう?」
「……分かりました」
しょぼんとしたバーナビーは、それでもクレイグの言うことにうなずく。
焦っていることは自分でも分かっているのだろう。
これまで抱かれたい男No.1として、世界中の美姫からの求婚を断り続けたバーナビー。
それも今日までだ。
「まさか、バーナビーが求婚する側になるとは思わなかった。アドリアナ嬢に、本気で惚れたんだな」
「はい、私の心も体も、アナを求めて止まないのです。アナは私の唯一です」
キリッとしたバーナビーは、一般人が恐れ慄き膝まずくほど、神々しい美貌の持ち主だ。
クレイグは兄なので、そうじゃない人間らしいバーナビーの姿もたくさん知っているが。
アドリアナ嬢は情けないバーナビーの姿を見ても、求婚を受けたのだという。
そのことが、クレイグはとても嬉しかった。
これまでバーナビーの顔で有利な外交をしてきたことは否めない。
それが無くなったからといって、困るような政治手腕はしていないつもりだ。
クレイグは、心からバーナビーの門出を祝福しようと思った。
ただし、余計なサプライズなどは計画しない方向で。
◇◆◇
「隊長、いつ王子さまに嫁ぐんですか?」
「あの王子さまなら、突貫で結婚式をやりそうだよね」
「プロポーズ、かっこよかったなあ」
「うん、隊長がかっこよかった!」
「男前でしたよ!」
部下たちから手放しで褒められ、アドリアナも悪い気はしないが、いつものように褒めの方向性が間違っている。
「まさか通商条約を締結に来て、アドリアナの結婚が決まるとは誰も予想していなかったよな。俺もいまだに夢なのではないかと思っている」
ロドリゴはずっと信じられないという顔をしている。
そんなロドリゴをダフネが戒める。
「いけませんよ、ロドリゴさま。アドリアナ隊長のことは諦めなくては。横恋慕は恥ずかしいですからね」
「横恋慕か……女としてではなく、騎士としては手放したくないんだよな。アドリアナは、あのレオノールを抑えられる貴重な人材だぞ」
「それに関しては、私も同意見ですが、アドリアナ隊長の幸せが最優先です。最悪、レオノールさまは人海戦術でなんとかするしか……」
ダフネが沈みかけていると、そこへ門番が客人の到来を告げる。
「第二王子のバーナビーさまがお見えです。応接室へご案内しました」
昨夜はとんだ目に合ってしまった門番だ。
今回は慎重に玄関ホールを確認してから扉を開けたことだろう。
「ついに俺の許可を取りに来たのか? 手放したくないんだがなあ……」
アドリアナも応接室へ呼んでくれ、と門番に伝えてロドリゴは席を立つ。
応接室のソファには、瞼の腫れも引いて美男子に戻ったバーナビーが座っていた。
ロドリゴが到着すると立ち上がる。
「どうぞそのままで、堅苦しいのは止めましょう。アドリアナのことでしょう? 今、本人も来ますよ」
ロドリゴはバーナビーの真正面に座った。
バーナビーも腰を下ろす。
ふたりでアドリアナの到着を待った。
「お待たせしました」
アドリアナが靴を鳴らして現れたのは、すぐだった。
ロドリゴの後ろに立とうとするので、ロドリゴがそれを止める。
「アドリアナ、お前の話なんだから、お前も座ったらいい」
「しかし――」
「アナ、私の隣へどうぞ」
国王と王子に勧められては、アドリアナは拒めない。
「では、失礼します」
アドリアナがバーナビーの隣のソファに浅く座ると、途端にバーナビーがニコニコしだす。
この王子、ここに来た理由を忘れてないよな? と不安になるロドリゴだった。
「あ~、アドリアナとの結婚の件ですよね?」
「そうです。私が結婚式を今夜にでも執り行おうとしたので、兄に止められてしまいました」
てへぺろな顔が似合う男も珍しい。
しかし発言の内容は可愛くはなかった。
「今夜!?」
「なるべく早い方がいいと思ったんです。だけど、まだ何も用意できてなくて、このままではアナをがっかりさせてしまうかもしれません。先に婚姻届だけを提出して、挙式は後日でもいいでしょうか?」
ロドリゴはあまりのスピードについていけない。
王族の婚姻がこんなに早いなんて聞いたことがない。
本来ならば数年かけて用意をするものだ。
その間に、アドリアナの後任を探して引継ぎをして、と考えていたのだが。
「ちなみに後日とは、どれくらい後日なんでしょう?」
「三か月もあれば大丈夫です」
「三か月!?」
三か月で一体何ができるというのか。
ロドリゴは最近よく開けっ放しになる口を、またしても開けた。
(規格外だ……この王子は、顔以外も規格外だ)
ロドリゴが内心の葛藤を隠せなくなると、バーナビーは隣に座るアドリアナの手をそっと握る。
「アナ、日向ぼっこのできる大きなテラスと、水遊びのできる大きなプールは設計図に入れてきました。あとはどんな家だと嬉しいですか? 私はグリーンイグアナ獣人の特性をあまり知らないので、教えてください」
顔を赤くして知識の無さを恥ずかしがっているバーナビー。
どうやら、ふたりの新居について相談しているらしい。
アドリアナがとっさにそうだと判断できなかったのは、結婚生活についてのイメージが希薄なせいだろう。
アドリアナは孤児だ。
両親がそろった幸せな家庭など、経験したことがない。
なんとなく、兵士たちと暮らす騎士団のような生活を想像していたが、どうやら違うようだ。
「テラスにプールですか?」
「爬虫類の獣人にとって、日光と水浴びは大事だと聞きました。アナもそうですか?」
変温動物系なので、たしかに日光浴は好きだ。
そして体が熱すぎてもいけないので、水浴びができると助かる。
バーナビーの、アドリアナを大切にしたいという気持ちがとてもよく伝わった。
(そんなバーニーに、自分は何を返せるだろうか?)
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