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産科医院の章

29.やっとお部屋に

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 やっと部屋に通される!と思いきや、まずは診察からです。
 お腹に測定装置つけて、張り具合や胎児の様子なんかを調べます。
 あと内診、子宮口の開きを確認。

「陣痛来てますね~、子宮口は1cm開いてますね。まだまだ時間かかりますよ~。」

「そ、そうですか。」

 測定が終わったら、病室へ。
 車椅子に乗せられて、移動しました。

 イスが2つの個室で、冷蔵庫、トイレ付き
 なかなかいい設備です。
 けど、大人4人も入ると狭い。

「入院セット、ここに置くよ」
「私らはいったん帰るよ」
「夫さん帰らないで付き添ってくれるって」

 親には、なんか他にも色々言われたけど、ぼーっとして、生返事。

「んじゃ、頑張ってね。」

 頑張るしかないんですよね、わかります。

 陣痛って、痛い時と痛くないときがあるんですけど、まだこのときは20~30分間隔でした。
 10分間隔になったら看護婦さんに教えてねとか言われる。時間を計れともいわれる。
 計測は夫に頼んだ。痛くて時間なんか計ってられるか!

「唸ったら痛いって事だから、時間はかってちょうだい!」

「ん~、まあ10分間隔に近くなったらね。」

 夫はイスにて仮眠しますた。

 うんうん唸って、痛みが引いて、とろ~っと眠るとまた痛くなってうんうん唸っての繰り返しで朝日が昇る。ああ、空に光が…、曇天なので朝日がまぶしくはないけど。
 うがああ!痛みに襲われて、ゆっくり眠れない~!

 つか、時間かかるとか聞いてるけど、こんなに掛かるの?!かれこれ5時間はたってるんだけど!
 まだ10分間隔にはならないんですけど!約20分間隔位なんですけど!

 夫さんはイスであっても寝れて良いですね!
 こっちは寝ても細切れだし痛いし!

 看護師さんは時々はやってくるけど、付きっ切りではないです。
 夜勤の人も少ないしね。

「う~ん、陣痛微弱ですね~。」

 なんかあんまり陣痛が強くなってくれないようです。
 こうなると、時間が掛かるんだとか。
  
  陣痛微弱には色々な原因要素があるんですが、
 35歳以上で初出産の高齢出産だと、なりやすいんだそうです。
 あと、
 ・体力があまりない
 ・身長が低い
 ・疲労や睡眠不足で弱っている
 等も原因になるんだとか。
 まあ、他にも色々原因要素はあるそうなんですが。

 ……上記の4つは、原因しかない。
 陣痛微弱になる要因に心当たりがありすぎる。

 うがあああ!
 痛いの嫌だけど、生殺しでジグジグ長時間痛いのも嫌なんだよ!
 さっさと痛くなってくれ!

「朝ご飯出しますね」

 出されましたが、まあ噛んでる途中に痛くなると、噛むのも飲み込むのも難しい。
 結局半分以上残してあきらめました。

「ウイダーイン○リーエネルギータイプとリポビタン○とイオン飲料買ってきてちょうだい……。」

 戦いはまだまだ続く!
 夫氏!補給部隊長に任命する!
 活躍を期待するぞ!

 旧日本軍だと補給部隊・後方支援部隊である輜重兵を軽視してしまったそうですが、近代じゃそんなのナンセンス。
 しっかり自衛隊式に、重要視しております!

 腹が減っては戦が出来ねーんですよ!
 戦にはメシが無きゃ、話にならんのですよ!
 有名処の戦国武将は、兵糧を重視していたそうですよ。

 ゼリー飲料の他にお願いしたリポは、なんか出産マンガでこれ飲むと陣痛進むって見たので。
 気休めだけど、栄養剤だし、ないよりマシって考えで。

 しかし、ゼリーはすぐ飲んだけど、リポはしばらく飲めませんでしたね。
 いきなり痛くなったら困るとか、ちょっと逡巡してしまいました。
 さっさと飲めば良かった。
 後で後悔しましたよ。

 この後、まだまだ長時間苦しむことになるのです。


**********


 夫にとっては、予期せぬ立ち合いになったんでよすね。
 いろいろ用事をお願いできる人が居てよかったです。
 立ち合いには奥さんのフォローをガンガンしたげて下さい。
 後方支援部隊になったつもりで居てくださいな。
 じゃないと困っちゃいますよ、本隊が。
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