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「第三王子のステファノさまが行方不明になって、どれほど経つかしら?」
「婚約者だった上級聖女のエミリアーナさまは、騎士団長のアントニオさまへ乗り換えたらしいわよ。きっと見つかるのを、待っていられなかったのね」
そんな噂話が聞こえる聖堂の裏手で、下級聖女のジゼッラは行き倒れている狸を見つけた。
「この狸、呪われてるわ」
ジゼッラは少ないながらもありったけの聖力を流し込み、狸から漂う禍々しいオーラを霧散させる。
それは僅かな量だったが、効果はてきめんだった。
『うう……腹が減った』
狸の思っていることが、ジゼッラへ伝わるようになったのだ。
「まあ、倒れていたのは呪いのせいではなかったのね」
安心したジゼッラは、自分の昼ごはん用のパンを分け与える。
香ばしい匂いに目を覚ました狸は、口元に差し出されたパンにがっついた。
『二日ぶりのまともな食べ物だ!』
「元気になってくれて良かったわ」
一心不乱に咀嚼している狸を、ジゼッラは微笑ましく見守る。
あらかたパンを食べ終えて、ようやく満足した狸は、そこで初めてジゼッラの存在に気がつく。
『パンをくれたのは、お前か?』
「私はジゼッラと言うの。下級聖女よ」
『ま、まさか……俺の言葉が分かるのか?』
狸の黒い瞳に、ぶわっと涙がたまる。
「呪われていたから、少しだけど聖力を流したの。そしたら、分かるようになったみたい」
『ジゼッラ、助けてくれ! 俺は第三王子のステファノだ! ある朝、起きたら狸になっていた!』
それからステファノは、これまでの数ヶ月に渡る苦労を、滔々と語った。
「よく生き延びていられたというか……」
ジゼッラはステファノに同情した。
王子という高貴な立場だったステファノにとって、野生は厳しすぎただろう。
『俺は王子と言っても三番目だし、母は平民出身だ。やんちゃに育ってきたから、外での暮らしは平気だったんだけど……人間に追われるのはさすがに傷ついた』
助けを求めて近づいては、害獣と見なされ駆除されそうになったステファノ。
早く人間に戻りたい気持ちが、それで次第に萎えていったという。
『もう諦めて、狸のまま生きようとした。そして空腹で死にかけたというわけだ』
「壮絶な数ヶ月でしたね」
『ジゼッラ、この呪いを解く方法はないか?』
下級聖女のジゼッラが知る解呪の方法は少ない。
「有名だとは思うんですけど、愛を込めた口づけは効きますよ」
『……俺もそう考えて、婚約者のエミリアーナを訪ねたら、箒で叩き出されてしまったんだ』
狸姿のステファノは、尻尾をぺしょりと垂れさせる。
ジゼッラは首を傾げた。
「ステファノさまの放つ禍々しいオーラに、驚いてしまわれたのかしら? ちゃんと事情を話して頼めば、大丈夫かもしれませんよ」
しかしそこで、ジゼッラは先程まで聞こえていた噂話を思い出す。
(そういえば、婚約者を乗り換えたとかなんとか? エミリアーナさまの気持ちが、すでに騎士団長へ移っていたら……)
ジゼッラは立ち上がり、ステファノを腕に抱えた。
「急ぎましょう。事態は一刻を争います!」
『うわ、一体どうした?』
本来、下級聖女が上級聖女を訪ねるには、煩雑な手順を踏まなくてはならないが、今は呑気にしてはいられない。
ジゼッラはお咎めを覚悟して、エミリアーナの居室へ踏み込む。
上級聖女らしい、広くきらびやかな部屋の中で、目的のエミリアーナはソファーに座りくつろいでいた。
許可なく侵入してきた人物に驚くエミリアーナの足元へ、ジゼッラは跪いて請う。
「エミリアーナさま、無礼を承知でお願いします。どうかこちらの狸に、愛の口づけを贈っていただけませんか? 実はこの狸は呪われていて、その正体は――」
「第三王子のステファノでしょう?」
ふんと鼻で笑うエミリアーナに、ジゼッラとステファノは目を丸くした。
「さすが、エミリアーナさま、すでにお気づきだったなんて……」
息せき切って駆けつけたジゼッラだったが、説明の手間が省けてホッとした。
(それならば、どうして最初に狸姿のステファノさまを、追い出したのかしら?)
