逆転関が原殺人事件

東山圭文

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「正信殿。正信殿のところには来ておらぬか?」
 軍議が終わり広間を出ると、榊原康政が本多正信に小声で話しかけてきた。正信には、彼が何を言っているのかよく分からない。康政は表情を曇らせて、部屋の中に正信を招き入れた。
「来ているって、何が来るのか?」
「大阪からの使者です」
 康政の言葉に、正信は大仰に首を横に振った。別に大仰にしたつもりはない。あまりの衝撃に大仰になっただけだ。
「いや。それがしのところには。して、その内容はどのようなものなのか?」
「それがしに、大阪方に内応しないかと。それと江戸城の絵図を要求してきました」
「な、何と!」
 正信は思わず声を張り上げた。正信の声が大きかったか、康政は唇に人差し指を当てた。
「応じれば三河か遠江に、二十万石クラスの大名として榊原家を取り立てるというものでした。もちろん断り申した」
 康政は周囲に聞こえぬよう小声ながら、鼻息を荒くしている。
「そうか。それはおそらく大野治長の仕業とみたが?」
 正信の言葉に康政は頷いた。
「はい。間違いございません。書状には治長の署名がされておりました」
 正信は唸った。治長が徳川家の調略を仕掛けているのは厄介だ。彼は家康暗殺計画を企て、下総に流罪となって、それが許されてから徳川の旗本となって働いてきた。そのため、徳川の内情を知り尽くしているうえ人脈もある。
「これは一大事。他にも手が回っているかもしれない」
「正信殿のおっしゃるとおりだと存じます。誰も応じていなければ良いのですが……」
 これは一大事である。榊原康政のところに来たなら、井伊直政や本多忠勝など、いわゆる武断派と言われている武将のところに内応の誘いが来ているのかもしれない。
 正信は部屋を出ると、すぐ広間に引き返した。広間は家臣が引き払って、秀忠と妻のお江(ごう)だけがいた。秀忠の最側近である大久保忠隣の姿さえない。
「失礼します。少し気になることを耳にしましたので、若殿のお耳にも入れておきたいと存じ、参上いたしました」
 正信が座って頭を下げると、秀忠の声がした。
「余(よ)の耳に入れておきたいこととは、何事か?」
「はい。ただいま榊原殿から話を伺いましたが、榊原殿に大阪から内応の誘いがあったとのことです」
「で、康政はその誘いに乗ったのか?」
 秀忠の質問に、正信は落胆した。聞いてほしいのは、そういうことではない。それに彼はとても悠長に話している。驚きや緊迫感が感じられない。
「いいえ。そんなことはありませぬ」
 それでも正信は畏まって答えた。
「そうよのお。もし康政が裏切ったら、直ちに呼び出して、きつく問い質(ただ)し、牢(ろう)に入れ、腹を切らせるのが良かろう」
 お江が尖った声で言った。その横で秀忠は頷いている。彼女は秀忠より六歳も年上で、美人であるが、気が強く、プライドも高く、嫉妬深い。そんな彼女に、秀忠は完全に尻に敷かれてしまっている。それゆえ、側室も置けない状況だ。
「それで、康政の場合は、内応したらどのような条件なのか?」
「はい。三河か遠江に二十万石の大名として、取り立てるとのことです」
 正信の言葉に反応したのは、お江である。
「なに、それは滅茶苦茶な。主家(しゅか)である徳川は信濃や出羽の片田舎。一方、榊原は徳川の旧領である三河か遠江とは、どうも合点がいかぬ。姉上には、信濃や出羽でなく、せめて駿河の駿府に移封してくれるよう書状を送ったが、もう一度、送ることにするわ」
 お江の姉は、淀君である。茶々(淀君)、お初、お江の三姉妹は、織田信長の妹・お市の方と浅井長政の間に生まれた。その長女と末っ子が、今回の戦いで敵味方に分かれてしまったのだ。そんなお江の心中を察すると、普通の女性なら不憫(ふびん)に思うのであろうが、彼女を見ていると、正信にそんな感情が湧いてこない。嫌悪感すら抱いている。
 正信は居住まいを正して、秀忠に身体を向けた。
「それで、殿。榊原殿にあった内応の誘いは、おそらく他の家臣のところにもある可能性が高いと存じます」
「な、何と? それで、誰か応じてしまっているのか?」
 聞いてきたのはお江だ。お江が口を挟んでこられては、会話もしにくい。
「そこまでは分かりません。ただ、内応を誘っているのは、大野治長ということです」
