逆転関が原殺人事件

東山圭文

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「おお。徳川が和議に応じたとな」
 報告を聞いた淀君の声が上擦(うわず)った。豊臣にとっては良い報せである。しかし報告をしている大野治長は、なぜだか雲がかかった浮かない顔をしている。
「はい。江戸と相模以外は放棄するという条件でございます」
「そうか。そうか。お江も無事だし、何より徳川がこの秀頼の臣下になるのじゃ。これで世も平たくなるであろう」
 聞いていた片桐且元も、淀君の言葉に頷いた。関八州を治めていた徳川家は、多くの所領を失って、江戸とわずか一か国を治める大名家に転落し、豊臣家の臣下に組み入れられるのだ。徳川家は関東移封によって豊臣家より多い二五〇万石もの大大名家になったが、それが五〇万石弱まで減らされる。これは五大老の末席の宇喜多家や、伊達家、島津家、小早川家、そして関東では佐竹家よりも石高が下回る。そこまで力を削ぎ落とされれば、もう豊臣に抗する力など残されない。だというのに、治長の言葉に張りがない。
 且元は気になって聞いてみた。
「治長殿。良い報せだというのに、それほど嬉しいようには見えぬが」
 治長は且元を一瞥した。そして淀君に報告するという形ではあるが、ぶっきら棒に言う。
「まだこれでは徳川は島津や伊達といったところと同等の国持ち大名です。それも江戸と小田原の二つも堅城を持つことになる。それがしが最初に提案したとおり、出羽の大曲か、信州の真田領への国替えといった小大名に転落させないといけなかったのです。それなのに、毛利はそれがしと相談せずに、勝手に和議を結んでしまいました。真田殿もおられたというのに」
「それも、我が方の兵糧も不足していたことから、仕方のないことだと思います。出羽とか信濃とかに領地替えを条件に出したら、突っぱねられてしまうことでしょうから」
 且元の言葉に、治長が剥いた目を向けた。今度は且元に向かって吠える。
「突っぱねたら、いったん退いても、また態勢を整えて攻めればよろしいのではござらぬか。周到な準備をして大軍で囲めば、今度こそ出羽や信濃への移封も飲むであろう。ここで和議を結んでしまうと、徳川が挑発的な態度を取らない限り、豊臣から二度と攻め込むことはできぬではないか。そうなると、国持ち大名のまま徳川の家が残ってしまうではないか」
「治長。徳川家が国持ち大名で残っては、何か不都合なことでもあるのか?」
 淀君が治長を追及する。且元も続いた。
「徳川家には内府ばかりか、もう秀康もおらぬではないか。そんな徳川が豊臣家に盾を突くことなどできぬのではないのか?」
 再び治長の目が剥き、且元の顔を睨みつけた。
「徳川には三河以来の優秀な家臣がおるではないか。中でも四天王としてその名をとどろかせた本多忠勝に榊原康政、それに井伊直政がおる。本多と榊原はともかく、井伊直政にいたってはまだ三十歳にもなっておらぬ。内府と秀康がいなくても、この直政が中心となって豊臣に盾突く可能性もあろう。そうなれば、国持ち大名で徳川がおっては厄介なことになる。
 それに……」
 と、治長は淀君と秀頼が座る上座を眺めた。そして畏まって頭を下げる。
「恐れながら、秀頼公はお席を外されてほしいのですが」
 淀君の険しい顔が治長に向いた。「なぜじゃ?」
「ここから先の話は秀頼公のお耳には入れたくない話でございます。そう申せば、お方様もお分かりになりましょう。この広間にお方様と、この治長、そして片桐殿だけにしていただきたい。治部少輔の話でございます」
 治長の横顔が薄く笑っているのが、且元にも見えた。そして淀君の顔も急に引き攣る。秀頼は控えていた侍女と共に、奥の間へと移される。
 治部少輔・石田三成が何かしたのであろうか。且元にはさっぱり見当がつかない。さらには淀君の側から離れない秀頼の場を外す意味も分からない。秀頼は豊臣の当主として、形式上、家臣の報告をすべて聞くことになっている。だから秀頼が場を外されることは今まで一度も無かった。
「治長。な、何じゃ?」
 淀君の声も震えているように聞こえた。治長は大きく咳払いをして且元に視線を刺した。
「片桐殿。これから明らかにすることの証人になっていただきたい」
「了承した」と且元は頷いた。
「それに、当然のことながら他言してはならぬ。良いか?」
