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【第四章】さらば地球、遥かなる銀河へ
第百四十三話……猪突猛進!? 旗艦ハンニバル!!
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(……リヴァイアサン要塞指令室)
「Xポイントに侵入する艦船があります!」
「何者だ?」
この要塞の司令官、リーゼンフェルト提督が驚く。
Xポイントは、彼らの主星アルバトロスに通じる道だったのだ。
……しかし、逆に言えば最も防備が厚い部分でもあった。
「識別照合、装甲戦艦ハンニバルです!」
「……うはは、トチ狂ったかヴェロヴェマの奴。この要塞を落とさずして、背後に行けると思うなよ!」
リーゼンフェルト提督は笑った。
リヴァイアサン要塞の周りの宙域は、いわゆる険しい隘路になっており、速度を保ったまま安全に進むのは難しかったのだ……。
速度を落としたところを、要塞砲に狙われるのである。
「軌道要塞砲移動! ハンニバルを仕留めろ!」
「はっ!」
「敵の総司令官が、わざわざ死地に出向いてくれるとはな。ワシにも運が巡ってきたか?」
……そうリーゼンフェルトはほくそ笑んだ。
☆★☆★☆
(パウリーネ側、諸侯艦隊)
「総司令官殿の艦艇が、敵要塞側面に肉薄していきます!」
「おおう?」
各指揮官は色めきだった。
この要塞を落としても、結局のところ総司令官のヴェロヴェマ元帥の功績となる。
……しかし、ヴェロヴェマ元帥が戦死してしまえば?
各指揮官のいずれもが、勲功第一となる可能性が出たのだ……。
「要塞奪取の栄誉は、我がラムスール星系艦隊ぞ!」
「いやいや、その栄誉は我がパトルシア星系艦隊が頂く!」
パウリーネ派の諸侯艦隊は、次々と要塞に突撃していく。
それに対して、要塞側から多数の砲火が浴びせられる。
「駆逐艦パラミス撃沈!」
「巡洋艦アラドミア大破!」
「被害にかまうな! 全艦突撃!」
「他星系艦隊に負けるな! ツッコめ!」
いままで、他の星系の艦隊の動向を見て、あまり積極的に要塞を攻撃しなかった艦隊が、一斉に要塞に総攻撃を掛けた。
しかも、被害を顧みない大攻勢だった……。
☆★☆★☆
「敵ミサイル艦撃沈!」
「敵、揚陸艦中破!」
「尚も、敵が前進してきます!」
「なぜだ!? 敵は何故こうも士気が上がったのだ!?」
「第二防衛ライン突破されます!」
「戦略予備の要撃機を全部出せ!」
「了解!」
「第二滑走路へ、第六要撃部隊発艦せよ!」
「尚も敵艦載機、突っ込んできます!」
「くそう、奴等は死が怖くないのか??」
要塞司令官であるリーゼンフェルト提督は焦っていた。
流石に、600隻を超える艦艇に、被害を恐れず突っ込まれては如何なる要塞も苦戦は必至だったのだ。
「第二防御区画に被弾! 火災発生!」
「第六軌道要塞砲被弾! 砲撃不可能!」
「第三防御スクリーン装置中破! 応急班急行中!」
「第八航空ハッチ被弾! 弾薬庫誘爆!」
……ついに強大な要塞の防御シールドまで貫かれ、要塞自体に次ぎ次に被弾。
攻防の様相は、激烈な戦いへと変化していった。
☆★☆★☆
(……ハンニバル司令艦橋)
「左舷から軌道要塞砲の射撃を確認!」
「着弾来ます!」
――ドォォォン
「左舷被弾!」
「第七装甲区画大破!」
「同区画に火災確認!」
「消火班急げ!」
私はかなり焦っていた。