「治長だと。あのような男、捕らえてすぐ腹を切らせれば良かったまで。本当に大殿を亡き者にしてしまったのだから、許せぬわ。今すぐ、地獄の底に突き落としたい気分ぞ」
 お江は顔を赤らめて、唇を尖らせた。


「御屋形様。毛利輝元様がお越しでございます」
 それを聞いて、真田昌幸・信繁親子は、広間の上座を開けた。官位は当然のことながら、中国の太守・輝元の方がずっと上だ。そして輝元がゆっくりと広間に入ってくる。信繁が今まで嗅いだことのない上品な匂いがした。着物にお香を焚きつけている。優雅な所作で上座に腰を下ろした。信濃の野武士にはない気品を感じる。
「中納言(※輝元の官位)殿。このようなむさくるしい片田舎にお越しいただき、恐縮でございます」
「それより、徳川の大軍を相手に相当な働き、さすが真田殿。お見事であった」
「ははーっ」
 昌幸と共に信繁も畏まって頭を下げた。輝元の言葉に、高貴な気品が感じられる。
「さて、ここから先であるが、真田殿は江戸への進軍をどのように練っておられるか?」
「はい。我らが上野に入ったら、伊達殿が最上を攻め、それを見て、上杉殿が下野に侵攻すると、大野殿から伺っております。ただ、少し難しい戦いになるかもしれません」
「難しいとは、いかなることか?」
「はい。我らにも弱点がございます。正直なところ、中納言殿(※ここでは毛利輝元)の軍勢も盤石ではありますまい」
 昌幸はずけずけとものを言う。そんな昌幸の言いたいことは信繁にもよく分かった。毛利軍も一枚岩ではないということだ。徳川に通じていた吉川広家と小早川秀秋がいる。それに輝元自身も、周りに無理やり担ぎ出された総大将である。
「そ、それは吉川と小早川のことか?」
 輝元の質問を意に介さず、昌幸は言葉を続けた。
「それ以上に盤石でないのは、東海道の軍勢でございます。まだ中納言殿の軍勢は、中納言殿の名のもと、毛利一門でまとまりがありますが、東海道はまとまりがございません。豊臣恩顧の者から、そうでない者。また豊臣恩顧の者でも、武断派と文知派に分かれ、いがみ合ってございます。もしそれがしが徳川の者なら、まずはこの東海道の敵をいかに叩くかを考えるでしょう。そして実際に、結城秀康は東海道に目をつけて、主力を率いて小田原に向かうとの情報を得ております」
 昌幸の言葉に、信繁は驚いた。秀康が小田原に向かう、というのは初耳だ。その情報を昌幸が得ているのだ。それは兄の信之からだろうかと、信繁は勘ぐった。
「それは信之殿からの情報か?」
 輝元も信繁と同じことを考えたようだ。しかし昌幸は首を横に振った。
「信之はいまだに徳川方に付いておりますが、沼田の守りに就いていて、江戸にはおりませぬ。江戸にはそれがしと通じている者がございます」
 結束が堅い徳川の家臣のなかに、真田と通じている者がいることに、信繁は驚いた。
「江戸に通じている者がおるのか?」
 再び昌幸は、輝元の質問を無視して話を続けた。
「いずれにせよ、結城秀康は我らのいちばんの弱点を突いてきます。その作戦が奏功してしまうと、東海道の味方から裏切りも生まれ、総崩れになります。そうなると、我らにも多大な影響が生まれましょう。中納言殿のお気持ちも変わるかもしれません」
 昌幸の言葉に、輝元の表情が強張った。口髭が大きく歪んでいる。どうやら図星のようだ。
 そう。今の徳川家は兵力の上では劣勢であるが、三河以来の譜代の臣も多く結束が堅い。しかし豊臣方はまとまりがない。徳川と好(よしみ)を通じる大名も多くいる。
「それで、昌幸殿、どうすれば良いのだ?」
「東海道の味方が、間もなく駿河と伊豆の国境に到着すると聞いています。これが、伊豆を攻めたら、相模に入るのはしばらく留まっていただきたく存じております。それがしが敵方なら、箱根峠と山中城に陣を敷き、そこで街道を登ってくる敵を迎え撃ちます。そうなれば、東海道のお味方は不利。秀康の軍勢が退くまで、攻めてはいけませぬ」
 昌幸の言葉に、信繁は首を傾げた。秀康の軍勢が退く。そんなことはあるのであろうか。やはり輝元も同じことを思ったようだ。
「秀康の軍勢が退くのか?」
「我らと上杉殿の軍勢が江戸に迫れば、さすがに退かざるを得ません。今の江戸はかなり手薄でございます。そこまで東海道の味方が我慢できれば、勝機が見えてきます」
 昌幸は笑みを浮かべて見せた。


「治長、ただいま戻りました」
 大阪城の広間に入ってきた大野治長は、清々しい顔をして淀君と秀頼母子に対面した。その顔を見るだけで、首尾は上々だということが片桐且元には分かる。
「して、上杉はどうじゃ?」
