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16話 番の噛み痕
しおりを挟む「――――ッ!」
あまりの衝撃にかふっと悲鳴のような息のような奇妙な音が漏れた。みっしりと埋められた身体の中がティエンユー殿下にぴったりと張り付いて一分のすき間もない。そのまま殿下は動きを止め、柔らかな唇が宥めるように耳元やこめかみに触れてきた。はあ、はあ、と荒い息をついていたら優しく髪を撫でられる。
「……ユエ」
殿下も額にびっしりと汗をかいていて、止まっているのは辛そうだった。それでも殿下は俺を気遣って動かずにいてくれる。待てをされた犬のようにこちらを窺っている様子が可愛くて愛おしくて、堪らなくなった。
もう一度、手を伸ばして殿下の首の後ろへ絡め、ぐいっと引き寄せる。唇を合わせようとしたら勢いが良すぎてカチリと歯がぶつかった。ふ、と小さく吹きだして二人で顔を見合わせ笑ってしまった。
「殿下、動いてください」
「大丈夫か?」
こく、と頷くとゆっくり殿下が腰を揺らしはじめた。激しい抜き差しではなく、奥を軽く押し上げるような動きだ。俺の快感を優先しているのか動きは極力緩やかにしているように思えた。
もっと、と求めるように尻を押しつけ中を締め付けてみる。ピクッと眉を動かした殿下は唇を引き結んだまま俺の腰を掴んだ。
「ユエに怪我をさせたくない。煽らないでくれ」
「心配はご無用です。貴方のオメガはこんなに逞しいんですよ?」
「それは……いや、でも」
「触って存分に確かめてください、殿下。ほら……」
穿たれているので多少苦しいが、笑みを浮かべて誘うように見つめる。殿下は俺の腰を掴み、下腹部から胸へ続く筋肉の盛り上がりをつつっと辿っていった。
殿下の熱い手の平が俺の身体を撫でていくたび『んんっ』と小さく声が漏れて、中を締め付けてしまった。もうどこもかしこも性感帯になってしまって、とろっと奥がまた濡れてくる。
「はぁっ……はぁっ……」
いつの間にか殿下の手は俺の首筋に至り、鎖骨や胸を撫で下ろした。その途中、熟れて勃起した乳首をピンと弾いて刺激してくる。「あぁっ」と高い声を上げて身体を震わせると、殿下の手はもっと大胆に胸筋を揉み上げはじめた。殿下の指が、俺の胸筋に食い込む。そして埋まったままだった逸物がゆっくりと動き始めた。
「ンッ、ぁ、ああっ、はっ……ひっ、ぃっ、あ、ああっ、でん、かっ」
「……ユエ、愛している。私のユエ」
「ひぃっ、あっ、ふか、ぁっ……んんっ、ああぁ! ひぁあっ」
グイッと押されていつの間にか寝台にうつ伏せにされた。腰を掴まれ、パンッパンッと激しく肌を打ち付ける音と濡れた粘膜の擦れる音、俺の蕩けきった嬌声が部屋の中に響く。
「……――ッ」
望んだ通りの激しい交わりに、歓喜した身体が悲鳴を上げながらも絶頂した。とぷ、とぷ、と勢いのない射精をしながら俺が寝具に倒れていると、熱い迸りをナカに感じる。ああ、殿下も達したのだとホッとした。
しかし気がつくと俺はそのまま身を起こした殿下の膝に乗せられていた。
「……ん?」
「逞しく美しい私の伴侶、まだ付き合ってくれるな?」
「え?」
若いせいか一回目の射精までが少々早かった殿下は、質より量と言わんばかりに体位を変え俺を抱き続けた。
抜かずに座位で責め立てられイッたと思うと寝台の上で仰向けにされた。今度はまた片足だけ高く持ち上げられて深く挿入される。寝台側の俺の足を殿下が跨いでいるので、逸物が奥まで届いてしまった。角度をつけてゴツゴツ突き上げられると濁った嬌声が漏れる。
俺が上に乗せられて下から激しく突き上げられたり、自ら踊るように腰を上下させよがり狂う様を見つめられたり、イキ過ぎて萎えた性器を擦られながら中でイかされたりした。俺の性器からはとろりとした透明な液体しかでなくなっていたが、オメガの穴は際限なく愛液を溢れさせて殿下を貪欲に飲み込んでいた。
「そろそろうなじを噛んでも良いか、ユエ?」
「……ん、……ぁ、……ぃ、……」
「ああ、抜いたら子種が零れてきてしまったな。さあ、後ろからまた入れて栓をしておくから……」
「ィッ、ぁ、……ッ!」
寝台にうつ伏せにされ、すっかり脱力したままの俺の尻にまたずぷりと殿下のモノが入ってきた。一度溢れ出した精液はまた留められ、俺の胎のナカをいっぱいに満たしている。子種が何度この胎に注がれたのかもう覚えていなかった。
「うなじを噛んだら、ようやく番の初夜だ。その後は……何度注ごうか?」
「ひっ、……ぃ、……ぁ、……ンンッ」
ゆっくりとした動きでまた高められ、息も絶え絶えな喘ぎが漏れた。精液の滑りを借りて滑らかに出入りする殿下の逸物はいまだに硬度を保っている。
本当に、まだやるつもりなんだろうか。
気が遠くなりそうな長い情事の中、うなじに鋭い痛みを感じると俺はポタポタと潮を吹いて、気を失ったのだった。
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