そう疑問に思いながらも、腕の中のステファノを差し出そうとしたジゼッラだったが――。
「私が呪ったのだから、知っていて当然よ」
続いたエミリアーナのとんでもない告白に、ジゼッラは固まる。
同時に、手の中のステファノの体が、びくりと震えたのが伝わった。
それを可笑しそうに見て、エミリアーナはさらに追い打ちをかける。
「嫌だったのよ。平民の血が流れる第三王子の婚約者なんて。それに比べて、アントニオは最高だわ。歴史ある公爵家の嫡男で騎士団長、上級聖女の私の夫に相応しいと思わない?」
うっとりと語るエミリアーナは、誰の返事も求めていない。
そして、あ然とするジゼッラに、矢継ぎ早に愚痴をこぼした。
「この数カ月、王子を探すふりをしたり、見つからなくて嘆くふりをしたり、面倒だったのよ。ようやく国王陛下が婚約者の変更を認めてくれて……アントニオから、ぜひ妻にと求められたの」
だからね、と蠱惑的な笑みのエミリアーナは、ジゼッラヘ視線を戻す。
「ステファノは、狸のままでいいの。私は呪いを解かないし、誰も狸に愛の口づけなんて贈らない。私が幸せになるには、こうするしかなかったのよ」
あまりの衝撃で、ジゼッラはどうやってエミリアーナの部屋を辞去したのか、覚えていない。
気がつけばステファノを腕の中に抱えて、自室のベッドの上に座っていた。
項垂れた狸の後頭部に、漂う哀愁が痛ましい。
(生まれは、ステファノさまのせいではないのに……。愛の口づけをくれると、信じていたエミリアーナさまに裏切られたのだから、心は張り裂けんばかりでしょう)
ジゼッラは、ぎゅうとステファノを抱きしめる。
「ステファノさま、諦めないでください。私の僅かな聖力でも、注ぎ続ければいつかは、解呪できるかもしれません」
『エミリアーナは上級聖女だぞ? ジゼッラは……』
ステファノの言いたいことは分かる。
聖女の格付けは力関係そのものなのだ。
下級のジゼッラがいくら足掻いても、上級のエミリアーナの聖力には敵わない。
「でも、こうしてステファノさまと話すのは、可能になりましたよ」
『言われてみれば、確かにそうだ』
少し希望を感じたのか、狸の尻尾がふわりと膨らむ。
「毎日ステファノさまに、私の持てる聖力の全てを注ぎます」
『それでは、聖女の勤めが果たせないだろう?』
「私は毎日掃除や洗濯をするだけで、聖女らしい仕事は、聖堂に来てからしたことがないんです」
田舎町で生まれ育ったジゼッラは、聖力があると分かると、穢れを祓う仕事を任された。
やがてその噂が王都に届き、聖女として聖堂へ迎え入れられる。
しかし、いざ来てみると、ジゼッラ程度の聖力は、誰にも求められていなかった。
野良の聖女がいては寄付金が集まらないから、聖力がある少女を片っ端から聖堂へ囲っているだけだったのだ。
「エミリアーナさまのように多くの聖力があれば、求められて貴族へ嫁ぐこともあるでしょう。でも私みたいな下級聖女は、適齢期をすぎても、ここに居残り続けるしかないんです」
ジゼッラの声には諦めがにじむ。
「誰かの役に立てると思って、私は故郷を後にしました。だからどうかステファノさまのために、聖力を使わせてください」
じわり、とステファノの胸が熱くなった。
こんなにも自分のために、尽力しようとしてくれた者がいただろうか。
第三王子のステファノは、半分は平民の血だと蔑まれるのにすっかり慣れていた。
エミリアーナに投げつけられた言葉も、これまでにさんざん聞いたもので、狸にさえなっていなければ受け流せたのだ。
『俺の方こそ、よろしく頼む。狸から人間に戻ったら、そのときは――』
ステファノは続く言葉を飲み込んだ。
(ジゼッラに求婚して聖堂から出してやる、なんて言えないな)
こちらは助けてもらう身だ。
おこがましいにも程がある。
ただ、ジゼッラが聖堂に居続けるのが嫌なら、ぜひとも手を貸したい。
『そのときは何でも願いを叶える!』
ステファノは、別の言葉で誤魔化した。
ジゼッラが笑ってくれたので、ステファノの尻尾はまた膨らんだ。