 淀君の質問に治長は「はい」とこの上なく張りのある声で応じた。
「東海道と東山道から関東に入ると同時に、上杉も、そして佐竹、里見も徳川領内に攻め込むと約束いたしました」
 そんなにうまく行くのか、と且元は首を傾げた。
「治長殿。上杉の背後には伊達と最上があるが」
「且元殿。何と伊達殿は我らに味方し、最上を攻めることになりますぞ」
「な、何と!」
 且元は素直に驚いた。いくら三成と上杉家家老の直江兼続の仲が良いと言っても、上杉の背後に伊達がいるからそう簡単に動けないと、思っていたからだ。その伊達家の姫は、家康の子と婚約もしている。伊達政宗は山形の最上義光とともに、家康と昵懇(じっこん)の間柄だ。そんな伊達が豊臣に付いたのだ。
「且元。家康のいない徳川を、政宗殿も見限ったのじゃ。そうなると、徳川の家も風前の灯(ともしび)じゃな。して、且元。その火が消えてしまう前に徳川は降伏をしてくるのじゃろ?」
 家康が討たれてからずっと機嫌が良いが、今日の淀君は特別のように、且元の目には映っている。それはきっと、東北に行っていた治長が帰ってきたからだ。治長は文武に優れた武将だ。おまけに美男子で、淀君と治長が恋仲ではないかと、家臣の間で噂になっているのを且元も耳にしている。そして秀頼の父親は秀吉ではなくて、治長ではないのかと、まで……
 いくら何でも秀頼の父親が治長であるなんてことはあるまい、と且元は心の中でかぶりを振った。そして淀君に身体を向けて居住まいを正す。
「恐れながら申し上げます。徳川から、関東で手合わせ願おうと、返事が来ております」
「な、なんと、無謀な」淀君は声を震わせた。「そうなるとお江じゃ。お江が不憫でならぬ。そういえば、お江から文が来ていた。それには徳川家を駿河あたりで存続させてもらえるよう、わらわに乞(こ)うていた。それはどうなのじゃ?」
「はい。徳川には信濃の上田か、出羽の大曲に移封という条件を出しております」
「治長。なぜ徳川にそのような仕打ちをするのじゃ?」
「はい。駿河あたりに移封して力を蓄えましたら、また豊臣に反旗を翻すことがあろうかと存じます。ですので、この際、徳川の力を徹底的に削ぎ落とすのが肝要でございます。もし立場が違って、この戦に徳川が勝ち、豊臣が負けていましたら、徳川も豊臣に同じ仕打ちをしていたことでしょう。それに豊臣が従わなければ、大軍で大阪城を囲み、どんな手を使ってでも豊臣を滅ぼしていたことでしょう。つまり徳川にとって、豊臣は邪魔者でしかないのです。同じように豊臣にとって、徳川は邪魔者でしかございません」
「治長。徳川を滅ぼすとな?」
「はい。要求を飲まねば、滅ぼすまででございます」
 治長がそう簡単に言うけれど、且元には不安がある。
「徳川には三河以来の譜代の家臣が多く、結束が堅いのではないか?」
 且元の質問に、治長は大きく頷いた。
「且元殿の申すとおりでございます。だからこそ、徳川の家中に、何人か内応を仕掛けてございます。そのうち二家以上が応じてくれれば、徳川も内部から崩壊いたしましょう」
「もう手を打っているのですか?」
「左様」と治長は頷いた。その顔がとても自信ありげに見える。
 それにしても治長はたいした武将だ、と且元は舌を巻いた。謀略をめぐらして、徳川を丸裸にする手腕は見事だ。それに武勇にも優れ、家康の首も取っている。おまけに男前だ。そんな治長に勝るものは、且元には残念ながら一つもない。子を産んでいるとはいえ、艶やかな淀君が治長に首ったけになるのも、よく分かるだけに且元は悔しい。何か落度を見つけなければならない。
「ところで、治長殿。味方の方は大丈夫ですか?」
「味方の方とは?」
 治長の目が且元に向いた。且元も彼の顔を直視する。
「味方にも、徳川に通じていた者がおったと存ずる。それが再び徳川に味方しないかと心配になるが」
 治長は唇に薄い笑いを作った。それはまるで且元を嘲笑しているような、嫌な笑いだ。
「且元殿。そなたは心配性のようです。どの大名家もお家が大事です。吉川も小早川も、状況が有利な方に味方いたします。それは徳川に味方している大名家、および徳川の三河以来の家臣にも通じるかと存じます」
 治長は自信満々にそう言った。且元はどうも治長の自信に満ちた顔が好きではない。
「ところで治長。江戸にはお江がおる。お江はわらわのいとおしい妹ぞ。お江の命だけは何とか助けてほしいのじゃ」
 淀君の視線が一直線に治長を刺した。目力は強いけど、それはすがる目だ。治長は淀君に向き直って、大きく頷いた。