 治長の命令口調に気を悪くしながらも、且元は「了承した」と頷いた。すると治長は居住まいを正して、上座を向いた。上座の淀君は、顔を引きつかせているばかりか、小さな身体も明らかに震えている。
「単刀直入にお尋ねいたします。秀頼公は誰のお子でございましょうか?」
「た、太閤殿下に、決まっておろう」
 淀君は明らかに狼狽している。嘘だというのが、且元にも伝わってきた。且元は固唾を飲み込む。
「いま一度、お尋ね申し上げます。秀頼公は太閤殿下のお子ではございませんね?」
 やはり秀頼の父親は秀吉ではないという噂は本当だったのか……且元の頭の中に衝撃が走ったと同時に、淀君は力なく肩を落とした。
「且元の前に、わらわの側に仕えていた治長なら気付いておろう。治部少輔の子じゃ」


 石田三成が江戸に着いたときは、もう戦の決着がついていた。徳川がこちら側の示した和議を飲んだのだ。
「中納言(※毛利輝元の官位)殿。このような和議を徳川と結ぶとは、どのようなお考えでございますか?」
 三成は着くなり、毛利輝元に食ってかかった。三成の腹の内では、和議を結ぶにしても、最初の計画どおり、徳川には関東を明け渡し、信州か出羽あたりに転封をして、小大名にするのだ。そうすれば石田家よりも石高が低くなる。これでは徳川家は今の石田家よりも二倍以上も石高のある国持ち大名として残ってしまうのだ。
「治部少輔殿。このまま囲んでいたら、当方の兵糧が尽きてしまう。その前に、決着を付けたかったのだ」
 輝元の予想どおりの言葉を聞いて、三成は腹が立ってきた。それを鎮めるために、一度大きく息を吸い込んだ。
「ですが、和議を結ぶにしても、関東の地を明け渡して、出羽か信州に移封させるという話ではありませんでしたか?」
「確かにそうだ。でもそれでは徳川も折れまい」
 輝元が珍しく語気を荒げた。三成も興奮してはいけないと、深く呼吸をする。
「折れなかったら、それまでです。また準備をして、出兵するのみです」
 三成が強く反論すると、末席にいた真田昌幸が口を開いた。
「今回の和議を中納言殿に強く進めたのは、それがしであるが」
 聞いて三成は驚いた。上田城という小城に籠って、二度も徳川の大軍を相手に大打撃を負わせている真田昌幸が、こんなに弱気な和議を相手と結ぶように提案したというのだ。彼の薄笑いが老獪(ろうかい)に見える。三成は彼の顔を見たが、何も言い出せなかった。
「ここで和議が決裂して、もう一度攻めるとなれば、時間と費用が余計に掛かるであろう。ここで重要なのは、徳川との和議を結ぶこと。治部少輔殿、お分かりかな?」
 三成には昌幸の言うことの意味がよく分からなかった。だが、昌幸の迫力に押されて、三成は何も言い返すことができなかった。


 大勢の土工(どこう)が江戸城に集められ、外堀を埋める作業に取り掛かっていた。真田信繁は、父親・昌幸と共に陣所から程なくの牛込門に来たが、門の手前に巡らせてあった深くて幅のある堀は、すでに埋め立てられていた。父親とともに馬に乗って虎ノ門まで行ったが、そこまで堀は完全に埋め尽くされている。そうなると、堀を渡らずに門まで大勢の兵が容易く移動することができる。
 その様子を見て、昌幸は満足そうに頷いた。
「父上。もうここまで埋め立てられているのですね」
「わずか三日でここまで埋められるとは、たいしたものだ」
 と昌幸は満足そうに言った。何しろ関東じゅうの土工が集められて、昼夜を問わず作業をしている。それに敵の妨害もないから、順調すぎるのだ。
「それに外堀が埋められるだけで、難攻不落の江戸城も、いくぶん脆(もろ)くなったように感じます」
「もう、すでに脆くなっている。信繁。崩壊に追い込むのはこれからだぞ」
 昌幸は薄く笑った。ずっと昌幸の下で働いてきた信繁だから分かる。その笑みは、何かを企てているということが。
 虎ノ門から内堀に面した桜田門に向かう。桜田門の前に下馬があるが、馬から降りずそのまま門の中に入った。徳川の家臣はここで馬を下りて城内に入らないといけないが、真田家は徳川家の家臣ではなく、大名格なので馬に乗っての入城が許されている。
 桜田門を入ると、右手が西の丸下で左手が吹上の曲輪になっている。そして西の丸下を少し行ったところに内桜田門があって、その門の向こうは西の丸だ。西の丸は二の丸と本丸に繋がっている。もちろん、こちらの堀は埋められていない。内堀だからだ。
 昌幸は馬を止めて、土工の責任者を呼んだ。そして責任者がやってくると、馬を降りた。信繁も馬を降りて、父親の側に立つ。
