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【第二章】赤い地球
第百五話……宇宙空母【ドラグニル】建造
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久しぶりの現実世界。
外は小雨模様のアパートの中。
たまった郵便受けの中を整理する。
まぁ、ほとんどが広告なんだけどね……。
シャワーを浴びた後、やかんに湯を沸かし、コーヒーを淹れる。
今日もご飯はコンビニ弁当である。
午後、久々に兄とビデオチャットで話す。
「議員さん来た?」
「来たよ! びっくりしたよ」
「ははは、そりゃ、びっくりするよな……悪い悪い」
兄は笑う。
「私じゃあ役不足みたいで、議員さんは不満みたいだよ」
「まぁ、地球を救うヒーローにはすべての人間が役不足だろうな……」
「テレビや映画にでてくる主人公を真似したら、無理が出るさ。少しずつやっていくしかないだろうな……」
「……うん」
それから、あちらの世界での戦況について話した。
そのあと、つまらない雑談をして……。
「……じゃあな、カズヤ」
「うん!」
画面の中の兄に向かい、笑顔で少し手を振った。
本当は自分の出生のこととこか聞きたかったんだけど、勇気が少し出なかった……。
……また、今度でいいよね。
……自分は何者なんだろうかと、たまに思う。
意外と宇宙人だったり?
あはは、まさかね……。
☆★☆★☆
アルデンヌ星系を帝国軍が再奪取したことにより、件のワームホールで地球にアクセスできる権利は小池勝議員と関係の深い帝国軍が握ることとなった。
地球の南極に拠点を持つルドミラ教国軍は、その補給連絡線を絶たれたはずだった。
しかし、ルドミラ教国の現地軍はすでに地球の南半球に同盟国を複数持っており、今すぐどうこうなるというほど軟弱な地盤ではなくなっていたのだ……。
(……とある通信)
「リーゼンフェルト提督、地球の南極への侵攻をお願いしたい……」
「……いや、その前に小池君。約束の地球の南半分の領有権は本当に我が帝国のものになるのかね?」
「ええ、いま喫緊の課題として我がN国は国連に働きかけております!」
「働きかけるじゃ困るんだ! すぐにでも権利譲渡したまえ!」
「……我が国としても、精一杯頑張っておりますので……なにとぞ」
「権利譲渡されるまで、侵攻はせぬよ!」
「……そ、そんな!?」
(……通信は切れたようだった)
☆★☆★☆
オムライスとジンギスカンの大型化。
全長を300mに延伸。
各々大型化に伴い、エルゴ機関に加え2基の核融合炉エンジンの装着を決め、機動性の底上げを図る。
側面にアダプティブ・カモフラージュ能力のある追加装甲板を追加設置してステレス性を向上。
艦載機を格納庫に10機搭載。
対惑星小型揚陸艦も2隻積載。
兵装も汎用性を拡大し、電磁レールガンや極超音速ミサイル、高エネルギーレーザーや重質量ガトリング砲等も採用したマルチロール型の高速戦艦として改装する設計案とした。
「……あとは、アルベルトの船か……」
アルベルト王子に聞いたら、部下と乗れる大型の船が良いらしい。
彼の専門分野は陸戦だ。
砲撃重視にした船にするのは良そう……。
対地上戦を支援できる船か……?
うーん。
やっぱり空母が良いだろうな。
よし、宇宙母艦にしよう。
……こうして、アルベルト王子の船は宇宙空母として設計した。
艦名は彼の星系名でもある【ドラグニル】である。
☆★☆★☆
準惑星ツエーリの造船ドックでは、改装や修理、新規建造で賑わっていた。
「旦那様! 新規建造費のお金は!?」
新規空母の建造費用を執事のヨハンさんに尋ねられる。
「え……えと、借金」
「またですの!?」
副官殿が怖い。
「して、いかほど??」
ヨハンさんと副官殿に、大量の借金の明細書を渡す。
「こ、こんなに……」
「いや、だって、部品はあるけど、空母の新規建造費は高いのよ!?」
……先日の戦いの恩賞金が入る公算はあるので、今回はなんとか説得できてよかった。
新規建造も大変なのである……(´・ω・`)
しかし、懐具合が寒いので、マルガレーテとともに宇宙海賊の討伐バイトをこなす。
「きびきび働くニャ!!」
「はい!」
準惑星ツエーリ周辺の辺境星系の宇宙海賊は、ハンニバルによって一時的に根絶やしにされた……。
その原因は新規空母の建造費だったのである。
☆★☆★☆
オムライス型・オムライス
同型艦・ジンギスカン
〇艦種……高速戦艦
〇全長……300m
〇乗員……40名(空戦・地上戦要員除く)
〇主兵装……
【主砲】35.6cm連装砲塔型レーザービーム砲5基
【副砲】8cm単装プラズマ砲24基
【ミサイル】対消滅量子魚雷・他VLS・16セル8基
【艦載機】10機
【積載艦艇】小型揚陸艦2隻
【主機】エルゴ機関
【防御】重力シールド・電磁障壁
ドラグニル型・ドラグニル
〇艦種……中型宇宙母艦(宇宙空母)
〇全長……350m
〇乗員……100名(空戦・地上戦要員除く)
〇主兵装……
【主砲】15.5cm連装砲塔型レーザービーム砲3基
【ミサイル】多目的VLS24セル2基
【艦載機】制空型戦闘機24機・支援型攻撃機16機・高速偵察機2機・補用4機
(計46機)
【積載艦艇】対惑星小型揚陸艦6隻・対要塞型強襲小型揚陸艦4隻
【主機】エルゴ機関
【防御】重力シールド・電磁障壁
外は小雨模様のアパートの中。
たまった郵便受けの中を整理する。
まぁ、ほとんどが広告なんだけどね……。
シャワーを浴びた後、やかんに湯を沸かし、コーヒーを淹れる。
今日もご飯はコンビニ弁当である。
午後、久々に兄とビデオチャットで話す。
「議員さん来た?」
「来たよ! びっくりしたよ」
「ははは、そりゃ、びっくりするよな……悪い悪い」
兄は笑う。
「私じゃあ役不足みたいで、議員さんは不満みたいだよ」
「まぁ、地球を救うヒーローにはすべての人間が役不足だろうな……」
「テレビや映画にでてくる主人公を真似したら、無理が出るさ。少しずつやっていくしかないだろうな……」
「……うん」
それから、あちらの世界での戦況について話した。
そのあと、つまらない雑談をして……。
「……じゃあな、カズヤ」
「うん!」
画面の中の兄に向かい、笑顔で少し手を振った。
本当は自分の出生のこととこか聞きたかったんだけど、勇気が少し出なかった……。
……また、今度でいいよね。
……自分は何者なんだろうかと、たまに思う。
意外と宇宙人だったり?