「徳川家中に内応者が出れば、それは簡単にできると存じます」
「それで、応じているのか?」
「良い返事を寄越した者がすでにございます。これから増えるかもしれません」
 治長の返答に、且元は驚いた。徳川の家臣は三河時代からの長きに仕える者が多く、その結束は豊臣家の比ではないほど堅い。それが家康という大黒柱を失った徳川家が、これほど脆く崩れるものなのかと、思い知らされた。


 再び江戸城の広間に、本多正信が呼ばれた。先日の軍議で結城秀康の提案が通って、秀康を中心とした主力部隊は小田原に集結している。広間に呼ばれているのは、江戸留守居組の、榊原康政と正信である。秀忠の最側近の大久保忠隣も、小田原城主ということで小田原に参陣している。
「正信。敵方への内応工作はどうなっているのか?」
「はい。東海道では福島殿、黒田殿、細川殿、山内殿、島津殿、田中殿、東山道では吉川殿と小早川殿を誘っております」
 正信は正直に答えた。それらの家に、内応を促す書状を送っている。
「それで、首尾のほどは?」
 正信は首を傾げた。ここで言い繕(つくろ)っても仕方がない。
「正直なところ、戦況次第と存じます。こちらが有利と見れば、特に東海道の軍は一気に崩れるでしょう」
 これは裏を返せば、うまくは行っていないということである。正直なところ、どこの家からもまだ返事が届いていない。家康がこの世にいないとなると厳しい。さすがに秀忠にも、それが伝わったようだ。秀忠は肩を落とした。顔も不安で引き攣っている。
「それではさすがに勝ち目はないと思わぬか。東海道を下っている敵は十二万以上と聞いておる。こちらは七万にも満たないではないか。それにその七万の兵を失ったら、江戸には一万もおらぬぞ。ならば、最初からこの江戸で籠城して、敵を迎えた方が良くはないか?」
 秀忠の視線が泳ぎ、何度も扇子を鳴らして、落ち着きがない。身体も震えているように見える。これは落ち着かせないといけない。
「小田原も堅固な城でございます。それに十年前の小田原の役よりも、敵の数が少なく、こちらの兵は多くございます。それに戦に長けた秀康様が大将で、お梶殿もついています。お二人がうまいことやって、敵を蹴散らしてくさるものと信じております。そうすれば、それがしの内通に応じる者も出てくると思います」
 正信は笑みを作りながら言った。それでも秀忠は扇子をいじっている。まだ不安が解消されていないのだ。
「やはり小田原からは退いて、全軍江戸で籠城したほうが良くないか? 敵も二十万を超える軍勢の兵糧調達も大変であろう。小田原の役は太閤殿下だったからこそ、できたのだ。いま関東の米は忠隣が買い占めていて、敵に売る米も、この関東にはそれほど残ってはあるまい。おそらく半年も兵糧が持たぬであろう。そうなれば敵も自(おの)ずと兵を退くのではあるまいか?」
 秀忠の言うことの道理は正信にも理解できた。籠城戦には時間がかかる。ましてや小田原や江戸、大阪のような巨大な城を攻める場合は猶更だ。無理に力攻めをすると、攻め方の消耗が大きい。だからと言って、兵糧攻めなどをすると長期戦になり、攻め方はそのぶんの兵糧を用意しておかねばならない。それゆえ十年前の小田原の役の時、秀吉は五十万石ぶんの兵糧を調達している。これは二十万の大軍でもおよそ二年半も賄(まかな)える兵糧だ。江戸を攻めるというけれど、今回も同じように兵糧を手配できているのかは、正信も疑問に思っている。何しろ美濃の戦からそれほど日数も経っていない。その間に多くの兵糧を集めるのは困難だからだ。
 だけれど、楽観はよくない。正信は居住まいを正した。
「恐れながら、常に戦は想定外も想定しないとなりませぬ。若殿もご存知かと思いますが、大阪には太閤殿下が蓄えた多くの金銀がございます。これは徳川の比ではございませぬ。それを使えば短時間で兵糧を調達できるでしょう」
 そう。もし豊臣を滅ぼそうとするのなら、大阪城に蓄えられている金銀を、すべて使わさなければならない。亡き家康は、そう考えていた。
「それで、小田原で、本当に敵を撃破できるのであろうか?」
 秀忠は再び扇子をいじり始めた。顔も引き攣っていて、恐怖を感じているのか、身体を震わせている。上田原の戦いでも身体を震わせていた。家康や秀康と違って、このような主君だと、正直なところ、これからの大一番の戦に正信も不安を感じてしまう。
「申し上げます。秀康様の使者が参られて、もう少し小田原に兵を出せないかと申し出ております」