「婚約者だった上級聖女のエミリアーナさまは、騎士団長のアントニオさまへ乗り換えたらしいわよ。きっと見つかるのを、待っていられなかったのね」
そんな噂話が聞こえる聖堂の裏手で、下級聖女のジゼッラは行き倒れている狸を見つけた。
「この狸、呪われてるわ」
ジゼッラは少ないながらもありったけの聖力を流し込み、狸から漂う禍々しいオーラを霧散させる。
それは僅かな量だったが、効果はてきめんだった。
『うう……腹が減った』
狸の思っていることが、ジゼッラへ伝わるようになったのだ。
「まあ、倒れていたのは呪いのせいではなかったのね」
安心したジゼッラは、自分の昼ごはん用のパンを分け与える。
香ばしい匂いに目を覚ました狸は、口元に差し出されたパンにがっついた。
『二日ぶりのまともな食べ物だ!』
「元気になってくれて良かったわ」
一心不乱に咀嚼している狸を、ジゼッラは微笑ましく見守る。
あらかたパンを食べ終えて、ようやく満足した狸は、そこで初めてジゼッラの存在に気がつく。
『パンをくれたのは、お前か?』
「私はジゼッラと言うの。下級聖女よ」
『ま、まさか……俺の言葉が分かるのか?』
狸の黒い瞳に、ぶわっと涙がたまる。
「呪われていたから、少しだけど聖力を流したの。そしたら、分かるようになったみたい」
『ジゼッラ、助けてくれ! 俺は第三王子のステファノだ! ある朝、起きたら狸になっていた!』
それからステファノは、これまでの数ヶ月に渡る苦労を、滔々と語った。
「よく生き延びていられたというか……」
ジゼッラはステファノに同情した。
王子という高貴な立場だったステファノにとって、野生は厳しすぎただろう。
『俺は王子と言っても三番目だし、母は平民出身だ。やんちゃに育ってきたから、外での暮らしは平気だったんだけど……人間に追われるのはさすがに傷ついた』
助けを求めて近づいては、害獣と見なされ駆除されそうになったステファノ。
早く人間に戻りたい気持ちが、それで次第に萎えていったという。
『もう諦めて、狸のまま生きようとした。そして空腹で死にかけたというわけだ』
「壮絶な数ヶ月でしたね」
『ジゼッラ、この呪いを解く方法はないか?』
下級聖女のジゼッラが知る解呪の方法は少ない。
「有名だとは思うんですけど、愛を込めた口づけは効きますよ」
『……俺もそう考えて、婚約者のエミリアーナを訪ねたら、箒で叩き出されてしまったんだ』
狸姿のステファノは、尻尾をぺしょりと垂れさせる。
ジゼッラは首を傾げた。
「ステファノさまの放つ禍々しいオーラに、驚いてしまわれたのかしら? ちゃんと事情を話して頼めば、大丈夫かもしれませんよ」
しかしそこで、ジゼッラは先程まで聞こえていた噂話を思い出す。
(そういえば、婚約者を乗り換えたとかなんとか? エミリアーナさまの気持ちが、すでに騎士団長へ移っていたら……)
ジゼッラは立ち上がり、ステファノを腕に抱えた。
「急ぎましょう。事態は一刻を争います!」
『うわ、一体どうした?』
本来、下級聖女が上級聖女を訪ねるには、煩雑な手順を踏まなくてはならないが、今は呑気にしてはいられない。
ジゼッラはお咎めを覚悟して、エミリアーナの居室へ踏み込む。
上級聖女らしい、広くきらびやかな部屋の中で、目的のエミリアーナはソファーに座りくつろいでいた。
許可なく侵入してきた人物に驚くエミリアーナの足元へ、ジゼッラは跪いて請う。
「エミリアーナさま、無礼を承知でお願いします。どうかこちらの狸に、愛の口づけを贈っていただけませんか? 実はこの狸は呪われていて、その正体は――」
「第三王子のステファノでしょう?」
ふんと鼻で笑うエミリアーナに、ジゼッラとステファノは目を丸くした。
「さすが、エミリアーナさま、すでにお気づきだったなんて……」
息せき切って駆けつけたジゼッラだったが、説明の手間が省けてホッとした。
(それならば、どうして最初に狸姿のステファノさまを、追い出したのかしら?)