「今夜からこちらも埋めてしまってくれ」
「こちらも、ですか?」
 土工は目を丸くした。隣にいる信繁もである。昌幸が差しているのは、西の丸を囲む内堀だからだ。
「そうだ」と昌幸は大きく頷いた。
「こちらは外堀ではございませんが……?」
 土工の言葉に、昌幸は薄笑いを浮かべた。
「問い詰められたら、この真田昌幸に命じられたと申せば済むことだ。日が沈んでからは、今埋め立てている堀は放っておいて、ここから田安門、さらには半蔵門、そして清水門まで、総動員で埋めてしまうのだ」
 昌幸の指示しているのは、すべて内堀であった。


「本多殿。大変でございます、大変でございます!」
 朝いちばんで、本多正信の屋敷に井伊直政が声を張り上げながらやってきた。直政の顔は色が失せて、まるで病み上がりのように見える。
「井伊殿。どうなされた?」
 正信は座るように促したが、直政は立ったままだ。
「城の、城の内堀が埋められております」
「なに?」正信は耳を疑って聞き返した。直政は血の気の失せた顔で大きく頷く。
「ですから、城の内堀が埋められているのです。それがしが確認したところ、吹上と北の丸にかけては、外堀だけでなく、内堀も完全に埋められております」
「話が違う!」
 聞いて正信は憤って、立ち上がった。すぐに屋敷を出る。
 豊臣方の工事の監視は、正信の担当だ。外堀を埋め始めてから三日目になるが、昨日の日没前に確認したところ、水道橋から四ツ谷、さらに虎ノ門にかけての外堀を埋め終えたところだった。夜は虎ノ門から御成門、そして水道橋から万世橋にかけての外堀を埋める予定であったはずだ。それが内堀を埋めてしまうとは、話が違う。
 直政は早朝に登城するときに、多くの土工によって内堀が埋められているのを確認して、慌てて正信のところに駆けつけたそうだ。同時に秀忠のもとに遣いを送って報告しているという。
 正信たちは大手門から急いで反対側の桜田門へ向かった。驚いたことに、半蔵門にかけての内堀が完全に埋め立てられて吹上の曲輪が丸裸になってしまったばかりか、清水門にかけての堀も埋め立てられてしまっている。
「これでは、西の丸も本丸も四ツ谷や水道橋からは丸裸ではないか!」
 思わず正信は吠えた。埋め立てが完了している堀には、もう土工が一人もいない。北の丸まで移動し、大砲で破壊された清水門の近くに、ようやく土工が作業しているのを見た。彼らが埋め立てているのは、本丸に続くいちばん内側の堀だ。
「おいおい。ここは内堀だぞ。埋め立てるのは外堀だけで、ここは埋め立てるところではない」
 土工の責任者と思しき人物を、正信は叱り飛ばした。しかし彼は平然としている。
「お侍さん。そんなこと、わしらは存ぜぬ。とにかくお武家様の命令を受けて、わしらは作業をしているだけだからの」
 呑気な調子で彼は言った。正信はさらに彼を問い詰める。
「そのような命令を下したのは、誰だ?」
「へい。真田様でございます」
 その名を聞いて、正信は思わず身体を震わせた。この前の上田原の合戦で、完膚なきまでに打ち負かされたことが、脳裏をよぎる。そして真田昌幸とは一度だけ小田原の役の時に顔を合わせたことがあるが、その老獪な顔を思い出し、身体を震わせた。
 これはすぐに真田の陣所に向かわなければならない。正信は踵を返した。
「正信殿。どちらに行かれるのか?」
「真田の陣所です。真田の真意を確かめなければならないでしょう」
 正信が田安門から馬に乗ると、直政もついてきた。田安門から外堀に面した牛込門に向かう。真田昌幸は牛込門からほど近い寺院を陣所としていた。牛込門付近には、他に安国寺軍や佐竹軍の陣所がある。着いて用件を伝えると、寺院の本堂に通された。そこで昌幸が現れるのを待つ。
 しかし四(し)半時(はんとき)(※約三十分)ほど待っても、昌幸は現れない。気が長い正信も業を煮やして「まだか」と声を張り上げそうになったときに、ようやく昌幸が現れた。
「これは、これは、本多正信殿に井伊直政殿。お久しぶりでござる。そして、お待たせして、失礼しました。こちらがそれがしの次男の信繁でござる。以後、お見知りおきを」
 昌幸は笑みを作って、聡明そうな若武者を二人に紹介して、二人の前に腰を下ろした。十年ほど前に比べて、昌幸は痩せて顔の皺も多くなっているが、笑みには何かを企んでいるような不気味さが増している。皺も不気味さも年齢のせいだろう。
「早速ですが、土工たちになぜ内堀を埋めさせたのですか?」
