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1章 学園
6話 真実
しおりを挟む3人の姿が消えると、俺は地面に腰をどっかりと下ろす。
「はぁ。緊張したし疲れたなぁ。そういえば、魂のお母さんの名前を聞いてないな」
俺のお母さんはいたが既に他界している。それでもお母さんはお母さんなので、あの人を同じにするのはお母さんにもあの人にも失礼だと思う。名前を聞くまではそう呼ぼう。
「そういえば魔法が使えるって言ってたな。
………回復魔法でこの疲れを取れないかな」
俺はさっきの感覚通りに魔法を発動する。しかし、発動はしなかった。
「なんでだ?さっきと同じようにやったんだが………。結果のイメージが足りないのかな」
俺がさっき使った魔法は体を巡る力を使って発動した。それは今も同じだ。違うとしたらイメージが足りないだけ。そこのところはラノベと同じなんだね。
「俺の体の疲労が全て取れて、治っている状態……………いっそ、体の状態をリセットにするか」
そうやって難しく考えないで、簡単に考えた方がいいのでは?と考えた。
「初めは念の為魔法名も【リセット】」
俺は体の状態がゼロになるようにしっかりイメージして、 魔法を使う。
結果はすぐに現れた。一瞬にしてさっきまでのだるさが消えていたのだ。
「これは凄いな。魔法って物凄く便利だ。地球でもこれが使えていれば、生活の中でも便利だっただろうに………神達の考えることは分からんな」
そうこうしていると3人が戻ってきた。
「ただいま。海翔、この人達があやまりたいって」
「さっきは本当にすまなかった。まさか神帝様の御子だとは知らず」
「違うよ!ボクが怒ってるのはそのことじゃないでしょ!」
「は、はい。我々の不祥事に海翔様達を巻き込んでしまい。申し訳ありません」
そう言って2人は頭を下げる。流石にこう反省されちゃ、怒るに怒れないなぁ。
「怒ってないって言ったら嘘になるけど、取り敢えずは許すよ」
「だって。海翔の優しさに感謝してね」
そう言うと2人がまたもや頭を下げてくる。
「てか、神帝だったんだね。俺も神帝様って呼んだ方がいいかな?俺も神様ならそういうところもケジメつけた方がいいよね?」
「ダメだよ?そんなこと許さないよ?海翔がそんなこと言い出したらボク泣いちゃうよ?」
「ならなんて呼べばいいんだ?」
「ボクに名前はないよ。だから海翔がつけてくれると嬉しいな」
「うーん…………ヘラってのはどうかな?俺がやってるゲームで神王妃の扱いだからピッタリだと思うんだけど」
「ヘラ…………いい名前だね。うん、ボクの名前はヘラだ。この名前は海翔以外は呼んじゃダメ。呼んだら即刻消すからね」
言われた2人はコクコクと頭を高速で振っている。
「それでヘラは俺たちを元の場所に戻せるの?」
「ごめんね。それはボクでもダメなんだ。そんなことしたら世界が壊れちゃう。1回の無茶で、既に世界に亀裂が走ってるのに、また動かすと、世界同士がバラバラになっちゃう」
「そっか………ならしょうがないね」
流石に世界を壊してまで帰ろうとは思わない。それにそんなことしたら本末転倒だ。
「はっ!そうだヘラ!早く俺を戻してくれ!このままだと未来が豚に犯される」
「その心配はないよ。ここにいる間下界の時間は止まってるから」
「なら安心だよ。それで、これからどうすればいの?」
「海翔のやることは無いよ。邪神くらいボクが消滅させてくるから」
勇者が呼ばれた理由は邪神が出たからなんだ………天上先輩も大変な事だ。
「ヘラ、それは待って。邪神を倒すために俺たちが呼ばれたなら、それをヘラが倒したら、俺たちを助ける理由ななくなる。だから邪神は勇者に任せるか、俺たちが保護された後にしてくれないかな。かなり自分勝手なこと言ってるのは分かってるんだけど…………」
「そんなことないよ!ボクは海翔がそんな天才なこと言ってくれて嬉しいよ!反抗期なのかもしれないけど、ちゃんも理由もセットだから納得だよ!本当によく育ったね」
そう言って俺より小さいヘラに頭をなでなでされる。
正直、変な気分だ。
「ありがとう、でも今の俺ならともかく、他の子じゃオークに対抗できなくない?」
「大丈夫。レベルを1でも上げれば、この世界と触れ合ったことになるから、この神界じゃなくてボク達が創る別空間に招待できるよ。レベルを上げるなら普通のオークを1匹倒せば十分だからね」
