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第一章
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父上をはじめとする獣人国の政治を執り行う者たちの多くは、人間との戦争を休戦にして両国の国をつくることを渋々受け入れたが、これからもう一度戦争を起こし、今度は確実に人間国を滅ぼすことを強く望んでいる。戦争が終わってから十年。その間獣人たちは着々と準備を進めてきた。長年の悲願を達成するために。しかし、人間国と戦争をするためには、大義名分を立てなければならない。なぜかと言うと、国内には人間に恨みを持つものは多いものの、再び戦争をしてまでわざわざ国を滅ぼすよりも、自分たちの安全が保障されているのならばいいという考えを大部分の獣人が持っているからだ。そこで、父上たちは考えたー大義名分が立たないなら作ればいいのではないか、と。
父上たちが目をつけたのはもうすぐ始まるところだった人間国との和平の条件であった、王子を実質人質として相手国に送ることだった。送った王子が人間国に行った途端すぐに亡くなったら?それを理由に戦争を始めることができる。そうして本当は七人いる僕の兄の一人の第五王子が行くことになっていたのを急遽変更して、八人いる王子全ての寿命を調べさせた。もちろんその能力を持っている獣人によって。王宮からは離れて暮らしていた僕も例外ではなかった。そして、一番短い寿命は人間国についてからたった三ヶ月で、その王子が僕だった。
父上たちが目をつけたのはもうすぐ始まるところだった人間国との和平の条件であった、王子を実質人質として相手国に送ることだった。送った王子が人間国に行った途端すぐに亡くなったら?それを理由に戦争を始めることができる。そうして本当は七人いる僕の兄の一人の第五王子が行くことになっていたのを急遽変更して、八人いる王子全ての寿命を調べさせた。もちろんその能力を持っている獣人によって。王宮からは離れて暮らしていた僕も例外ではなかった。そして、一番短い寿命は人間国についてからたった三ヶ月で、その王子が僕だった。
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