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第三章
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「うわぁ……」
少しだけしか時間がかかってないのに、なんだか僕の顔がちょっとだけ女の子らしくなっている。これなら、スカートをはいても違和感がないかもって自分でも思うくらい。
僕は背が少し低いし筋肉もそんなにないから、女の子に間違えられることは何度かあった。だから、新に間違えられたのもいつものことかなと思えた。
でも、悠が楽しみにしてくれているとはいえ、スカートをはいても変じゃないのかと言われると、多分違和感があったと思う。それをこんなに短い時間でやってのける暖はすごいなと尊敬の眼差しで見つめる。
「暖、すごいっ!こんなに短時間で!」
「まあな」
自慢げに言う暖は嬉しそうだ。
「完璧ね!じゃあ次に行きましょ!」
悠のお母さんに手を引かれて、部屋の奥へと移動する。すると葉が僕が着る予定の服を持っている。
「薫ちゃんには今日はこれを着てもらうわ」
「えっ、これ……ですか?」
見せられたのは、真っ白いドレス。レースがふんだんに使われていて、可憐な印象だ。僕でもわかる。人間が着るウエディングドレスだ。
「どうして……?」
いくら娘が欲しかったからと言って、あまりにも僕には難易度が高すぎるのではないか。そんな思いを込めて、悠のお母さんを見るけれど、全く気づいてないようだ。
「それは後でのお楽しみ。さあ、着ちゃって」
少しだけしか時間がかかってないのに、なんだか僕の顔がちょっとだけ女の子らしくなっている。これなら、スカートをはいても違和感がないかもって自分でも思うくらい。
僕は背が少し低いし筋肉もそんなにないから、女の子に間違えられることは何度かあった。だから、新に間違えられたのもいつものことかなと思えた。
でも、悠が楽しみにしてくれているとはいえ、スカートをはいても変じゃないのかと言われると、多分違和感があったと思う。それをこんなに短い時間でやってのける暖はすごいなと尊敬の眼差しで見つめる。
「暖、すごいっ!こんなに短時間で!」
「まあな」
自慢げに言う暖は嬉しそうだ。
「完璧ね!じゃあ次に行きましょ!」
悠のお母さんに手を引かれて、部屋の奥へと移動する。すると葉が僕が着る予定の服を持っている。
「薫ちゃんには今日はこれを着てもらうわ」
「えっ、これ……ですか?」
見せられたのは、真っ白いドレス。レースがふんだんに使われていて、可憐な印象だ。僕でもわかる。人間が着るウエディングドレスだ。
「どうして……?」
いくら娘が欲しかったからと言って、あまりにも僕には難易度が高すぎるのではないか。そんな思いを込めて、悠のお母さんを見るけれど、全く気づいてないようだ。
「それは後でのお楽しみ。さあ、着ちゃって」
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