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さえない熊獣人のおじさんはいつの間にかイケメン翼人に囲い込まれて溺愛されてる
四話
しおりを挟む出来立てのシチューと丸いパンがテーブルに並んだ。2人だけの食卓を囲みながら、飽きもせずいろんな話をする。
翼を使って広い世界を旅するカイルの話題は尽きることがなかった。それは日が暮れて就寝時間になっても変わらず、いつも通りひとつのベッドに横になって、暗闇の中ふたりはぽそぽそと内緒話をした。誰に聞きとがめられるわけでもないが、ベッドの中での内緒話はわくわくするものである。
マテウスの家にベッドはひとつしかない。しかし熊獣人のための大きなベッドが用意されていたので、いつからか2人はここで一緒に眠るようになった。暖炉前のラグで寝る役を互い譲らず、妥協案として一緒にベッドで寝ることになったのだ。
出会った頃ならまだしも、かなり体格の良くなったカイルとマテウスでは、大きいベッドといえどくっつかなくては落ちてしまう。自然と、ぴったりと身体を寄せて鼓動さえ聞こえるような距離で寝るようになった。
「帝国は戦争を決めたらしいな」
「そうか……」
「ここの結界は魔物にしかきかないからマテウスに直接関係はないけど、物資を持ってくるのがしばらく途絶えるかも」
「カイルも出兵するのかい?しかも帝国兵として?」
「そう。雇われたんだ。ちょっと欲しいものがあってね」
「ふうん」
ぎゅっと抱き締められながら耳元で喋られると、微妙にくすぐったい。マテウスは首を竦めて身体を丸めながら、シーツに顔を押しつけた。
最近はカイルのほうが身長が高くなってしまったため、眠る時は後ろから抱き締められるような姿勢で眠る。出会った頃はマテウスの腕の中にすっぽり収まってしまうくらいだったのに。翼人の成長は著しい。
「何が欲しいか気になる?……マテウス?おーい、マテウス。早いって寝るの」
「……」
ウトウトしていたかと思うと秒で寝入ってしまったマテウスに、カイルは苦笑した。さらりとうなじにかかる白い髪をかきわけ、柔らかい肌に口づける。ぺろりと舐めても、軽く歯でかぷかぷと食んでも目覚める様子はない。マテウスは一度寝てしまうとどんな物音でも起きないたちだった。
カイルは無詠唱でスリープの魔法をさらに重ね掛け、マテウスの身体をぎゅうっと抱き締めた。服の裾から手を入れて布をたくし上げ、ふにふにと柔らかい胸筋を揉みしだく。
それだけで興奮して熱くなる下半身をむっちりとした尻にぐりぐり押しつけ、カイルは荒い息をついた。
無防備に眠るマテウスに、若い劣情をぶつけるのはこれが初めてではなかった。
むしろ、ここに泊まり込むたび触っている。頻度は週に一、二回だ。
流石に挿入してしまうと翌日の体調で判るだろうから、その一線は超えていない。しかしそれ以外なら大抵のことはやり尽くしていた。
裸に剥いたマテウスの身体を隅々まで撫でてキスして、反応の良い性感帯を探したり、尻を揉みながら舌でアナルを解した。最初は苦労して指一本入れるのが精一杯だったが、今ではアナルが綻ぶのも早い。
指での開発も進み、もう最大で四本まで飲み込むことが出来るし、前立腺は弄られ過ぎて触ると少しふっくらしている。しこりになるほどは発達していないが、指で軽く押さえるだけでじんわりアナルが蕩けていくくらい敏感だ。
カイルはマテウスの性器を口で可愛がるのが好きで、いつも行為の最初に空になるまで射精させてしまう。数日分溜まったマテウスの精液を搾り取って飲み下すのは何より幸せだった。マテウスの身体を独占したい気持ちが強いため、一滴たりとも逃したくない。
「……ん、ぁ、……ぁ、ふ、……ぅ、くっ」
じゅぽっ、じゅぷっと卑猥な音がカイルの口から漏れ、そこを出入りするマテウスの大きな性器は卑猥なほど濡れていた。
カイルの指は三本までずっぷりとマテウスのアナルに埋まっていて、ぐりっぐりっと前立腺を苛めている。
汗でしっとりと濡れた胸板を荒い息で上下させながら、マテウスは目を瞑ったまま喘いでいた。
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