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第三章
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「目覚めたら言おうと思っていたんだが、俺は薫のことが……」
赤面する悠から、自惚れではなければ次の言葉が予想できる。慌てて悠の唇に手を当てて、次の言葉を塞ぐ。どうして? と言う顔で悠が僕の顔を見る。
「僕も一緒に言いたいっ」
思い切って言うと、悠は驚いた顔から納得した顔に変わる。
「あぁ、わかった」
ふわりと微笑む悠はやっぱりかっこいい。悠のせーのと言う声に合わせて、僕たちは一緒に言う。
「好きです。付き合ってください」
「好きだ。結婚してくれ」
あれっ?結婚してくれ?
「「えっ?!」」
悠と声が重なる。
「俺は薫以外と結婚なんて、考えられないと思っていたから……」
そんなふうに想ってくれていたなんて。なんだか嬉しくて涙が出てきた。
「ごめんな、重かったか?」
オロオロとしながら僕の涙を拭いてくれる悠に、ふるふると首を横に振る。
「ううん、同じ気持ちだったことが嬉しくて」
今度は僕が、涙を拭いて悠をまっすぐ見つめる。
「はい、喜んで」
一瞬悠が動きを止める。次の瞬間、悠が僕に抱きついてきた。
「はぁ、よかったぁ。嫌われたらどうしようかと思ってた」
「そんな、嫌うなんて絶対ないよ」
僕らはお互いを見つめて、ふふっと笑う。
だけど、僕は疑問に思っていたことを尋ねる。
「でも、男同士で結婚ってできるの?」
赤面する悠から、自惚れではなければ次の言葉が予想できる。慌てて悠の唇に手を当てて、次の言葉を塞ぐ。どうして? と言う顔で悠が僕の顔を見る。
「僕も一緒に言いたいっ」
思い切って言うと、悠は驚いた顔から納得した顔に変わる。
「あぁ、わかった」
ふわりと微笑む悠はやっぱりかっこいい。悠のせーのと言う声に合わせて、僕たちは一緒に言う。
「好きです。付き合ってください」
「好きだ。結婚してくれ」
あれっ?結婚してくれ?
「「えっ?!」」
悠と声が重なる。
「俺は薫以外と結婚なんて、考えられないと思っていたから……」
そんなふうに想ってくれていたなんて。なんだか嬉しくて涙が出てきた。
「ごめんな、重かったか?」
オロオロとしながら僕の涙を拭いてくれる悠に、ふるふると首を横に振る。
「ううん、同じ気持ちだったことが嬉しくて」
今度は僕が、涙を拭いて悠をまっすぐ見つめる。
「はい、喜んで」
一瞬悠が動きを止める。次の瞬間、悠が僕に抱きついてきた。
「はぁ、よかったぁ。嫌われたらどうしようかと思ってた」
「そんな、嫌うなんて絶対ないよ」
僕らはお互いを見つめて、ふふっと笑う。
だけど、僕は疑問に思っていたことを尋ねる。
「でも、男同士で結婚ってできるの?」
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