こちらの被害を鑑みず、敵の急所を窺うという作戦が、こうも辛いとは、思いもしなかったのだ……。
「反撃だ! 要塞砲を叩き潰せ!」
「了解ポコ!」
「大口径レーザー斉射ポコ!」
「艦載機発艦せよ!」
……相手は大要塞である。
ハンニバルが如何に強かろうと、相手が悪かったのだ。
レーザーの束は、大要塞のシールドによって霧散させられていた。
……しかし、
「提督! あれをごらんください!」
副官殿に言われ、視線を要塞に向ける。
「!?」
軌道要塞砲がこちら側から去り、味方の多数が攻め寄せる方向へと応援に行ったのだ。
敵艦載機群や対艦ミサイル砲台も、次々に同じ動きを見せた。
……策がハマったのだ。
きっと味方が動いてくれたのだ。
……動いてくれたというのは、多分不純な動機からで、素直には喜べない部分はあったかもだけれど……。
【邪眼からの通知】……統率がAランクに上昇しました。
……あはは、囮でも統率したウチなのかな? (;’∀’)
☆★☆★☆
「敵砲火激減します!」
「よし、さらに敵要塞の後ろ側へ回り込め、味方を支援するのだ!」
「了解!」
ハンニバルは味方からの距離をさらに広げ、敵要塞の後方部へと回り込み、陽動作戦を展開した。
要塞後方部は、工廠施設や艦載機の飛行場や格納庫が多数設置されていた。
「敵の弱点だ! 攻撃隊を全機発艦させろ!」
「私もケルベロスで出る! クリームヒルト准将! 後の指揮は任せる!」
「了解いたしましたわ!」
私は幕僚たちに敬礼し、艦橋を退出。
格納庫に急ぎ、重装雷撃機であるケルベロスに乗り込んだ。
「スタンバイOK!」
「管制へオールグリーン!」
「ケルベロスへ! 電磁カタパルトで射出する、加速に備えろ!」
「了解!」
――ドウッ
私と愛機は、電磁カタパルトに勢いよく射出される。
飛び出したところには、既に敵の対空火砲が勢いよく上がっていた。
バレルロールを行い回避に努める。
「ハンニバルへ、こちらケルベロス、支援砲撃を求む!」
「了解ポコ!」
ハンニバルの副砲が、ケルベロスの送ったデータ通りの位置に正確に射撃する。
ハンニバルの猛烈な砲撃を受け、次々に敵対空砲が吹き飛ぶ。
……これぞハンニバル名物、観測精密射撃だった。
「Xポイントに侵入する艦船があります!」
「何者だ?」
この要塞の司令官、リーゼンフェルト提督が驚く。
Xポイントは、彼らの主星アルバトロスに通じる道だったのだ。
……しかし、逆に言えば最も防備が厚い部分でもあった。
「識別照合、装甲戦艦ハンニバルです!」
「……うはは、トチ狂ったかヴェロヴェマの奴。この要塞を落とさずして、背後に行けると思うなよ!」
リーゼンフェルト提督は笑った。
リヴァイアサン要塞の周りの宙域は、いわゆる険しい隘路になっており、速度を保ったまま安全に進むのは難しかったのだ……。
速度を落としたところを、要塞砲に狙われるのである。
「軌道要塞砲移動! ハンニバルを仕留めろ!」
「はっ!」
「敵の総司令官が、わざわざ死地に出向いてくれるとはな。ワシにも運が巡ってきたか?」
……そうリーゼンフェルトはほくそ笑んだ。
☆★☆★☆
(パウリーネ側、諸侯艦隊)
「総司令官殿の艦艇が、敵要塞側面に肉薄していきます!」
「おおう?」
各指揮官は色めきだった。
この要塞を落としても、結局のところ総司令官のヴェロヴェマ元帥の功績となる。
……しかし、ヴェロヴェマ元帥が戦死してしまえば?