そう疑問に思いながらも、腕の中のステファノを差し出そうとしたジゼッラだったが――。
「私が呪ったのだから、知っていて当然よ」
続いたエミリアーナのとんでもない告白に、ジゼッラは固まる。
同時に、手の中のステファノの体が、びくりと震えたのが伝わった。
それを可笑しそうに見て、エミリアーナはさらに追い打ちをかける。
「嫌だったのよ。平民の血が流れる第三王子の婚約者なんて。それに比べて、アントニオは最高だわ。歴史ある公爵家の嫡男で騎士団長、上級聖女の私の夫に相応しいと思わない?」
うっとりと語るエミリアーナは、誰の返事も求めていない。
そして、あ然とするジゼッラに、矢継ぎ早に愚痴をこぼした。
「この数カ月、王子を探すふりをしたり、見つからなくて嘆くふりをしたり、面倒だったのよ。ようやく国王陛下が婚約者の変更を認めてくれて……アントニオから、ぜひ妻にと求められたの」
だからね、と蠱惑的な笑みのエミリアーナは、ジゼッラヘ視線を戻す。
「ステファノは、狸のままでいいの。私は呪いを解かないし、誰も狸に愛の口づけなんて贈らない。私が幸せになるには、こうするしかなかったのよ」
あまりの衝撃で、ジゼッラはどうやってエミリアーナの部屋を辞去したのか、覚えていない。
気がつけばステファノを腕の中に抱えて、自室のベッドの上に座っていた。
項垂れた狸の後頭部に、漂う哀愁が痛ましい。
(生まれは、ステファノさまのせいではないのに……。愛の口づけをくれると、信じていたエミリアーナさまに裏切られたのだから、心は張り裂けんばかりでしょう)
ジゼッラは、ぎゅうとステファノを抱きしめる。
「ステファノさま、諦めないでください。私の僅かな聖力でも、注ぎ続ければいつかは、解呪できるかもしれません」
『エミリアーナは上級聖女だぞ? ジゼッラは……』
ステファノの言いたいことは分かる。
聖女の格付けは力関係そのものなのだ。
下級のジゼッラがいくら足掻いても、上級のエミリアーナの聖力には敵わない。
「でも、こうしてステファノさまと話すのは、可能になりましたよ」
『言われてみれば、確かにそうだ』
少し希望を感じたのか、狸の尻尾がふわりと膨らむ。
「毎日ステファノさまに、私の持てる聖力の全てを注ぎます」
『それでは、聖女の勤めが果たせないだろう?』
「私は毎日掃除や洗濯をするだけで、聖女らしい仕事は、聖堂に来てからしたことがないんです」
田舎町で生まれ育ったジゼッラは、聖力があると分かると、穢れを祓う仕事を任された。
やがてその噂が王都に届き、聖女として聖堂へ迎え入れられる。
しかし、いざ来てみると、ジゼッラ程度の聖力は、誰にも求められていなかった。
野良の聖女がいては寄付金が集まらないから、聖力がある少女を片っ端から聖堂へ囲っているだけだったのだ。
「エミリアーナさまのように多くの聖力があれば、求められて貴族へ嫁ぐこともあるでしょう。でも私みたいな下級聖女は、適齢期をすぎても、ここに居残り続けるしかないんです」
ジゼッラの声には諦めがにじむ。
「誰かの役に立てると思って、私は故郷を後にしました。だからどうかステファノさまのために、聖力を使わせてください」
じわり、とステファノの胸が熱くなった。
こんなにも自分のために、尽力しようとしてくれた者がいただろうか。
第三王子のステファノは、半分は平民の血だと蔑まれるのにすっかり慣れていた。
エミリアーナに投げつけられた言葉も、これまでにさんざん聞いたもので、狸にさえなっていなければ受け流せたのだ。
『俺の方こそ、よろしく頼む。狸から人間に戻ったら、そのときは――』
ステファノは続く言葉を飲み込んだ。
(ジゼッラに求婚して聖堂から出してやる、なんて言えないな)
こちらは助けてもらう身だ。
おこがましいにも程がある。
ただ、ジゼッラが聖堂に居続けるのが嫌なら、ぜひとも手を貸したい。
『そのときは何でも願いを叶える!』
ステファノは、別の言葉で誤魔化した。
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