あはは、まさかね……。
☆★☆★☆
アルデンヌ星系を帝国軍が再奪取したことにより、件のワームホールで地球にアクセスできる権利は小池勝議員と関係の深い帝国軍が握ることとなった。
地球の南極に拠点を持つルドミラ教国軍は、その補給連絡線を絶たれたはずだった。
しかし、ルドミラ教国の現地軍はすでに地球の南半球に同盟国を複数持っており、今すぐどうこうなるというほど軟弱な地盤ではなくなっていたのだ……。
(……とある通信)
「リーゼンフェルト提督、地球の南極への侵攻をお願いしたい……」
「……いや、その前に小池君。約束の地球の南半分の領有権は本当に我が帝国のものになるのかね?」
「ええ、いま喫緊の課題として我がN国は国連に働きかけております!」
「働きかけるじゃ困るんだ! すぐにでも権利譲渡したまえ!」
「……我が国としても、精一杯頑張っておりますので……なにとぞ」
「権利譲渡されるまで、侵攻はせぬよ!」
「……そ、そんな!?」
(……通信は切れたようだった)
☆★☆★☆
オムライスとジンギスカンの大型化。
全長を300mに延伸。
各々大型化に伴い、エルゴ機関に加え2基の核融合炉エンジンの装着を決め、機動性の底上げを図る。
側面にアダプティブ・カモフラージュ能力のある追加装甲板を追加設置してステレス性を向上。
艦載機を格納庫に10機搭載。
対惑星小型揚陸艦も2隻積載。
兵装も汎用性を拡大し、電磁レールガンや極超音速ミサイル、高エネルギーレーザーや重質量ガトリング砲等も採用したマルチロール型の高速戦艦として改装する設計案とした。
「……あとは、アルベルトの船か……」
アルベルト王子に聞いたら、部下と乗れる大型の船が良いらしい。
彼の専門分野は陸戦だ。
砲撃重視にした船にするのは良そう……。
対地上戦を支援できる船か……?
うーん。
やっぱり空母が良いだろうな。
よし、宇宙母艦にしよう。
……こうして、アルベルト王子の船は宇宙空母として設計した。
艦名は彼の星系名でもある【ドラグニル】である。
☆★☆★☆
準惑星ツエーリの造船ドックでは、改装や修理、新規建造で賑わっていた。
「旦那様! 新規建造費のお金は!?」
新規空母の建造費用を執事のヨハンさんに尋ねられる。
「え……えと、借金」
「またですの!?」
副官殿が怖い。
「して、いかほど??」
ヨハンさんと副官殿に、大量の借金の明細書を渡す。
「こ、こんなに……」
「いや、だって、部品はあるけど、空母の新規建造費は高いのよ!?」
……先日の戦いの恩賞金が入る公算はあるので、今回はなんとか説得できてよかった。
新規建造も大変なのである……(´・ω・`)
しかし、懐具合が寒いので、マルガレーテとともに宇宙海賊の討伐バイトをこなす。
「きびきび働くニャ!!」
「はい!」
準惑星ツエーリ周辺の辺境星系の宇宙海賊は、ハンニバルによって一時的に根絶やしにされた……。
その原因は新規空母の建造費だったのである。
☆★☆★☆
オムライス型・オムライス
同型艦・ジンギスカン
〇艦種……高速戦艦
〇全長……300m
〇乗員……40名(空戦・地上戦要員除く)
〇主兵装……
【主砲】35.6cm連装砲塔型レーザービーム砲5基
【副砲】8cm単装プラズマ砲24基
【ミサイル】対消滅量子魚雷・他VLS・16セル8基
【艦載機】10機
【積載艦艇】小型揚陸艦2隻
【主機】エルゴ機関
【防御】重力シールド・電磁障壁
ドラグニル型・ドラグニル
〇艦種……中型宇宙母艦(宇宙空母)
〇全長……350m
〇乗員……100名(空戦・地上戦要員除く)
〇主兵装……
【主砲】15.5cm連装砲塔型レーザービーム砲3基
【ミサイル】多目的VLS24セル2基
【艦載機】制空型戦闘機24機・支援型攻撃機16機・高速偵察機2機・補用4機
(計46機)
【積載艦艇】対惑星小型揚陸艦6隻・対要塞型強襲小型揚陸艦4隻
【主機】エルゴ機関
【防御】重力シールド・電磁障壁
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