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【第二章】赤い地球

第百三話……ケルベロス初陣! ~敵地上司令部を攻撃せよ~

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『GO!』



 管制のグリーンシグナルで、愛機のケルベロスが電磁カタパルトでハンニバルより射出される。





「いやほぉ~♪」



 飛び出した後に、意味もなくバレルロール。





「提督! ふざけないでください!」



 ハンニバルの艦橋より怒られる……(´・ω・`)

 ……任務、任務っと。

 惑星地上戦を有利に運ぶためには、まず制空権の奪取だ……。





「これより敵上空を制圧する!」



「了解! 敵制空戦闘機に気をつけろ!」

「ケルベロス、了解!」



 ケルベロスの主翼を可変させ、機体を細く折りたたむ。





『ハイパー・アフターバーナー・オン!!』



 ……加速で、体が痛い。

 眼球が凹む感じを受ける……。





 その甲斐あって、敵機が軌陸する前に、敵基地上空に到達した。

 可変翼を今度は拡げ、敵飛行場に向けて降下する。





 飛行場で駐機している戦闘機にヘッドオン。

 速射砲のトリガーを深く引く。



 ……ボロ布のように爆散していく敵戦闘機。





 再度旋回して、格納庫に徹甲爆弾を落とす。



 ……格納庫は内容物を吐き出し、次々に爆散する。





 最も敵機を効率よく破壊する方法は、地上での撃破である。

 断じて、ドッグファイトではない……。







――PIPIPI!

 警報が鳴る!

 知らない間に、敵機に後ろに着かれる。



 敵制空戦闘機だ。

 こっちは格闘戦が不利な重雷撃機。

 ……バレルロールを行い必死に逃げる。



 敵がオーバーシュートしてくれ、こちらの眼前に機体を現す。

 しかし、敵もピッチ角を立て、急旋回を試みる。



 ここで、逃げられるわけにはいかない……。

 敵機と共にインメルマン・ターンの形となる。



 下側へのGで、足に血が下がる。

 目の前は明るいはずなのに、……世界が暗い。



 体勢を立て直すと、血が一気に頭に戻る。

 目の前が、……真っ赤だ。



 ……眼の前の敵機を速射砲の餌としたところで、ハンニバルからの通信が入る。





「こちらハンニバル、制空は後続機に任せ、地上支援を頼む!」

「了解!」



 ケルベロスは垂直バーナーを使い着陸。

 主翼を背中にたたみ。腕と脚を出す。

 地上歩行戦闘モードだ。

 背中に長砲身の対戦車電磁砲が二基備わる。





「……アニキ! こっちだ!」



 ドラグニル陸戦隊が近くまで来ていた。

 味方の主力戦車の後ろに一旦隠れる。



 敵は一見には見えなかったが……。

 羅針眼で8000m先の敵戦車を探し、対戦車電磁砲を撃つ。



 ……遥か彼方で、敵戦車が吹っ飛ぶ。





「アニキ、それはイカサマだな!」



 アルベルトに揶揄われる。





「お褒め頂き光栄だ!」



 彼の言葉で少しだけ、慣れない戦闘に気が楽になる……。



 その後も長距離射撃で、次々に敵地上部隊を破壊していった。





 ……この後、陸上戦闘が6時間続いた後、敵司令部は降伏した。







 ケルベロスの初戦果は……、



【航空戦果】

敵機地上撃破……127機。

空戦撃墜……1機。

地上施設破壊……6か所。



【陸上戦果】

戦車破壊……23台。

装甲車破壊……6台

対戦車砲破壊……16基。

重砲破壊……6基。

対空砲破壊……3基。







 ……もっとカッコよく、空戦で沢山撃墜できると良いね。



 私はハンニバルに戻ったあと、初めての撃墜マークを一つ描いた。







☆★☆★☆



「辺境星間部族に陣地を作ってもらって!」

「了解ですわ!」



 私はハンニバルに戻って、いち早い防御態勢を築くことを指示していた。

 ルドミラ教国の主力艦隊が来たら、我が第10艦隊だけでは勝てないからだ……。



 第4惑星上に多数の対空砲やミサイル陣地を展開。

 鋭意、迎撃準備を急いだ。





「提督! 敵の地上司令官は如何なさいますか!?」

「……うん、わからないから、帝国へ後送して」



「かしこまりましたわ!」





 陣地構築をしながらも、敵捕虜の処遇も決めていく……。

 一般市民にも一応は安全状態になった旨を宣伝する。



 ……残念ながら、勇ましく大砲だけをぶっ放すだけでは、提督は務まらなかったのだ。







☆★☆★☆



(その28時間後……)





「星系外縁部にて敵艦隊捕捉!」

「数は!?」



「116隻です!!」



 ……敵の本隊がやってきた。



 我が艦隊は陽動部隊である。

 不利は前提の上で、できるだけ敵を引き付ける必要があった……。





「総員戦闘配置!」

「戦闘艦順次発進!」



「地上部隊はアルベルト少佐の指揮に入れ!」

「了解!」



 ハンニバルをはじめとする第10艦隊は、順次に惑星カイの衛星軌道上へ舞い上がっていく。

 艦隊は惑星重力圏にてとどまり、惑星からの地上支援を利用した防衛布陣を計画していた。



 ここ第4惑星カイの近隣宙域にて、激しい防御戦闘がはじまろうとしていた……。







☆★☆★☆



【可変型重雷撃機】……ケルベロス



〇主要DATE





【主機】



・対消滅式艦載型可変小型エンジン……2基





【操縦方式】



・電脳同期型フライバイ=ライト





【防御】



・簡易型電磁障壁発生装置……1基

・チャフ

・フレア

・物理式リアクティブ・アーマー





【航空機時・兵装】



・重粒子速射砲……1基

・短距離AAM……4発

・中距離AAM……2発

・長距離AAM……1発

・1000ポンド徹甲爆弾……4発

・対消滅式対艦量子魚雷……4発





【二足歩行型地上時・兵装】



・重粒子速射砲……1基

・対戦車電磁砲……2基

・発煙ポット……1基

・対戦車地雷……4個

・簡易迫撃砲……1基

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