「なるほどな。レベルを上げないとダメなのか。かなりきついな」
「でも大丈夫だよ。海翔は邪神より強いから。その強さを生かす方法も既に学んでるでしょ?優しくて、カッコよくて、強かったら女の子にモテモテだね。お嫁さんは絶対に連れて来てね」
「ああ、分かったよ。てか、ここに連れてきても意味無くないか?」
「ここで肉体の適応化をするんだ。それと同時にこの世界にあるゲームのようなメニューでステータスを与える。そうすれば生きていけるでしょ」
「まぁ、うん。でも、それだとイキって死ぬやつらが多発しそうだな」
「そんなことになったら無視すればいいのよ。足でまといはいらない。そう習ってたでしょ?」
「………本当にヘラはよく聞いてるね」
皮肉を込めて言ったつもりだが、ヘラはそれすらも気づいて笑っている。
「これからは海翔次第。海翔にステータスはない。それは簡単で神だから。海翔の力は既にボクと同等。だから気にしないで存分に楽しんできてね。でも選択ミスで一生後悔するようなことはしないで。そんなことしてる海翔を見ているのが、お母さんにとっていちばん辛いことだから」
「……………ほんとうにヘラは俺のお母さんなんだな。他界したお母さんも同じことを言ってたよ。その時はなんとも思わなかったけど、今言われると、すごく心にくるのはなんでかなぁ」
俺は視界がぼやけてきた。それがなんでかは考えたくもない。
「海翔、泣きたい時は泣きなさい。気にしないでいいよ。子を支えるのが親の仕事だから」
俺はヘラに抱きついて胸の中で思う存分泣いた。ヘラの柔らかい胸の感触を楽しめるチャンスだったが、そんなことに頭にもなかった
しばらくして俺は泣きやみ、今はちょっとだけ恥ずかしい。それもヘラからしたら息子が甘えてくれて嬉しいようで。
「あ、ヘラは神にステータスはないって言ったけど、これからみんなとピンチを切り抜けるけど、その時にステータスがないとすごく怪しまれないか?」
「それもそうだね」
「だから俺専用のステータスは作れないかな?無理なら創造神にでも頼めばいいし」
俺が名指しで言うと少しだけピクっと反応した。俺が泣いてる間も直立の姿勢が崩さず、見てても笑ってなかった。
「それなら自分で作れるよ。海翔も神帝ではないから、神帝固有の力は使えないけど、それ以下の神の力なら使えるよ」
「そうなのか。それって魔法と同じ要領でいいのか?」
「うん、そうだね」
ならばと思い、自分でステータスの構成を考える。体力と魔力は必須。そして攻撃力や防御力便乗力は当然として、後は魔法の威力の魔攻力、魔防力。後は、運でも上げられるようにしとくか。それとスキルだな。魔法もスキル扱いにして、その上のユニークスキルと更に上のゴッドスキルと。そして後は個人情報だな。それを入れずしてステータスとは言えん
俺はイメージを完全にして、俺はそれを創り出す。
「【メニュー】」
そして俺の目の前に現れるのは俺のステータス。さぁて、俺のステータスを拝見っと。
【名前】中川海翔(木村海翔)
【年齢】16
【職業】神王
【状態】健康
【レベル】1
【能力値】
体力∞³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³
魔力∞³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³
攻撃力∞³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³
防御力∞³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³
便乗力∞³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³
魔攻力∞³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³
魔防力∞³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³
運∞³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³³
【スキル】
なし
【ユニークスキル】
なし
【ゴッドスキル】
神王
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