上 下
36 / 62

第十話-3

しおりを挟む
【マゾヒストの攻を快楽開発する描写がありますご注意下さい】




 案の定、エルヴェは俺に手本を見せるため同じように後ろからアナルに触れてくる。

 先程唾液で濡らされた俺のアナルには簡単に指が入ってしまった。対して、オーギュストのアナルは開発がこれからだ。

 洗浄魔法で中を綺麗にしてから、ゆっくり指を差し入れる。フレデリックにも言われたが、始めは優しく丁寧にしなくては。
 
「殿下の良いところも探してあげてください。……ここです」
「んっ、……ぁ、エルヴェ待ってくれ、強すぎる。これじゃ出来な……ん、……オーギュスト、……ここ?……ん、こっちか?」

 エルヴェの教え方は上手いんだが、いかんせん快感が強すぎると俺が動けない。少し手加減してもらって、俺は俺のスキルアップに励むことにした。

 オーギュストのむちっとした尻が俺の指を誘導するように揺れる。
 辿々しい俺の指先がかりっと腹側の一点を掠めた時、びくんとオーギュストの白い背が跳ねた。

 ここか、と判ってホッとしながらそこへ指を押し当てた。エルヴェの動きを真似て、すり、すり、と軽く指の腹で擦っていく。
 押すたびにアナルの中がうねって指を締め付けた。

「ん、ぁ、……ぁ、ふ、……ふ、ぅっ……」
「オーギュスト、気持ち良いか?」
「ふふ、良さそうですね。ウォルフハルド様、こちらの魔道具はいかがなさいますか」 
 
 エルヴェが、ペニスを模した魔道具を持ち上げてにっこりと微笑みかけてくる。

 うーん、美形な男に卑猥なモノを持たせてしまった。それを受け取りながら中から小さな魔石のピアスを取り出す。

「そちらは?」
「このピアスが命令を魔道具に伝える。こいつは遠隔操作で動きを記録しないと動かない、学習していく魔道具だ。まずは基本的な動きを覚えさせてから……んー……」
「ウォルフハルド様。では私がその記録というのを行いましょうか」
「……。……、頼んだ」

 ため息をついた俺は魔道具をエルヴェに丸投げした。ピアスも彼の右耳につけてやる。
 錬金術で作った媚薬の瓶を取り、中身を手の平に出してトロトロと広げた。
 それを指にまとわせたままオーギュストのアナルに再び指を挿入する。媚薬の滑りを借りて処女穴も次第に柔らかくなってきていた。

 オーギュストは酒に酔ったようにとろんとした目をして、肩越しに振り返ってこちらを見つめている。この姿勢のほうが尻の触り心地はいいしアナル開発にも都合はいいのだが。

 ……オーギュストが抱きつけなくて可哀想なので、やめることにした。

「オーギュスト、仰向けになって足を開け」
「……!」

 パッと嬉しそうな表情をして、オーギュストは寝返りを打った。
 そして蕩けそうな笑みを浮かべ俺に両手を広げてくる。ちゅ、ちゅ、と唇を重ね合わせながら抱き締め、アナルに再び指を挿入した。

 先程見つけた場所をこねるたび、オーギュストがあまく心地よさそうな息を吐く。


 不意に、背後から俺のアナルに硬いモノが押しつけられた。

 ハッとして振り向くと、微笑むエルヴェが魔道具を手にしている。ゆっくりソレが俺の中に入り込んできて、膝がガクガクと震えた。

 カリの部分が内壁を擦って刺激しながら入っていく、その動きにまで感じてしまう。

 まだちゃんと動いてもいないのにこれはおかしくないか、と眉を顰めてエルヴェを睨んだ。

「お前、媚薬を使ったのか」
「ご明察ですウォルフハルド様。このような無骨な魔道具を入れて傷がついてはいけませんので、潤滑剤として使用させて頂きました。……動きは今、簡単なモノなら記録してありますよ」
「待て……待て、今このままじゃ無理だ、……オーギュストの開発が、まだ、……ッ」

 ヴーン、と魔道具に魔力が込められる微かな振動が腹の中に響いた。


 そこから先は、未知の感覚にただひたすら泣き喘ぐばかりで記憶が飛び飛びになる。

 目の前にいたオーギュストに縋り付いて喘いでいたら、たくさんのキスを貰った気がする。
 背後のエルヴェは魔道具を操り俺の感じる場所を散々嬲ったあと、最奥まで貫いてきた。奥の狭い場所に無理矢理入ってきた魔道具の先端が、グプグプと激しく出入りして痛みに感じるほどだった。

 いやだ、いや、と泣きながらオーギュストに抱きついて胸に顔を擦り付けた。
 
 逞しい腕に強く抱き締められ、オーギュストが腰を揺らすとお互いの身体の狭間でぬちゃぬちゃとペニスが擦れて快感が生まれた。

 痛みから逃げて、快感だけを追いたくて、オーギュストのペニスに腰を擦り付けていたら、同時に射精した。

 荒い息を吐く唇に甘えるみたいにキスをした。

 啄むだけが、貪り合うのにかわり、唾液をじゅっと吸われて唇が離れる。
 すりすりと温かい頬に顔をすりつけて息を整えたあと、オーギュストと目が合った。彼はふっと笑って髪を掻き上げ、男っぽい色気の滲む顔で囁いてくる。

「ウォルフハルド。……私のご主人様。貴方の犬は一日でも命令がなくなると寂しくて死んでしまう」
「命令……」
「そうだ、どんな些細な事でもいい。従わせてくれ」

 ちゅっと唇を触れ合わせたあと、そのままゆっくり寝床に降ろされる。
 オーギュストの唇が俺の身体のあちこちを洗浄し始めた。

 エルヴェは魔道具を片付けたあと、『酷い事したイヤだ触るな』と拗ねる俺を必死にあやしながら同じく洗浄魔法をかけていく。

 2人が総出で俺の身体を、つま先までキレイにし終わった頃には、俺は心地良さと疲労ですっかり寝入っていた。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました

十夜 篁
BL
 初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。 そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。 「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!? しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」 ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意! 「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」  まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…? 「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」 「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」 健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!? そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。 《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。

春雨
BL
前世を思い出した俺。 外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。 愛が重すぎて俺どうすればいい?? もう不良になっちゃおうか! 少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。 説明は初めの方に詰め込んでます。 えろは作者の気分…多分おいおい入ってきます。 初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。 ※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫だと……思います(?) ※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。 もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。 なるべく全ての感想に返信させていただいてます。 感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます! 5/25 お久しぶりです。 書ける環境になりそうなので少しずつ更新していきます。

不良高校に転校したら溺愛されて思ってたのと違う

らる
BL
幸せな家庭ですくすくと育ち普通の高校に通い楽しく毎日を過ごしている七瀬透。 唯一普通じゃない所は人たらしなふわふわ天然男子である。 そんな透は本で見た不良に憧れ、勢いで日本一と言われる不良学園に転校。 いったいどうなる!? [強くて怖い生徒会長]×[天然ふわふわボーイ]固定です。 ※更新頻度遅め。一日一話を目標にしてます。 ※誤字脱字は見つけ次第時間のある時修正します。それまではご了承ください。

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️ 第12回BL小説大賞に参加中! よろしくお願いします🙇‍♀️

処理中です...