転生者の妹がやけにガチムチを勧めてくると思ったらここは俺が総攻主人公のBLゲームらしい。

第四話-3

　一度射精したにも関わらず、俺の性器は再び勃起している。また亀頭を弄られながら、今度はふにふにとアナルを揉まれていた。

　むず痒くて、くすぐったいような変な感じがする。

　それを素直にフレデリックに言ったら、蕩けるような笑みを浮かべてアナルに口づけてきた。そして今度は濡れた舌でアナルを揉み込み、中にとろりとろりとゆっくり唾液を送り込んでいく。

　解されてきたアナルがヒクつく度に、たっぷりと濡らされた中からぷちゅりと唾液が溢れ出してくる。それがもどかしくてくすぐったくて、堪らない。

「ぁ、や、……濡れ、て……中が、へんに」
「ん。どう変になる？」
「濡れて、ぐしゅぐしゅして、変だ……ひくひくが、とまら、な……」

　いつの間にかフレデリックは俺の太腿を押し広げ、足を肩にかけるようにしてアナルに顔を埋めていた。垂れた唾液を追いかけて尻の方までぺろぺろと舐める。本当に、俺の飼い犬みたいだ。

　ちら、と覗き込んでくる青い瞳は、俺のどんな変化も見過ごさない。俺はどうしたらいいのか判らず、シーツに爪を立てて唇を噛んだ。

「唇、噛むな。切れるから」
「いやだ、なんか変な声、が」
「いいよ。そういうのも、全部聞きたい」
「何でだよ」
「興奮するから」
「……そ、」

　それはなんか、違うんじゃないか。

　今更ながら違和感にハッとすると、フレデリックは目を細めてにっこりと笑っていた。唾液でびしょびしょになったアナルへつぷりと指を入れて、中で波打たせてくる。
　痛みは全くない。くぷぷ、と小さな音が立って長い指が根元まで埋まった。

「──ッ！」

　途端、夢から覚めたように恥ずかしさが湧き上がってきて、俺は必死にフレデリックを押し退けた。混乱していて、頭を振るとくらりと眩暈がする。

　半脱ぎ状態だった服を引っ張り上げて上着を取り、ベッドを抜け出した。バンッと勢いよく開けた扉から廊下に飛び出して行く。

「ウォルフ！！」

　呼ばれて、ヒュッと息が引き攣れた。もつれかけた足はなんとか持ち直して前に進む。
　階段を駆け下りようとしたところで人の気配がして、俺は急いで転移魔法を使った。

　何処に、というイメージもないまま飛ぶなんて自殺行為だ。座標が決まっていなかったら閉ざされた箱の中に飛んでしまうことだってあるのに。

　それでも死に物狂いで俺は転移していた。『此処じゃない何処かへ』と思った時、頭の中に浮かんだのは、今日あった直近の記憶だ。



　――その、結果。




「……これは何事だ、ウォルフハルド・ジラール」


　オーギュスト殿下が風呂上がりのホカホカな状態で、俺の目の前にいた。
　いや、逆だ。
　俺がオーギュスト殿下の部屋に、転移したんだ。