雪を溶かすように

春野ひつじ

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第二章

18 side那

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「本当に大丈夫ですので。では、私たちはここで失礼します」

 そう言って、心配そうな顔をしておろおろする薫の手を引いてその場から立ち去ろうとする。しかし、予想外のことが起きた。母が指をパチンと鳴らし、従者たちを呼び出し、私を拘束したのだ。薫が駆け寄ってこようとするが、従者の一人に妨げられている。

「母上!どうしてこのようなことを!?」

「あなたは王になるのですから。このようなものとは一緒にいてはいけません」

 そして、私は従者たちに王宮の中へと連れて行かれた。薫は大丈夫だろうかと振り向くと何かを言っているようで、待ってるね、と言うのが唇の動きでわかった。私は大きく頷いて、精一杯の笑顔を見せた。
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