 正信の抗議に、昌幸は「さて?」と首を傾げた。そして正信に視線を刺す。思わず正信は居住まいを正した。
「内堀まで埋めていましたかな?」
「そうです。今朝になって、吹上から北の丸にかけての内堀が埋められておりました。それで、責任者と思しき者に、どうしてここを埋めたのか尋ねたら、真田殿の指図と申しおりました」
 昌幸は顔をしかめて、低く唸(うな)った。そして晴れたような表情を浮かべた。
「ああ。思い出した。昨日、夜のうちにこちらの堀を埋めるようにと、確かにそれがしが指示を出した。うっかりしていました。そこは内堀でしたか?」
 と、扇子で額を叩いた。そして、両手をついて頭を下げる。
「それは、それは、存じなかったこととはいえ、申し訳ないことをしてしまいました。この昌幸に免じて許してくだされ」
「真田殿。内堀だと知っていて、埋めさせたのではござらぬか?」
 正信が強い調子で追及する。昌幸は頭を上げて、大仰に首を横に振った。
「滅相(めっそう)もない。天下の江戸城のこと。外堀を何重にも巡らせた壮大な城だと、それがしは聞き及んでおりました。まさか、外堀が一重だけだとは夢にも思わなんだ」
「知っていて、わざと埋めたのではござらぬか?」
 問い質(ただ)したのは直政だ。昌幸は「とんでもない」と首を横に振った。
「それがしは城の絵図も手に入れてないゆえ、どこが内堀で、どこが外堀なのか、さっぱり見当が付きませぬ。大阪城は二重の外堀があって、その内側にさらに二重の内堀があろう。江戸城はさらに堅固な城かと思ったら、それがしの上田城と同じで、外堀は一重だけなのですな。上田城とは規模がぜんぜん違うゆえ、外堀も二重三重になっていると勘違いしてしまいました」
「しかし天守閣があったであろう。天守に面している堀が内堀だと分からぬものか?」
 今度は正信が問い質した。昌幸は「さて、さて」と扇子をいじり始める。
「さて、さて。それは困ったものですな。一度、埋めてしまった堀を元に戻すのは至難の業ですな。埋めるのは大量の土を持ってくればすぐにできますが、それを掘り起こして、水を引くとなると、そう簡単にはできませぬからな」
「ふざけないでいただきたい」
 直政が声を荒げた。昌幸はその直政を睨みつける。
「ふざけてはおらぬ。知らなかったこととはいえ、こちらも間違えたから、こうして手をついて謝罪している」と再び両手をついて、頭を下げた。そして上目で、直政を睨みつける。「これでも気に食わぬなら、これから一戦、交えますかな? だとしたらこちらとしても手間が省けます」


 本丸御殿の大広間に家臣たちが集められた。江戸城だけでなく、小田原城でも、内堀の一部が埋め立てられてしまい、どちらも本丸が丸裸になってしまったためだ。
「しかし、内堀を埋められてしまうとは。腰抜けは何をしているのだか」
 軍議が始まるなり、本多忠勝が本多正信の顔を睨んで吐き捨てるように言った。言われた正信は縮こまり、「申し訳ありませんでした」と徳川秀忠に向かってひれ伏した。正信は堀の工事を監視する役割を受けている。彼はその責任を痛感していて、先ほど秀忠と二人だけで会話したときも、秀忠に深々と頭を下げて詫びたのだった。
 すぐに秀忠は正信に助け船を出すことにした。放置すると、忠勝が正信を糾弾しかねない。
「皆を呼んだのは、このような状況で、今後、どうしていくのか議論をしようと思ったのだ。どうするべきか、意見があるものは忌憚(きたん)なく申せ」
「はい。それならば、すぐに城を出て、戦うべし」
すぐさま忠勝が声を荒げた。彼の意見に、多くの重臣たちが「そうだ、そうだ」と声を荒げている。四天王の一人である榊原康政、忍者武将の服部半蔵、小田原から駆け付けた大久保忠隣や酒井家次、そしてお梶もそうだ。本多正信まで声には出さないが頷いている。多くは譜代の、血気盛んな三河武士だ。
「若殿。ご決断を!」
 忠勝が秀忠に詰め寄る。秀忠は決断できずにいた。
 戦をするにも兵力差だ。それも倍以上もある。それでも籠城戦ならじゅうぶんに勝機があるが、内堀も埋められた状態で戦ってしまえば野戦と同じになってしまう。さらに敵にはあの真田昌幸という名軍師がいる。秀忠も何倍もの兵力差があって昌幸の治める上田に攻め込んだが、完膚なきまでに打ち負かされてしまった相手だ。そんな相手に、この劣勢で立ち向かって勝てるとは、さすがに思えない。
