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1章 学園

4話 力

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クソっ、腕どころか指先ひとつも動かせねぇ。このままだとなぶり殺される。自分ではそう理解していても動くことが出来ない。

俺はどこで間違ったんだ。神に喧嘩を売った自分の度胸か?それとも神を超える才能を持ったやつと同じ学校にいた事か?

どちらにせよ、現状は変わらない。ここの時間がどれくらいの速さで進んでいるか分からないが、一刻も早く逃れる方法を考えなくては。

でも俺が自力でここから脱出することは不可能。目の前の2人、いや1人をぶっ飛ばしてからじゃないとダメだ。

クソっ、俺に……俺に力があれば。こんな奴らの前で這い蹲る必要もない。理不尽な目に会う必要も無い。

力だ!力がないから俺はこうなったんだ!力、力、力!目の前のこいつを倒せる力が欲しいっ!

俺は生まれて初めて何かを欲した。それが抽象的な力というのは何の因果かは分からないが、神の前だった

『力が欲しいの?』

その時だった。俺の頭に直接響く声。目の奴らが察してる雰囲気ではない。でも、俺の頭に直接響いている。

『ねぇ、力が欲しいの?』

力?ああ、欲しいね。目の前よこいつらに抵抗できるくらいのとびきりの力がね。これまで天才とかもてはやされて自惚れてた自分が、まさか打ち負かされた結果、こんな嘘くさい話に乗るとはな。

『嘘くさくないよ。本当のことだもん。それにしても………やりすぎだねぇ。後で説教かな』

説教?何の話だ?

『いやいや、気にしなくていいよ。それよりも力が欲しいんだね。ならボクの力を貸してあげるよ。それだけで勝てるはずさ』

そして俺は未知の力に支配された。しかしその力は俺の制御下にあった。そして俺はゆっくりと立ち上がった。体が痛むと思ったが、そんなことは全く感じずにまるで体全体の傷がリセットされたようだった。

「ほう、ようやくか」

目の前のクソ神が何故か感心したように言う。俺はお前を倒して元の世界に未来と帰る。お前は絶対に許さない。

「『フィールドオブゴッド』」

俺は魔法を使う。今まで使ったことは無かったが、唐突に使えるような気がした。

そして俺はゆっくりと呟いた。

「『這い蹲れ』」

そういうと2人はさっきまでの対応が嘘のように俺に向かって頭を地面に擦りつけている。2人の顔は見えないが、相当驚いているだろう。

これは魔法の究極形態と呼べる代物だ。名前はパッと考えたのを使ったが、直訳で神の領域みたいな意味だ。

ここでは俺が神。すなわち俺の言うことは絶対だ。だから2人は神なのに人間である俺の言うことを聞いた。ただそれだけの事だ
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