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4.『愛されたがりと愛したがり』
⑤
しおりを挟む求められて、愛される。
ずっと欲しかったものはそれなんだって、オレはこの時ようやく気がついたんだ。
‡
黒崎さんの愛撫は一言で言えばすごく執拗だった。オレだって挿入はまだでも触り合いなんかはたくさんしてきたから、性感帯は結構開発されてる。
経験値という点で言えば結構上級者だと思ってたんだけど、黒崎さんの前では全然通用しなかった。
「っ……ぁ、……黒崎、さんっ……」
全身、舐められてない所がなくなるくらいたくさんキスされて、膝裏にちゅうっと跡を残される。
気付いていなかった性感帯まで発見されて、しかもそこをより感じるように育てられて、オレはもう息も絶え絶えだった。
乳首もピンッて尖るまでたくさん舐めて吸われて、指でも弄られたからぷくんと腫れてしまった。
耳とか、尻尾の付け根とかも執拗に舐められてブルブル震えるくらい感じてしまって、たくさん泣いた。
もうびしょびしょに濡れている穴に、いまようやく三本の指が入っているところだ。
もう息が苦しくて、はー、はー、と荒い息を吐くだけで後ろをキュウキュウ締め付けてしまう。
はやく、はやく、とねだるように見つめても黒崎さんはまだ服も乱していない。
流石にネクタイは外しているけど、上げた髪もほとんどほつれてなくて完璧だった。
こんな時に思うのも変だけど、オレが同じ熊獣人だったとしても黒崎さんが近くに居たら惚れちゃってただろうなと思う。雄とか雌とか関係ない、圧倒的な存在感に魅入られるんだ。
以前の、オレに触れても股間がぴくりとも反応しなかった時の黒崎さんは、結構猫を被ってたんだなって判った。
あの穏やかな笑みと優しい口調に隠されて、ガードが堅くて本心が覗けなかったんだ。それが今は、本当の黒崎さんが剥き出しになっていて凄く、色っぽい。
笑みの消えた口元に、切れ長で鋭い目つき、それだけなら怖いだけだった。
でも発情して額が少し汗ばんでいて、目尻は赤いし唇からは熱の籠もった息が吐き出す、そんな黒崎さんは官能的過ぎる。
シチュエーションドラマとかで年齢問わず黒崎さんに魅了されちゃう雌が増えそうだった。
こんなの見せられないよな、いつもの黒崎さんがガード堅くてよかった、とちょっと安堵してしまう。
「……リリ?」
「ん、かっこうよくて、惚れ直してたところ」
へへ、と笑いながら言ったらキスが降りてきた。
いまだにオレの手首はボア付きの手錠で繋がれていて逃げられないようにされてるんだけど、オレはもう黒崎さんから逃げるつもりなんて微塵もなかった。これは興奮材料のオモチャってだけ。
「んっ、ぁ、ふ、っく……」
口を開けてキスを受け入れて、太い舌で口の中をいっぱいにされる。
とろとろ零れる唾液まで啜られて、そのまま膝を持ち上げられた。グイッと黒崎さんの腰がソコに押しつけられる。
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