 横を見ると、お江の身体は震えているのが分かった。きっと恐怖からきている。さすがにこの状況に追い込まれると、勝ち目がないことくらい、彼女も分かっているのだろう。
 秀忠は頷いて、顔を前に向けた。
「しかし、相手にはあの真田昌幸がおるのだが……」
「若殿。夜襲を仕掛ければ良いではないか。特に四ツ谷にある毛利の陣所は手薄ではござらぬか」
 忠勝が詰め寄ってくる。夜襲を仕掛けた途端、再び全面戦争になる。この状況でそれは避けたほうが良い。そう思っていると、秀忠の視野の中に井伊直政の顔が入った。彼も忠勝の意見に賛成なのかと思いきや、浮かない顔をして腕を組んで考え込んでいる。
「直政。そなたの考えはどうなのか?」
 秀忠が問うと、直政は居住まいを正して顔を向けた。
「はい。今はまだその時期ではないと存じております」
 直政は声を張り上げて言った。直政の言葉にどよめきが起きる。確かに、赤備えの大将で、敵からは赤鬼と恐れられている直政らしい言葉ではない。
「井伊殿は最近、腰抜けばかりと行動しておるから、弱気の虫が騒ぎ始めたのではないのか? 井伊の赤備えも、これでは面目丸つぶれだ」
 忠勝が立ち上がって、直政を見下した。直政は微動だにせず、秀忠を見つめている。
「ここで夜襲を仕掛けたとしても、それでは飛んで火にいる夏の虫の如きものです。短期的には成功すると存じます。しかし今の状況は敵の方が圧倒的に数的に優位。すぐに形勢逆転し、短期間で勝敗が決してしまう可能性が高いと存じます。敵も兵糧が底をつきかけてきたので、すぐ野戦に持ち込みたいために、急いで内堀を埋めたのでしょう」
「して、どうしたら良いと存じておるかのか?」
 秀忠は胸を撫で下ろして、直政に尋ねた。というのも、正直なところ、家康も秀康も失い、自分が束ねなくてはならない徳川では、どうやっても勝ち目がないと思うからだ。
 直政は頷いて、さらに畏まった。口元に笑みが見える。
「ここは内堀を埋めてしまったことを豊臣に抗議するも、恭順の姿勢を貫くまででございます。彼らの挑発に乗ってしまっては、彼らの思う壺でございます」
 秀忠は大きく頷いた。隣に座っているお江にも安堵の表情が見える。
「あい分かった。ここは直政の申すとおりにいたす。それでは今日の軍議はこれまでといたす」


 軍議が終わって、すぐに井伊直政が大広間を出て行った。本多正信も立ち上がって、彼の後を追った。
 直政を呼び止めると、彼は歩みを緩めて、正信と並んで歩くようになった。大広間を出て少し歩くと、敵の大砲が撃ち込まれたために、破壊された建物が近くに見える。大工たちが資材を運んで、修復工事をしている。
「南蛮渡来の大筒が、外堀の向こうからここまで届くとは驚くばかりです。これではお方様ばかりか、若殿まで恐怖を感じてしまうのは無理もありません」
 直政は立ち止って、奥御殿のほうを眺めた。秀忠夫婦の私的な住居である奥御殿も、一部が破壊されている。そこも補修工事がされているところだ。
「それで、どうしてあのようなことを申し上げたのか?」
 正信は単刀直入に尋ねた。直政は「あのようなこととはどのようなことですか?」と惚(とぼ)けたことを聞き返してくる。
「豊臣に恭順の意を示して、おとなしくしようということだ」正信は強い調子で言った。「たとえ大人しくしていても、あの真田昌幸のこと、何か口実を作って、徳川を攻めてくるであろう。そのために彼は内堀を埋めたのだ」
「分かっております。分かっておるから、それがしはそのように申し上げたのです」
 直政は正信の顔を見ずに言った。正信には直政の言う意味が分からない。
「いったい、どういうことなのか?」
 ようやく直政は正信の顔を眺めた。そして「ここでは何ですから、こちらの部屋に入りましょう」と正信を促した。板の間に二人は向かい合って座った。
「このまま夜襲を仕掛けるのは、とても危険です。敵の罠にまんまと引っ掛かかり、失敗に終わるでしょう」
 直政は真顔で言った。正信は首を傾げる。
「どうして失敗に終わると、断言できるのか?」
「内通者がいるからです」直政は顔を近づけて声を落として言った。
 そうだった。家臣の中に内通者がいるのだ。内通者は確実にこちらの情報を豊臣方に流している。だからその内通者を欺くことで、山中城の戦で徳川が勝てたのだ。さらには、秀忠や秀康の口にするものに毒を盛った。それによって、秀康は命を落としてしまったではないか。
 直政は話を続けた。