 ここで近習が広間に入ってきて、声を張り上げた。今まで言葉を発しなかった康政が、秀忠に身体を向ける。
「ならば、それがしが小田原に参りましょう」
 康政は敵と槍を交えたくて、身体が疼(うず)いているのだ。それなのに、江戸留守居に任命されて、不満すら覚えているかもしれない。
「ならぬ。康政まで行ってしまっては、この江戸が手薄になるではないか」
 秀忠の言葉に、康政は下唇を噛み締めた。ならば、と正信が居住まいを正した。
「それでは、それがしが小田原に参りましょう。康政殿には江戸を守ってもらわねばならぬゆえ」
 それで正信が小田原に向かうことになった。
そして正信は康政とともに広間を辞した。戦場に自分が行けない康政は、やはり不満そうな面持ちだ。
「康政殿。江戸で若殿をお守りするのも、重要な任務ですぞ」
「分かっておる。分かっておるが、若殿を見ていると何とももどかしい。やはり秀康様は大殿譲りで行動力も風格もある。ここは秀康様をご当主にすれば、この難局も乗り切れると思っている」
 正信はうっかり康政の言葉に頷きそうになった。もともと正信は徳川の跡取りに秀康を推していたからだ。だけれども、強く首を振る。
「康政殿。これは亡き大殿がお決めになられたこと。大殿のお決めになったことに、逆らってはいけませぬ」
「正信殿も、秀康様を跡取りに推していたではござらぬか」
 康政に言われて、正信は苦笑いを浮かべた。
「申し上げます。本多正信殿、お江様がお呼びでございます」
 近習が正信に控えながら言った。正信は頷いて、お江のいる奥の広間に向かった。
 お江は正信が部屋に入って控えるなり、「近う、近う」と正信を手招きした。正信は言われたとおりにお江の側に進む。お江の横には家康の側室の茶阿局も座っている。
「正信が小田原に参るらしいな?」
 お江が真剣な顔で聞いてきた。もうお江の耳に入っているのかと、正信は驚きながら頷いた。
「はい。榊原殿には万が一のときは、若殿をお守りしないといけませんので」
「それで、その万が一のときと言うのは、訪れるのか?」
 お江の視線が、まっすぐに正信の顔を刺した。隣で茶阿局の身体が震えているのが分かる。
「小田原には秀康様がいらっしゃいます。井伊の赤備えもありますゆえ、勝機は十二分にありましょう」
 正信は自信を持っていったつもりだ。実際に東海道の敵を壊滅に追い込めば、東山道の毛利も退き返すだろう。それに徳川が有利と見れば、今は敵方に衝いている武将も内応する。だけれども、お江は美しい顔をしかめた。
「秀康がおると勝てるのか?」
「秀康様は大殿譲りの武将です。戦の駆け引きも見事でございます」
 畏まって正信が答えたが、お江は顔をしかめたままだ。茶阿局もしかめている。
「もしかして、正信まで徳川の世継ぎは秀康が良いと考えているのではあるまいな?」
 正信は慌てて首を横に振った。「滅相もございません。それがしは大殿の御意(ぎょい)に従うのみでございます」
「その大殿も亡くなられて、世も乱れておる。こんなとき、秀忠では頼りないと思っておる輩も、正直なところ多いであろう」
 正信は何も言えなくなった。実際に康政もそうだし、再び家中には秀康を跡継ぎに推す声も多くなっている。正直なところ、真田に攻められて美濃に行けなかったことも、徳川の世継ぎとして相応しくないという烙印も押されてしまっている。
 お江は薄い笑みを作った。
「ほうれ、見よ。やはりわらわの思ったとおりだわ。それに正信も大殿が跡継ぎを秀忠と決める前は秀康が良いと考えていたと聞いておる」
「でも、今は若殿こそ徳川家の跡取りと思っております」
 正信は深々と頭を下げて答えた。以前の正信が秀康を推していたことが、お江にも知られていたのだ。すっかり体裁が悪くなる。
「ならばじゃ。今は秀忠こそが徳川家の跡取りであると考える証拠を見せよ」
「証拠とおっしゃいますと?」
 正信は顔を上げて、お江の顔を眺めた。彼女は紅色の唇の端に、薄い笑いを作っている。
「だったら簡単なことよ。秀忠に兄弟がおるから、後継者は誰にあるのかという話になるのではないのか? 一人しかおらなかったら、そのような話にはならぬ。茶阿局もそうだとは思わぬか?」
「はい。秀忠様に兄がおってはならぬと存じております」
 茶阿局が答えた。二人が恐ろしいことを考えているのは、正信にも分かる。だけれども、茶阿局も家康の子、つまり秀忠の弟、辰千代を産んでいる。