各指揮官のいずれもが、勲功第一となる可能性が出たのだ……。
「要塞奪取の栄誉は、我がラムスール星系艦隊ぞ!」
「いやいや、その栄誉は我がパトルシア星系艦隊が頂く!」
パウリーネ派の諸侯艦隊は、次々と要塞に突撃していく。
それに対して、要塞側から多数の砲火が浴びせられる。
「駆逐艦パラミス撃沈!」
「巡洋艦アラドミア大破!」
「被害にかまうな! 全艦突撃!」
「他星系艦隊に負けるな! ツッコめ!」
いままで、他の星系の艦隊の動向を見て、あまり積極的に要塞を攻撃しなかった艦隊が、一斉に要塞に総攻撃を掛けた。
しかも、被害を顧みない大攻勢だった……。
☆★☆★☆
「敵ミサイル艦撃沈!」
「敵、揚陸艦中破!」
「尚も、敵が前進してきます!」
「なぜだ!? 敵は何故こうも士気が上がったのだ!?」
「第二防衛ライン突破されます!」
「戦略予備の要撃機を全部出せ!」
「了解!」
「第二滑走路へ、第六要撃部隊発艦せよ!」
「尚も敵艦載機、突っ込んできます!」
「くそう、奴等は死が怖くないのか??」
要塞司令官であるリーゼンフェルト提督は焦っていた。
流石に、600隻を超える艦艇に、被害を恐れず突っ込まれては如何なる要塞も苦戦は必至だったのだ。
「第二防御区画に被弾! 火災発生!」
「第六軌道要塞砲被弾! 砲撃不可能!」
「第三防御スクリーン装置中破! 応急班急行中!」
「第八航空ハッチ被弾! 弾薬庫誘爆!」
……ついに強大な要塞の防御シールドまで貫かれ、要塞自体に次ぎ次に被弾。
攻防の様相は、激烈な戦いへと変化していった。
☆★☆★☆
(……ハンニバル司令艦橋)
「左舷から軌道要塞砲の射撃を確認!」
「着弾来ます!」
――ドォォォン
「左舷被弾!」
「第七装甲区画大破!」
「同区画に火災確認!」
「消火班急げ!」
私はかなり焦っていた。
こちらの被害を鑑みず、敵の急所を窺うという作戦が、こうも辛いとは、思いもしなかったのだ……。
「反撃だ! 要塞砲を叩き潰せ!」
「了解ポコ!」
「大口径レーザー斉射ポコ!」
「艦載機発艦せよ!」
……相手は大要塞である。
ハンニバルが如何に強かろうと、相手が悪かったのだ。
レーザーの束は、大要塞のシールドによって霧散させられていた。
……しかし、
「提督! あれをごらんください!」
副官殿に言われ、視線を要塞に向ける。
「!?」
軌道要塞砲がこちら側から去り、味方の多数が攻め寄せる方向へと応援に行ったのだ。
敵艦載機群や対艦ミサイル砲台も、次々に同じ動きを見せた。
……策がハマったのだ。
きっと味方が動いてくれたのだ。
……動いてくれたというのは、多分不純な動機からで、素直には喜べない部分はあったかもだけれど……。
【邪眼からの通知】……統率がAランクに上昇しました。
……あはは、囮でも統率したウチなのかな? (;’∀’)
☆★☆★☆
「敵砲火激減します!」
「よし、さらに敵要塞の後ろ側へ回り込め、味方を支援するのだ!」
「了解!」
ハンニバルは味方からの距離をさらに広げ、敵要塞の後方部へと回り込み、陽動作戦を展開した。
要塞後方部は、工廠施設や艦載機の飛行場や格納庫が多数設置されていた。
「敵の弱点だ! 攻撃隊を全機発艦させろ!」
「私もケルベロスで出る! クリームヒルト准将! 後の指揮は任せる!」
「了解いたしましたわ!」
私は幕僚たちに敬礼し、艦橋を退出。
格納庫に急ぎ、重装雷撃機であるケルベロスに乗り込んだ。
「スタンバイOK!」
「管制へオールグリーン!」
「ケルベロスへ! 電磁カタパルトで射出する、加速に備えろ!」
「了解!」
――ドウッ
私と愛機は、電磁カタパルトに勢いよく射出される。
飛び出したところには、既に敵の対空火砲が勢いよく上がっていた。
バレルロールを行い回避に努める。
「ハンニバルへ、こちらケルベロス、支援砲撃を求む!」
「了解ポコ!」
ハンニバルの副砲が、ケルベロスの送ったデータ通りの位置に正確に射撃する。
ハンニバルの猛烈な砲撃を受け、次々に敵対空砲が吹き飛ぶ。
……これぞハンニバル名物、観測精密射撃だった。
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