「あそこで毛利の陣所に夜襲を仕掛けると決定すると、それが毛利に流れて、警戒されます。夜襲は失敗に終わり、そしてこちらの仕掛けた夜襲を口実に、この城を再び攻めることでしょう。その時は城も丸裸で、兵力差も違いますから、あっという間に決着がついてしまいます。ですから、少なくとも、その内通者が誰なのか明白にして処罰するまでは、決して動いてはなりませぬ」
 確かに直政の言うとおりだ。正信は大きく頷いた。
「それで、軍議であのようなことを申し上げたのか?」
「はい。若殿もお方様も、大筒の攻撃で精神的に参っておられます。それがしが決戦反対を申し上げれば、ご同意も得られるかと存じました」
「して、内通者の目星はついておるのか?」
 しばらく直政は沈黙した。そしておもむろに、はっきりと頷いた。でも表情は冴えない。
「ただし決定的な証拠がござらぬ。内通者を自白に追い込むしかないのだが、どうやって追い込むか、思案しているところです」


 秀頼が太閤殿下ではなく、あの石田三成の子である。
 衝撃の事実を知らされて、片桐且元は頭の中が混乱していた。淀君が不貞行為を働いていたのである。その相手が、よりによって三成で、しかも秀頼の父親でもあるのだ。淀君が秀頼を産んだとき、秀吉が大仰なほどに喜んだのを目の当たりにしていただけに、亡き秀吉がとても気の毒に感じられた。
 もちろん、このことは口外してはならぬと、淀君から強く口止めされている。
「片桐殿には、よほど衝撃が大きかったようにお見受けしますな」
 大野治長が口に薄笑いを浮かべて言った。且元は治長のこの笑いが好きではない。何だか人を馬鹿にしているように見える。
「秀頼公が太閤殿下のお子ではないなんて、いまだ信じられぬ」
 且元は嘘をついた。秀頼が秀吉の子でないことくらいは、予想がついていたからだ。だけれども三成の子であることが、いまだに信じられない。且元は、大野治長が父親ではないかと訝(いぶか)っていたのだ。
「そのことであるが、鶴松君が亡くなられたとき、殿下はたいそうお嘆きになって、それからはまったくお子を作ろうとなさらなくなった。その悲しみをぶつけるべくして、朝鮮に出兵したわけだが、その時もそれがしは殿下に、跡継ぎを作るように強く勧めたが、殿下は自分の子が死んで悲しむのは二度と耐えられぬと仰せになり、拒絶された。そして、こんなことも仰せになった。淀は三成と治長のことがたいそう気に入っている。ならば、そのどちらかが、わしの子を産むために、淀と情を通じてはいかがかと。その子ならたとえ若くして命を落としても、これほど悲しむことはないと仰せになった。でもそのお話がそれがしにあって、それがしはお断り申し上げたというわけでござる」
 それで三成が父親となって、秀吉の子として秀頼を産んだわけか。それが秀吉も承認していたというのに、衝撃を受けた。
 治長は居住まいを正して、且元と向き合う。
「それで、片桐殿。もしもこのことが皆に知れ渡ってしまったら、大変なことになってしまうだろう。秀頼公の父親が、太閤殿下ではなくて治部少輔なのだから」
 秀頼の父親が三成である。このことが全国に知られてしまうと、豊臣方は総崩れとなってしまう可能性がかなり高いと、且元は初めて気付いた。何と言っても、三成嫌いの大名は多いのだ。福島正則・黒田長政を始めとして、加藤清正や細川忠興、池田輝政などがそうだ。今こそ彼らは豊臣に味方しているが、この事実を知れば、豊臣から離れるだろう。さらには外様の多くの大名家も離れていくと思われる。伊達家、島津家ばかりか、いま徳川家討伐の総大将を務めている毛利家も、秀吉の盟友であった利家を亡くした前田家だって心が離れるであろう。というよりも、秀頼が三成の子でもついてくる大名家がどれだけあるのか。それは本当に数家だけになりそうだ。
「このことがみなに知られてしまったら……」
 治長は大きく頷いた。
「もちろん、今度は豊臣が窮地に追い込まれる。このことは、我らの胸の内に収めておかなければならぬ。口外すれば、再び世が乱れてしまう」
 且元は大きく頷いた。


 井伊直政からもう一度、軍議を開くよう、徳川秀忠に要望があった。そして本丸御殿大広間に集まるよう、下知された。
 集められたのは、昨日と同じ面々だ。徳川四天王の本多忠勝、榊原康政、井伊直政。さらには四天王の子・酒井家次。大久保忠隣、本多正信、お梶、服部半蔵、石川康通、土井利勝、南光坊天海といった面々である。今日も秀忠の隣には、お江も来ている。
 秀忠は上座に腰を下ろすと、一同を見渡して、井伊直政を眺めた。