「かの信長公も、織田家を継ぐのに弟君が邪魔で、自らの手で殺害している。秀忠にとっても秀康が邪魔ではあらぬか、のう、正信?」
「お言葉ですが、秀康様は養子に出された身です。養子に出された者が再び戻ってくることはないと、ご自身もよく分かっておられます」
 正信は必死に訴えたが、お江は薄笑いを止めて、正信の顔を睨みつけた。
「だが、いま家中で秀康を跡取りにという声が高まっておるわ。この難局は秀康ではないと乗り切れぬと密かに話している者が多いと、わらわも聞いておる。そのような輩から、逆に秀忠の命も狙われるかもしれぬ。
それに秀康は、秀忠にとって邪魔であろう。秀康さえいなかったら、忠吉が亡きいま、辰千代は幼すぎるゆえ、秀忠しか徳川の家を継げぬ。だから、そなたが秀康を亡き者にするまでじゃ」
 正信は言葉に詰まった。こんなことはもちろん承知できない。
「これもお家のためではござらぬか。秀忠様と秀康様で、家中が二つに割れてしまったら、徳川が滅んでしまうと思います」
 茶阿局が続いた。お江が正信に顔を寄せてくる。
「秀康を殺してくれぬか?」
 正信は半ば強引に、頷かされた。


 清州城の福島正則も、掛川城の山内一豊も降伏した。東海道を下る十二万の大軍は、戦うことなく駿河国に入った。駿河を超えれば、相模と伊豆、徳川領になる。
 興国寺城の広間で軍議が行われた。もう明日にでも徳川領に進軍できる最前線の城だ。徳川領に入ってから、どのように進軍するか決定する軍議になる。広間に諸大名が集められる。
「さて、敵方であるが、山中城の兵はよく分かりませんが、韮山と下田の各城に兵は五百程度と報告を受けています。そして小田原に七万以上の軍が集結しているようです」
 三成は集めた情報を報告した。小田原に七万と聞いて、諸大名の顔が少し強張っているのも分かる。もし仮に敵が小田原城に七万の大軍で籠られたら、それだけで厄介だと、三成も思っていたからだ。
「それで治部少輔殿。他のお味方の状況は?」
 上座に座っている宇喜多秀家が質問した。三成は秀家に身体を向ける。
「はい。東山道を行く毛利軍は上田原を通り、真田殿と合流して、間もなく上野国への侵攻に入る模様。それとわが軍の侵攻を見届けて、手はずどおり、山形に進軍している伊達殿が最上の山形城を攻め、同時に上杉殿、佐竹殿、里見殿が関東に攻め込む予定でございます」
 三成はわざと得意げに声を張らせて報告した。軍議の末席に座る、福島正則や黒田長政などに変な気を起こさせないためだ。彼らのところに徳川方から、再び内応の誘いが来ているのは間違いない。三成の位置から長政の顔は見えなかったが、正則は苦虫を噛み潰したような表情をしていた。
「それで、小田原城の陣容は?」
 この秀家の質問に答えるのは、三成の家老、島左近だ。
「はい。大将は結城秀康でございます。その他、本多忠勝、井伊直政、本多正信、酒井家次、大久保忠隣などが加わっているようでございます」
 場にざわめきが起きた。その陣立ては、ほぼ徳川の主力が集結しているからだ。これでは徳川領内に入った途端に、かなり厳しい戦いになる。
 その後、長束正家から兵糧の調達の様子が報告された。彼は十年前の小田原の役の時も、秀吉から兵糧の調達を命じられて、その任務を見事に達成している。その経験を活かして、今回も兵糧の調達には問題がないようだ。仮に敵が籠城しても補給されるぶんと合わせると、一年くらいは持ちこたえられるだけの兵糧米が用意できると言う。大量の兵糧米の輸送に関しては問題点が残るものの、さすが正家である。三成は心の中で、五奉行の同僚を称(たた)えた。
 秀家は満足そうに頷いた。そして一同を見回す。
「それでは今後、わが軍はどのように江戸まで進軍していくのか、皆の意見を聞きたい。忌憚(きたん)なく思うところを述べてほしい」
「そのまま小田原を目指してはどうか。小田原を攻めると見せかけて、素通りして、江戸を目指せば、敵も慌てて城から出てくるだろう。そこを叩く」
 口火を切ったのは福島正則である。正則の意見にすぐ左近が反論した。
「小田原へは、どうしても箱根の山を越えなければならぬ。敵が小田原に籠城してくれたらまだしも、箱根峠と山中城に出てこられたら、こちらは地の利がないうえ、かなり不利な戦いになろう」
 左近の言うことは、三成にも理解できた。箱根峠は小田原に進軍するのに、どうしても越えなければならない峠だ。それに堅固な山中城もある。そこに敵が陣を張れば、味方が不利になる。野戦では標高の高い所に陣を張った方が、有利なのだ。そのうえ街道は山中城の下を通っている。味方の十二万に対し敵は七万であるが、それくらいの数的優位は山中城から攻撃されると無くなってしまう。
