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【第三章】燃え盛るカリバーン帝国
第百二十三話……ヴェロヴェマへの圧力と奴隷船
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――私は トロスト中将の艦隊を徹底的に追撃した。
映画の主人公は、逃げる敵を追い詰めないものだが、私は徹底的に追うのが信条だ。
なぜなら、将来の味方の被害を少しでも減らすためだ。
味方の被害は少ないほど良い。
「識別不能の艦船発見!」
「メインモニターへ出せ!」
「了解!」
逃げる敵を追っていると、不思議な輸送船団を目にした。
明らかに 味方に見捨てられていたのだ。
降伏勧告を送ることにする。
「停船し降伏せよ! さすれば攻撃はしない!」
「敵艦船、停止しました!」
見たことのない輸送船を拿捕した。
ドラグニル陸戦隊に乗り移ってもらう。
「提督! 中には大量の人が乗っています!」
「どんな人だ!?」
「辺境星域の一般人が、寿司詰めにされています!」
……なるほど、これはいわゆる奴隷船だ。
人類は有史以来、奴隷制度継続してきた。
今でも、地球上には、教育も受けられず、職業の選択ができず、1日1ドル以下で働いている人が 5000万人もいると言われる。
我々の文明は奴隷とは無縁でありえないのだ。
……どうやら この奴隷たちは、辺境星系の貧困層であった。
借金のかたに売られたらしい。
直ちに保護し、高速戦艦オムライスに迎えに来てもらう。
「護衛を頼むよ!」
「任せるニャ♪」
この輸送船団は オムライスに護衛されながら 惑星リーリヤへ向かってもらった。
ハンニバルは、トロスト中将の第6艦隊を撃破した後、首都星系ツエルベルク星系へと向かった。
さしたる抵抗もなく、星系外縁を突破。
惑星バルバロッサの衛星軌道上に侵入した。
そこから見たバルバロッサの姿は 美しい地表の岩肌が削れ 痛々しい姿だった。
「レーダーに敵影なし!」
「よし降下するぞ!」
「大気圏突入用意!」
「耐熱シャッター閉じろ!」
「逆噴射ブースター用意!」
「……よし、地上へ降下する」
「了解!」
ハンニバルは 惑星バルバロッサの大気圏に突入。
巨大な艦体が、摩擦熱で赤く焦がした。
「提督!地表に発光信号が見えますわ!」
「読め!」
「了解ポコ!」
「ハンニバルここへ降下されたし、とのことポコ!」
指示された場所へ降下する。
逆噴射のプラスターがうるさい。
その後、指定の場所へ着陸に成功する。
「提督お久しぶりです!」
敬礼し、出迎えてくれたのは、総司令部でいつも歩哨していた男だった。
「ご苦労様、早速だが案内してくれ!」
「はっ!」
彼に地下深くに案内され、奥まった部屋で、皇帝陛下と謁見することができた。
地下の核シェルターの中で、パウリーネさまはご無事であった。
「ヴェロヴェマよ、よく来てくれた! 朕は嬉しいぞ」
「はっ! 有り難き幸せ!」
「ほかの方々は、いずこにいらっしゃいますか!?」
見回すと、お供の者が数名で、高官たちの姿は無いのだ。
「わからない、朕らは逃げるので精一杯だったのだ」
「わかりました、リーゼンフェルトの手の者が来る前に、一旦エールパ星系まで撤退しましょう!」
「……わかった、よきにはからえ!」
ハンニバルは、皇帝陛下とその周りの僅かな者たちを乗せ、惑星バルバロッサを出発。
ツエルベルク星系を後にした。
その後、長距離跳躍を繰り返し、蛮王様が治めるエールパ星系に到達。
皇帝陛下には、惑星リーリヤの蛮王様の元で、かくまってもらうことにしたのだった。
――PIPIPI
【システム】……カロリー不足です。
……やばい、元の世界に戻らなきゃ。
私は慌てて、艦長室からログアウトしたのだった。
☆★☆★☆
私はシャワーを浴びた後。
コンビニに行き、お弁当を買いあさる。
カップ麺もカゴいっぱいに買った。
家に帰り、お湯を沸かし、弁当とカップ麺を食べあさる。
その後、テレビをつけた。
ニュースを見ると、相変わらずルドミラ教国の勢いは強いようだ。
世界の名だたる強国が苦戦している。
……しかし、それは地球全体にとって一概に悪いことでもなのだろうか?
ルドミラ教国は南半球の貧しい国々には、熱狂的に支持されているのだ。
その先に何が待ち構えているのかわかりはしないが……。
――ピンポン
玄関のチャイムが鳴る。
お客様のようだ。
ドアを開けると、スーツを着た黒づくめの男が3人立っていた。
「どちら様で?」
と尋ねると、
「防衛省のものです」
と言われ、びっくりした。
「コードネーム・トロストさんという方が分かりますか?」
一瞬誰だか分からない。
「あなたはコードネーム・ヴェロヴェマさんですよね?」
……ああ、向こうの世界の話か。
トロストって、たしかこの前戦った相手か。
生きてたのかな?
「……お分かりのようですね」
「トロストさんは我が国の防衛に非常に貢献されています。次からは決して邪魔しないでください」
「もし邪魔されるなら、あなたを拘束することもありえます」
Σ( ̄□ ̄|||) そ、そんなバカな
……てか、地球のために頑張ってるのは私じゃないか?
話はどう伝わってるんだ!?
小池勝議員は入院してるんだっけか? (;’∀’)
……彼らは私にそう告げた後、さっさと帰って行った。
これって私やばくね?