「本日は直政の提案で、こうして皆の者に集まってもらった。直政、用件を申してみよ」
「はいっ」直政は秀忠に丁寧に頭を下げる。そしてすぐに頭を上げた。「昨日、若殿に申し上げた、夜襲を止めて豊臣に恭順の意を示そうという提案を取り消したいと存じ上げます」
「提案を取り消すだと?」
 隣でお江が黄色い声をあげた。直政はお江に身体を向けて、居住まいを正す。
「はい。昨日、毛利の陣所を見てまいりましたが、こちらが攻めてこぬと見てか、松明の灯りも少なく、非常に手薄でございました。これならうまく行けば、総大将の輝元の首も討つことができようと存じます」
「そ、そんなことをしたら、全面戦争になってしまわぬか? 豊臣方と全面戦争になってしまうであろう」
 お江の声が震えている。直政に対する怒りと、豊臣に対する恐怖だ。あれだけ昨日豊臣に恭順の意を示すように説いた直政の心変わりに、秀忠も言葉を失い、頭の中が混乱している。
 直政はさらに続けた。
「恐れながら、申し上げます。このまま豊臣に恭順の意を示したところで、何事か因縁をつけて、いずれ徳川に戦いを挑んでくるのは必定だと存じます。そのために彼らは外堀だけでなく、内堀まで埋めたのですから」
 この直政の言葉に、手を叩く者がいた。主戦派の本多忠勝だ。
「井伊殿。よくぞ申された。昨日はすっかり腰抜けに感化されてしまったかと、心配しましたぞ」
 忠勝はそう言って嘲笑を浮かべて、正信に一瞥をくれた。一方の正信は顔を俯かせている。そこで直政が発言した。
「忠勝殿。それは違います。それがしは正信殿に説(と)かれて、考えを改めたのです。正信殿に言われて毛利の陣所を確かめたところ、確かに守りが薄い。そこを急襲すれば、ややもすると輝元、そこまでいかなくても秀元の首を討つこともできるかもしれぬと思って、考えを改めたのです」
「井伊殿。よくぞ申された。早速、今夜にでも毛利の陣所に夜襲を仕掛けようぞ」
 忠勝の言葉に、多くの、というより集まった重臣と家臣、全員が大きく頷いている。見ると、主戦派とは言えない正信まで顔を紅潮させて力強く頷いているのだ。
 そんななか、お江の視線が気になった。秀忠の隣に座っている彼女は、秀忠に鋭い視線を突き刺している。彼女が言いたいことは分かっている。皆を説得して、夜襲など馬鹿げたことは止めさせろということだ。
「若殿。これで皆の意見は一致いたしました。ご決断を!」
 忠勝の身体が居住まいを正して、秀忠に向いた。忠勝に続いて、すべての重臣と家臣の顔が秀忠に向く。そして隣からはお江の厳しい目。その二つの板挟みに、秀忠は困惑する。
 でも事前に直政から言われている。思い切って、決断してほしいと。
「して……直政。作戦は成功するのか?」
 秀忠は直政の顔を眺めた。直政は畏まって、大きく頷いた。
「はい。あれだけ毛利が油断していれば、必ずや、成功すると存じます」
 直政は自信に満ちた声で言った。お江の視線がより鋭くなるのを感じる。しかし怖がってはいけない。秀忠は決心した。
「よし。それでは毛利への夜襲のこと、直政と忠勝に任せる。必ずや毛利を打ちのめすのだ」
「ははっー」
 直政と忠勝は畏まって平伏した。


「信繁。毛利殿の陣所に参るぞ。ついて来い」
「はい。父上」
 真田信繁は父親・幸村と共に馬に乗り、牛込門にほど近い真田軍の陣所から、外堀沿いに四ツ谷に向かった。その四ツ谷の高台に、毛利の陣所がある。陣所から江戸の城を見下ろすような形になっている。
 二人が尋ねてくると、早速広間に通された。昌幸・信繁親子が姿を見せる前に、毛利輝元は上座に座っていた。
「中納言殿。敵がまんまとこちらの作戦に乗った模様でございます」
 開口一番、昌幸が言った。信繁には昌幸の言う意味がよく分からない。
「それは真ですか?」
 毛利輝元の問い掛けに、昌幸はおもむろに頷いた。口元には笑みを浮かべている。
「いかにも。徳川もいったんは恭順の意を示すように見えましたが、この陣所の守りが手薄なことから、今晩にも夜襲を仕掛けてくると、先ほど連絡がございました」
「連絡というのは、内通者か?」
「いかにも。ですからほぼ間違いないと存じます」
 昌幸ははっきりと言った。その内容に信繁は驚いた。本当に父親のやることに抜かりはない。
「して、手はずは?」
