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番外編
どうあっても本質なんて変わりようがない・2
しおりを挟む四つん這いで自ら尻を突き出し、蕩けきった魔王がカーティスの愛撫をねだる。
汗が顎を伝うのを感じながら、カーティスはふっと唇をつり上げて笑った。
前世、処女だった魔王にとんでもなく酷い初体験を刻みつけてしまった。今回はそれの上書きのための行為でもあった。
聖痕も発動させず大人しくさせているし、純粋にカーティスの手管で魔王はよがっている。香油で濡らし拡張したアナルはまだ狭く、カーティスの性器は半分も入っていないが仕方ない。
今日はこれが限界だろうと考え、カーティスはゆっくりとピストンを始めた。引き抜く動きは早く、突き入れる時にはじわじわと前立腺を擦りながら埋め込んでいく。
それをくり返すと魔王はビクビクと背を震わせて何度も絶頂した。
触ってみると性器はイッていない。どうも中だけでメスイキしたようだ。順調に開発されている。
「あう、あ、あっんっ、ぁんっ、は、あ、あ、あ、あ!!」
ズプン、ずるるる、ズチュ、ずるる、と卑猥な音を立てながら出入りする性器に、魔王はよがり狂っていた。
カーティスは後ろから魔王の両方の二の腕を掴み、その身体を引き起こしながら突き上げる。ぐりぐり、と先程までは入っていなかった場所まで性器を埋め込んでみると、柔らかくどんどん深くまで入っていった。
「ァ――――!!」
びくんびくん、と震えた魔王は肉厚の唇から真っ赤な舌を覗かせながら絶頂する。
きゅんきゅんと強く締まったアナルにカーティスも白濁を叩きつけた。そして一気に引き抜くと、閉じきらないアナルから飲み込んだばかりの精液がとろぉっと零れだしていた。
はぁ、はぁ、と二人で荒い息をしながら身体を重ねてシーツに寝転ぶ。
魔王はカーティスの頬に手を当てて、くふっと小さく笑うと頬を擦り付けた。そしてカーティスの分厚い胸板に顔を寄せてぎゅっと抱きつくと、そのまま目をつむる。
「……いや、まだだけど。寝ないで」
「へっ?」
「え?一回で終わりとか、ないだろう。ないよ。前世思い出して魔王様」
「ええっ?」
それはもう前世では一日中、意識があるときはずっと抱かれていた魔王である。
でもそれは監禁凌辱だったからで……?なんで今このラブイチャピロートーク的な状態でそんな鬼畜なことを言うの?
魔王は半泣きになりながらカーティスを見上げた。ぐいっとその腰を抱き寄せたカーティスは笑いながら言った。
「大丈夫。夢だから怪我もしないし、体力もなくならない。チート機能もらってきてよかった」
「ちょっと、カーティス。大人のカーティスの喋り方じゃない」
「あはは!だって、前世思い出すと格好付けてるの恥ずかしくなっちゃった」
ちゅ、と魔王の額にキスをするカーティスは、確かに成人男性なのだが、前世で知っているカーティスの顔とはやはり少し違っていた。
茶目っ気があるというか、笑い方が現世の天使のカーティスと似て少し幼いような。いや、失っていた全ての記憶を思い出しているせいで少し達観してもいるのだろうが。
宮仕えであるカーティスは基本的に魔王や側近には丁寧な言葉で喋るが、魔王と二人きりの時にはくだけた言葉で喋る。
魔王はそれを『凄く可愛い』といって気に入っていた。
「夢に入れる特典は、チャンネルを繋いでないと結構難しいんだ。影だけとか声だけしか飛ばせなかったりする。でも今は、受け入れて貰ってるからこんな感じ」
「……う、受け入れ……っ」
「そう、全身で受け入れてくれたよね?」
ね、と甘い声で耳元に囁かれ、魔王は耳まで真っ赤になってしまった。
翌朝カーティスがいつものように執務室に行ったら、魔王はきっと今みたいに真っ赤になるのだろう。夢のことが魔王自身の妄想なのか、本当にそういう機能なのか、魔王には判らないからだ。
こんなスキルあるのかなと聞けばいいのに、芋ずる式に妄想をさらされそうで恥ずかしがっている。
カーティスに溺愛セックスされている、こんな淫夢を見たと告白するのは確かにはずかしいだろう。
素でそんな事を言われたらカーティスも『想像力がたくましいですね』とかからかってしまうかもしれない。
たぶんきっと、魔王は真っ赤になって涙目で怒る。かわいい。
カーティスは、今日も魔王の寵愛をうける幼子の地位を満喫していた。
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