 そんな左近の言葉に、正則は目を剥(む)いた。
「敵が城から打って出てきたら、叩き潰すまで。数的にはこちらの方がずっと有利。それに城に籠る兵も減らせるから、良いことではないか」
 正則は興奮気味に突っ掛かる感じだ。三成と犬猿の仲であるだけでなく、左近が三成の家臣というだけで敵視している。彼にとって、徳川よりも三成の方がずっと憎い敵なのだ。
「福島殿。これは左近殿の申すとおりだ。数の上では我が方が有利でも、峠や山中城に布陣されては地の利は敵の方が断然有利。味方が大損害を被るだけでなく、敗走させられてしまうかもしれぬ」
 助け舟を出したのは、黒田長政だ。正則に比べると、長政は思慮深い。彼の父親である如水は、秀吉の参謀で優れた調略能力を持っていたが、秀吉も恐れたほどの武将であるため、与えられた禄も十万石程度と少なかったと言われている。如水を大国の主にしてしまい、謀反を起こされるのが怖かったからだと言う。そんな如水の息子であるから、長政も名将である。
 そんな長政に諭されて、正則は不貞腐れた顔になって、そっぽを向いた。
「ここはまず伊豆の韮山城を落としておくのはいかがであろうか」小西行長が発言をした。行長はさらに続ける。「韮山は伊豆の中心ながら、守る兵はわずか五百。落とすのも容易いと存ずる。それに物資の輸送拠点にもなると存ずる。まずは韮山を落とし、兵を韮山とこの興国寺、二つに分ける。敵が箱根を越して来たら、韮山と興国寺の二手から挟み撃ちにできると存ずる」
 行長の提案は、なかなか見事だと三成は思った。正則の直接江戸を狙う作戦より、ずっと現実的だ。韮山なら箱根から下ってくる敵に攻められずに攻撃できる。それに味方の補給路として確保しておきたい城だ。
「小西殿の作戦はなかなか的を射ていますな。韮山を落としたら、しばらく様子を見たほうが良いと思っておる」
 島津義弘が続いた。その義弘に秀家は顔を向ける。
「なぜ、動かない方が良いのですか?」
「おそらく敵は、この部隊が一番の弱点だと見ていることでしょう。だから内通の誘いも、わしのところにも来ている。徳川が勝ったら薩摩と大隅を安堵し、新たに日向を加えるという条件だ」
 聞いて三成は驚いた。義弘に裏切るよう、敵の手が回っているのだ。その義弘は正則たちの座る方を睨みつけた。正則は顔を背けるのが見えた。きっと彼のところにも来ているのだろう。
「弱点と見ているから、兵を東海道に集中させていると思われる。それに我らがいちばん関東に近い所まで進軍している。我らが韮山を落として、そこで東山道の味方が上野に侵出すれば、伊達も最上を攻めるだろう。そうなれば、上杉・佐竹・里見も動く。このように多方面から攻められ、我らが伊豆から動かなければ、敵も焦るであろう。何しろ江戸の守りが手薄だ。兵を江戸に退くかもしれぬ。そこまで待っても良かろう。最初に関東へ攻め込んでしまっては、内応の誘いのあった我らがどのような動きをするか、分かりませぬからな」
 と義弘は不敵な笑みを浮かべた。その笑みに三成は身震いを覚えた。
「どのような動きをするか分からぬというのは、どのような意味か?」
 秀家が引き攣った顔を義弘に向けた。義弘は不敵な笑みを止めない。
「そもそもわしもそうだが、こちらに付いた方がお家存続のためになると思って、従軍している者もおる。それは東山道を行く毛利の家中にもおる。そもそも輝元殿がそうであろう。伊達もしかり。もし我らが焦って相模に進軍して敵の術中にはまってしまえば、味方は総崩れになるかもしれない。ここは機が熟するのを待つのも肝要かと存ずる。それに徳川にも我らの内応に応じている者もおるだろう。な、左近殿」
「はい。おります」と左近は答えた。さすが老巧な義弘だと、三成は心の中で唸った。
「その徳川の家臣も、徳川が有利に戦っておれば、決して裏切るまい。これは我らとて、同じことぞ」
「しかし我らが動かなければ、毛利殿も伊達殿も動かぬのではないのか?」
 行長が義弘に食って掛かるように尋ねた。義弘は薄く笑う。
「我らが韮山に攻め込んだら、真っ先に動いたことになる。決して、動かぬわけではない」


「秀康様。敵の一部は興国寺から韮山に進軍しています」
 報告を受けて結城秀康は、してやったりの笑顔になった。側に控えているお梶も微笑みを作る。
「全軍に出陣の下知ぞ。箱根峠と山中城まで進軍する!」