「はい。さっそく中納言殿は万世橋の上杉殿の陣所に移っていただきます。今宵もこの警備を継続していただけたら、夜には徳川の兵が夜襲を仕掛けてくるでしょう。そこを上杉殿と安国寺殿が北の市ヶ谷方面から、宇喜多殿や石田殿・小西殿が南の赤坂方面から、そして我が隊が、徳川軍の背後を襲います。そうすれば敵は袋の鼠となりましょう」
 昌幸の作戦も、成功する可能性が高そうだ。昌幸は自信があるのか、はっきりとした調子で答えた。
 輝元も満足そうに頷いて、口髭をいじっている。
「その夜襲を口実に、一気に徳川を攻めるというものか?」
「仰せのとおりでございます」
 昌幸は軽く頭を下げながら、大きく頷いた。


 江戸城吹上の曲輪に、毛利の陣所急襲隊が集められた。井伊直政が一番隊で、榊原康政と本多正信が二番隊、本多忠勝とお梶が三番隊となって、入れ代わり立ち代わり毛利の陣所を襲っていくという作戦だ。残りは江戸城の守備に当たる。特に外堀と内堀が完全に埋め立てられてしまった吹上と北の丸の守備を手厚くした。
 日も落ちて、辺りが暗くなった。そろそろ一番隊の井伊軍が半蔵門から討って出る時刻になる。
 二番隊として配置された正信も、気持ちが高ぶっていた。この作戦がうまくいけば、敵の総大将である毛利輝元の首を取ることも、じゅうぶんに可能だからだ。輝元の首を取れば、毛利の大軍は制御不能に陥る。そうなれば残るは、上杉・佐竹・真田・石田・小西・宇喜多くらいになる。真田が厄介だが、兵力は互角に近くなり、いくら堀を失ったとはいえ、籠城側が有利となるだろう。それに敵は兵糧も少なくなっているはずだ。
 しかし、気持ちが高ぶっている正信のもとに早馬の使者がやってきた。
「井伊殿より本多殿に伝言です。すぐに半蔵門近くの物見櫓に集まるようにとのことです。榊原殿と三番隊にも伝えますので、これにてご免!」
 と使者はそれだけを伝えると、正信の前から姿を消した。正信はそれを聞くと、いぶかしげな表情を浮かべて、すぐに物見櫓に向かった。櫓の中では、すでに直政が、むつかしそうな顔をして腰を下ろしていた。
「井伊殿。どうされた?」
「正信殿。皆が到着してからお話しいたします」
 直政はそう言って、口を噤んだ。仕方なく正信は頷いて直政の前に腰を下ろした。
 すぐに康政、お梶、忠勝と、続けて櫓の中に入ってきた。彼らが揃うと、直政はおもむろに口を開いた。
「今夜の毛利陣所急襲は中止にしたいと存じます」
「井伊殿。何を申すか。我らは討ち取る気、満々でござるぞ」
 すぐに忠勝が声を張り上げた。康政も続く。
「そうだ。井伊殿。そもそもこの夜襲は、そなたの提案であろう」
 再び忠勝が口を開いた。開くと同時に正信を一瞥する。
「まさか、この腰抜けが止めよと申されたか?」
 さすがに正信も反論しようとしたところで、お梶が直政に詰め寄った。
「井伊殿。夜襲を中止なさるとは、何かお考えがあってのことでしょう。そのお考えとは何でございますか?」
 お梶に促されて、直政は大きく頷いた。そして四人の顔をひととおり眺めた。
「斥候(せっこう)(※敵の様子を探る任務)の者の報告によりますと、四ツ谷の様子は変わらないとのことでございますが、どうも牛込あたりの敵の様子がおかしいとのことでございます。牛込から四ツ谷までは目と鼻の先。こちらの様子が気付かれてしまっている可能性が高いと判断しました」
「真田に気付かれたとしても、毛利は変わらないのであろう。そうしたら、輝元の首を狙うのみではござらぬか」
「井伊殿。お梶殿の申されるとおりだ。ここはかねてからの手はずどおり、井伊殿は一番隊として出陣なされ。もし何なら、すぐに二番隊の我が隊が、敵陣深く切り込んで参る」
 康政の言葉に正信も頷いた。そして忠勝が続く。
「真田に気付かれたとしても、真田の兵力はせいぜい数千。毛利と共に蹴散らそうぞ」
 忠勝の言葉に、正信も大きく頷いた。忠勝の言うとおり、真田軍は三千強だ。夜襲を仕掛けると言っても、こちらは二万を超える大軍である。数の上でも断然有利だ。それに夜だし、和議を結んでいる最中だから、敵も油断している。万世橋に陣所を構える上杉軍や、虎ノ門や御成門に陣所を構える宇喜多・石田・小西隊などが駆け付けるのにも時間がかかる。軍を動かすことは、夜襲に気付いたとしても夜のうちにはできないはずだ。その間に総大将の首を取るのである。
 そこで直政が大きく頷いて、顔を上げた。ある人物を睨みつける。
「あなたですね。敵にこちらの情報を漏らしたのは」

 

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