……なんだか怖くなった。
私はきっと頑張ってるはずなんだけどな……(´・ω・`)
虚しさを味わいながら、カプセルに入りゲームの世界へと戻った。
映画の主人公は、逃げる敵を追い詰めないものだが、私は徹底的に追うのが信条だ。
なぜなら、将来の味方の被害を少しでも減らすためだ。
味方の被害は少ないほど良い。
「識別不能の艦船発見!」
「メインモニターへ出せ!」
「了解!」
逃げる敵を追っていると、不思議な輸送船団を目にした。
明らかに 味方に見捨てられていたのだ。
降伏勧告を送ることにする。
「停船し降伏せよ! さすれば攻撃はしない!」
「敵艦船、停止しました!」
見たことのない輸送船を拿捕した。
ドラグニル陸戦隊に乗り移ってもらう。
「提督! 中には大量の人が乗っています!」
「どんな人だ!?」
「辺境星域の一般人が、寿司詰めにされています!」
……なるほど、これはいわゆる奴隷船だ。
人類は有史以来、奴隷制度継続してきた。
今でも、地球上には、教育も受けられず、職業の選択ができず、1日1ドル以下で働いている人が 5000万人もいると言われる。
我々の文明は奴隷とは無縁でありえないのだ。
……どうやら この奴隷たちは、辺境星系の貧困層であった。
借金のかたに売られたらしい。
直ちに保護し、高速戦艦オムライスに迎えに来てもらう。
「護衛を頼むよ!」
「任せるニャ♪」
この輸送船団は オムライスに護衛されながら 惑星リーリヤへ向かってもらった。
ハンニバルは、トロスト中将の第6艦隊を撃破した後、首都星系ツエルベルク星系へと向かった。
さしたる抵抗もなく、星系外縁を突破。
惑星バルバロッサの衛星軌道上に侵入した。
そこから見たバルバロッサの姿は 美しい地表の岩肌が削れ 痛々しい姿だった。
「レーダーに敵影なし!」
「よし降下するぞ!」
「大気圏突入用意!」
「耐熱シャッター閉じろ!」
「逆噴射ブースター用意!」
「……よし、地上へ降下する」
「了解!」
ハンニバルは 惑星バルバロッサの大気圏に突入。
巨大な艦体が、摩擦熱で赤く焦がした。
「提督!地表に発光信号が見えますわ!」
「読め!」
「了解ポコ!」
「ハンニバルここへ降下されたし、とのことポコ!」
指示された場所へ降下する。
逆噴射のプラスターがうるさい。
その後、指定の場所へ着陸に成功する。
「提督お久しぶりです!」
敬礼し、出迎えてくれたのは、総司令部でいつも歩哨していた男だった。
「ご苦労様、早速だが案内してくれ!」
「はっ!」
彼に地下深くに案内され、奥まった部屋で、皇帝陛下と謁見することができた。
地下の核シェルターの中で、パウリーネさまはご無事であった。
「ヴェロヴェマよ、よく来てくれた! 朕は嬉しいぞ」
「はっ! 有り難き幸せ!」
「ほかの方々は、いずこにいらっしゃいますか!?」
見回すと、お供の者が数名で、高官たちの姿は無いのだ。
「わからない、朕らは逃げるので精一杯だったのだ」
「わかりました、リーゼンフェルトの手の者が来る前に、一旦エールパ星系まで撤退しましょう!」
「……わかった、よきにはからえ!」
ハンニバルは、皇帝陛下とその周りの僅かな者たちを乗せ、惑星バルバロッサを出発。
ツエルベルク星系を後にした。
その後、長距離跳躍を繰り返し、蛮王様が治めるエールパ星系に到達。
皇帝陛下には、惑星リーリヤの蛮王様の元で、かくまってもらうことにしたのだった。
――PIPIPI
【システム】……カロリー不足です。
……やばい、元の世界に戻らなきゃ。
私は慌てて、艦長室からログアウトしたのだった。
☆★☆★☆
私はシャワーを浴びた後。
コンビニに行き、お弁当を買いあさる。
カップ麺もカゴいっぱいに買った。
家に帰り、お湯を沸かし、弁当とカップ麺を食べあさる。
その後、テレビをつけた。
ニュースを見ると、相変わらずルドミラ教国の勢いは強いようだ。
世界の名だたる強国が苦戦している。
……しかし、それは地球全体にとって一概に悪いことでもなのだろうか?
ルドミラ教国は南半球の貧しい国々には、熱狂的に支持されているのだ。
その先に何が待ち構えているのかわかりはしないが……。
――ピンポン
玄関のチャイムが鳴る。
お客様のようだ。
ドアを開けると、スーツを着た黒づくめの男が3人立っていた。
「どちら様で?」
と尋ねると、
「防衛省のものです」
と言われ、びっくりした。
「コードネーム・トロストさんという方が分かりますか?」
一瞬誰だか分からない。
「あなたはコードネーム・ヴェロヴェマさんですよね?」
……ああ、向こうの世界の話か。
トロストって、たしかこの前戦った相手か。
生きてたのかな?
「……お分かりのようですね」
「トロストさんは我が国の防衛に非常に貢献されています。次からは決して邪魔しないでください」
「もし邪魔されるなら、あなたを拘束することもありえます」
Σ( ̄□ ̄|||) そ、そんなバカな
……てか、地球のために頑張ってるのは私じゃないか?
話はどう伝わってるんだ!?
小池勝議員は入院してるんだっけか? (;’∀’)
……彼らは私にそう告げた後、さっさと帰って行った。
これって私やばくね?
……なんだか怖くなった。
私はきっと頑張ってるはずなんだけどな……(´・ω・`)
虚しさを味わいながら、カプセルに入りゲームの世界へと戻った。
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