 秀康の言葉で集まっていた武将が、三々五々と広間から出て行った。残ったのはお梶と大久保忠隣と本多正信だ。
「それで韮山を攻める敵の背後を突きますか?」
 お梶の提案に、秀康は「う~ん」と唸った。
「とりあえず箱根峠と山中城だな。あそこは興国寺からでも韮山からでも、関東に入るには必ず通らなければならぬ峠だ。韮山を無理に攻めて、興国寺から登ってこられたら、敵に小田原を突かれるばかりか、峠に陣を敷かれたら、こちらが不利になるのは必定。ここは様子見だ」
「ならば、興国寺を攻めてはいかがでしょうか? 興国寺ならそれほど城も堅固でないはずです」
 忠隣の進言に、秀康は首を傾げた。
「興国寺にどれだけの敵が残っているのか、まだ分からぬ。それに韮山と興国寺で挟み撃ちにされるかもしれぬ。状況が分かってから決めるが、夜襲を仕掛けるのは面白そうだ」
 秀康は不敵な笑みを浮かべる。お梶も笑みを作った。
「そうですね。兵の数ではこちらの方が不利。あわよくば宇喜多秀家の首を狙えるかもしれませぬ。では、私もこれにて」
 お梶は頭を下げて、秀康の前を辞した。正信も続こうかと思ったら、秀康に呼び止められた。
「正信と忠隣。二人に聞きたいことがある」
 秀康の顔を見ると、先ほどのまでの笑みが消えていた。後ろめたいことを抱えている正信は、背筋に冷たいものが走る。正信も忠隣も、秀忠の側近の立場だ。
「何でございましょうか?」
 正信は冷静を装い、座り直して尋ねた。正信の横で忠隣も同じように控えている。
「うむ。若殿の近くで、わしに関して良からぬ噂があると聞いておる。それは真(まこと)か?」
 秀康は核心をついてきた。正信はたじろぎそうになる。
「良からぬ噂とは何でございましょうか?」
 正信は尋ねた。少し声が震えていたかもしれない。
「わしを亡き者にしようということだ」秀康は真顔で言った。「若殿にわしのような兄がおっては、この大変な時に、徳川の家中が二つに割れてしまう。だから一つにまとめるためにも、わしを亡き者にしようという動きがあると聞いている」
 秀康の言うことは的を射ている。射ているだけに正信は言葉が出てこない。言ってしまうと、出所がお江ということを暴露しないといけなくなる。もしかしたら、忠隣もそうなのかもしれない。
「そんなことは、それがしは噂にも聞いたことがございませぬ」
 ようやく正信は答えた。それを見て秀康は薄く笑った。
「まあ、無理しなくても良い。もしその方らが、わしがいなければ家中がまとまると考えるのであれば、隙を見てわしの命を狙うが良い。その時は、返り討ちにいたそう」
 正信は思わず、身体が震えた。小田原に着いてから隙を伺っていたのは事実だからだ。
「でも一つだけ、その方らに伝えておこう。わしは徳川のため、そして若殿のため、これからも身を尽くしていく所存だ」


「申し上げます。東山道を下る毛利軍が関東に入り、吉井城と小幡城を囲んでおります」
「申し上げます。東海道を下る宇喜多軍が伊豆の韮山城を落としました」
 東海道と東山道を下る豊臣軍は、次々に攻撃を開始していて、上杉景勝の顔は自然に綻んだ。韮山が落ちたので伊豆は豊臣方になり、吉井城・小幡城のあと高崎城も落ちれば上野も豊臣方になる。後は上杉が宇都宮に攻め込んで蒲生を倒し、佐竹が下総に、里見が上総に攻め込めば、徳川は袋の鼠だ。
「兼続。これは関東から徳川を追い出す、またとない好機だ。早いところ我らも、下野に進軍したいものだ」
「殿。焦ってはなりませぬ。伊達の動きを見てからでも遅くはありませぬ」
「分かっておる。早く政宗が、最上を踏み潰してくれないだろうか」
上杉は動けない。それは景勝も分かっている。山形付近まで進軍してきている伊達が、動かないからだ。上杉が動けば、最上と一緒になって会津を攻め、さらに関東に攻め込んだ上杉の背後を突く可能性がある。
 景勝はぶっきら棒に、茶を啜った。とにかく早く関東に進軍したい。進軍して関東から徳川を追い出して、正統な関東管領上杉家として、関東に君臨したいのだ。その日がもうすぐやってくる……義父の謙信でもできなかった偉業を達成する日が……
 二人のいる広間に、近習がやってきた。
「申し上げます。伊達政宗殿が山形城を囲み、攻め始めました!」
 報告を聞いて、兼続が頷いた。景勝は満面の笑みを浮かべる。
「よし。下野に攻め込むぞ! 出陣じゃ!」
 
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