異世界傭兵物語~物理と魔法を極めた最強の魔族になりました。仲間と楽しく冒険したり、領地経営もしちゃいます!~

黒鯛の刺身♪

文字の大きさ
73 / 73

第七十三話……最後の戦い【後編】 ……そして。

しおりを挟む
『……力弱き者よ! 今一度、立ち上がらぬか?』



 頭の中に、どこからか念話が入って来る。





『……我を再生させしものよ! その恩に報い、立ち上がる力をくれてやろうと思う。立ち上がるか否か?』



 ……立ち上がりたいが、今のままでは勝てません。





『相手は邪神の力を手にしておる。戦いを公平に期すため、お前には古代黄金竜の力を与えてやろう!』



 …………。

 ……。





『愛すべき仲間を危険から遠ざけ、一人で戦った勇気を、我は祝福せん!』



 …………。

 ……。



『……すべからく、古代黄金竜の力を与えよう!』







☆★☆★☆



「なんだ貴様!?」



 目を覚ますと、ラムザが驚いていた。





「……!?」



 驚くべきことに、私の傷は塞がり、魔力も充実していた。

 さらに言えば、私の体には見たこともない黄金色のオーラが纏われている。





「奇妙な術を使いおって! 今度こそ死ね!」



 ラムザがレイピアを構えて突っ込んでくる。



 ……!?



 ……突っ込んでくるのが見えるぞ。





「何だと!?」



 私はラムザの動きを見切り、レイピアの切っ先を躱した。





「まぐれは続かんぞ! オルァ!」



 ラムザが何度も斬りかかるが、それを全て見切ることができた。





――カキィン



 さらに、愛剣でラムザのレイピアを叩き落とす。





「……ば、馬鹿な。この邪神の力を得た俺様の攻撃が見切られるなど!?」



 ラムザは明らかに狼狽していた。





「くそう!」



 ラムザは後ろにステップすると、魔法を詠唱してきた。





「古の邪悪の源よ、今こそ顕現されたし! デス・フレア!」



「!?」



 暗黒エネルギーの大魔法が私に叩きつけられる。





――ドォォォン



 大爆発を起こすが、黄金のオーラに護られた私は傷一つない。





「メテオ・ストーム!」



 続いて、多数の隕石が降ってくる大魔法を食らうが、私の周りのオーラはそのすべてを打ち消した。





「……ば、馬鹿な! ありえない!」



 どうやら、私は膨大な力を貰って、蘇生されたらしい。



 今まで捉えられないほど速かったラムザの動きは、まるでスローモーションにも思えるほど的確に把握できていた。





「でやぁ!」



 ラムザに飛び掛かり、彼の右肩をあたりめがけて斬りかかる。



――ザシュ



 暗黒オーラのバリアを貫通し、ラムザの胴体から血しぶきが上がった。





「……ああ、死ぬ。助けてくれ! なんでもする!」



 凄まじい魔力を含有するラムザは、噴水のように血が出ていても動き、そして私に命乞いをしてきた。

 死にそうな気配はないのだが、きっと私に勝てないと悟ったのだ。



 彼の顔には絶望の色がにじみ出ていた。





 ……どうするか?

 このまま生かしたまま、氷雪の巫女の元へ連れて行こうか。



 等と考えていると、





「馬鹿め! 死ねや!」



 ラムザは突如、隠し持っていたショートソードで、私の首めがけて斬りつけてきた。





――ヂン



 黄金色に輝くオーラが、ラムザの一撃を難なく弾く。





「……お、御助けを!」



 ラムザは急いで地面に這いつくばり、命乞いをしてきた。





「嫌だ!」



 私は容赦することなく、ラムザを灰に変えることにした。

 塵一つ残らぬ高温の魔法の大瀑布によって……。





「ふぅ……、終わったのかな?」



 ……上を見上げると、空高くに、古代竜の姿が小さく見えた気がした。







☆★☆★☆



――その後。



 氷雪の巫女の元へと、エドワードを送り届けた。



 ……そして、すぐに寒波は去った。





 その結果。

 パウルス王国から、膨大な額のご褒美が貰えた。



 私も騎士に叙任され、『竜騎士』の称号を贈られた。

 あまりの報酬の多さに、久しぶりにマリーの眼が『$』模様になっていた。







――古城にて。



「ガウ・ベルンシュタイン殿! 魔族会議は其方を魔王として称えます!」



「有難き幸せ!」



 ラムザを失ったズン王家は、直ちに事の収集を図るべく、魔王の位を返上した。

 それが、廻り廻って私の元へと来たということだ。





「これが魔王の証、魔剣シュバルツシュルトでございます!」



 ……これが時間を止められる唯一の武器。

 きっと、これによって、ベリアルは死んだのだろう。





「魔王万歳! ベルンシュタイン様、万歳!」

「万歳! 万歳!」



 古城のバルコニーから外を見れば、幾多の魔族や人間たちが、私の魔王就任を祝ってくれていた。







☆★☆★☆



――豪華な晩餐の後。



 古城の裏庭に人気は少ない。





「本当に行かれるのですか?」



「ああ」



 名残を惜しむバルガス達に返事をする。

 私の古城や町や領土は、バルガス達にあげることにした。



 ……私は力を持ちすぎたのだ。

 この世界にいたとしても、禍にしかならないだろう。





 私はマリーを抱え、ドラゴの背中に乗る。



 そのドラゴは小さな羽が生え始めていた。

 そのうち空も飛べるようになるだろう……。





「……では、みんな元気でね!」



 私はドラゴを駆り、シャルンホルスト台地に別れを告げたのだった。







☆★☆★☆



 その後のガウ・ベルンシュタインは、シャルンホルスト台地の外の新たな土地に6つの王国を建国。

 魔族と人類に絶大なる繁栄の礎を築いた。



 そして、その後はマリーとの間にできた6人の子供に統治を任せて引退。

 山の中に小さな小屋を建て、そこで余生を過ごしたと言われる。



 ……ちなみに、彼の伴侶は終生マリーだけだったそうな。





「ガウ、今晩のご飯はシチューよ!」



「わ~い!」









(おわり)









しおりを挟む
感想 4

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(4件)

藤乙
2021.05.15 藤乙

…説明もせずに理解してくれないと文句を言うだけ言ってイキナリ相手が悪いと言い出して殺害に及ぼうとする…普通に和解の余地が無いと思いますけど、コレってどうにか和解する努力をする意味ってあるのだろうか?と感じるレベル

でも、やらないと領民たちが飢え死ぬか凍え死ぬかの二択しか残っていない現状、どうにかして和解しないといけない……やるしか無いとはいえ厳しいですよねぇ

解除
藤乙
2021.05.11 藤乙

輸送の邪魔した結果、自領での岩塩採掘に成功。結果的に潤う事になりいらん事をした商人の狙いは頓挫した
更に盗賊をけしかけたのか自分の所の私兵を使ったかは不明ですが、いらん事をした商人の噂を流しておけばダブルパンチを与えられそうですねw

解除
藤乙
2021.05.08 藤乙

第六十二話より
>シャルンホルスト台地のほぼ全土が【氷】に覆われ、
雪…雪と氷だと砂と岩程度には別物なので、ここは雪の方が良いかと感じます



しかし食糧難による打ち壊し、一揆、反乱ですか………飢饉の時のための食糧保存を怠ったんだろうなぁ人間達は。あいつらバカばっかりだからなぁ(苦笑)

ラムザはこうなる事を見越してベリアルを殺したのか、それとも知らずにやらかしたのか…どっちだろう? どちらでもありそうな微妙なポジションにいるからよく分からないな

解除

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。