適正異世界

第56話

「ここだな…」
しばらく歩いて、目的の店に到着した。

「おじゃましまーす」
とりあいず店に入る。
「いらっしゃいませ」
店の人が出迎えてくれる。
良かった…前の店は災難だったからな…

「お兄さん、要件はなんです？」
「換金して欲しいものがあるんだが」
「やるほど、見せてもらっても？」
「あぁ」

いかにも換金所って感じだな。
まぁ換金所なんて言ったことねぇけど

「これです」
「おぉ！これはすごいですね！」
「換金できそうですか？」
「そりゃもちろん」
「ありがとうございます」

話の流れもいいし、すぐ済みそうな感じだな。
しかし、やっぱりこの宝石は価値があったのか。
さすが、命を危険に晒しただけある…

「じゃあ換金しますね」
「頼みます」
「それじゃ少しお待ちください」
「分かりました」

換金にも少し時間が掛かるらしい。
まぁ気長に待とう。
まだあいつらと分かれてから30分位しか経ってないし

「ねぇねぇ」
「あ？」
誰かに声をかけられ、俺は振り向く。
「こんにちわ！」
そこには見た感じ小学生の男の子が立っていた。
まぁこの世界に小学校はないと思うけど…

「あぁ…こんにちわ」
とりあいず返事をする。
急に話しかけれれると驚いてしまう。
これは日々の生活の積み重ねってやつだ。

てか俺ってあいつら以外に学校で話してるやついるか？
まぁそんなことは今となっちゃどうでも良い。

普通にこんなことを考えているけど…
あいつら無事なのか？
俺はこの世界に送られてるけど、あいつらも何処かしらの異世界には送られてるってことだよな？

まぁ俺が死んでないぐらいだからな！大丈夫だろ

あ…俺そういえば一回死んでるんだった
でも、今生きてるからノーカンってもんだ。
てかこの世界で桜川しか会ってないよな？
異世界レベルの分け方ってなんなんだ？

「ねぇ！お兄ちゃん！」
「ん？」
「どこから来たの？」
少年が聞いてくる。
これはどうすればいいの？
ルナには言ったけど、今あいつは旅の仲間だしな…

この少年にも言うべきなのか？
でも、もし広まったら面倒なことになる気がする…